業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析の内容は次のとおりであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、半導体などの部品不足が生産活動に及ぼす影響は長期化しており、さらにはロシア・ウクライナ情勢が世界経済を一段と減速させるリスクも高まっていることから、経営環境は予断を許さない状況が続いております。

このような状況下にあって、当社企業グループは、製品の納期が長期化する中でお客様への供給責任を果たすべく、在庫確保・拡充に取り組むとともに、お客様の需要動向を的確に捉えた販売活動に注力した結果、大幅な増収を達成できました。特に国内・海外ともに子会社が大きく業績を伸ばし、連結では単体を上回る売上高伸長となりました。

さらに当期においては、来るべき未来社会に選ばれる技術商社として、システム、ロボットビジネスの専門営業部署を設置し、技術部門と連携して営技一体で拡販を実行し、ロボットやM2M技術を活用した工場の自動化、省人化ニーズへの対応や3Dプリンターによる新しいものづくり技術の普及に努めてまいりました。また、コロナ禍で大規模展示会へのリアル出展を一部見送る一方で、当社企業グループの技術力を発信・披露する場として、自社サイトでのオンライン展示会や独自にウェビナーを開催するなど、製造現場の課題解決に向けたソリューション提案とビジネス拡大に向けて取り組んでまいりました。加えて、利益生産性の向上を図るべくデジタル化を推し進めて業務の合理化・効率化にも取り組んでまいりました。

その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,934億31百万円(前年度比19.8%増)、営業利益67億10百万円(前年度比66.4%増)、経常利益74億12百万円(前年度比68.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は51億44百万円(前年度比48.8%増)となりました。なお、売上高、営業利益、経常利益については連結会計年度として過去最高を更新いたしました。

 

セグメント別については以下のとおりであります。

 

〔FAシステム事業〕

売上高:1,013億81百万円(前年度比15.1%増)、営業利益:41億13百万円(前年度比40.9%増)

各事業分野全般において、取扱商品の供給不足が懸念されている中で、グループ一丸となって商社機能を発揮し顧客需要に対応すべく努めました。FA機器分野では、半導体製造装置関連や、物流関連、食品関連の設備投資が好調で、プログラマブルコントローラー、インバーター及びACサーボが好調に推移しました。産業機械分野では、補助金効果により工作機械、レーザー加工機が大幅に伸長し、製造ライン向け自動化設備も堅調でした。産業デバイスコンポーネント分野では、タッチパネルモニターが大きく伸長しました。また、システム、ロボット、センサも大きく伸長しました。また、子会社では半導体製造装置の業界を中心に接続機器等の販売が好調に推移し、連結の業績に貢献しました。

その結果、当事業全体の売上高は、前年度比15.1%の増加となりました。

 

〔半導体デバイス事業〕

売上高:715億99百万円(前年度比31.7%増)、営業利益:25億10百万円(前年度比189.2%増)

半導体デバイス事業では、前年度後半から高水準な需要が継続しており、マイコン、ロジックIC及びパワーモジュールなどが大幅に伸長するとともに、海外においても日系企業向けを中心に大幅に伸長しました。しかしながら世界的な電子部品の逼迫により、国内及び海外子会社では必要部品確保に奔走しました。一方、電子デバイス分野では、液晶パネルの根強い需要が継続するとともに、コネクターなどの接続部品が大幅に増加しました。

その結果、当事業全体の売上高は、前年度比31.7%の増加で、過去最高となりました。

 

〔施設事業〕

売上高:153億52百万円(前年度比0.2%減)、営業利益:1億59百万円(前年度比35.6%減)

施設事業では、オリンピック、パラリンピック終了後の案件減少や、開催延期による各種再開発案件の遅れによる物件減少の中、海外でのロックダウンや半導体不足による製品納期の長期化の影響から、業務用エアコン、低温冷熱機器は伸び悩みました。

一方、新築及びリニューアル需要を取り込んで、ルームエアコン、エコキュート等の住設機器が伸長し、活況の物流関連向けに昇降機やLED照明も好調に推移しましたが、マイナス要素を埋めるには至らず、当事業全体の売上高は、前年度比0.2%の減少となりました。

