事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 当行及び当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは以下のとおりです。まず、トップリスク(今後1年間で経営上重大な影響があるリスク)について記載し、その後に主要な個別リスクについて記載しております。

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行グループはこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、それぞれのリスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努めております。リスク管理については、マネジメントコミッティー及びALM委員会、統合リスクコミッティー、クレジットコミッティー、投資委員会、CAPEX委員会、顧客保護委員会等により遂行され、定期的に取締役会に報告されております。

 

<トップリスク>

 2022年度の業務運営において、当行グループを取り巻く環境が与える多くのリスク要因のうち、以下の項目を当行グループのトップリスク(今後1年間で経営上重大な影響があるリスク)として認識しております。なお、参照する個別リスクの項目を合わせて記載しています。

 

トップリスク項目

リスクの内容

対応策

参照箇所

 

1.市場の混乱による保有有価証券の価値下落

・緩和的な金融政策の転換やインフレ・金利上昇懸念をきっかけとする急激なマネーの収縮、ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの顕在化などを背景に、金融市場が不安定化することによる、保有有価証券の価値の急激な下落や市場流動性の悪化

インフレの昂進や地政学リスクの顕在化等により先行きの不確実性が高まっていますが、リスク量・損失に関する各種ポイントの設定により、損失などの問題が重大なものとなる前の段階で適切な対応を図るリスク管理体制を整備しており、分散を図った流動性の高いポートフォリオを維持しつつ、市場動向・金融環境の変化に応じて、対応方針を適宜協議し、ポジションの量やバランス調整、ヘッジ対応により機動的なリスクコントロールを実施しております。

 

3.市場リスク

(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク

4.流動性リスク

(2)市場流動性リスク

2. クレジット・クオリティの悪化

・ロシアのウクライナ侵攻を受けた経済活動の断絶、供給制約やインフレ圧力によるコスト増などを背景とした与信先の業績悪化、投資マネーの反転による不動産価格の反落・担保価値の下落による、与信案件やエクイティ投資案件のクオリティ悪化や与信関連費用の増加・投資損失の発生

・脱炭素や人権配慮に関して対応が遅れた投融資先について、企業価値低下による与信関連費用の増加

サプライチェーンの混乱やインフレの長期化による企業活動への影響を慎重に見極めながら、貸出運営方針や投資計画の策定とそれらに沿った個別案件の取り上げ、定期的なモニタリング報告等、規律ある投融資を実践してまいります。また、個別投融資案件について、取組先やボリュームの分散に留意しつつ、ビジネスリスクを慎重に分析し選別的に取り上げ、加えて、与信集中リスク回避のための各種ガイドラインを設定し、ストレステストを含めた資本コントロールを行ってまいります。

2.信用リスク

(1) 不良債権残高及び与信関連費用の増加

(2)特定先及び特定業種への集中に係るリスク

(3)貸倒引当金が不十分となるリスク

9.環境・社会に係るリスク

(1)環境・社会に配慮しない投融資等に係るリスク

 

 

3. 外貨調達の不安定化

・金融市場の混乱等から生じる市場流動性低下等による外貨資金繰りの悪化や調達コストの上昇

定期的なストレステストによるモニタリング・検証を実施するとともに、ストレス下においても十分な手元流動性を確保できるよう体制整備に努めております。また、継続的に外貨建社債を発行する等、外貨調達手段の長期化・安定化に努めており、加えて、緊急時に利用可能な外貨調達ファシリティを設定する等、対応策を多様化しております。

 

4.流動性リスク

(1)資金流動性リスク

4.ITリスク

・サイバー攻撃やシステム障害により、お客様へのサービス提供など当行グループの業務継続が困難になること、お客様情報や当行グループの重要情報が漏洩すること、及びそれらによる当行グループの評判の毀損

サイバー攻撃対応として、日々脅威を増す攻撃に対して役職員全員の意識向上を図り、多層的防御のための技術的対策の進化、モニタリングなどの検知能力の強化、ビジネス部門を含めた対応、復旧訓練により、グループ全体のサイバーセキュリティ耐性を維持、強化しております。システム障害対応は、緊密な情報連携、訓練などにより障害時対応の実効性を維持、強化しております。

 

5.オペレーショナル・リスク

(2)システム障害リスク

 

5.当行グループの構造転換、ビジネス転換の遅れ

・世界的な産業構造の転換やデジタル化拡大、金融商品のコモディティ化、金融分野への他業種からの進出による競争激化や銀行業務範囲規制緩和への対応が遅れることによる、当行グループの収益力の低下

