課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

なお、経営環境につきましては、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。

 

(1) 企業理念

当社は昨年創業140周年を迎え、改めて当社のパーパス(存在意義)を明確化いたしました。それは「革新へのあくなき挑戦で、人々と社会に信頼と感動をもたらし、世界中が笑顔であふれる未来を創ります」というものです。当社のすべての活動はこのパーパスを原点とし、「社会に信頼される会社であること」という企業理念のもと行われています。

また、2031年に迎える150周年に向け、以下のグループ10年ビジョンも定めました。

 

アナログとデジタルのシナジーにより

世界中の人・モノ・時をつなぐ製品・サービスを創造し、

サスティナブルな社会に貢献するソリューションを提供する

 

当社はこのグループ10年ビジョンの実現に向け、2026年度を最終年度とする第8次中期経営計画(SEIKO Milestone145=SMILE145)を策定し事業を推進してまいります。

 

(2) 経営戦略及び対処すべき課題

1) SMILE145の位置づけ

SMILE145は、創業150周年のありたい姿であるグループ10年ビジョンを実現するために、その中間地点である創業145周年にあたる2026年度に向けてグループ10年ビジョンからバックキャスティングで策定した計画であり、期間を5か年といたしました。

 

2) SMILE145の目指す姿

2026年のありたい姿を「人々と社会に感動をもたらす高付加価値・高収益な製品・サービスを提供する、ソリューションカンパニーになる」とし、その実現のために感動をもたらす高付加価値で高収益な製品に注力していく「MVP戦略=感動(Moving)、高付加価値(Valuable)、高収益(Profitable)」を基本方針といたします。

 

3) 2031年に向けた価値創造ストーリー

当社グループを取り巻く環境認識を機会とリスクの両面から分析した上で、グループパーパスを原点に社会課題解決を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献いたします。成長戦略として、グループコア戦略(SDGs、人材、DX、R&D、ブランディング)を推進するとともに、当社グループの強みである3つの戦略ドメイン(エモーショナルバリューソリューション、デバイスソリューション、システムソリューション)を設定し、4つの事業機会(感性消費、Society5.0、ウェルネス、社会/環境)においてこれらドメインの戦略を進めます。さらにグループシナジー創出を図ることで、社会価値の創造を実現するとともに当社グループの成長を目指します。

そのためにグループ10年ビジョンからバックキャスティングで描いた2026年のありたい姿の実現に向けてMVP戦略を推進いたします。

 

4) グループコア戦略

当社グループは、社会とグループの成長のため全事業で取組む5つの戦略をグループ共通コア戦略として掲げ、成長戦略を推進してまいります。

① SDGs戦略

セイコーホールディングスグループは、グループパーパスを原点に、“WITH”を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献します。

(“WITH”=Well-being:よりよい人生を、Inclusion:すべての人に、Trust:確かな信頼で、Harmony:地球との調和)

② 人材戦略

人材の育成を成長戦略の柱として、エンゲージメント向上とダイバーシティ推進に取り組み、失敗を価値に変える組織風土、体制を構築します。

③ DX戦略

デジタルとデータを駆使し、顧客中心で顧客体験を重視した高付加価値ビジネスを実現します。

④ R&D戦略

永年培ってきた「匠・小・省」と「デジタル」を融合し、技術をさらに進化させ、新たな価値を創造します。

⑤ ブランディング戦略

SEIKOは、社会課題に向き合い、自社の社会的価値・技術的価値・感性的価値を通して、世界中の人々の心を豊かにし、笑顔であふれる未来を創ります。

 

5) ドメイン別の目指す姿

「パーパスドリブンで事業シナジー創出を目指す求心力経営体制の構築」、「DXによる社会課題解決型のビジネスモデルへの革新」および「事業環境の変動リスクに対応したリスク分散型の事業体制」を狙いとし、3つの戦略ドメインを設定いたしました。

① エモーショナルバリューソリューション(EVS)ドメイン

・お客様に感動を与える美意識やこだわりに満ち、機能的価値・感性的価値・社会的価値の高い製品・サービスを創出します。

・人生に寄り添い、悦びの時を共に歩める商品を、優れた顧客体験を通じて販売する事で、ブランド価値向上と企業価値向上を実現します。

② デバイスソリューション(DS)ドメイン

・技術革新が生み出すデバイスソリューションで社会が求める高機能・高品質を提供します。

・Society 5.0(サイバー空間とフィジカル空間を融合させて社会課題を解決)を実現します。

③ システムソリューション(SS)ドメイン

・社会のイノベーションをワンストップのICTソリューションにより提供しサスティナブルな成長を実現します。

・お客様ニーズに即した持続的な価値提供により、お客様・社会・グループの価値向上を実現します。

 

6) 財務方針・キャッシュアロケーション

SMILE145では、当社グループは売上総利益率の改善により成長投資力を向上させ、サスティナビリティ確立への投資を行うとともに、資本コストを踏まえた財務体質の改善、株主還元を確実に実施していくことを目指します。売上成長性やROICをベースとした積極投資、安定的収益基盤確保、新規領域への挑戦の3つをサスティナビリティ確立に向けた投資方針に掲げ、ブランディング・製造設備・新領域開発投資(R&D、M&A、DX、人材等)を当社グループの成長に向け行ってまいります。

 

7) 全社経営目標

SMILE145では中長期的な収益性と成長性を重視し、当社グループがサスティナブルな企業であり続けることを目指します。2026年度の財務目標は、連結営業利益180~200億円、連結GP率 +5.0ポイント(2021年度比)、連結ROIC 6.5%超といたします。ESG指標として、2026年度のSCOPE1・2におけるCO2排出量の25%削減(2020年度比)を目指します。また、2022年度から実施する従業員エンゲージメント調査によって課題の優先順位付けを明確にし、それぞれの課題解決に取り組むことでエンゲージメントスコアの向上を目指します。

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