(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に一定の歯止めがかかったものの、行動制限の影響や変異株による再拡大への懸念に加え、物価上昇への警戒も高まり、個人消費の戻りは限定的な水準にとどまりました。
当社が属する製造業においては、資本財を中心に好調な生産動向を示したものの、半導体などの部品の不足や物流の停滞等により一部の業界では生産に支障が生じ、さらには原材料などの価格上昇が企業収益を圧迫する状況となりました。
一方海外経済は、先進国を中心に個人消費や企業の生産活動は改善に向かったものの、物流コスト及び資源価格の上昇並びに変異株による感染の再拡大が重石となり、加えてロシアによるウクライナへの侵攻など地政学的リスクが顕在化したこともあり、回復の勢いは期末にかけて鈍化しました。
以上の事業環境下当社グループは、当期を2年目としていた3か年中期経営計画“New Frontier 2022”(NF2022)で掲げた戦略に沿って、半導体など成長市場に向けた製品競争力及び供給能力の強化並びに企業と事業の構造改革に取り組みました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高が531億6千7百万円(前年同期比18.9%増)、営業利益が69億7千2百万円(同100.6%増)、経常利益が71億9千3百万円(同95.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が48億4千1百万円(同56.7%増)となりました。
なお、当連結会計年度の営業利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、次期を最終年度としていた中期経営計画NF2022で設定した経営目標数値を上回りました。
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による業績への影響は、主に次のとおりであります。
・現地政府の休業指示等による海外販売・生産拠点の稼働低下による販売の減少と収益性の悪化(主にASEAN)
・顧客の生産調整に伴う当社製商品の納入調整による販売の減少(自動車を含む機器市場向け)
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(シール製品事業)
シール製品事業は、半導体製造装置・デバイスなど先端産業市場向けの拡大と自動車など機器市場向けの回復により、売上高は349億9千5百万円(前年同期比11.6%増)、セグメント利益は55億6百万円(同32.3%増)となりました。
(機能樹脂製品事業)
機能樹脂製品事業は、半導体製造装置・デバイスなど先端産業市場向けと高機能化学品プラントなどプラント市場向けの需要が大きく回復したことにより、売上高は150億8千8百万円(前年同期比40.5%増)となり、販売及び生産数量の増加並びに事業構造改革の効果によりセグメント利益は13億7千2百万円(前年同期はセグメント損失5億8千8百万円)となりました。(シリコンウエハーリサイクル事業他)
シリコンウエハーリサイクル事業他は、新規事業分野を含むH&S事業の販売が停滞する一方で、主力事業であるシリコンウエハーリサイクル事業の業績は期を通じて安定的に推移し、さらに第4四半期における特殊案件の計上もあり、売上高は30億8千2百万円(前年同期比17.4%増)、セグメント利益は9千3百万円(前年同期はセグメント損失9千6百万円)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、総資産が前連結会計年度末に比べ75億8百万円増加し、602億円となりました。流動資産は349億3千5百万円となり、52億3千7百万円増加しました。この主な要因は、売掛金の増加23億9千4百万円、原材料及び貯蔵品の増加9億4千9百万円、商品及び製品の増加5億5千6百万円、仕掛品の増加3億5千万円、電子記録債権の増加1億8千8百万円、受取手形の増加1億9百万円等によるものであります。
有形固定資産は175億4千5百万円となり、10億5千万円増加しました。この主な要因は、建物及び構築物の増加19億6千4百万円、建設仮勘定の減少5億8千万円、機械装置及び運搬具の減少3億5千万円等によるものであります。無形固定資産は15億1千6百万円となり、9千万円増加しました。この主な要因は、ソフトウエアの増加9千5百万円等によるものであります。投資その他の資産は62億2百万円となり、11億2千9百万円増加しました。この主な要因は、投資有価証券の増加8億4千3百万円、退職給付に係る資産の増加2億6千万円等によるものであります。それらの結果、固定資産は252億6千4百万円となり、22億7千1百万円増加しました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ38億3百万円増加し、192億2千万円となりました。流動負債は133億3千6百万円となり、25億7千2百万円増加しました。この主な要因は、電子記録債務の増加9億2千7百万円、未払法人税等の増加4億3千3百万円、支払手形及び買掛金の増加2億9千8百万円、その他に含まれる未払金の増加2億8千6百万円等によるものであります。