・脱炭素対応の遅れや開示姿勢が消極的とみなされることに起因して、格付低下に伴う外貨調達コストの上昇、サステナブルファイナンス機会の逸失、同業他社に大きく劣後することに伴う当行グループの評判の毀損

 

詳細は(2022年度の重点施策)(12頁~)をご参照ください。

 

1.事業戦略におけるリスク

(1)事業戦略の推進に伴うリスク

8.日本の金融サービス業界に関連するリスク

(2)日本の金融サービス市場の競争激化

9.環境・社会に係るリスク

(1)環境・社会に配慮しない投融資等に係るリスク

6.マネー・ローンダリングやテロ資金供与、反社会的勢力との取引、インサイダー取引

・マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融等の金融犯罪対策の不備、その他外為法上の経済制裁措置への対応や反社会的勢力排除態勢の不備、及びインサイダー取引規制違反により、刑罰や行政処分を受けるリスク、及び当行グループの評判が毀損するリスク

年次のコンプライアンス・プログラムにおいて、法令・行内ルールの周知、モニタリング、研修等の計画設定と進捗状況を確認しております。また、倫理・行動基準について、誓約書の徴求に加えてトップメッセージ等での発信を継続することにより一層の浸透・定着を推進しております。

マネー・ローンダリング等防止の顧客管理体制整備と経済制裁対象者対応の継続的な実効性確保、マネー・ローンダリングガイドライン並びに外国為替検査ガイドライン改定等を踏まえた更なる高度化を推進してまいります。

インサイダー取引未然防止について、注意喚起及び研修・eラーニング等の実施により役職員への周知を継続してまいります。

 

5.オペレーショナル・リスク

(9)法令遵守に伴うリスク

(10)金融犯罪に関するリスク

(11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性

 

 

7.人材リソースのサステナビリティ

・ビジネス環境の変化に対応できる人材や注力ビジネスに必要なスキルセットを有する人材の不足・流出により、当行グループの戦略策定や業務運営に支障をきたす

 

チームワークでチャレンジを続ける金融グループであるための人事施策として、キャリアコースや世代間の壁を無くし、専門人材の登用も可能にする人事制度改革を実施しております。

5.オペレーショナル・リスク

(6)能力のある従業員の雇用

(7)人事上のリスク

 

<主要な個別リスク>

 

1.事業戦略におけるリスク

(1)事業戦略の推進に伴うリスク

 当行グループは、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、「2022年度の重点施策」に基づき、業務を遂行してまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクがあります。

・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。

・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功するとは限りません。

・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。

・新型コロナウイルス感染症等のパンデミックや自然災害等により、各業務において十分な事業活動が行えるとは限りません。

・ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの顕在化などを背景に、金融市場が不安定化することにより、事業環境が大きく悪化し、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。

 

(2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク

 当行グループは、歴史的な産業構造の転換期における取組として、「あおぞら型投資銀行ビジネス」を推進してまいります。事業法人のお客さまの事業再編や事業再生ニーズ、SDGsへの取り組みに対し、お客さまの事業を深く理解したうえで、通常の貸出取引のみならず、資本性資金やサステナブルファイナンスなど、お客さまのニーズに沿ったデットからエクイティに至る適切なファイナンスの提供等、信用供与の円滑化に努めております。また、それぞれのお客さまのニーズに応じて、オーダーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、引き続き顧客基盤の拡充に注力してまいります。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたお取引先に対しては、きめ細かくニーズに対応し支援に努めております。しかしながら、当行グループがこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。

・新型コロナウイルス感染症拡大の影響が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。

・ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの顕在化の影響が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。

・当行グループの基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行グループが目指す資産の質、収益が確保できない可能性があります。

・当行グループは、法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。

・我が国においては、超低金利環境が継続しており、オーバーバンキングによる厳しい競争の結果、当行グループの事業法人貸出においてリスクに応じた適正なプライシングを行うことが困難な状況になっています。当行グループは、継続的な付加価値の提供を通じたお客さまとの信頼関係構築により付帯取引を獲得し、総合的な収益性の確保に努めておりますが、個別の貸出においては、信用リスクや格付に応じた利鞘より低い水準で貸出を行うことがあります。

・国内外における経済環境の悪化が生じた場合には、当行グループを取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。

 

 

(3)リテールバンキング業務の拡充に伴うリスク

 当行グループは、様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期な資産形成をお手伝いさせていただいております。加えて、スマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心にスマートフォンやインターネット等を利用した非対面取引機能を拡充し、現役世代のお客さまへのアプローチを強化しています。

 資金調達の面では、2022年3月末の個人のお客さまからの調達がコア調達(預金・譲渡性預金及び社債)に占める割合は64%程度となっており、引き続き資金調達の面でもリテールバンキング業務は当行グループの中核を担っております。

