(1) 経営成績等の状況の概要
(業績等の概要)
2021年度のわが国経済は、金融緩和政策の継続、政府の経済対策等の効果に支えられ、基調としては持ち直しの動きがみられました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症が長期化するにつれ、一部では持ち直しの動きが鈍化しております。また、足下ではウクライナ情勢をめぐる地政学的リスクの高まりを背景とした資源価格の高騰等によるコスト上昇などの影響が懸念される状況にあります。
主要な営業基盤である福島県内の経済については、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響から、個人消費は外食や旅行等のサービス消費を中心に減少し、雇用・所得環境も持ち直しの動きが鈍化しましたが、コロナ禍で先送りされていた設備投資が増加するなどの動きも出てきております。一方で、2022年3月16日に発生した福島県沖地震により、建物の被災に加え工場の操業停止や公共交通機関が停止する等、広範囲にわたって大きな影響がみられました。
日本においては引き続き緩和的な金融政策が継続されておりますが、米国をはじめ世界各国ではインフレ抑制のため政策金利を引き上げる動きが続いております。また、このような内外の金利差等の要因もあり、ドル円相場は円安が大きく進みました。
2021年度は、前連結会計年度に発生した不祥事件を重く受け止め、頭取を委員長とする「不祥事件再発防止委員会」を設置して不祥事の根絶と組織におけるコンプライアンスの徹底に全行をあげて努めてまいりました。また、新たな長期ビジョン、新中期経営計画を策定し、長期ビジョンにおいては当行の目指す姿として地域社会に貢献する会社になることを明確に定めるとともに、中期経営計画においては地域のお客さま、従業員など全てのステークホルダーが「輝く」ことができるよう新たな成長戦略を示し、業績面では前年度の赤字決算からの着実な回復に向けて全力で取り組んでまいりました。
2021年度は当行の創立80周年にあたり、地元福島への貢献やSDGsへの取り組みを中心に各種の記念事業を展開してまいりました。今回スタートした記念事業の一部は当行の社会貢献事業として継続的な取り組みを行っていく方針であります。
① 財政状態
総資産残高は、7兆1,354億円で前連結会計年度末比3,430億円の増加となりました。
資産項目の主要な勘定残高は、現金預け金が2兆7,973億円(前連結会計年度末比4,561億円の増加)、有価証券が5,223億円(前連結会計年度末比301億円の増加)、貸出金が3兆6,676億円(前連結会計年度末比1,134億円の減少)であります。
負債の部合計は、6兆9,426億円で前連結会計年度末比3,417億円の増加となりました。
負債項目の主要な勘定残高は、預金が5兆7,405億円(前連結会計年度末比439億円の減少)、譲渡性預金が4,676億円(前連結会計年度末比1,268億円の増加)であります。
純資産の部合計は、1,927億円で前連結会計年度末比13億円の増加となりました。
これは、その他有価証券評価差額金の減少を主な要因としてその他の包括利益累計額が37億円減少する一方で、株主資本が利益の積み上げにより51億円増加したことによるものでございます。
なお、当連結会計年度末の国内基準による連結自己資本比率は、貸出金等のリスクアセット減少により、前年度末比0.37%上昇し9.66%となりました。
② 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、次のとおりとなりました。
経常収益は、コンサルティング営業強化による役務取引等収益が増加するとともに、有価証券利息配当金の増加などにより前年度比19億51百万円増加し602億27百万円となりました。
経常費用は、与信関係費用の減少などから、前年度比123億53百万円減少し500億9百万円となりました。
この結果、経常利益は、前年度比143億5百万円増加の102億17百万円となりました(前連結会計年度は経常損失40億87百万円)。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加に伴い前年度比114億17百万円増加し67億53百万円となりました(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失46億64百万円)。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
○ 銀行業
経常収益は、コンサルティング営業強化による役務取引等収益が増加するとともに、有価証券利息配当金の増加などにより、前年度比16億29百万円増加し515億98百万円となりました。また、セグメント利益は、与信関係費用の減少などにより前年度末145億53百万円増加し89億50百万円となりました。
○ 証券業
経常収益は、売上高の減少により、前年度比1億64百万円減少し15億7百万円となりました。また、セグメント利益は、経常収益の減少に伴い前年度比1億13百万円減少し4億70百万円となりました。
○ リース業
経常収益は、売上高の増加により、前年度比7億27百万円増加し71億30百万円となりました。また、セグメント利益は、経常収益の増加により前年度比46百万円増加し5億12百万円となりました。
○ 信用保証業
経常収益は、売上高の増加及び貸倒引当金戻入益の計上などにより、前年度比83百万円増加し18億10百万円となりました。また、セグメント利益は、与信関係費用の減少などにより前年度比2億72百万円増加し15億80百万円となりました。
○ その他
経常収益は、グループ会社の業務収益増加などにより、前年度比66百万円増加し26億61百万円となりました。また、セグメント利益は、与信関係費用の減少及び経費の減少などにより前年度比62百万円増加し8億14百万円となりました。
③ キャッシュ・フロー
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローにつきましては、次のとおりとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス関連の借用金の増加等により5,020億円の収入超過となりました。前連結会計年度との比較では、預金の減少を主な要因として収入超過額が3,539億円減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入を有価証券の取得による支出が上回ったこと等から443億円の支出超過となりました。前連結会計年度との比較では、有価証券の売却・償還による収入の増加等により支出超過額が891億円減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出等により12億円の支出超過となり、前連結会計年度とほぼ同額となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前年度末比4,564億円増加し2兆7,963億円となりました。
④ 生産、受注及び販売の状況
銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(参考)
