業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッ

シュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による社会・経済活動への影響が緩和され、景気回復の

動きがみられました。世界経済におきましても、同様に景気回復基調にありましたが、ロシア軍のウクライナ侵攻

や中国のロックダウンの影響で原材料価格の高騰や物流の停滞などがより深刻化し、先行き不透明な状況となって

おります。

 こうした中、当社は、2023年度を初年度とする3か年の中期経営計画“GSI CONNECT 2024”のスタートに向け、

グループ全体の事業ポートフォリオの見直しを進めて経営資源の再配分を行うとともに、サステナブル事業分野の

拡大に向けた取り組みに注力するなど、事業基盤の整備と強化を図ってまいりました。

 その結果、当期の業績につきましては、医療・衛生消耗品の需要が一巡したものの、収益面におきましては概ね

2021年5月14日に公表した業績予想通りとなりました。

a.財政状態

 当連結会計年度末の総資産合計は、前連結会計年度末に比べ464百万円増加し、60,929百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ809百万円減少し、36,416百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,273百万円増加し、24,512百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高111,829百万円(前期は116,375百万円)、営業利益2,008百万円(前期比

1,624百万円減益)、経常利益1,882百万円(前期比1,817百万円減益)、親会社株主に帰属する当期純利益1,638百

万円(前期比387百万円減益)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 繊維関連事業の経営成績は、売上高83,203百万円(前期は89,488百万円)、営業利益645百万円(前期比2,248百

万円減益)となりました。

 工業製品関連事業の経営成績は、売上高28,626百万円(前期は26,886百万円)、営業利益1,893百万円(前期比

460百万円増益)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、7,084百万円の支出(前年同期は5,379百万円の収入)となりました。主

な要因は売上債権の増加などによるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、622百万円の収入(前年同期は115百万円の支出)となりました。主な要

因は投資有価証券の売却による収入などによるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、481百万円の支出(前年同期は2,438百万円の支出)となりました。主な

要因は配当金の支払などによるものです。

 これらに換算差額による増加額426百万円を加味した結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は前期末

比6,516百万円減少の8,078百万円となりました。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

繊維関連事業

1,778

△5.1

工業製品関連事業

290

△75.3

合計

2,069

△32.2

(注) 生産高は、製造会社における生産実績を販売価格により表示しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

繊維関連事業

81,406

△1.6

4,706

△27.6

工業製品関連事業

29,122

4.3

3,235

18.1

合計

110,529

△0.1

7,941

△14.1

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

繊維関連事業

83,203

-

工業製品関連事業

28,626

-

合計

111,829

-

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

3 当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準(企業会計基準等29号 2020年3月31日)等を適用してい

  るため、前期と比較しての増減額は記載しておりません。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

Toray Industries (HK) Ltd.

28,111

24.2

31,625

28.3

Pacific Textiles Limited

12,052

10.4

13,079

11.7

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析検討内容は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

 流動資産は売掛金の増加などにより、前期末比1,575百万円増加の48,963百万円、固定資産は子会社の連結除

外に伴う建物の減少や長期貸付金の減少などにより前期末比1,111百万円減少の11,965百万円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末における総資産合計は、前連結会計年度末に比べ464百万円増加の60,929百万

円となりました。

 流動負債は未払法人税等の減少などにより、前期末比1,636百万円減少の34,239百万円、固定負債は長期借入

金の増加などにより、前期末比827百万円増加の2,177百万円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ809百万円減少の36,416百万

円となりました。

 株主資本は親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどにより前期末比853百万円増加の22,154百

万円となりました。その他の包括利益累計額は為替換算調整勘定の増加などにより前期末比419百万円増加の

2,358百万円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,273百万円増加の24,512百

万円となりました。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 売上高は、繊維関連事業の新型コロナウイルス感染防止用の医療・衛生消耗品の需要が一巡し取引が減少したこと等により111,829百万円(前期は116,375百万円)となりました。

なお、当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準(企業会計基準等29号 2020年3月31日)等を適用しているため、前期と比較しての増減額は記載しておりませんが、同基準適用に伴う影響によりセグメント別に以下のとおり売上高は減少しております。

 繊維関連事業   :△3,728百万円

 工業製品関連事業 : △610百万円

(売上総利益)

 売上総利益は、工業製品関連事業の利益は伸長しましたが、繊維関連事業の医療・衛生消耗品の取引が減少したこと等により、前期比1,702百万円減益の12,942百万円となりました。

(営業利益)

 営業利益は、経費削減に努め販管費は減少しましたが、前期比1,624百万円減益の2,008百万円となりました。

(経常利益)

 経常利益は、営業利益の減少に加え、営業外損益(純額)も悪化したため、前期比1,817百万円減益の1,882百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益等の特別損益を計上し、税金費用を差し引いた結果、前期比387百万円減益ではありますが、公表予想を上回る1,638百万円となりました。

 

セグメントごとの分析は次のとおりであります。

<繊維関連事業>

・消費の回復を背景に、アジアにおけるインナー用機能糸・生地の取引や、欧米アパレルメーカー向け生地の輸出取引が増加しました。

・新型コロナウイルス感染防止用の医療・衛生消耗品の取引は、需要が一巡したことから減少しました。

 以上の結果、当事業全体では、売上高は83,203百万円(前期は89,488百万円)となり、セグメント利益(営業利益)は、前期比2,248百万円減益の645百万円となりました。

 

<工業製品関連事業>

・世界的に伸び続ける半導体需要を背景に、同関連商材の取引が好調に推移しました。

・化成品やその他工業材料も自動車関連をはじめとする国内外の製造業の回復に伴い取引が増加しました。

・前期収益に貢献したホビー関連商材の取引も、国内外において堅調に推移しました。

 以上の結果、当事業全体では、売上高は28,626百万円(前期は26,886百万円)となり、セグメント利益(営業利益)は、前期比460百万円増益の1,893百万円となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、

経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状

況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要の主なものは運転資金及び設備投資並びに事業投資資金であり、これらの資金を自己

資金及び金融機関からの借入金で賄っております。財務の健全性、金融環境を考慮し最適と思われる調達手段を

選択していくとともに、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことにより将来必要となる資金の創出に

努めてまいります。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債の残高は、前期末

比6,863百万円増加の4,477百万円となりました。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており

ます。この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び

仮定を用いておりますが、これら見積り及び仮定と実際の結果は異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

a.繰延税金資産

 繰延税金資産については、将来の課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について

繰延税金資産を計上しております。その見積り及び見積りに用いた仮定に変更が生じ減少した場合には、繰延税

金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

b.退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産

 退職給付費用及び債務については、数理計算上で設定される前提に基づき算出されております。これらの前提

条件には割引率、年金資産の長期期待運用収益率、昇給率、死亡率等の見積りを用いております。これら見積り

に変更が生じ数理計算上の差異が発生した場合には将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。

 

c.固定資産の減損

 固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる

割引前将来キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減

額することとしております。その見積り及び見積りに用いた仮定に変更が生じた場合には、減損処理が必要とな

る可能性があります。

 

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響については今後の広がり方や収束時期等を予想することは困難でありま

すが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報をもとに、2023年3月期の一定期間にわたり経済活動への影響が続

くもののその後については徐々に回復していくものと仮定して、固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性等の

会計上の見積りを行っております。

 

 

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