業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況の概要及び分析・検討内容

①経営成績全般に関する事項

当連結会計年度におけるわが国経済は、度重なる新型コロナウイルス感染症拡大の影響により回復の動きは依然弱いといえます。また地政学リスク等わが国の経済に影響を及ぼす要因もあり、引き続き楽観できない状況にあります。

そのような経済環境の中当社グループの事業領域である食品スーパー業界におきましては、新型コロナウイルス感染症によってもたらされた内食需要の高まりは依然継続しているものの陰りもみられます。加えて個人所得の伸び悩みや消費マインドの回復は限定的な中、価格競争の高まり、ネット通販の拡大、食品宅配の拡大、飲食店等のテイクアウト・デリバリーの拡大、垣根を超えた競争環境の激化に加え人件費や原材料費をはじめとした各種コストが上昇し、企業運営を取り巻く環境は厳しさを増しております。

ウィズコロナの環境下、当社グループは地域住民のライフラインとしての使命を果たすべく、お客様・従業員の安全・安心を最優先に密を避ける施策をはじめ、様々な対策を講じております。また、外出自粛に伴う観光客の減少等の影響を受けた生産者様、外食産業様、メーカー様への協力の観点から、産地応援セール等を継続的に実施いたしました。

当連結会計年度のその他の主な取組みとして、各種民間調査等で高評価をいただいておりますネットスーパー事業におきまして、システム面での更なる利便性向上のために株式会社10Xと協業し、初のモバイルアプリ版となる「ライフネットスーパーアプリ」の提供を2021年3月より開始し順調にダウンロード数を獲得しております。配送面ではネットスーパー・来店宅配サービスにおける安定した高い品質の配送網を構築するために、間口ホールディングス株式会社と共同でラストワンマイルを担う新会社「株式会社ライフホームデリバリー」を4月に設立、6月より事業を開始し2022年2月末現在、ネットスーパーで9店舗、来店宅配25店舗で稼働する等事業を漸次拡大しております。組織面ではネットスーパー事業の一層の深耕・拡大をスピードアップし推進するため、2022年1月に社長直轄組織として新設したネットビジネス本部に関連組織を再編しております。

また、創業60周年と自社クレジットカード「LC JCBカード」の発行5周年を記念した特別企画を2021年9月から2022年2月末まで実施するとともに、1月にカード事業部を新設するなどカード会員数と利用の拡大に努めております。

更に、当社が2019年9月より出店を始めたAmazonプライム会員向けサービスについては、配送地域を首都圏では、東京23区と都下13市、神奈川県8市、千葉県13市、埼玉県5市、近畿圏では、大阪府23市、兵庫県6市、京都府3市(それぞれ一部地域を除く)に拡大しております。

加えて、からだに優しい素材や製法、健康や自然志向にあわせたプライベートブランドである「BIO-RAL(ビオラル)」の商品開発・品揃えを強化するとともに、ナチュラルスーパーマーケット「BIO-RAL(ビオラル)」の店舗・コーナーを新設しております。

新規店舗としては、2021年3月に東日暮里店(東京都)、4月に溝口店(神奈川県)、9月に四条烏丸店(京都府)、本郷三丁目駅前店(東京都)、10月にナチュラルスーパーマーケットの3号店となるビオラルエキマルシェ大阪店(大阪府)、11月にセブンパーク天美店(大阪府)、12月に枚方T‐SITE店(大阪府)、2022年2月にナチュラルスーパーマーケットの4号店となるビオラル下北沢駅前店(東京都)の8店舗を出店する一方、3店舗閉鎖いたしました。また、既存店舗の改装としては、大淀店、巽店、長田店、経堂店、滝谷店、二条駅前店、セントラルスクエア森ノ宮店、府中中河原店、弁天町店、川崎御幸店他、合計32店舗でお客様のニーズの変化に対応した改装を積極的に行いました。

当社グループの業績におきましては、新規店舗、ネットスーパーなどのeコマース(EC、電子商取引)の拡大、「BIO-RAL(ビオラル)」等のプライベートブランド商品の強化、おいしさを追求した商品施策等の効果が寄与し、営業収益は、7,683億35百万円(前期比1.2%増)となるとともに、荒利率の改善により売上総利益は増益となりました。一方、販管費は、採用強化等に伴う人件費の増加に加え、新規出店に伴う賃借料、伸長しているEC強化等の物件費も増加したことから、営業利益は229億32百万円(前期比16.3%減)、経常利益は236億95百万円(前期比15.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は152億8百万円(前期比14.7%減)と、何れも前期を下回る結果となりました。

セグメントごとの業績は次のとおりです。

(小売事業)

営業収益は7,673億79百万円(前期比1.2%増)、売上高は7,450億80百万円(前期比1.2%増)、セグメント利益は235億56百万円(前期比15.8%減)となりました。

