業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2020年3月1日から2021年2月28日)のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により経済活動並びに個人消費が制約され、景気は急速に減速いたしました。4月の緊急事態宣言解除後は一時持ち直しの動きがみられたものの11月ごろから新規感染者数は再び増加を続け、2021年1月に首都圏をはじめ一部地域で緊急事態宣言が再発出されるなど、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の収束の見通しは立たない状況が続いております。

 

(営業面に関する取組み)

このような状況の中、当社グループは、お客さまならびに従業員の安全・安心を最優先に地域のお客さまの「食」を支えることを重要な使命と考え、イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル(注1)に基づいた次のような施策を実施してまいりました。店舗出入口にアルコール消毒液の設置、従業員の毎日の体調確認とマスク着用ならびに非接触型検温器の設置、またレジまわりへの飛沫防止シートの取り付け、お客さま同士のキープディスタンスの呼び掛けといった店舗でのあらゆる感染防止対策を講じながら営業してまいりました。

また、お買物に不便な地域からのお客さまを対象とした移動販売事業では、新たに兵庫県宍粟市のハリマ農業協同組合から同事業を継承し2020年10月5日より開始いたしました。これにより2013年より開始した同事業は山口県光・下松エリア、広島県佐伯エリアと併せて3拠点となりました。今年度は緊急事態宣言発出の影響もあり、多くのお客さまにご利用いただきました。これからもお客さまからのご要望にお応えできるよう移動販売エリアを拡大し、魅力ある商品の品揃えとサービスレベルの向上に取り組みながら、多様なニーズに対応したお買物手段を提供してまいります。

(商品面に関する取組み)

お客さまの「食」に対する行動様式が大きく変化し、外食を控え家庭内で調理をする「内食」需要が増加しています。当期は野菜、鮮魚、畜肉といった生鮮食料品をはじめ、冷凍食品やインスタント食品など簡便調理商品の販売点数が伸長いたしました。また本年度の方針である「基本の徹底」を柱として、旬商品や売れ筋など重点商品の絞り込みによる販売点数の拡大、「地元の味」にこだわった地場商品の品ぞろえの拡大に取り組みました。客数は、お客さまの来店回数の減少などにより既存店前年比96.9%と昨年を下回りましたが、まとめ買いや買いだめ需要により点数は同101.5%、一人当たり買い上げ点数は同104.7%と伸長いたしました。その結果、既存店売上高前年比103.9%と大幅に増加し、売上総利益高は売上高の増加に加え荒利率の改善(対前年同期差0.8%増)により前年比は106.6%となりました。

(店舗開発などに関する取組み)

新規出店は、当連結会計年度において7店舗をオープンいたしました。

一方、第3四半期までに閉店いたしました12店舗に引き続き、マックスバリュ西日本株式会社(以下「マックスバリュ西日本」)では2021年2月28日にマックスバリュ加西南店(兵庫県加西市)、株式会社山陽マルナカ(以下「山陽マルナカ」)では2月5日に山陽マルナカ灘崎店(岡山市南区)、2月7日に山陽マルナカ東岡山店(岡山市中区)を閉店いたしました。これにより当連結会計年度において15店舗を閉店いたしました。

既存店のリニューアルは、第3四半期までの19店舗に引き続き、山陽マルナカでは2021年2月18日に山陽マルナカ中井町店(岡山市北区)をリニューアルいたしました。これにより当連結会計年度において20店舗をリニューアルいたしました。

地域社会貢献活動の取組みとしまして、当社グループでは使い捨てプラスチックの削減と資源の持続可能な調達への取組みを加速するため、2020年3月1日より食品フロアにおけるレジ袋、6月1日より全売場のレジ袋の無料配布を終了いたしました。レジ袋をご希望のお客さまには、有料にてバイオマス原料配合の環境配慮素材のレジ袋などを提供しております。有料レジ袋の収益金におきましては地域の環境保全活動にお役立ていただくため、店舗所在の各自治体や団体に贈呈させていただきました。また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた地域の方々に、次のとおり、商品の販売や活動場所の提供を行いました。マックスバリュ本郷店(広島県三原市)では、店舗駐車場に特設会場を設け、三原特別支援学校の生徒によるカフェ、木工実演などの活動や、各団体によるハンドメイド雑貨や野菜、手作りパンの販売など「地域ふれあいイベント」を実施いたしました。広島県内のマックスバリュ9店舗では、観光農園として商品の直売がほとんどできない状況となってしまった株式会社木下ファームのぶどうを積極的に販売協力いたしました。マックスバリュ揖保川店(兵庫県たつの市)では、ご自身でお買物をすることが難しい高齢者や障がいのある方にスーパーでのお買物を楽しんでいただくと共に、新型コロナウイルス感染症拡大の状況でもボランティアサポーターの方の活動の場を提供させていただくことを目的とした「ユニバーサルショッピングDAY」を開催いたしました。当日はお買物支援を必要とされている方にボランティアサポーターが寄り添いながらお買物を楽しんでいただき、ゆっくりと精算ができるよう専用の「ユニバーサルレジ」を設置いたしました。