(1) 国内・国際業務部門別収支
資金運用収支は、国内業務部門で322億76百万円、国際業務部門で9億36百万円、合計では前連結会計年度比15億25百万円増加し332億13百万円となりました。また、役務取引等収支は、国内業務部門で99億10百万円、国際業務部門で14百万円、合計では前連結会計年度比2億65百万円増加し99億24百万円、その他業務収支は、国内業務部門で24億87百万円、国際業務部門で1億88百万円、合計では前連結会計年度比3億74百万円減少し26億75百万円となりました。
以上の各収支を合計した連結業務粗利益は、国内業務部門で446億74百万円、国際業務部門で11億38百万円、合計では前連結会計年度比14億15百万円増加し458億13百万円となりました。
(注) 1 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。
3 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
(2) 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況
資金運用勘定平均残高は、国内業務部門が5兆9,147億36百万円、国際業務部門が239億32百万円となり、相殺消去を行った合計で5兆9,260億67百万円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.54%、国際業務部門が4.00%となり、相殺消去を行った合計で0.56%となりました。
一方、資金調達勘定平均残高は、国内業務部門が6兆6,096億99百万円、国際業務部門が222億62百万円となり、相殺消去を行った合計で6兆6,193億60百万円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.00%、国際業務部門が0.10%となり、相殺消去を行った合計で0.00%となりました。
① 国内業務部門
(注) 1 国内業務部門とは、当行及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、各連結会計年度の期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度493,070百万円、当連結会計年度756,410百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度9,100百万円、当連結会計年度9,300百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
② 国際業務部門
(注) 1 国際業務部門とは当行の外貨建取引であります。なお、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、各連結会計年度の期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度22百万円、当連結会計年度20百万円)を控除して表示しております。
4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
5 国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は、日次カレント方式(当日のTT仲値を当日の全ての取引に適用する方式)により算出しております。
③ 合計
(注) 1 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度493,093百万円、当連結会計年度756,431百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度9,100百万円、当連結会計年度9,300百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
2 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
(3) 国内・国際業務部門別役務取引の状況
役務取引等収益は、国内業務部門が150億67百万円、国際業務部門が45百万円となり、合計で151億12百万円となりました。
役務取引等費用は、国内業務部門が51億57百万円、国際業務部門が31百万円となり、合計で51億88百万円となりました。
(注) 国際業務部門には、当行の外国為替業務等に関する収益、費用を計上しております。
(4) 国内・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 国内業務部門とは、当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3 定期性預金=定期預金+定期積金
(5) 業種別貸出状況及び外国政府等向け債権残高
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
② 外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
(6) 国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(7) 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社です。
①信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)
(注) 共同信託他社管理財産 前連結会計年度末 -百万円 当連結会計年度末 -百万円
②元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額(単体)
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループ(当行及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
当連結会計年度の譲渡性預金を含む総預金の期中平均残高は、個人、法人預金を中心に前連結会計年度末比1,475億円増加(増加率2.50%)し、6兆255億円となりました。
これは、多様なニーズにお応えする商品の提供に努め、お客さまの信頼を得た結果であります。
運用の要である貸出金の期中平均残高は、前連結会計年度末比2,071億円減少(減少率5.25%)し、3兆7,324億円となりました。
これは、地域のお客さまの住宅取得等の幅広いニーズにお応えし個人ローンが増加する一方で、公共貸出が減少したことが主な要因であります。
また、有価証券の期中平均残高は、前連結会計年度末比701億円増加(増加率17.37%)し、4,738億円となりました。
これは、金融市場の変動に耐えうる安定的な収益確保のため、有価証券のポートフォリオ再構築に取り組んだ結果であります。
(単位:百万円)
(※)平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、各連結会計年度の期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。
