業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、製造業において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、生産調整の実施を余儀なくされた自動車業界などで景況感が悪化いたしました。また、非製造業においてもまん延防止等重点措置の適用を受けた自粛ムードの再燃を背景に、消費関連業種の景況感が下振れとなり、全体として、企業の景況感は改善が一服した状況となりました。海外に目を転じますと、中国では、景気は夏場にペースダウンしたものの、秋から持ち直しました。需要面では、外需が好調を維持しているほか、個人消費が底堅く推移いたしました。欧州経済については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、サービス業が下押しされたものの、生産を抑制してきた供給制約に緩和の兆しがあり、生産の回復は当面続く見通しにあります。米国においては、製造業の生産は、夏場に低迷していたものの、増加基調に復帰いたしました。また、供給制約が緩和の方向に向かっており、景況感は堅調を維持しております。このように世界経済は、地政学的リスクへの懸念に加えて、新型コロナウイルス感染症の動向や、需要の拡大と供給面の制約を受け、世界的な物価上昇など、先行き不透明な状況にあります。

 

 このような状況のなか、当期の連結業績の売上高は、前期比10.8%増の2,837億7千7百万円となりました。営業利益は前期比10.3%増の305億4千万円となりました。経常利益は前期比13.8%増の336億2百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比24.8%増の229億5千9百万円となりました。

 資産合計は、前期比259億4千1百万円増加し、3,330億6千8百万円となりました。負債合計は、前期比37億1千5百万円増加し、1,321億9千3百万円となりました。純資産合計については、前期比222億2千6百万円増加して、2,008億7千5百万円となりました。その結果、自己資本比率は59.5%、1株当たり純資産は1,978円36銭となりました。

 

  セグメントの経営成績を示すと次のとおりです。

 各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。

 

合成樹脂成形品事業

 合成樹脂成形品事業の売上高は前期比10.1%増の2,540億4千4百万円となりました。セグメント利益は、前期比4.2%増の301億5千7百万円となりました。

ベッド及び家具事業

 ベッド及び家具事業は、売上高は前期比17.4%増の297億3千2百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比34.2%増の55億6千4百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、317億4千3百万円の資金の増加となり、前期が399億2千2百万円の資金の増加であったことと比べて、81億7千8百万円の減少となりました。これは、仕入債務の増減額が増加から減少に転じたこと、棚卸資産の増減額が増加したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、94億7千9百万円の資金の減少となり、前期が125億7千万円の資金の減少であったことと比べて、30億9千1百万円の増加となりました。これは、前期は当期と比較して工場の建屋など有形固定資産の取得による支出が大きかったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、135億1千6百万円の資金の減少となり、前期が202億7千3百万円の資金の減少であったことと比べて、67億5千6百万円の増加となりました。これは、前期は社債の償還による支出があったこと等によるものであります。

  以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末と比較して142億4千7百万円増加し、1,099億9千2百万円となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

  a 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

185,135

117.5

ベッド及び家具事業(百万円)

10,591

109.0

合計(百万円)

195,726

117.0

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  b 商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

15,048

97.4

ベッド及び家具事業(百万円)

2,561

151.5

合計(百万円)

17,609

102.7

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  c 受注実績

 当社及び連結子会社は受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の生産実績等を参考とした見込生産によっております。

 

  d 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

254,044

110.1

ベッド及び家具事業(百万円)

29,732

117.4

合計(百万円)

283,777

110.8

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産、負債、偶発資産及び偶発債務並びに会計期間における収益及び費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと実績が異なる場合があります。当社は、重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。

  a 棚卸資産

当社グループは、棚卸資産の推定される将来需要及び市場状況等に基づく収益性の悪化について、評価減を計上しております。実際の将来需要又は市場状況等が見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

