文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末時点の情報を踏まえ判断したものであり、今後の様々な要因により記載内容と異なる可能性があります。
(1)経営の基本方針
BIPROGYグループは、以下の企業理念に基づき、これからも社会の期待と要請に応えてまいります。
<BIPROGYグループ 企業理念> ・わたしたちが社会に果たすべきこと すべての人たちとともに、人と環境にやさしい社会づくりに貢献します ・わたしたちが目指すこと 社会の期待と要請に対する感性を磨き、そのためにICTが貢献できることを考え抜く集団になります ・わたしたちが大切にすること 1.高品質・高技術の追求 社会に役立つ最新の知識を有するとともに、技量を高めます 2.個人の尊重とチームワークの重視 相手の良い点を見いだし、それを伸ばすことを奨励し合い、互いの強みを活かします 3.社会・お客様・株主・社員にとり魅力ある会社 ステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、企業価値向上に努めます
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(2)経営環境および経営戦略
当社グループを取り巻く事業環境は、コロナ禍による社会・価値観の大きな変化やデジタル化が急速な進展を見せる中、ICTサービスに対する顧客ニーズの高度化と多様化が進み、さらには異業種参入による競争激化など、益々厳しくなっております。
予測困難で先が見通せない不確実性の高い状況下、持続的成長企業として価値を提供し続けるために、時間軸や環境変化に左右されない企業価値を見つめ直し、Purpose(目的)、Corporate Statement(目的達成に向けたスローガン)およびPrinciples(目的を達成するための原則)を新たに定め、中長期的な視点でPurposeを実現するための視点および目標としてVision2030を策定いたしました。
また、Vision2030の実現に向けて当社グループのサステナビリティへの取り組みを経営に統合していくため、Materiality(重要課題)が経営の長期ビジョンに対応したものとなるよう、Materialityの改訂を行いました。
<Purpose> 先見性と洞察力でテクノロジーの持つ可能性を引き出し、 持続可能な社会を創出します 先見性・洞察力 × テクノロジー × ビジネスエコシステム = 社会的価値創出
<Corporate Statement> Foresight in sight 「先見性」でいち早くキャッチしたお客様や社会の課題を、経験や常識にとらわれない 「洞察力」で深く理解する
<Principles>
<Vision2030> わたしたちは、デジタルコモンズを誰もが幸せに暮らせる 社会づくりを推進するしくみに育てていきます
<Materiality> ■デジタルの力とビジネスエコシステムを活用した課題解決の仕組みづくり ■ゼロエミッション社会の実現に向けた、デジタルを活用した環境貢献と事業活動に ともなう環境負荷の低減 ■バリューチェーン全体で取り組む、安心・安全な製品・サービスの持続可能な調達と提供 ■新たな未来を創る人財の創出・強化とダイバーシティ&インクルージョンの進化 ■コーポレート・ガバナンスの強化とインテグリティの向上
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PurposeおよびVision2030のもと、社会的価値の創出を追求することを通じて経済的価値の創出を図り、当社グループ全体の企業価値を持続的に向上させる新たなステージに向け、当社グループは新たに経営方針(2021-2023)を策定いたしました。
社会変化に対する先見性・洞察力、ICTを核としたテクノロジー、そして様々なビジネスパートナーとのビジネスエコシステム形成を掛け合わせ、ICTサービス提供だけに留まることなく、近年取り組んできた社会を豊かにする新しい価値の創造と社会課題の解決の取り組みを加速させ、社会的価値創出企業に変革してまいります。
<基本方針>
社会的価値の創出により顧客の持続的成長を支える顧客DXと、様々な業界の顧客、パートナーと共に社会課題解決を進める社会DXの両面からビジネスを推進し、Vision2030の実現を目指してまいります。
また、新たなPurposeに掲げた社会的価値創出企業の実現に向け、コーポレートブランドを刷新し、2022年4月に商号を日本ユニシス株式会社からBIPROGY株式会社へ変更いたしました。
「BIPROGY(ビプロジー)」は、光が屈折・反射した時に見える7色(Blue、Indigo、Purple、Red、Orange、Green、Yellow)の頭文字を使った造語であり、これには様々なビジネスパートナーや多種多様な人々がもつ光彩を掛け合わせ、混とんとした社会の中で新たな道を照らし出すこと、および光彩が状況に応じて変化するように、社会や環境変化に応じて提供する価値を変えていくことの2つの意味を込めています。
ボーダレスな視座で社会的価値を創出する唯一無二のブランドとなることで、多種多様な人々へと働きかけるとともにビジネスエコシステムを形成し、持続可能な社会実現へ向けて取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、持続的成長のために、サービス型ビジネスに比重をさらに移していくことを重視するとともに、アウトソーシングにおけるビジネス拡大を重点指標とし、2024年3月期の計画は、調整後営業利益率:連結10%以上、売上収益:連結3,400億円、うち、アウトソーシングにおける売上収益:連結1,000億円としております。