 当行グループは、お客さま本位の業務運営の実践に基づく資産運用コンサルティングを提供してまいります。また、財産承継、事業承継等の多様なニーズに対して、当行グループ一体となった付加価値の高いサービスを提供するとともに、「BANK」アプリを通じた金融サービスの提供により、すべてのお客さまが時間や場所にとらわれずにお取引ができ、希望する店舗でコンサルティングが受けられる営業体制を実現してまいります。しかしながら、以下のとおり、当行グループがリテールバンキング業務拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。

・当行グループは、当行グループ内の配置転換や外部採用等を通じて、また人材開発プログラムの導入や顧客視点の評価制度の導入等を通じて、コンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、当該業務に精通した営業員の確保が想定を下回ったり、人材開発プログラムの導入や新しい評価制度の導入が必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。

・当行グループは、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、新規顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。

・リテールバンキング業務の拡充には、大量の取引を効率的に処理するためのシステムによるサポートが不可欠であり、システムの充実には多大な経営資源と時間を要する可能性があります。

・当行グループが提供する商品・サービスの種類・条件について、他金融機関との差別化が難しくなるほか、他の種類の投資商品との競争が厳しくなることなどにより、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。

 

上記のような事情からリテールバンキング業務を拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)海外業務に関連するリスク

 当行グループは、北米向けを中心とする海外貸出を選択的に実行することによって、収益力の向上並びに貸出ポートフォリオの分散を図る方針としております。加えて、2020年1月に資本・業務提携を締結したベトナムの中堅商業銀行Orient Commercial Joint Stock Bank(以下、「OCB Bank」)を通じて東南アジアの成長を取り込むとともに、OCB Bankの長期的な戦略パートナーとして、よりユニークで専門性の高い金融サービスを日本とベトナム双方のお客さまに提供していきます。当行グループが海外業務を展開するにあたり、リスク管理体制として、北米、アジア、欧州の各現地拠点と東京が連携したグローバルでシームレスなモニタリング態勢を強化しておりますが、当行グループにおける海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。

・ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの顕在化の影響を含む社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制及び規制環境の相違(特に金融サービスや直接投資に関するもの)に起因するリスク。

・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。

・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。

・投融資先の政治経済状況の変化、法制度等の変更によって、投融資の回収が困難となるリスク。

・現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、質・量の両面で国内貸出と同水準の情報収集を維持することに支障が生じるリスク。

・外貨調達に困難が生じた際の外貨資金繰りに関するリスク。

 

(5)地域金融機関が重要な顧客基盤であること

 当行グループは、2020年11月に設置した「地域金融パートナーバンク・タスクフォース」の活動を通じて、多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援、地域金融機関の個人のお客さまに対する預り資産ビジネスの支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行グループは、かかる取引関係において、同業他社との競争上優位性を確保していると考えており、「地域金融パートナーバンク・タスクフォース」活動を発展させ、地域金融機関に対する商品・サービスの提供を一層充実させるとともに、引き続き地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークと個別業務分野における当行グループの強みを融合し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効に機能する保証はなく、また、金融環境の変化その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。

 

(6)先進的な商品とサービスの投入

 当行グループの戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、事業法人のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしています。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関の運用ニーズに対応したデリバティブ内蔵型の各種預金商品のほか、個人のお客さま向けにはノーロード投資信託・ESGを考慮した投資信託等の金融商品を提供しています。当行グループは、従来から、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、一定の成果を上げているものと考えております。

 しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じように顧客から認知され、顧客の支持を得ることができる保証はありません。また、競合他金融機関が、当行グループと同様の顧客層をターゲットに、当行グループと同様の商品・サービスの提供を開始すること、また、その他競合する投資商品の出現等を要因とする競争の激化により、当行グループの商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行グループが競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。

 また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行グループにとって、当行グループが経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク

当行グループは、長期的な視野における企業価値向上のため、国内外において成長性の高い市場を見極め、戦略的な提携や合併・買収等様々な方策の検討を行っていく方針です。銀行の業務範囲規制緩和等、事業領域拡大の機会を積極的に探り、当行グループの成長につながるビジネス機会を単独または事業パートナーと協力して開発し、戦略投資を実施してまいります。しかしながら、こうした提携や合併・買収等が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。

合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行グループは提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。

 

