(1)会社の経営の基本方針
<ミッション(使命・存在意義)・ビジョン(目指す姿)>
当社グループは「私たちは、お客様の立場に立って、よきものづくりに支えられた健全で活力ある社会の発展に貢献することを使命とします。この使命を達成するために、全員がたゆまぬ努力と研鑚を積み最高のソリューションを提供することにより、産業界の発展に寄与します」を経営理念とし、さらに「私たちは、それぞれの立場でお客様を最も知る企業となることを目指し、エレクトロニクスソリューションズ・カンパニーとしてお客様にトータルメリットを提供できるベストパートナーとしてかけがえのない存在となり、社会の持続的な発展に寄与します」を基本方針としております。
(2)中期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標
2025年度を最終年度とする中期経営計画『Electronics Solutions・Company 2025(ES・C2025)』では、持続的な成長に向けた収益構造の強化を図り、価値を提供し、社会課題の解決に貢献できる「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」となることを目指す5年間とします。
お客様を最も知るベストパートナーであり続けるため、技術力・企画力を高め、パートナー企業やグループ内の連携を強化し、オリジナルソリューションの提供を通し、高付加価値ビジネスを追求すると共に、社会の変化に即応し持続的に成長できる企業を目指します。
さらに、公明正大な経営を実践するため、コーポレート・ガバナンス体制をより一層強化すると共に、社員一人ひとりが倫理・遵法意識を高く持ち、健全で誠実な事業活動を推し進めてまいります。
新中期経営計画『Electronics Solutions・Company 2025(ES・C2025)』
<基本方針>
SDGsへの取り組みを通じて、社会的課題の解決に貢献し持続的な成長を実現する「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」となる。
・グループ理念の実践「お客様を最も知るベストパートナー」
・成長性に重きを置いた戦略の実行と、必要な経営資源を積極的に投入する。
・高付加価値ビジネスを拡大し、収益性の向上を図る。
<基本戦略>
持続的成長に向けた収益構造の強化
① 「深化・進化」による競争力の強化
当社グループ内・パートナー企業との連携強化を図り、システム構築力やエンジニアリング力を強化することで、お客様の企業価値向上に寄与するオリジナルソリューションを企画・提供し、差別化・競争力を強化する。
② 社会課題の解決を図るため、今後も成長性が高い分野への取り組みを強化
環境問題や労働力不足といった社会的課題の解決を図り持続的な社会の発展に寄与する、環境・エネルギー分野やロボット・自動化分野を始め、今後成長が見込まれる5G・IoT・AI対応分野への積極的な取り組みとそれぞれに対応する技術力の強化を図る。
③ カナデンDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
デジタイゼーションによる業務標準化・効率化にとどまらず、デジタライゼーションによるビジネスモデルの変革を実現し、提案内容の高度化・品質向上につなげると共に、当社が蓄積してきた情報資産を最大限に活用し、企業間コミュニティを活性化するコンソーシアムの形成を目指す。
④ 多様な人材が能力を十分に発揮できる風土・仕組みづくり
人権の尊重と差別の禁止を徹底すると共に、多種多様な人材がライフイベントとキャリアを両立できるよう積極的な施策を講じ、当社の持続的な発展を担う人材を確保・育成する。
また、ビジネススキル向上やグループ理念の浸透を通して個人の「挑戦と革新」の資質を高めると共に、組織として事業環境の変化に柔軟に対応し、常に変化を志向する。
⑤ 戦略的投資政策の実行
技術力強化に向けたパートナー企業との連携や、新分野への事業領域の拡大を図るためのM&Aの実践。
⑥ 公明正大な経営
外部規律や社会的要請に適うガバナンス体制を構築し、より健全で透明性の高い経営を実践すると共に、全員が高い倫理観を持ち、健全で誠実な事業活動を実践する。
<経営目標数値>
目標数値(2025年度)
・営業利益 57億円,営業利益率 4.5%以上
・ROE 8.0%以上
・戦略的投資等による、売上高100億円の創出
<基本戦略に基づく施策>
(共通)
・全社プロジェクトによる既存重点分野(自動化、エネルギーマネジメント等)の取組強化と共に、新市場、新商材の開拓を推進する。
・エリア戦略の推進
国内:各ビジネスユニット戦略とエリア戦略のマトリックス経営の推進
海外:ASEAN地区におけるソリューション提案体制の強化
・技術教育を拡充し、ソリューション提案力の強化による差別化を図る。
・カナデンコンソーシアムの形成、活用による創発的な企業間コミュニティへの移行を図り、ビジネスモデルの継続的創出につなげる。
・セグメント横断的なアカウントマネジメント体制の確立による複合販売の推進。
・インサイドセールス機能を整備し、フィールドセールスとのハイブリッド対応による営業力強化を図る。