  b 投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係の開拓・維持等のため特定の顧客の株式及び余資の運用としての株式等を所有しております。これら株式等には価格変動性が高い市場価格のあるものと、市場価格等の算定が困難である非公開会社が含まれております。当社グループは、原則として市場価格のあるものについては投資原価の下落率が50%以上のもの、また市場価格のないものについては、それら会社の財政状態が悪化し純資産の下落率が50%以上のものについて、それぞれ減損処理を行っております。また30%~50%程度下落したものについては、金額の重要性、回復可能性等を考慮し、必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の市場悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

  c 退職給付費用

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の収益率などが含まれます。親会社及び一部の国内子会社の年金制度において、割引率は日本の国債の市場利回りをもとに退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は変更された場合、その影響額は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼします。近年の割引率の低下及び年金資産の運用率の低下は、当社グループの年金費用に対して悪影響を及ぼします。未認識の数理計算上の差異及び制度変更等による過去勤務費用にかかる償却は、年金費用の一部を構成しておりますが、前提条件の変化による影響や実際との結果との違いの影響を規則的に費用認識したものであります。

  d 有形固定資産の減損

当社グループは、自社利用の事業用資産については、事業所単位もしくは連結子会社単位で、賃貸用不動産、
遊休資産及び売却予定資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っております。
 当連結会計年度においては、合成樹脂セグメントに含まれる中国における韓国系ビジネス拠点において得意先である韓国系自動車メーカーの中国での生産体制の見直しによって経営環境が悪化していることから、減損の兆候が存在すると判断し、回収可能価額を見積もっております。減損テストにおいては、資産グループの回収可能価額は使用価値又は処分コスト控除後の公正価値が用いられております。

利富高(塩城)精密樹脂制品有限公司については、減損損失の認識を判定した結果、処分コスト控除後の公正価値が固定資産の帳簿価額を上回ったことから減損損失は認識しておりません。

処分コスト控除後の公正価値の見積りにおいては、外部の専門家による鑑定評価額を基礎として算定しており、当該鑑定評価額の算定に用いる評価手法及びその前提条件の選択は、算定結果に重要な影響を及ぼします。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(1)当連結会計年度の経営成績等

   当社グループの主要顧客であります自動車メーカーにつきましては、日本市場では、当期において対前年同期比で生産台数、販売台数ともに前年割れとなりました。海外におきましても、韓国市場、米国市場及び欧州市場において、対前年同期比で生産台数、販売台数ともに前年割れとなりましたが、中国市場及びインド市場では、生産台数、販売台数ともに対前年同期比を上回った状況となりました。

   このような状況のなか、当期の連結業績は、売上高は、前期比10.8%増の2,837億7千7百万円となりました。利益面では、材料費や物流費の高騰を受けたものの、固定費の抑制に努めたことにより、営業利益は前期比10.3%増の305億4千万円となりました。経常利益は為替レートの好転により、前期比13.8%増の336億2百万円となりました。また、連結子会社であるNifco Products Espana, S.L.U.の売却に伴い売却損等が発生し、特別損失として8億4百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比24.8%増の229億5千9百万円となりました。

  資産合計は、前期比259億4千1百万円増加し、3,330億6千8百万円となりました。主な増加要因としては、会計方針の変更に記載のとおり、収益認識に関する会計基準等の適用等により、建設仮勘定が34億7千9百万円、金型が17億3千2百万円減少したものの、商品及び製品が72億7千9百万円増加しております。また、現金及び預金が157億5千9百万円増加したこと等によるものであります。

  負債合計は、前期比37億1千5百万円増加し、1,321億9千3百万円となりました。増加要因としては、支払手形及び買掛金が13億4千6百万円、繰延税金負債が12億5千3百万円増加したこと等によるものであります。

  純資産合計は、前期比222億2千6百万円増加して、2,008億7千5百万円となりました。主として利益剰余金が170億7千6百万円増加したこと、及び円安により為替換算調整勘定が85億1千2百万円増加したこと等によるものであります。

  以上の結果、自己資本比率は前期比2.0ポイント増加し、59.5%、1株当たり純資産は1,978円36銭となりました。

 