固定負債は58億8千3百万円となり、12億3千万円増加しました。この主な要因は、長期借入金の増加11億2千5百万円等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ37億4百万円増加し、409億7千9百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加30億7千4百万円、為替換算調整勘定の増加7億6千8百万円等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3千5百万円増加し、当連結会計年度末には80億6千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、52億2千7百万円(前年同期比14.0%増)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益71億2千2百万円、減価償却費24億9千9百万円、売上債権の増加22億2千1百万円、法人税等の支払額17億7千8百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、36億9千5百万円(前年同期比59.0%増)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得・売却による純支出26億1千3百万円、投資有価証券の取得・売却による純支出6億2千5百万円、無形固定資産の取得による支出4億3千万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、18億7百万円(前年同期比125.1%増)となりました。
これは主に、配当金の支払額17億6千1百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出5億5千8百万円、リース債務の返済による支出1億8千9百万円、短期借入金の純支出1億7千6百万円、長期借入金の純収入9億6千3百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
シール製品事業(百万円) |
13,593 |
116.4 |
機能樹脂製品事業(百万円) |
9,372 |
147.4 |
シリコンウエハーリサイクル事業他(百万円) |
2,889 |
118.0 |
合計(百万円) |
25,854 |
126.2 |
(注) 上記の金額は、販売価格によっております。
b. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
シール製品事業(百万円) |
12,180 |
120.2 |
機能樹脂製品事業(百万円) |
5,442 |
116.9 |
シリコンウエハーリサイクル事業他(百万円) |
191 |
114.9 |
合計(百万円) |
17,814 |
119.1 |
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
シール製品事業 |
36,822 |
117.1 |
5,511 |
149.6 |
機能樹脂製品事業 |
17,880 |
158.2 |
6,588 |
173.5 |
シリコンウエハーリサイクル事業他 |
3,160 |
122.3 |
261 |
142.1 |
合 計 |
57,862 |
127.6 |
12,360 |
161.3 |
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
シール製品事業(百万円) |
34,995 |
111.6 |
機能樹脂製品事業(百万円) |
15,088 |
140.5 |
シリコンウエハーリサイクル事業他(百万円) |
3,082 |
117.4 |
合計(百万円) |
53,167 |
118.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期上期の事業環境は、半導体不足などのマイナス要素はあったものの、新型コロナウイルス感染症からの回復色がより強まる状況となり、当社グループの顧客における生産も活発なものとなりました。しかし、下期にかけては、半導体不足に加え、資源及び原材料価格の一段の上昇や部品不足が企業の生産活動の足かせになりました。第4四半期にはロシアによるウクライナ侵攻が発生し、今後の企業活動や個人消費に影を落とすことが懸念される状況となりました。このような環境下当社グループは、戦略市場として位置づけている先端産業市場向けをはじめ、主要市場に向けた販売の回復・拡大を図りつつ、コストの抑制に努めました。その結果、連結業績は前期比で大きく拡大し、収益性も改善し、過去最高の連結業績を達成するとともに、2023年3月期を最終年度としていた中期経営計画NF2022の経営目標数値のうち、営業利益と親会社株主に帰属する当期純利益については1期前倒しで到達することとなりました。