(8)子会社・関連会社の業務に関するリスク

 当行グループは子会社において銀行業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、M&Aアドバイザリー業務、ベンチャーキャピタル業務等の金融サービスに係る事業や債権管理回収業務を行っており、これら子会社の業務の中には、伝統的な銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれています。例えば、GMOあおぞらネット銀行が営むインターネット銀行事業は、当行グループが従来営んできた銀行業に係るものとは異なる種類や程度のリスクを含んでおり、またOCB Bankの業績はベトナムや東南アジアの経済動向に大きく影響を受けます。当行グループは、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行グループの想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 また、GMOあおぞらネット銀行をはじめとする既存の子会社、あるいは今後新規に投資を行う会社について、各社の事業が想定通り伸長しなかった場合には、投資を回収できない可能性があり、また、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

 

2.信用リスク

(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加

 当行グループは、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行グループの不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。

・当行グループの予想以上に内外経済が悪化した場合。

・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。

・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行グループの予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。

・当行グループの予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。

・当行グループの予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。

・脱炭素や人権配慮に関して対応が遅れた債務者の信用力が低下した場合。

・新型コロナウイルス感染症拡大による経済・企業活動への影響が当行グループの想定よりも長期に及び、債務者の業績が悪化した場合。

 

(2)特定先及び特定業種への集中リスク

 当行グループの大口債務者上位10先に対する貸出金は、2022年3月末時点の単体ベースの貸出金残高の約10%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 当行グループの国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、2022年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約10%を占めており、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。そのため、当行グループの貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合があります。

 当行グループの国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、2022年3月末現在、貸出全体の約22%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、特定の不動産及び当該不動産から生じるキャッシュ・フローのみを返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行グループは、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。しかしながら、不動産市況の悪化等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行グループの予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

(3)貸倒引当金が不十分となるリスク

 当行グループは、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、債務者区分遷移シナリオや元本・利息の回収について一定の前提を置いてキャッシュ・フロー見積法等により算定した貸倒引当金を追加的に計上する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行グループの想定を超えて経済環境が悪化する等、当行グループの前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行グループの与信先の財務状況が当行グループの想定を超えて悪化した場合、当行グループが保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行グループに悪影響が及んだ場合、当行グループは貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。

 なお、2022年3月期決算においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済・企業活動への影響が長期化し、一部の債務者については業績への影響が2022年度中まで継続する可能性があるとの仮定に基づき、当該債務者については将来的な信用状態の悪化の可能性を考慮した貸倒引当金を算定しています。

 

(4)海外向けエクスポージャーに関するリスク

 当行グループの貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、2022年3月末においては約37%になっております。なお、海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約83%を占めており、残りはアジア向け及び欧州向けとなっております。なお、ロシア及びウクライナ向けの貸出はありません。当行グループは国・地域別のガイドラインを設定するとともに、機動的な債権売却の実施等により、エクスポージャーをコントロールしております。

 海外において、財政状態の悪化や政治・経済の混乱等により、国・地域が債務不履行に陥る、あるいは、債権者に対して債務の再編や期限の延長等の支援を要請することを余儀なくされる場合、当行グループが保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、結果として当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

(5)ローン債権等に対する投資に関連するリスク

 当行グループは、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産の取得・回収・売却等を行っております。こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しており、市場規模や環境等の変化により当行グループ保有資産の価値や信用力が低下した場合、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(6)エクイティ投資の推進に伴うリスク

 当行グループは、PEファンド投資、不動産ファンド投資、環境インフラ投資、ベンチャー企業への株式投資等を含む様々な形態のエクイティ投資を行っております。これら投資については年度毎に投資計画を策定し、全体及びアセット種別毎の投資残高をコントロールするとともに、個別案件毎の定期的なモニタリングを実施しております。また投資環境に応じて投資計画を随時見直すことによりリスクを抑制することを目指しています。

 しかしながら、こうした業務は、投資先の経営成績その他の財務状況の他、国内外の政治状況、経済状況、株式市況、不動産市況等環境の変化に左右されやすい性質を有しており、また、当行グループの採るリスクの抑制策が功を奏するとは限りません。このため、これら市況・環境の変化や投資先の財務状況の悪化により、当行グループの業績及び財政状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

3.市場リスク

(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク

 当行グループは、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利・為替レート・債券価格・株価の変動、ボラティリティの変動、各種資産間の相関状況の変化等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行グループの債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行グループが保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 当行グループは、こうした業務において、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、例えば、損失を限定するためのロスカット・ルールを設定する等、管理体制の整備に努めております。しかしながら、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化その他の要因により、市場が当行グループの予想を超えて変動した場合、当行グループは予測を超えた損失を被る可能性があります。

 