 

〔その他〕

売上高:50億97百万円(前年度比40.0%増)、営業損失:73百万円(前年度は2百万円の損失)

MMS分野では、立体駐車場向けにパレットの更新台数の増加が売上に貢献しましたが、金属部材の価格高騰と円安の影響を受けて、利益確保は厳しい状況でありました。EMS分野では、家電関連が大幅に増加し、窓用シャッターリモコンは好調であったものの、部材の不足と価格高騰の影響を受ける形で推移しました。

その結果、その他事業は増収減益となりました。

 

 

 連結損益計算書における売上高以外の項目ごとの分析については、以下のとおりであります。

 

① 売上原価、販売費及び一般管理費

売上高の増収に伴い売上原価は、前連結会計年度より271億79百万円増加し、1,675億4百万円(前期比19.4%増)となりました。また、売上高に対する売上原価の比率については、0.3ポイント減少の86.6%となっております。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より21億33百万円増加し、192億16百万円(前期比12.5%増)となりました。主な要因は、業績伸長による人件費や物流費の増加によるものです。

 

② 営業利益

営業利益は、前連結会計年度より26億76百万円増加し、67億10百万円(前期比66.4%増)となりました。売上高営業利益率は、前連結会計年度より1.0ポイント増加の3.5%となりました。

 

③ 営業外損益

営業外収益は、前連結会計年度より1億50百万円増加し、7億93百万円となりました。主な要因は、為替差益の増加によるものです。一方、営業外費用は、前連結会計年度より1億96百万円減少し、90百万円となりました。

 

 

④ 経常利益

経常利益は、前連結会計年度より30億23百万円増加し、74億12百万円(前期比68.9%増)となりました。売上高経常利益率は、前連結会計年度より1.1ポイント増加の3.8%となっております。

 

⑤ 特別損益

特別利益は、前連結会計年度より2億84百万円減少し、1億13百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に株式会社立花電子ソリューションズを子会社化にした負ののれん発生益3億95百万円によるものです。

特別損失は、前連結会計年度より12百万円増加となりました

 

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より16億87百万円増加し、51億44百万円(前期比48.8%増)となりました。

 

生産、受注及び販売の状況については、以下のとおりであります。

 

① 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

FAシステム事業

101,381

115.1

半導体デバイス事業

71,599

131.7

施設事業

15,352

99.8

その他

5,097

140.0

合計

193,431

119.8

 

 

② 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

FAシステム事業

89,732

119.3

半導体デバイス事業

69,356

140.4

施設事業

15,328

107.8

その他

5,642

173.5

合計

180,061

126.7

 

(注) 上記金額は、実際仕入額によっております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度における資産合計は、前連結会計年度に比べて149億7百万円増加の1,351億72百万円となりました。この主な要因は、商品の増加122億27百万円によるものです。

負債合計は、前連結会計年度に比べて128億73百万円増加の579億32百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金の増加81億18百万円、短期借入金の増加28億80百万円、未払法人税等の増加15億62百万円であります。

純資産合計は、前連結会計年度に比べて20億33百万円増加の772億40百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加29億46百万円であります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当社企業グループの当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、99億58百万円となり前連結会計年度末より74億57百万円減少いたしました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、75億95百万円の支出(前連結会計年度は49億48百万円の収入)となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益75億13百万円、仕入債務の増加額76億38百万円などの増加と売上債権の増加額86億82百万円、棚卸資産の増加額120億22百万円などの減少であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、9億68百万円の支出(前連結会計年度は13億2百万円の支出)となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出6億42百万円、投資有価証券の取得による支出7億10百万円などであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、7億2百万円の収入(前連結会計年度は18億35百万円の支出)となりました。主な内容は、短期借入金の増加による収入29億20百万円、配当金の支払額による支出12億59百万円などであります。

 

資本の財源及び資金の流動性について

当社企業グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入から回収までの資金立替、販売費及び一般管理費等の営業費用等で、自己資金及び金融機関からの借入金にて調達しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
  連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
 

 

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