業績の推移につきましては、上期・下期とも売上高及び全利益で前年同期を上回り、かつ、半期トレンドでみましても、この下期で、売上高は3半期連続、売上総利益及び営業利益は4半期連続の増加となりました。前期からの営業利益の変動要因ですが、当期の売上総利益は、前期比で約40億円増えましたが、この増加は、戦略製品などの売上高の拡大を反映したことに加え、効率化施策や原価低減活動などの寄与によるものであります。また、販管費については前期比で4億8千万円増加しましたが、退職給付費用の減額や人材配置の最適化等により人件費の抑制を進めた一方で、売上高の拡大に伴い一般経費が増加した影響によるものであります。
当期末のバランスシートにつきましては、成長分野に向けた業容の拡大、DXの推進、IT基盤の強化などに向けて借り入れを増やした結果、有利子負債は増加いたしました。
キャッシュ・フローでは、フリー・キャッシュ・フローが減少しました。これは営業キャッシュ・フローにおいて、販売高や生産高の拡大に伴い売上債権や棚卸資産が増加したこと、また、投資キャッシュ・フローにおいて、サプライチェーンの拡充や事業パートナーとの資本業務提携の推進などの投資を行ったことをそれぞれ反映しており、フリー・キャッシュ・フローの減少は、前向きな理由によるものが大きいと捉えております。なお、棚卸資産の増額には、価格上昇に備えた原材料の積み増しが反映されております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与えた要因としては、主要3市場(先端産業市場、機器市場、プラント市場)全てで前期の売上高を上回る実績となりましたが、特に大きな拡大に成功したのが先端産業市場であります。実績の背景には、市場要因はもちろんありますが、当社グループの戦略の効果も相当にあると捉えております。先端産業市場に向けては、NF2022を通じて高機能シール製品と機能樹脂特殊タンク製品を戦略製品とし、製品レベルの向上と供給能力の増強に取り組んできました。また、能力増強としましては、2021年3月期には高機能シール製品、そして当期には機能樹脂特殊タンク製品の供給体制の整備計画が完了し、業績拡大に寄与いたしました。
グループの資本の財源及び資金の流動性については、自己資本比率は安定的な水準を保ちましたが、この水準がベストなものであるかは、検討の余地があると考えております。今後は不透明な要素が多い事業環境下における安定性と成長に向けた投資とのベストバランスを常に意識し、財務運営を図ってまいります。
当社グループの経営上の目標の達成状況につきましては、「総資産当期純利益率(ROA)」及び「自己資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「総資産当期純利益率(ROA)」は8.6%(前年同期比2.5ポイント改善)、「自己資本利益率(ROE)」は12.8%(前年同期比3.8ポイント改善)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(シール製品事業)
主力のシール製品事業では、先端産業市場向けの業容の拡大を図る一方で、機器市場及びプラント市場に向けては、顧客の生産動向の回復に対応しつつも、収益性を高める施策を実行いたしました。特に大きな伸びを示した先端産業市場向けでは期を通じて高水準の販売状況を示し、高機能シール製品を中心に、国内外の半導体製造装置メーカー向け・デバイスメーカー向けの販売がともに伸長しました。利益面では、グループ全体の戦略投資負担の増加はあったものの、高機能製品の販売数量の増加や効率化施策の効果により、セグメント利益は30%を超える増加を示し、セグメント利益率も15%台に到達しました。
セグメント資産につきましては、329億2千3百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
(機能樹脂製品事業)
機能樹脂製品事業では、上期から本格的に業績が回復し、下期に入りそれをより確かなものと反映することができ、前期比で大幅な増収と黒字転換を実現しました。この要因は、販売面では、事業の立て直しの柱となることを期待し、戦略製品として位置づけたふっ素樹脂特殊タンク製品が海外半導体デバイスメーカー及び高純度・高機能化学品プラント向けで大きく数字を伸ばしたことに加え、利益創出の点では、販売・生産数量の増加の効果に加え、強い決意のもと推進してきた事業構造改革の効果が寄与したと認識しています
セグメント資産につきましては、140億3千1百万円(前年同期比45.8%増)となりました。
(シリコンウエハーリサイクル事業他)
主力のシリコンウエハーリサイクル事業は、前期に顧客の調達方針変更による影響を受けて業績が悪化しましたが、当期はその穴埋めをすることができ、加えて、効率化投資の効果や特殊案件の計上もあり、業績は回復しました。一方、新たな顧客価値の創造を目的としたH&S事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が残り、顧客の新規採用に向けた検討が停滞した影響を受け、当期の業績寄与は限定的なものとなりました。
セグメント資産につきましては、27億6千9百万円(前年同期比1.5%減)となりました。
経営者の問題認識と今後の方針について
次期に向けて当社グループ周辺においては、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢など、世界全体の経済回復に向けた動きに影響を与え得る多くの不透明要素が存在しております。