(2)金利変動によるリスク

 貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、社債等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益は、当行グループの収益の大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動により、当行グループの収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があるほか、借入に係る金利負担の増加により債務者の業績や財政状態が悪化し、不良債権が増加することで当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続するとしつつ、当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じるとしています。他方、米国においては、FRBが、米連邦公開市場委員会(FOMC)にて、政策金利の引き上げとバランスシート縮小を決定して金融緩和を解除し、政策引締めに転換しました。これに伴う米国金利上昇等の影響で、当行グループが保有する外国債券の評価損益は2022年3月末時点で284億円の評価損となっております。なお、保有する外国債券については、デリバティブを活用した金利リスク削減オペレーションを実施する等の対策を実施しています。

 今後、各国中央銀行の政策変更やその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態に更なる悪影響が及ぶ可能性があります。

 

4.流動性リスク

(1)資金流動性リスク

 当行グループの調達資金はスマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心とする流動性預金、順次満期を迎える定期預金や社債であり、当行グループは、継続的に預金を受け入れ、社債を発行し、既存債務の借換を行い、また継続的に一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行グループは、資金調達手段の分散・多様化や、外貨調達の可用性強化のための為替先渡取引の取引枠設定に加え、外貨調達先の拡大を図る等、資金調達の長期化並びに安定性の確保・向上に継続して努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。当行グループの資金調達が、市場環境が不安定な状況において満期を迎えた場合や、インターネットバンキングで手軽に預金の解約や送金が可能であることにより急速な預金流出が発生する場合、当行グループが許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、再調達が首尾よくいかない場合には、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行グループの業績又は財政状態の悪化、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行グループが、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得できない場合や当行グループの流動性が制限された場合、当行グループは必要な資金を確保するため、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮する等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
 また、当行グループを含む国内基準行に対しては、2017年4月末より流動性カバレッジ比率等の銀行法第24条に基づくモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行グループの調達構造に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2)市場流動性リスク

 当行グループは、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5.オペレーショナル・リスク

(1)リスク管理体制

 当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴います。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループは、オペレーショナル・リスクについても必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする適切なリスク管理体制の整備に努めております。しかしながら、結果的にこの体制が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取り組みや環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。

(2)システム障害リスク

 当行グループは、お客さまにサービスを提供し、業務を遂行するために様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しています。各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、システム変更・移行時は十分な事前検証を行い障害発生の予防を図っています。不測の事態に備え、コンティンジェンシープランの整備やシステム復旧などシステム障害時の対策を定め訓練を実施しています。また、当行グループは、勘定系システムであるBeSTAcloud(株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス)など重要なシステムの運営を外部に委託していることから、運用管理状況を月次・年次で点検するとともに障害発生時には対処内容を検証するなど委託先管理に努めています。

 しかしながら、これらの対策や検証作業が十分であるという保証はなく、また、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等によりシステム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスク、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。

 また、当行グループは、地震等の自然災害や大規模な停電その他の事故等により、当行グループが使用する情報システムを収容するデータセンターが正常に稼動できなくなる場合に備えて、データセンターの二重化にも取り組んでいます。BeSTAcloudは、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としております。インターネットバンキング、デビットカード、ホームページなど、お客さま向けサービスに重要なシステムも遠隔地にバックアップセンターを設けています。上記以外の情報システムについては、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しています。しかしながら、遠隔地のセンターに直接的な被害がなくても、バックアップセンターとの通信経路が確保できずバックアップ機能が十分に確保できないリスクがあります。また、首都圏で地震が発生した場合、メインセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。更に、当行グループのバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。

 当行グループは、お客さま向け情報提供のためのホームページ、インターネットバンキング、スマホアプリ、口座開設等のサービスをインターネット環境で提供しております。また、当行グループの業務遂行に必要な外部情報の取得やメール送受信のため当行グループシステムをインターネット環境に接続しており、こうしたところでは、十分なサイバーセキュリティの体制を構築することが必要になります。当行グループでは、ランサムウェア対策を含めた、インターネットに接続するシステムに必要な安全対策として、行内のシステム環境のほか、在宅勤務などのリモートアクセス環境についても、不正侵入防止の入口対策、情報漏えい防止の出口対策等、外部からの攻撃に対し多層的な技術的対策を実施しています。また、日々のサイバー脅威動向の情報収集と共有、ログのモニタリング、破壊を想定したサーバー復旧訓練の実施、脅威ベースを意識したペネトレーションテストの実施、専門的な知見を持つ要員の確保・育成など、サイバーレジリエンス体制の維持・整備に努めています。しかしながらサイバー攻撃の高度化により当行グループが講じている対策が有効に機能せず、システムダウンやサービス停止等により、業務継続に支障が生ずるリスクや内部情報が漏えいするリスクがあります。

 当行グループの情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、お客さまとの関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(3)外部業者により提供を受けている重要なサービス