なお、調整後営業利益率は、「売上収益」から「売上原価」並びに「販売費及び一般管理費」の額を減算して得られた金額の「売上収益」に対する比率を指します。
<連結数値目標(IFRS)>
(4)対処すべき課題
当社グループは、新たな経営方針のもと、ICTサービス提供だけに留まることなく、社会を豊かにする新しい価値の創造と社会課題の解決の取り組みを加速させ、社会的価値創出企業に変革するとともに、持続的に企業価値を向上させることが求められております。
当社グループ全体におけるESG・SDGsへの積極的な取り組みによるサステナブルな経営をより一層推進するための体制として、2020年度よりSDGs貢献への取り組みおよびサステナビリティ経営戦略の統括責任者であるCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)を委員長とする意思決定機関「サステナビリティ委員会」を設置するとともに、下部組織として、環境、および、社会・人権に関する委員会である「環境貢献委員会」「ソーシャル委員会」を設置して、サステナビリティを巡る課題への取り組みにおけるマネジメントとガバナンスの強化を図っています。
また、外部有識者に参加いただいている「生命科学研究倫理審査委員会」を諮問機関とした責任ある研究開発の推進や、AIが人や社会に与える正負の影響を認識し、適切に対応するための「AI倫理指針」の策定と運用など、科学技術の急速な進展に伴って生じる倫理的・法的・社会的課題(ELSI:Ethical, Legal and Social Issues)への対応を進めています。
持続可能な社会の実現のために、当社グループがテクノロジーを活用して貢献できる領域は非常に多いと考えています。今後も引き続き、エネルギーマネジメントシステムや、気候変動等の環境問題など、一企業だけでは解決が難しい社会課題をビジネスエコシステムによるイノベーションや新たなサービスで解決することで、新しい豊かな社会づくりに貢献していくことを目指してまいります。
<事業活動における取り組み>
■顧客のICT 戦略を実現する技術力・サービス力の進化・深化
当社グループが強みとする重点領域の見極めを行い、顧客業務や業界に関する知見の深化と知財化を加速するとともに、価値創出の源泉となるエンジニアリング技術の深化と利用技術や組合せ技術の進化を加速します。
■DX パートナーとして先見性のある顧客価値創出力の強化
領域横断のマーケティング活動やオープンイノベーションを組み合わせ、ユースケース化する活動を強化し、顧客・業界DXを通じて高付加価値な事業を拡大します。また、各種ラボを中心とした、UI/UXやプロダクトの開発、改善プロセスの確立と実行の強化に加えて、DXビジネスの型の確立とDXを短期間で実現するプラットフォームの確立を推進します。
■社会課題解決マーケット創出と持続的成長ストーリーの開発
これまでの取り組みで獲得したさまざまなアセットを統合し、業種・業態を超えた活動を促進することにより、社会システム全体を捉えた、より大きな社会課題解決へのアプローチを進めます。また、社会課題解決につながるDXビジネスにおける知財の蓄積と、標準プロセスの確立を推進します。
■グループバリューチェーンの再設計によるグループ経営の進化
価値創出サイクルの観点から、グループバリューチェーンの見直しと強化を図り、グループ経営の再設計を推進します。
■組織資本、人財の強化および投資戦略の推進
社員の多様性や強みを可視化する取り組みを軸に組織資本・人的資本の強化施策を加速するとともに、社員が社会課題解決に向けてチャレンジしていけるよう、環境貢献やダイバーシティ&インクルージョン、業務改革など、さらなる風土改革を推進してまいります。また、戦略に基づき投資ポートフォリオの見直し・組み換えを行い、戦略投資・事業投資の強化を図ります。
<その他の課題>
新型コロナウイルス感染症拡大に起因する経済活動の自粛および停滞の長期化を主な原因として、お客様における情報システム投資の見直しなどが生じ、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。この課題に対して当社グループは、社会における感染症拡大の防止に努めるとともに、社員、協力会社、お客様およびお取引先の安全確保を最優先に考え、テレワークの活用など働き方改革を進めています。また、お客様の業務継続やリモートワーク、デジタルトランスフォーメーションなどを全力で支援し、レジリエントな社会の実現に向けた取り組みを加速させてまいります。
なお、当社グループの持続的な成長のためには、適切な事業戦略を検討するとともに、その事業戦略を支える強固な経営基盤が必要であると考えています。そのため、コーポレート・ガバナンス体制をさらに充実させるとともに、グループ会社管理に関する意識を強化し、加えて、テレワークの活用や業務のデジタル化推進など会社を取り巻く環境が常に変化する中で、コンプライアンス違反の予兆をより早期に把握していくため、取締役会で決議した業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)に基づき、グループ会社全体の内部統制システムの継続的な運用改善とコンプライアンス意識のさらなる浸透・徹底を図っております。これらにより、引き続き適正な業務運営を実施してまいります。
また、今後の当社グループ内における連携の更なる強化や、事業の成長に伴うビジネスリスクの多様化などがリスクとして想定されています。当社グループは、現行のビジネスリスクマネジメントを更に拡充し、対応してまいります。
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