文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、『私たちは、情報サービスを通して「価値あるしくみ」を創造することで、社会の発展に貢献します。』という経営理念のもと、お客様の経営に役立つ最適な情報システムと高品質なサービスを提供いたします。また、より付加価値の高いビジネスに取り組むとともに、営業力を強化することで収益性を向上し、企業価値を高め、すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業となるべく、グループ全役職員が一丸となって取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「お客様の価値(業績)を高める経営パートナー」となることを目標に、お客様の企業価値を高める最適なソリューションの提案や高付加価値商品の開発・拡販に努め、お客様との信頼関係をより強いものにしてまいります。
新規中期経営計画(2022年度から2024年度)においては、新たな価値創造に挑戦し、新たなビジネスの種を生み出すM&A、業務提携、新規ビジネス投資, 挑戦する企業文化形成などに取り組んでまいります。主要な経営指標としては、成長性・収益性については売上高、営業利益ならびに営業利益率、資本効率についてはROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)としております。
そのため、当社グループのコア市場である中堅市場に経営資源を集中させるとともに、独自のビジネスモデルを創造することで、品質・生産性の向上に努め、収益力の強化を図ってまいります。
また、これまで培ってきたスキル・ノウハウの活用と共有による組織力強化に加え、最適なソリューションを提案できる人材の育成、あわせて外部パートナーとの協業をより積極的に推進してまいります。
(3)経営環境および事業戦略
当社グループの事業基盤の特徴としては以下があげられます。
① 長い歴史の中で構築されたお客さまからの信頼
当社は、設立以来68年に渡りお客さまに寄り添い、業務を理解し提案することで深い信頼関係を構築しており、直接取引を中心とした2万社以上のお客さまと取引を継続しております。信頼関係の維持ならびに向上に当たっては、毎年実施している顧客満足度アンケートにより、お客さまからの評価を分析し具体的な改善活動に繋げております。これらの取り組みにより、既存のお客さまからのリピート受注が90%を超えており、お客さまの業務理解と信頼関係がさらに深化する好循環を構築しております。
② お客さまの業務に精通することでコトづくりを提供
当社は、富士通株式会社とパートナー契約を締結しており、同社との共創に加え、マルチベンダーの推進により常にお客さまニーズに合わせた最適な商品・サービスの提供が可能です。加えてソリューションパートナーを始めとした2,700社を超えるパートナー企業と密接なパートナーシップを構築し、互いの強みを融合して強力なソリューションを提供しております。
これらを統合して、ICTに関するコンサルティングからシステム設計、構築、運用、検証までをワンストップで最適解を提供し差別化を図っております。
③ 共創から生まれた独自のパッケージソフトによる市場開拓
当社は、お客さまの業務を理解し信頼関係を構築しながら、お客さまのニーズに応えたソリューションの提供を継続してまいりましたが、個々のプロジェクトで培ったソリューションを自社パッケージ化し、同様のニーズを持つお客さまに提供しております。具体的には、製造業向け個別受注型生産管理システム、間接材調達支援システム、流通専門店向け次世代POSシステム等、お客さまとの共創による成果として新規のお客さまへの提供にも寄与しております。
今後の見通しにつきましては、国際情勢不安、エネルギー価格や原材料価格の高騰、為替変動の影響等により、先行き不透明な状況が続くと見込んでおります。
また、社会構造、ビジネスモデル、テクノロジーの変化に対応するため、社会、企業活動、人々の生活における様々な場面でデジタル化が更に加速し拡大していくことから、これまで以上にICTへのニーズは多様化していくものと思われます。
このような環境のなか、当社グループは、2030年3月期を最終年度とする長期経営ビジョン「CANVAS(キャンバス)」をとりまとめました。また、当初の三年間で達成すべき目標を中期経営計画「CANVAS ONE(キャンバス・ワン)」として策定し、未来に向け新たなスタートを切りました。
「新たな価値提供への挑戦を続け、彩りのある企業へ~Be Challenging,Be Colorful~」をグループ共通のテーマに、これまでの収益構造を変革し、環境変化に強い企業集団として新たな価値を提供してまいります。
また、「CANVAS ONE(キャンバス・ワン)」では、①『新たな価値創造への「挑戦」』、②『「強み」を活かしたコアビジネスの成長』、③『「強み」×「挑戦」を支える事業基盤の強化』の三つを基本戦略に掲げ、「五方良し」の経営を実践することで持続的な成長と企業価値の向上を図り、すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業となるべく、グループ全役職員が一丸となって取り組んでまいります。
なお、第70期の重点施策は以下のとおりです。
① 新規事業創出への取り組み
・新規事業創出を推進するための「目利き力」「価値想像力」の強化に向け、ビジネスクエスト本部、リザルトチェイン準備室を創設します。
・新規事業を創出するアイデアについて、これまで以上に厳しい検証、評価を通じて事業化へと繋げていく仕組みを構築します。
・お客さまとの協業・協創力を高めるとともに、パートナーとのリレーションを強化し、ビジネス協創による価値創出機会の拡大に努めます。
② 営業利益率5%に向けた取り組み
・労働集約型ビジネスからの脱却を目指し、デジタルマーケティングの活用や部門間連携による生産性向上を実現します。
・独自性があり、高利益率の重点ソリューションについて、新技術の適用や機能強化等により、高生産性、高付加価値を提供するソリューションへの進化を目指します。
・DX人財の育成等に繋がるビジネススキルやマネジメント力の強化等、人財戦略を実行するため人的投資を継続していきます。
③ 挑戦する企業文化への取り組み
・挑戦を推奨し失敗を許容する価値観の形成、挑戦機会の創出と挑戦へのモチベーションを支える制度の構築により、社員の意識を変え行動の変革を促します。
・業務プロセスの最適化、当社らしさを踏まえた働き方改革、透明性の高い投資活動を通じて、有限である人や時間などの経営資源を適切に配分し活用します。
・新ビジネスを創出する人財、未来を担う後継者たる人財を育成するため、組織横断的タスクフォースを立ち上げ、人財育成を強力に推し進めます。
「CANVAS ONE(キャンバス・ワン)」における目標数値は以下のとおりです。
|
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
売上高(百万円) |
37,000 |
38,000 |
40,000 |
営業利益(百万円) |
1,580 |
1,700 |
2,000 |
営業利益率 |
4.3% |
4.5% |
5.0% |
ROE (自己資本利益率) |
11.2% |
11.4% |
13.0% |
ROIC (投下資本利益率) |
8.8% |
8.9% |
9.6% |
(4)コンプライアンスの徹底と有効な内部統制の整備・運用
当社グループは、今後もグループ全体のコンプライアンスの徹底と有効な内部統制の整備・運用に努めてまいります。
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