 当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて外部業者を利用しております。外部業者の利用に際しては、経営・財務状況の安定性や情報管理態勢等のほか、人権の尊重や環境への配慮も含めた外部業者の適格性検証、サービス代替策の検討、利用中の継続的な外部業者管理等の方策を講じておりますが、地震等の自然災害、感染症の流行、システム障害やその他の事情により、それらの外部業者のサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行グループが同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できる外部業者を見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、外部業者がサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)個人情報等の流出等のリスク

 近年、企業や金融機関が保有する個人情報等の流出という事態が、数多く発生しています。当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスあるいは内部若しくは外部からの不正アクセスにより流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、法令上、民事上の責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク

 地震、台風等の自然災害や事故、テロ、サイバー攻撃等による被害、ウイルス等感染症の流行や放射能汚染等の外的要因等により、当行グループの機能の全部又は一部が停止するおそれがあります。

 当行グループは、かかる事象が発生した場合においても、業務継続を可能とすべく業務継続計画等の策定、バックアップオフィスの構築等を行うとともに、訓練等を実施し継続的に実効性向上を図るよう努めております。

 また、新型コロナウイルス感染症に対しては、お客さまと従業員の安全を最優先に、重要業務の継続を確実に実施するため、マスクの常時着用、ソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染対策に加え、リモートワーク・在宅勤務の拡大、Web会議・面談の活用、スプリット勤務や時差出勤の導入等、各種の取り組みにより、社内感染やクラスター発生の防止に努めております。

 しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。

 

(6)人材に関するリスク

 当行グループでは、中長期の経営戦略の方向性や年度の業務運営計画を踏まえて人員計画を策定していますが、当行グループを取り巻く経済・業務環境に大きな変化が生じた場合には、業務運営と合わせて人員計画の見直しが必要となります。また、デジタルトランスフォーメーションの推進などのビジネス環境の変化に対応できる人材や注力ビジネスに必要なスキルセットを有する人材の確保に努めており、人材ポートフォリオの把握と共に人材リソースのサステナビリティ確保に向けた様々な取組みが重要と考えております。こういった人材の不足・流出は、当行グループの戦略策定や業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当行グループは、チームワークでチャレンジを続ける金融グループであるための人事施策として、キャリアコースや世代間の壁をなくし、専門人材の登用も可能にする様々な人事制度改革を実施しております。将来にわたって活力ある組織としてのサステナビリティを確保するため、従業員のスキルポートフォリオの把握を通じて、ビジネス戦略に合致した人的資本の強化に取り組んでまいります。従業員の年齢構成を踏まえて、シニア層の社員は引き続き働きがいをもって業務に取り組むとともに、これまでに培った経験や知見を次世代に継承し後進を育成することに注力しています。

 また、従業員のテレワークや、フレックス勤務、時差出勤の推進と新型コロナウイルス感染症予防の徹底に取り組み、安心して長く働ける働きやすい環境の整備に注力しています。しかしながら、かかる努力によっても業務遂行上必要な人材の不足・流出を防止できるとは限りません。

 

(7)係争中の訴訟

 当行グループは、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)法令遵守に関するリスク

 当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、経営理念に基づき全役職員が遵守すべき「倫理・行動基準」を定め、毎年全役職員に遵守することの誓約を求めること等により、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでいます。しかしながら、必ずしもこのような取り組みのすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種法令違反が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)金融犯罪に関するリスク

 当行グループは、口座開設時においてお客さまの取引時確認を厳格に行うことに加え、その後も継続的にお客さまの状況確認や取引のモニタリングを行うことにより、口座不正利用の防止に努めるとともに、お客さまに振り込め詐欺の注意喚起をする等により、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでいます。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認することに加え、その後も継続的に確認を行う等、反社会的勢力等とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力等との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、また、これらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、マネー・ローンダリングや租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪に巻き込まれた場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)外為法上の経済制裁措置等に関するリスク

 当行グループは、お客さまとの取引に際しては、資産凍結・経済制裁措置の対象者に該当するか否かの確認や、資金使途規制・貿易規制、特定国との取引規制の確認等、外国為替及び外国貿易法その他の適用法令上必要な対応をとることで、拡散金融を含む各種規制に抵触しないよう体制を整備しております。しかしながら、手続きの不備等の結果、法令違反が発生するおそれがあります。法令違反等が発生した場合には、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、当行グループの評判が毀損される可能性や業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性

 当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、予め許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客さまに対する詐欺的誘引行為又はその他お客さまの信頼を損なう行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用及びインターネットバンキング不正送金や、デビットカードの不正利用等による被害に対し、当行グループがお客さまに対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような行為の結果、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。

 

(12)風説・風評の発生による悪影響

 当行グループや金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し拡散した場合に、当行グループの株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

