以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社等)が判断したものであります。
(1) 企業理念
・地域社会の発展を常に考え行動すること、これが私たちの事業です。
・お客さまとの創造的な関係を深めること、これが私たちの仕事の原点です。
・よき企業人であるためによき市民であること、これが私たちの活動の基本です。
・一人ひとりの顔が見える表情豊かな組織であること、これが私たちの大切にする企業風土です。
(2) パーパス
当行は、企業理念をもとに、当行グループが何のために存在し、独自の強みを活かして社会にどんなことを働きかけられるかという観点から、パーパスを2021年11月に制定しました。パーパスの『「つなぐ」力』は、お金(金融)だけでなく、地域・企業・人々を「つなぐ」ことや、当行グループが持つサービスや情報などの資源を地域・企業・人々に「つなぐ」ことを通して、さまざまな価値と価値をつないだり、新たな価値を生み出したりすることを表現しています。また、「地域の未来をつむぐ」は、地域(当行が本店を置く群馬県だけでなく当行のネットワークが及ぶ地域や企業・人々といったステークホルダー全般)の豊かな未来をつむいでいく存在でありたいという思いを表しています。
(3) 中期経営計画
2019年度からスタートした中期経営計画「Innovation 新次元 ~価値実現へ向けて~」が2021年度に終了し、2022年4月から2025年3月までの3年間を計画期間とする中期経営計画「Innovation for“Purpose”」をスタートさせました。
<2019年中期経営計画「Innovation 新次元 ~価値実現へ向けて~」>
中期経営計画「Innovation 新次元」では、めざす企業像を「金融サービスの革新により、お客さまニーズに応え、価値を実現する地域金融グループ」と定め、その達成に向けた2つの基本方針として、「3つの改革による経営プラットフォームの転換」と「ビジネスモデルの進化による高度な価値実現」を掲げ、諸施策に取り組んでまいりました。成果としましては、非対面チャネルの充実、デジタル化技術の活用、店舗統廃合等による業務効率化に努めた結果、2022年3月期のOHRを59.6%と中期経営計画の3年間で3.6ポイント改善させたことや、低金利環境が長期化する中で収益構造の転換を進めることで、2022年3月期の連結非金利業務利益を205億円と3年間で37億円増加させたことなどがあげられます。一方、デジタル化を起点とした諸施策をさらに進めていくことや金融支援の一層の強化、コンサルティング業務を深堀りしていく必要性を課題として認識しました。
<2022年中期経営計画「Innovation for“Purpose”」>
2022年4月からスタートした中期経営計画「Innovation for“Purpose”」では、過去3年間の中期経営計画「Innovation 新次元」における成果と課題に基づき、現在の取組みをさらに深堀りしていくとともに、当行が2021年11月に定めたパーパス「私たちは『つなぐ』力で 地域の未来をつむぎます」を実現していくために、社会やお客さまの課題解決に対して積極的に取り組んでまいります。
〔基本方針〕
〔戦略テーマ〕
[5つの改革]
[5つの視点「地域」「企業」「個人」「グループ」「当行」]
〔中期経営計画 骨子〕
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2022年中期経営計画「Innovation for“Purpose”」で目標とする2025年3月期の経営指標「連結計数計画」及びパーパスの実現につながる主要計数「つなぐKPI」は、以下のとおりであります。
なお、2019年中期経営計画「Innovation 新次元 ~価値実現へ向けて~」における経営上の目標及び達成状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
<連結計数計画>
<つなぐKPI>
※ つなぐKPIは、「つなぐ」力を発揮することで、社会的価値(社会課題の解決や地域の持続的成長)と経済的
価値(当行グループの持続的成長)の両方に資する計数として設定しております。
(5) 金融経済環境
当期のわが国経済は、期初から持ち直しの動きが続いたものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による、4月から9月末の緊急事態措置と年明けから3月にかけてのまん延防止等重点措置の実施が、その動きを弱めるものとなりました。個人消費は10月の緊急事態宣言解除後は持ち直しましたが、その後のまん延防止等重点措置の実施により、持ち直しの動きは弱いものとなりました。輸出は海外経済の回復を受け増加しましたが、後半はおおむね横ばいとなりました。設備投資は、持ち直しの動きがみられました。生産は、供給制約の影響が残るものの、持ち直しの動きがみられました。雇用情勢は、新型コロナウイルス感染症の影響が残る中で弱い動きが続きました。
県内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状態の中、基調としては持ち直したものの、そのテンポは弱まりました。個人消費は、一部サービス消費における下押し圧力は依然強く、全体として持ち直しの動きは弱まりました。設備投資は緩やかに増加しましたが、公共投資は悪化基調が続きました。住宅投資は持ち直しましたが、足元では足踏みがみられました。生産は増加基調ではあるものの、半導体不足の影響などから一部で弱含みました。
金融面では、日本銀行の強力な金融緩和政策を受けて、長期金利の指標である新発10年国債利回りは、年内は概ね0.1%以下の水準で推移しました。しかし、年明け以降、米国をはじめとする海外金利の上昇を受け、10年国債利回りも0.2%を超える水準に上昇しました。
(6) 経営環境及び対処すべき課題
わが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化している上、地政学的リスクの高まりや資源価格の高騰に伴う世界的な物価上昇等により、先行きの不透明な状況が続いています。また、脱炭素化への対応や地域の人口減少・高齢化など、多くの社会課題への取組みが急務となっています。
このような状況の中で、当行グループは社会において何のために存在し、社会の未来に向けてどのような働きかけができるのかという思いをもとに、私たちの存在意義を改めて見つめ直し、2021年11月に「私たちは『つなぐ』力で 地域の未来をつむぎます」をパーパスとして制定しました。そして、制定したパーパスを基軸とした経営に取り組むことを明確にするため、名称を「2022年中期経営計画 Innovation for "Purpose"」とする新たな計画を2022年4月にスタートさせました。
新たな計画は、パーパスに基づき社会やお客さまの課題解決に積極的に取り組み、その結果として適正な利益を上げていくことで地域社会と当行双方の持続的な成長を目指すことや、過去と現在からの延長(フォアキャスティング)だけではなく、目指す未来から逆算(バックキャスティング)して策定したことが特徴です。
本計画では、パーパスを実現していくために、パーパスのコンセプトである「つなぐ」、「つむぐ」という言葉を用いて3つの基本方針を掲げました。
Ⅰ.「つなぐ・つむぐ」の基盤となるデジタル戦略の遂行
「地域のデジタル化」「お客さま接点のデジタル化」「行内業務のデジタル化」を推進し、お客さまの利便性向上や社会課題の解決に取り組んでまいります。
Ⅱ.5つの改革による「つなぐ」力の強化
「営業プロセス改革」「業務プロセス改革」「チャネル改革」「人材改革」「外部連携改革」を掲げ、パーパスの実現に資する当行の強みの強化を図ってまいります。
Ⅲ.「つなぐ」力の発揮により 未来を「つむぐ」
「地域」「企業」「個人」「グループ」「当行」という5つの視点から、社会やお客さまの課題に取り組み、地域の未来をつむいでまいります。
これらの3つの基本方針のもとで、当行の強みを深堀りしていくとともに、社会やお客さまの課題解決に取り組むことで、地域社会と当行グループの持続的な未来を目指してまいります。
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