なお、部門別売上高は、生鮮食品部門が3,230億82百万円(前期比2.6%増)、一般食品部門3,243億43百万円(前期比0.9%増)、生活関連用品部門648億23百万円(前期比3.2%減)、衣料品部門231億50百万円(前期比1.6%減)、テナント部門96億80百万円(前期比0.01%増)となりました。

(その他)

株式会社ライフフィナンシャルサービスの営業収益は24億15百万円(前期比3.7%増)、セグメント利益は1億39百万円(前期比24.5%減)となりました。

②販売及び仕入の実績

ア 販売実績

当連結会計年度における売上高を地域別・部門別に示すと次のとおりであります。

(ア) 地域別売上高

地域別

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

店舗数

(店)

売上高(百万円)

構成比率(%)

前年同期比(%)

(小売事業)

 

 

 

 

  大阪府

124

289,303

38.8

99.7

  兵庫県

17

44,434

6.0

105.2

  京都府

16

34,199

4.6

102.7

  奈良県

3

8,516

1.1

85.4

  東京都

84

251,101

33.7

101.0

  神奈川県

29

86,607

11.6

107.8

  埼玉県

7

21,916

3.0

99.4

  千葉県

5

9,000

1.2

95.3

合計

285

745,080

100.0

101.2

 (注)金額については、消費税等を含めておりません。

(イ) 部門別売上高

部門別

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

売上高(百万円)

構成比率(%)

前年同期比(%)

(小売事業)

 

 

 

  生鮮食品

323,082

43.4

102.6

  一般食品

324,343

43.5

100.9

  生活関連用品

64,823

8.7

96.8

  衣料品

23,150

3.1

98.4

  テナント

9,680

1.3

100.0

合計

745,080

100.0

101.2

 (注)金額については、消費税等を含めておりません。

イ 仕入実績

当連結会計年度における仕入高を部門別に示すと次のとおりであります。

部門別

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

仕入高(百万円)

構成比率(%)

前年同期比(%)

(小売事業)

 

 

 

  生鮮食品

204,112

39.6

101.8

  一般食品

240,683

46.7

101.2

  生活関連用品

47,726

9.3

97.3

  衣料品

13,827

2.7

99.1

  テナント

8,693

1.7

100.1

合計

515,043

100.0

101.0

 (注)金額については、消費税等を含めておりません。

(2)財政状態の状況の概要及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度末の資産合計は、2,702億29百万円と前連結会計年度末に比べ19億22百万円増加いたしました。

流動資産は、744億80百万円と前連結会計年度末に比べ1億87百万円減少いたしました。これは主として、売掛金が26億8百万円、商品及び製品が6億87百万円、未収入金が11億60百万円、前払費用(流動資産その他)が7億76百万円それぞれ増加した一方、現金及び預金が55億33百万円減少したことによるものであります。

固定資産は、1,957億48百万円と前連結会計年度末に比べ21億9百万円増加いたしました。これは主として、店舗の新設、改装や土地取得などにより有形固定資産が前連結会計年度に比べ30億38百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、1,599億29百万円と前連結会計年度末に比べ108億17百万円減少いたしました。これは主として、短期借入金及び長期借入金の合計が267億3百万円増加した一方、買掛金が268億円、未払金が76億95百万円それぞれ減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は、1,102億99百万円と前連結会計年度末に比べ127億39百万円増加いたしました。これは主として、利益剰余金が126億25百万円増加したことによるものであります。

(3)キャッシュ・フローの状況の概要及び分析・検討内容

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、94億9百万円(前期比37.0%減)となりました。

それらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、79億26百万円(前期は417億47百万円の資金の増加)となりました。

これは主として、税金等調整前当期純利益が223億12百万円、非資金性損益項目である減価償却費が141億79百万円あったものの、前連結会計年度末日が金融機関休日のために支払いが保留となっていた仕入等の債務が、当連結会計年度に決済されたことなどにより、仕入債務の減少が268億円、未払金の減少が51億58百万円あったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、203億3百万円(前期比1.4%減)となりました。

これは主として、土地取得や新規店舗及び既存店舗改装など、有形固定資産の取得による支出が190億円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は、226億95百万円(前期は190億29百万円の資金の減少)となりました。

これは主として、短期借入金の純増加額が363億50百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が126億47百万円あったことによるものであります。

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

当社グループは、連結財務諸表の作成に際し、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

①固定資産の減損

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

②繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(5)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、円滑な事業活動を継続して遂行するため、適切な水準の流動性資金の維持及び確保を重要な財務政策と位置付けております。

また、継続的な企業成長を図るため、新規出店、既存店舗の改装など投資を積極的に行う計画でありますが、これらの資金は、極力、営業活動によるネット・キャッシュ・フローに依ることとし、不足分を金融機関からの借入にて調達することとしております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は691億8百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は94億9百万円となっております。

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