6.自己資本にかかるリスク

(1)自己資本比率規制

 当行グループは現在、国内基準に基づき、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められております。当行グループは、2022年3月末時点において連結自己資本比率10.37%(バーゼルⅢ国内基準ベース)と十分な水準を維持しておりますが、将来、規制上求められる水準の自己資本比率を維持できなくなった場合、行政措置が課され、当行グループの業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。将来、当行グループの自己資本比率に影響を及ぼす可能性のある要因には以下の事項が含まれます。

 

・バーゼル銀行監督委員会は2017年12月に「バーゼルⅢ:金融危機後の改革最終化」(バーゼルⅢ最終化)を公表いたしました。同文書には、信用リスク・アセットの計測方法の見直し、オペレーショナル・リスクの計測方法の見直し、資本フロアの導入等が含まれており、2024年より実施することとされております。自己資本比率規制が更に強化された場合には、当行グループの自己資本比率に影響を及ぼす可能性があります。当行グループは、今後も健全性を維持しつつ資本の効率的な活用に努めるとともに、グローバルな自己資本比率規制強化の方向性等を踏まえ、自己資本の充実を図ってまいりますが、将来における当行グループの利益水準、リスク・アセット水準の変動その他の要因によっては、当行グループの自己資本比率が当行グループの想定を下回る可能性があります。

・上記のとおり、現状当行グループは十分な水準の自己資本比率を維持していますが、今後企業価値向上に資する戦略的な資本提携や買収・合併の実施により、自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。

 

7.当行グループの財務に関するリスク

(1)信用格付の低下が当行グループの業績に悪影響をもたらす可能性

 格付機関により当行グループの格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行グループの財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。

(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスク

 当行グループの年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行グループの退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利環境の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。

(3)繰延税金資産に関するリスク

 当行グループでは、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合に、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

8.日本の金融サービス業界に関連するリスク

(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行グループが受ける悪影響

 当行グループの業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融・財政政策や地政学的要因等様々な要素によって影響を受けます。世界経済は引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることに加え、米中の関係悪化、各国の経済成長の鈍化、アジア・中近東やロシアのウクライナ侵攻等の地政学上の緊張拡大等を端緒に世界経済が一層減速する可能性もあります。また、中国のゼロコロナ政策や、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う全世界での需要消失と、その後の経済回復による需要の急回復に伴うサプライチェーンの混乱や、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギーや穀物をはじめとした資源価格の高騰により、広い範囲でコストが上昇しています。長期化が懸念される世界的なインフレが、企業業績や米国をはじめとする各国の経済に与える影響にも留意する必要があります。日本経済は、世界経済と同様に新型コロナウイルス感染症の影響によりサービス業や運輸業を中心に大きな影響を受けており、今後、新型コロナウイルス感染症が再拡大し、収束までに長期間を要した場合には、更に経済状況が悪化する可能性があります。今後、米国をはじめとする各国の金融政策の動向、景気対策の効果や経済の行方など、マクロの金融経済動向がミクロ経済へ波及し、影響を及ぼす点について留意する必要があります。また、日本銀行の金融政策の動向、日本政府の景気対策の効果等によっても、国内経済に変調がもたらされる可能性があります。
 このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況がさらに悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行グループの資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。

 

(2)日本の金融サービス市場の競争激化

 人口減少や高齢化及び低金利環境の長期化等により、我が国の金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。また、デジタライゼーションの進展により、FinTech企業と呼ばれる金融サービスの提供者が他業界から参入するなど、当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行グループの主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。

・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行グループに比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行グループ同様その収益源を多様化する戦略を採っています。

・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行グループは、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っています。

・その他の金融機関:三井住友トラストグループ、りそな銀行グループ、新生銀行、インターネットバンク及び地方銀行等が含まれます。

・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:当行グループは、ゆうちょ銀行のほか、日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。

・その他の金融サービス提供者:当行又は当行の子会社、関連会社は、証券会社、資産運用会社、M&Aアドバイザリー会社、債権回収会社、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。

・当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。また、デジタライゼーションの進展等を背景に従来には見られなかった異業種から参入も活発化し、一層の競争激化が見込まれます。

 

 国内金融サービス市場をめぐる競争は一層激化することが予想される中で、当行グループが現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行グループは、シンジケートローン、LBOファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加させてきましたが、競争の激化に伴う手数料の低下が収益の下押し要因となるおそれがあります。また、当行グループは貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行グループの収益性を圧迫する可能性もあります。

 

(3)金融機関として広範な規制に服していること

 当行グループは、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制を受けています。また、銀行業以外の業務範囲については一部見直しが為されているものの引き続き制限を受けております。こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。