・成長分野におけるスタートアップ企業との協業による事業創出と、企業再編の活用によるバリューチェーンの拡大を目指す。
(FAシステム)
・ソリューション提案力を強化し、コンポーネントからソリューション、コンサルティングビジネスへの変革を図る。
・蓄積した製造現場の知見やAI・IoT等の新技術の活用や自動化によるお客様の課題解決やものづくりの進化、安全で働きがいのある職場づくりを支援する。
・海外でのシステム対応力強化に向けたパートナー企業との連携強化。
(ビル設備)
・ビルマネジメントシステムの展開を強化し、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)提案の強化を図り、環境負荷の低いエネルギー利用の普及を促進し快適性の向上と消費エネルギーの抑制を両立させる。
・工事、保守サービスを含め一貫したソリューションの展開強化。
(インフラ)
・社会インフラとしての「安心・安全・快適」を支え、進化させるという使命を果たし続けると共に、交通・公共分野におけるお客様のビジネスモデルの変革に対応し、従来の領域にとらわれないソリューション提案の拡大を図る。
・気候関連災害や自然災害に備える監視・防災・減災ソリューションの提供により社会や産業の基盤強化に貢献する。
(情通・デバイス)
・医療・介護・健康分野におけるデジタル技術を活用したソリューションの提供推進。
・セキュリティビジネスからトータルICTビジネスへの進化(デジタル分野への拡大)。
・IoTデバイスの進化や5Gの導入による、データの新たな活用や連携方法を可能にする商材の発掘、ソリューションの構築を目指す。
・自動車分野への参入加速。
(3)会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境は、デジタル社会の進展や労働人口の減少、また、新型コロナウイルス感染症の拡大により大きく変化しており、気候変動対策も喫緊の課題となっております。
その様な状況下、カナデングループ理念の実践を基本方針とする5ヵ年中期経営計画『Electronics Solutions・Company 2025(ES・C2025)』(2021年度~2025年度)では、持続的な成長に向けた収益構造の強化を図り、お客様へ価値を提供し、社会課題の解決に貢献できる「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」となることを目指す5年間としております。
また、社会環境の変化と当社グループにおけるリスクと機会を考察し、持続的な成長を実現するため以下の項目に注力し取り組んでおります。
① デジタル社会の進展
デジタル社会の進展は、単にモノ売りという商社機能における付加価値低下や、技術革新による既存商材・サービスの競争力が低下するリスクがありますが、デジタルマーケティングやインサイドセールス機能を整備することで、商談機会と提案領域を拡大させ、更なる営業力の強化と新たな事業の創出を図る機会でもあり、同時に既存ビジネスを深化・進化させることが重要と考えております。また、グループ内・パートナー企業との連携強化を図り、お客様の企業価値向上に貢献するオリジナルソリューションを提供することで差別化を図り、競争力を強化してまいります。
② 気候変動及び労働人口の減少
気候変動等の環境問題は、エネルギー・資源の枯渇問題や温室効果ガス排出への国際的な規制強化や、大規模災害による事業活動の停滞を招くリスクがあります。また、労働人口の減少は、消費及び生産の減少による市場規模縮小や、優秀な人材確保の競争激化による雇用継続のリスクがあります。これらの社会的課題の解決に向け、持続的な社会の発展に寄与するため、環境・エネルギー分野(省エネ)やロボット・自動化分野をはじめ、今後も成長が見込まれる5G・IoT・AI対応分野への積極的な取り組みを図るとともに、オフィスの省エネや事業活動におけるCO2排出量の低減に努め、循環型社会の形成に貢献してまいります。また併せて、働き方改革、女性活躍の推進に向けた社内施策を通じ、魅力的な職場環境づくりを実践し、優秀な人材の確保につなげてまいります。
③ パンデミック
パンデミックは、まさに新型コロナウイルス感染症の感染拡大により具現化されましたが、人々の価値観や働き方に大きな変化をもたらし、事業活動に大きな影響を与えるとともに、サプライチェーンに大きな混乱を招くリスクがあります。テレワークの導入等、デジタル化を推進することにより事業活動の停滞を回避し、柔軟且つスピード感のあるビジネスモデルへの変革を図ってまいります。
④ ガバナンス強化
法令違反や社会規範を逸脱した企業活動による信頼の低下や企業価値の毀損はもとより、製品・サービスの複雑化・高度化、生産拠点・サプライヤーの多様化等による、製品・サービスの品質低下や欠陥等の発生に起因した、信頼の低下や損害賠償の請求のリスクがあります。外部規律や社会的要請に適応したコーポレート・ガバナンス体制を構築し、より健全で透明性の高い経営を実践すると共に、役職員全員が高い倫理観を持ち、健全で誠実な事業活動を推し進めてまいります。
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