(2)経営成績に重要な影響を与える要因

a 経済状況

当社グループでは、自動車メーカー、特に主要日系自動車メーカーに対する売上比率が高い水準にありますが、これら日系自動車メーカー向けの製品の需要は、世界経済の動向、特に主要市場である日本をはじめ米国、中国などの経済状況に影響を受け、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす場合があります。

b 原油及びナフサ価格の高騰

当社グループは、原油価格及びナフサ等の石油製品の価格が高騰し、その期間が長期に及ぶ場合には原材料価格の上昇により、経営成績に影響が生じる可能性があります。

c 取引先からの値引き要請

当社グループは、取引先からの価格値引き要請に対して生産コストの削減等の努力をしておりますが、予想以上に値引き要請が強い場合、経営成績に重要な影響を受ける場合があります。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

  当社グループの運転資金は、主に製品製造過程に供される原材料や部材の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費、物流費、研究開発費であります。これらの必要資金は、利益の計上から生み出した内部資金により賄っております。

  設備投資資金については、その投資に際し、投資採算及びキャッシュ・フローを重視し実施しております。これら設備投資の資金は、原則として減価償却費及び利益の計上から生み出された内部資金の一部を充当することとしておりますが、国内、海外での積極的な設備投資については、状況に応じて社債発行及び外部借入で調達することとしております。

  当社グループは、健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力等により、運転資金及び通常の設備投資資金を調達し、将来の成長のための投資及びM&A資金などについては、長期で低利な条件での調達を実施しております。

  これにより当社グループの調達手段の多様化及び低コストでの長期安定資金の調達が実現し、更に資本コストの引き下げ効果及び、設備投資効果と相俟って、今後も財務体質は引き続き安定して推移するものと考えております。

 

(4)セグメントごとの経営成績等

a 合成樹脂成形品事業

〔国内自動車業界向け〕

 国内の自動車生産につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による減産により、特に第2四半期に大きく当初の計画を下回りました。第3四半期以降には生産が若干挽回に転じたものの計画達成までには至らず、第4四半期にはふたたび感染拡大による生産減が加わり、計画を下回る結果となりました。

 

〔海外自動車業界向け〕

 海外においては、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響に加え、半導体不足や原材料費、物流費の高騰により全体として苦戦を強いられる1年となりました。北米においては、原材料メーカーの異常気象による稼働停止により原材料確保に追加的なコストがかかり業績は低迷、ドイツOEM向け北米事業も売上は伸びたものの、新型コロナウイルス集団感染で製造に支障をきたすなどして北米全体の利益は大きく落ち込みました。欧州も半導体不足と原材料高の影響を受け全体として売上・利益ともに伸び悩みました。一方、タイを中心とするアセアン地域は、これらの影響が軽微で好調を維持、中国も拠点によりばらつきはあるものの、全体として堅調に推移しました。韓国OEM向け事業も中国を除いて世界的に好調を維持し、欧米の日系、ドイツ系事業の不振を補う形となりました。欧州及び中国で業績不振拠点を中心に拠点の統廃合等を進めており、前年度より推進している固定費削減と併せて、売上の変動による利益の下振れを最小限に留めるよう体質強化に努めております。

 

〔その他業界向け〕

 住生活分野においては、海外のロックダウンやウッドショックの影響により、1年を通して不安定な状況が続きましたが、新製品の投入によって、売上高は前期比増となりました。またバックル分野では、ベトナムのロックダウンにより一時的に受注減となりましたが、欧米市場を中心とした外出規制の緩和でスポーツやアウトドアが活況となったことから、売上高は前期比増となりました。

 

  以上の結果、合成樹脂成形品事業は、売上高は前期比10.1%増の2,540億4千4百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比4.2%増の301億5千7百万円となりました。

 

b ベッド及び家具事業

  ベッド及び家具事業は、国内及び海外とも昨年に比べホテル需要が減少した一方、国内では販売店向けが大きく伸び、海外でも中国・シンガポールにて卸・小売が好調であったため、大幅な増収増益となりました。この結果、ベッド及び家具事業売上高は前期比17.4%増の297億3千2百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比34.2%増の55億6千4百万円となりました。

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得