 仮に当行グループが、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行グループの評価が悪影響を受ける可能性があります。

 

(4)各種の規制及び法制度等の変更

 当行グループは現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行グループが国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更、又は新たに導入された場合には、当行グループの業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

9.環境・社会課題に係るリスク

(1)環境・社会課題に配慮しない投融資等に係るリスク

 当行グループは、経営理念において「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことをミッションに掲げ、適切なリスク管理態勢のもと、高度なリスクテイク能力を活用した金融仲介機能を発揮し、社会のサステナブルな発展に積極的に貢献することに努めています。
 昨今、金融業界においても温室効果ガスの削減や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みが加速していることに加え、各方面のステークホルダーから、資金提供者として、環境・社会に関する様々な課題に配慮することが期待されています。

 これらに対応するため、当行グループは、環境・社会に配慮した投融資方針を策定し、環境・社会に対し負の影響を助長する可能性が高いセクターへのファイナンスに際してはその適切性について検討を行うとともに、お客さまの気候変動対応や脱炭素社会への移行を積極的に支援するため、グリーンエネルギーファイナンス、トランジション・ファイナンス、脱炭素イノベーションファイナンス等、国内外における環境ファイナンスを推進し、2050年カーボンニュートラルの実現に向け取組んでいます。また、2021年度には、社長(CEO)を委員長としたサステナビリティ委員会と、サステナビリティに関連するグループガバナンスを推進するためのグループサステナビリティ連絡会を設置し、新たな取組みとして「あおぞらサステナビリティ目標」を設定・開示しているほか、人権・労働・環境・腐敗防止に関する原則を定めた「国連グローバルコンパクト」、プロジェクトファイナンスの環境・社会リスクを特定・評価・管理するフレームワークである「赤道原則」を採択しました。
 しかしながら、これらの当行グループの取組みが、他の金融機関の取組みに大きく劣後した場合や投資家やお客さまなどのステークホルダーの期待から大きく乖離した場合などには、ビジネス機会の逸失、ポートフォリオの質の低下、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)気候変動に係るリスク

 2015年に採択された「パリ協定」、2021年に開催されたCOP26などを受け、気候変動の原因とされる温室効果ガスの削減や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みが加速しており、金融業界では、様々な環境・社会課題の中でも気候変動リスクへの対応の重要性が高まっています。当行グループは、気候変動が環境・社会、企業活動、個人の生活にとっての脅威であり、金融市場の安定にも影響を及ぼしうる重要な課題の一つであると認識しています。


 気候変動リスクとしては、移行リスクと物理的リスクがあります。

(移行リスク)脱炭素経済への移行に伴う政策・法規制・技術・市場の変化が生じることに起因する、次のようなリスクを当行グループは認識しています。

・脱炭素社会への移行に伴う炭素税等の政策等が与信先の事業や財務状況に影響し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク

・脱炭素技術の進歩や消費者の嗜好変化による既存の製品・サービスの代替の進展により投融資先の業績が悪化し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク

・新たな技術開発を志向する企業との取引を十分取り込むことが出来ず、当行グループの業績に悪影響が及ぶとともに当行グループの評価が低下するリスク

(物理的リスク)温暖化の進行により、資産に対する直接的な損傷や、サプライチェーンの寸断による間接的な影響等が生じる、次のようなリスクを当行グループは認識しています。

・風水害の頻度・規模の増大等、気候変動に伴う自然災害や異常気象によってもたらされる物理的な被害から与信ポートフォリオが影響を受けるリスク

・社会インフラあるいは当行グループの事業施設や従業員が被害を受け、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク

・温暖化の進行で熱中症や疫病のパンデミック等の発生頻度が高まり、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク

 これらの事象が生じた場合には、当行グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当行グループは、こうした気候変動に関するリスクの把握・評価や、情報開示の重要性を認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下、「TCFD」)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言に賛同しています。

 カーボンニュートラル社会の実現に向け、当行グループ自社の脱炭素化の取り組みを加速するとともに、新たに設置した環境ファイナンス部を中心に国内外における環境ファイナンスを一層推進しているほか、投融資先に関するTCFDに沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充にも取り組んでおりますが、これらの気候変動に関するリスクへの取組みや情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、当行グループのレピュテーションの低下、ビジネス機会の逸失などにより、企業価値の毀損に繋がるおそれがあります。

 

10.その他

(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク

 当行グループは、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。

 当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。

 しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)重要な経営陣への依存

 当行グループでは、経営陣の業務遂行能力が、今後の当行グループの事業の成否に関する重要な要因となる場合があるものと考えております。重要な経営陣の退社等により、当行グループの事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。

 

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