当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
当連結会計年度における世界経済は、欧米を中心にワクチン接種が進んだほか、大型経済対策の効果により総じてコロナ危機による落ち込みから回復を続けたものの、2021年後半は東南アジアでのコロナ感染拡大などによるサプライチェーンの混乱や半導体不足などの供給制約に加え、オミクロン株などによる感染再拡大、エネルギー価格の高騰により回復のペースは鈍化しました。また、足もとではロシアによるウクライナへの侵攻が世界経済のリスクとなり、先行き不透明な状況が続いています。
国内経済においては、2021年9月末まで緊急事態宣言などが断続的に発出されたことで、特に個人消費の低迷が顕著となりました。緊急事態宣言が解除された10月以降は、社会経済活動の段階的引き上げに伴い対面型サービスへの支出が持ち直し、企業業績の改善を背景に設備投資も広がりましたが、2022年初以降はオミクロン株の急拡大に直面し、資源高と円安による原材料の調達費上昇も重なったことで、企業収益は下振れ模様となりました。
当社グループの取引に関する業界は、電子部品は車載や産業機器向けの需要が高止まりしたことで、部材を含めた逼迫状況が継続し、工作機械は電気自動車や半導体関連設備向けの需要が高水準で推移しました。
このような状況下、当社グループの中期経営計画「ICHIGAN 2024」は2年目を迎え、代理店、商社の枠を超えた事業創出会社として新たな価値を創造していくことに引き続き取り組みました 。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高 2,291億26百万円 (前期比 16.4%増 )、 営業利益70億62百万円 (前期比 106.7%増 )、 経常利益72億85百万円 (前期比 99.4%増 )、 親会社株主に帰属する当期純利益50億4百万円 (前期比 113.6%増 )となりました。
セグメントごとの業績の概要及び分析は、次のとおりです。
当社取扱商品の一部が供給不足となりましたが、国内製造業向けの設備投資案件に持ち直しの動きが見られ、また半導体製造装置及び工作機械向けの販売が好調に推移しました。
換気・暑熱需要及び冷蔵・冷凍需要が下支えしたものの、当社主要取扱商品の納期の長期化及び部材の供給不足による新規案件の延期・中止などの影響を受け、低調に推移しました。
ヘルスケア分野では、感染症関連商材や院内のIT設備関連ビジネスが引き続き堅調に推移しました。一方、スマートアグリ分野では、生産事業へのビジネスモデル転換に向けた自社植物工場の建設に注力したことにより低調に推移し、またネットワークシステム分野では、モニタリングなどの工場管理システムの新規受注が低調に推移しました。
国内では、車載市場は半導体不足による自動車メーカーの生産調整もありましたが、カーナビなどのインフォテインメント機器向けの販売が好調に推移し、また産業機器市場についても半導体需要の高まりを受けた半導体製造装置・工作機械向けの販売が好調に推移したことにより、増収となりました。
海外子会社では、中国地域の産業機器関連、欧米地域の車載関連向け販売が好調に推移し、増収となりました。
通期の業績の見通しとして公表した経営目標値とその達成状況は次のとおりです。
(2)生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 数量は単位、呼称が多岐にわたるため、省略しております。
ア 販売方法
当社グループは、メーカー製造に係る商品をユーザー又は販売店に、また、材料・半製品をメーカー又はユーザーに販売しています。
イ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 販売実績は、受入手数料を含めて計上しています。
2 数量は単位、呼称が多岐にわたるため省略しています。
3 主な販売先への販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(3)財政状態
資産の部は、現金及び預金が95億42百万円減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が34億24百万円、電子記録債権が21億69百万円、商品及び製品が135億65百万円増加したこと等により、資産合計は前連結会計年度末比154億41百万円増加し、1,409億70百万円となりました。
負債の部は、支払手形及び買掛金が64億11百万円、電子記録債務が21億51百万円増加したこと等により、負債合計は前連結会計年度末比105億94百万円増加し、662億4百万円となりました。
純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純利益を50億4百万円、配当金12億18百万円計上したこと等により、純資産合計は前連結会計年度末比48億46百万円増加し、747億66百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末比2.7ポイント減少し、52.9%となりました。
(4)キャッシュ・フロー
当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持することを目的に、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比95億42百万円減少し、115億77百万円の残高となりました。
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は、76億23百万円(前年同期比95億63百万円支出増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益72億97百万円の計上と、売上債権・棚卸資産・仕入債務の増加によるネット資金の減少100億5百万円、その他の流動資産の増加による資金の減少49億86百万円、法人税等の支払7億52百万円によるものです。
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は、13億26百万円(前年同期比15億10百万円支出増)となりました。これは主に、長期貸付けによる支出5億円、無形固定資産の取得による支出3億7百万円、投資有価証券の売買によるネット支出3億21百万円、有形固定資産の取得による支出1億32百万円によるものです。
当連結会計年度において財務活動に 使用した資金は、8億83百万円(前年同期比1億69百万円収入増)となりました。これは主に、配当金の支払11億93百万円によるものです。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持することを目的に、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売活動のための商品及び部材等購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものは人件費及び運賃諸掛であります。
中期経営計画「ICHIGAN 2024」においては、事業創出会社として既存の枠を超えた新たな付加価値を創造することを目指し、「成長事業のビジネスモデル確立と次世代新規ビジネスの創出」、「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」による収益力の強化に向けた成長投資を行ってまいります。
株主還元については、中長期的な安定配当を維持継続することを基本として、各事業年度の連結業績及び中長期的なグループ戦略等を勘案のうえ利益還元を実施してまいります。
これら資金需要に必要な資金は、営業活動から創出されるキャッシュ・フロー及び手許資金を充当することを基本としております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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