なお、当連結会計年度末における連結ベースのリスク管理債権残高は、前連結会計年度末比44億円増加し497億円、総貸出金残高に占める比率は、前連結会計年度末比0.15ポイント上昇の1.32%となっております。
(単位:百万円)
(経営成績)
(a) 連結業務粗利益[資金利益+役務取引等利益+その他業務利益]
連結業務粗利益は、資金利益及び役務取引等利益の増加により、前連結会計年度比14億15百万円増加の458億13百万円となりました。
資金利益は、有価証券利息配当金の増加などにより、前連結会計年度比15億25百万円増加の332億13百万円となりました。
役務取引等利益は、コンサルティング営業強化により、前連結会計年度比2億65百万円増加の99億24百万円となりました。
その他業務利益は、その他業務費用の増加を主な要因として前連結会計年度比3億74百万円減少の26億75百万円となりました。
(単位:百万円)
(※)連結業務粗利益=資金利益(資金運用収益-資金調達費用+金銭の信託運用見合費用)+役務取引等利益(役務取引等収益-役務取引等費用)+その他業務利益(その他業務収益-その他業務費用)
(b) 連結実質業務純益[連結業務粗利益-営業経費(臨時費用処分を除く)]
営業経費(臨時費用処理分を除く)は、前連結会計年度比11億51百万円減少の334億75百万円となりました。
これは、コスト構造改革の推進により経費の圧縮に取り組んできた結果であります。
その結果、連結実質業務純益は、資金利益及び役務取引等利益の増加に加え、営業経費(臨時費用処理分を除く)の減少などにより、前連結会計年度比25億67百万円増加の123億37百万円となりました。
(単位:百万円)
(c) 経常利益〔連結実質業務純益-その他経常費用中一般貸倒引当金繰入額+その他経常損益(不良債権処理額・株式等関係損益等)〕
当連結会計年度の与信関係費用は、コロナ禍に苦しむお客さまを支援する「アフターコロナプロジェクト」を通じた経営改善支援による与信関係費用の圧縮等により、前連結会計年度比92億3百万円減少の24億3百万円となりました。
その結果、経常利益は、前年度比143億5百万円増加の102億17百万円となりました(前連結会計年度は経常損失40億87百万円)。
(単位:百万円)
(※)1 不良債権処理額=貸出金償却+貸倒引当金繰入額(その他経常費用中一般貸倒引当金繰入額を除く)+その他債権売却損等
2 株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
<参考>
(単位:百万円)
(※)与信関係費用=その他経常費用中一般貸倒引当金繰入額+不良債権処理額-償却債権取立益
(d) 親会社株主に帰属する当期純利益〔経常利益+特別損益-法人税等合計-非支配株主に帰属する当期純利益〕
特別損益は、固定資産減損損失が前年度と比較して減少したことにより、前連結会計年度比17億50百万円増加の△4億94百万円となりました。
法人税等合計は、前連結会計年度比46億38百万円増加の29億69百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比114億17百万円増加し67億53百万円となりました(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失46億64百万円)。
(単位:百万円)
(※)1 税金等調整前当期純利益=経常利益+特別損益(特別利益-特別損失)
2 親会社株主に帰属する当期純利益=税金等調整前当期純利益-法人税等合計-非支配株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、次のとおりとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス関連の借用金の増加等により5,020億円の収入超過となりましたが、前連結会計年度との比較では、預金の減少を主な要因として収入超過額が3,539億円減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入を有価証券の取得による支出が上回ったこと等から443億円の支出超過となりました。前連結会計年度との比較では、有価証券の売却・償還による収入の増加等により支出超過額が891億円減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出等により12億円の支出超過となり、前連結会計年度とほぼ同額となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前年度末比4,564億円増加し2兆7,963億円となりました。
(単位:百万円)
当面の設備投資、成長分野への投資並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
また、当社グループは正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理体制の構築を図っております。貸出金や有価証券の運用については、お客さまからの預金を中心として調達するとともに、必要に応じてコールマネー等により資金調達を行っております。
なお、資金の流動性の状況等については日次管理を行っており、定期的にALM委員会に報告しております。
当社グループが連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
貸倒引当金
(1)当連結会計年度に係る連結財務諸表に計上した額
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報
①算出方法
貸倒引当金の算出方法は、「4.会計方針に関する事項」「(5)貸倒引当金の計上基準」に記載しております。
②主要な仮定
主要な仮定は、「債務者区分の判定における各債務者の将来の業績見通し」であります。「債務者区分の判定における各債務者の将来の業績見通し」は、債務者の実態的な財務内容、資金繰り、業種・業界等の特性を踏まえた事業の継続性、経営改善計画等の合理性・実現可能性、金融機関等の支援状況等を踏まえ、各債務者の収益獲得能力を個別に評価し、設定しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、まん延防止等重点措置が適用された影響等から、一部業種を中心に経済活動の抑制も見られる状況です。政府・日銀による実質GDP見通し等を踏まえ、政府の経済対策の効果等により今後も経済回復基調は継続するものの、一部業種の企業等の中には経済活動の抑制が継続すると仮定し、将来の業績見通しにおいて勘案しております。なお、従来からの変更はございません。
③翌連結会計年度に係る連結財務諸表に及ぼす影響
各債務者の業績変化や新型コロナウイルス感染症の感染拡大等により、当初の見積りに用いた仮定が変化した場合は、翌連結会計年度に係る連結財務諸表における貸倒引当金に重要な影響を及ぼす可能性があります。
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