 

(注)文中表記について

1.イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、防疫対策の基準などを示したもの

 

 

以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ 38億6百万円減少 し、 2,616億22百万円 となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ 64億21百万円減少 し、 1,596億55百万円 となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ 26億14百万円増加 し、 1,019億67百万円 となりました。

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、営業収益は 5,632億18百万円 (対前年同期比 3.7% 増)、 営業利益85億75百万円 (同 212.7% 増)、 経常利益88億83百万円 (同 180.0% 増)、 親会社株主に帰属する当期純利益39億50百万円 (前期は 親会社株主に帰属する当期純損失53億27百万円 )となりました。

なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ 36億84百万円増加 し、370億50百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動により獲得した資金は192億36百万円(前連結会計年度は231億89百万円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費の計上102億12百万円、たな卸資産の減少額7億40百万円、賞与引当金の増加額7億22百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動により使用した資金は80億40百万円(前連結会計年度は50億55百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出86億87百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動により 使用した資金は75億10百万円(前連結会計年度は71億47百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出234億1百万円、配当金の支払額が19億95百万円あった一方、長期借入れによる収入が180億50百万円あったことによるものです。

③販売及び仕入の実績

イ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

商品部門別

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

金額(百万円)

前期比(%)

スーパーマーケット事業

550,611

104.3

その他の事業

3,595

△0.5

合計

554,206

103.8

 

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間取引については、消去しております。

3.当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

ロ.商品部門別仕入高

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

商品部門別

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

金額(百万円)

前期比(%)

スーパーマーケット事業

393,552

103.7

その他の事業

12,217

△0.5

合計

405,770

103.2

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間取引は消去しております。

3.当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ38億6百万円減少し、2,616億22百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ20億59百万円増加し、751億41百万円となりました。これは主に、現金及び預金が86億85百万円増加した一方、関係会社預け金50億円が減少したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ58億66百万円減少し、1,864億81百万円となりました。これは主に、有形固定資産が47億44百万円、差入保証金が11億29百万円それぞれ減少したことによるものです。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ64億21百万円減少し、1,596億55百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ32億78百万円増加し、1,106億21百万円となりました。これは主に、未払金が25億42百万円、未払法人税等が10億10百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ96億99百万円減少し、490億33百万円となりました。これは主に、長期借入金が43億62百万円減少したことによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ26億14百万円増加し、1,019億67百万円となりました。これは主に、利益剰余金が19億55百万円増加したことによるものです。

 

b.経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高5,542億6百万円(対前年同期比3.8%増)、営業収益5,632億18百万円(同3.7%増)となりました。販売費及び一般管理費では、新型コロナウイルス対策費用などの増加があったものの、緊急事態宣言下のチラシ配布中止による販売促進費の減少、会議や商談、教育セミナーなどのWEB化による経費の減少、水道光熱費の減少などにより計画内で着地し、1,402億52百万円(同2.1%増)となりました。また、営業利益85億75百万円(同212.7%増)、経常利益88億83百万円(同180.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は39億50百万円(前期は53億27百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。

 

第37期

2019年2月期

第38期

2020年2月期

第39期

2021年2月期

自己資本比率(%)

52.4

37.4

39.0

時価ベースの自己資本比率(%)

49.7

29.5

36.7

債務償還年数(年)

2.8

3.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ

642.6

109.8

92.2

自己資本比率:(自己資本/総資産)

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについてはキャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び店舗に係る設備投資によるものであります。当社グループの資金の源泉は主として、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達によっております。

当連結会計年度においては、自社開発方式による新規出店などで国内7店舗を新設いたしました。これらの設備投資額98億25百万円は、自己資金及び借入金で賄っております。

また、翌連結会計年度の資金需要については、引き続き店舗の新設及び活性化による設備投資を120億円予定しており、これらに必要な資金は自己資金及び借入金で賄う予定です。

当社グループは、将来的な成長に向け、営業活動から得られるキャッシュ・フローを基本としつつ、財務安全性や調達コストを勘案のうえ、資金調達を行ってまいります。なお、当連結会計年度末において自己資金として現金及び預金を370億50百万円を保有しており、短期間で手元流動性に支障は生じないものと判断しております。

 

③重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は第5「経理の状況」の1「連結財務諸表等」(1)連結財務諸表「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、財政状態及び経営成績に特に重要な影響を与える会計方針と見積りは、以下のとおりです。

(固定資産の減損処理)

当社は、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、原則として店舗資産、本社等の共用資産に分類し、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。

(繰延税金資産の回収可能性)

繰延税金資産の計上にあたり、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの業績の推移などから将来の課税所得を合理的に見積り判断しておりますが、今後、課税所得の予測に影響を与える変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。

 

 

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