このような事業環境下において当社グループは、次期を開始年度とする2か年中期経営計画NF2023で掲げた基本方針、
《激変する世界情勢の中、「THE VALQUA WAY」のもと顧客の信頼に応え、
H(Hard)&S(Service)の両輪で新たな価値を創造し続ける企業を目指そう》
1.大胆なM&Aや業務提携の加速による新素材・新市場・新事業への参入
2.地政学リスクの増大に対応したサプライチェーン改革の断行
3.継続的な顧客価値を生み出すAI/ITソリューションの事業確立
4.新たなビジネス領域へ展開するための研究開発と人材育成の加速
5.既存事業をより強化するための設備投資の増強と販売チャネルの拡充
のもと、創業100周年期にあたる2027年3月期に向けて設定した長期経営目標数値『連結売上高800億円、ROE15%以上』の達成をより確かなものにし、そしてさらなる業容の拡大を強く意識し、諸戦略を着実にかつ迅速に推進いたします 。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度はエラストマー製品等のシール製品事業、ふっ素樹脂製品等の機能樹脂製品事業、シリコンウエハーリサイクル等のシリコンウエハーリサイクル事業他にて設備投資を実施するなどの既存事業の成長に向けた投資を着実に推進しました。
このように、当社グループにおける主な資金需要は、健全で持続的な成長を実現するための成長投資と考えており、これらの投資資金は、内部留保金の配分とともに、金融機関からの借入金等により充当しております。なお、借入金のうち、短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金は、主に設備投資に係る資金調達であります。
手許の運転資金につきましては、グループファイナンスを通じて、国内連結子会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
また、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っております。
当社グループにおける当連結会計年度における流動比率は261.9%(前連結会計年度275.9%)となっており、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は1.0倍となりました。直近5ヵ年における以下の数表の通りであります。
|
第118期 2018年3月期 |
第119期 2019年3月期 |
第120期 2020年3月期 |
第121期 2021年3月期 |
第122期 2022年3月期 |
流動比率(%) |
235.1 |
212.4 |
254.9 |
275.9 |
261.9 |
自己資本比率(%) |
65.3 |
66.2 |
69.3 |
67.7 |
66.0 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
102.8 |
78.5 |
64.0 |
71.4 |
78.1 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍) |
1.1 |
0.7 |
0.6 |
0.9 |
1.0 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
64.7 |
100.8 |
71.6 |
66.3 |
84.3 |
当社グループでは、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大による業績の大幅な悪化による手許資金減少、或いは生産会社の稼働停止や主要顧客の稼働停止等不測の事態に備え、主要取引銀行との間で30億円のコミットメントラインの締結を行っております。このように、リスクに対応するとともに、今後の事業展開においても、感染症をめぐる市場の変化や、回復後に訪れるであろう変化の芽を的確に捉え、スピーディーに対応してまいりたいと考えております。2023年3月期の新規の設備投資は、事業基盤の再構築を目指し、キャッシュ・フローを重視しながら、次なる飛躍に繋げてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行わなければなりません。したがって、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。
当社は、特に以下の会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えております。
a. 固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
b. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を慎重に計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積に依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
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