有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新型コロナウイルス感染症に関連するリスクについて
新型コロナウイルス感染症(以下「本感染症」と言います)により当社グループに特に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に以下に掲げる事項があると認識しております。当社グループでは、グループ一丸となって本感染症に対するリスク管理対応を行っております。
①役員、従業員の本感染症のり患
当社グループの役員、従業員が本感染症にり患し、社内にクラスターが発生した場合、当該事業所の活動が停止または遅延することにより、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、役員及び従業員並びにその家族の健康と安全の確保と本感染症の拡大防止のため、在宅勤務や時差出勤の推進、事業所内消毒の実施、各事業所間の往来の原則禁止等の対策を強化しております。
②販売対象国、地域での景気後退、需要の縮小
当社グループの販売対象国、地域における本感染症の感染拡大が長期化した場合、当社製品の製品売上高が減少し、業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。加えて、本感染症の影響により当社グループの取引先の信用状況が悪化した場合、当社グループの売掛債権回収の停滞や貸倒等により、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、業績及び財政状況への影響を最小化するため、信用調査を強化し、与信限度、回収条件の見直しを検討しております。
③調達先の倒産、提携先等の変化
本感染症の影響による調達先の倒産が発生した場合、製品の原材料や仕入品の調達遅延または調達不能となり、業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、このような状況下でも生産効率の向上や徹底したコスト削減を進めるとともに製品別に調達先の状況を確認し、リードタイムと在庫状況を踏まえた必要在庫の手配と確保により、業績及び財政状況への影響の最小化に努めております。
(2)経済状況について
当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める大判インクジェットプリンタ及びプロッタの需要は、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。また、当社の主力顧客であっても、設備投資の抑制などにより期待どおり受注できない可能性があります。従いまして、日本、北米、欧州、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退、及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替レートの変動について
当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドル及びユーロに対する円高)は当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの事業に好影響をもたらします。
当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における製造と調達のコストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、通貨ヘッジ取引を行い、米ドル、ユーロ及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしております。
(4)価格競争について
大判インクジェットプリンタ及びプロッタの業界における競争はたいへん厳しいものとなっております。当社グループは、当社グループが属している各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面すると予想されます。競合先にはメーカーと販売業者があり、その一部は当社グループよりも多くの研究、開発や製造、販売の資源を有している場合があります。当社グループは、技術的に他社より優れ、高品質で高付加価値の製品を送り出す世界的なリーディングメーカーの一社であると考える一方で、将来においても有効な競争力と成長を持続するため、業務プロセス改革、仕組み改革、ITシステム改革を実施し、収益力向上に取り組んでおります。
(5)国際的活動及び海外進出に潜在するリスクについて
当社グループの販売活動は、欧州や北米、中南米ならびにアジア・オセアニア・中近東市場等の日本国外でも行われております。これらの海外市場の事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。
①予期しない法律または規制の変更
②不利な政治的または経済的要因
③人材の採用と確保の難しさ
④未整備の技術インフラが、当社グループの活動に悪影響を及ぼす、または当社グループの製品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性
⑤不利な税制の影響
⑥テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
従いまして、これらの事象は業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産保護の限界について
当社グループは他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似する、もしくは当社グループより優れている技術の開発、当社グループの特許や企業秘密の模倣、または解析調査の防止をできない可能性があります。さらに、当社グループの将来の製品または技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。
当社グループでは、当社の知的財産権の流用、他者の知的財産権の侵害を最小限に食い止めるため、現地販売会社と連携し情報収集に努めております。
(7)製品の欠陥について
当社グループは世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、すべての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、品質管理体制を強化し、重大な製品の欠陥が発生しない様に努めております。
(8)公的規制について
当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があります。また、規制を遵守できなかった場合は、コストの増加につながる可能性があります。従いまして、当社グループは、規制の順守に努めております。
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