以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。
当グループは、地域の総合金融グループとして、基本理念「地域とともに夢と豊かさを広げます。」のもと、時代を先取りする先進的な経営により、ステークホルダーである株主の皆さま、お客さま、地域社会、職員の豊かな未来の創造に貢献するため、健全性と収益性、成長性を兼ね備えたバランスのとれた事業運営に取り組んでおります。
当グループは、2020年4月から新たな中期経営戦略である第14次中期経営計画「COLORs~多彩~」(計画期間:2020年度~2022年度)に取り組んでおります。第14次中期経営計画は、基本理念のもと、SDGsの理念である「誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」を経営戦略に反映し、「地域のお客さまの夢の実現に寄り添う、課題解決型企業グループへの変革」をビジョンとして掲げています。
当グループの主要な営業基盤である「地域」では、人口減少や少子高齢化、経営者の後継者難など多くの社会問題を抱え、また、当グループも、低金利環境の長期化にくわえ金融サービス分野に参入した異業種企業等との競合、金融サービスへのデジタル技術の一層の浸透など多くの経営課題を抱えております。このような状況を打開していくため、「地域」における取り組みに最優先で経営資源を投入し適切なリスクテイクを図っていくとともに、収益基盤の拡充に向けて、バランス良く成長分野や新事業分野にも取り組みを広げることで、ステークホルダーとともに持続可能な成長を目指し、次の3つの基本戦略にグループが一丸となって取り組んでおります。
「グループ営業戦略~「銀行中心」からの脱却」では、グループ会社と連携した「グループ総営業体質」の浸透を図り、相続・事業承継をはじめ、事業を営むお客さまや個人のお客さまのニーズを捉えたさまざまな課題解決に向けて、グループ全体で高度かつ専門的なソリューションを提供することで収益機会を広げてまいります。
「イノベーション戦略~新たな収益機会の追求」では、デジタル技術等の活用によりビジネスモデルを変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組み、営業や業務のBPR、非対面チャネルの刷新等を図ります。また、資本業務提携を含む異業種企業との連携を通じ当グループのサービスメニューの拡充、顧客基盤の拡大、業務プロセスの革新等に取り組むほか、ベンチャービジネスへの取り組みを強化し、それらの取り組みから得られた知見・ネットワークを地域に還元していきます。
「ビジネスポートフォリオ戦略~経営資源の最適配賦」では、経営資源やリスク資本の配賦につきグループ全体最適の視点をもって戦略的に取り組んでまいります。特に人材面では、グループ会社と連携した営業を実践していくため、グループ会社間で最適な人材ポートフォリオを構築するとともに、社内の人材育成と合わせて外部のプロフェッショナル人材を活用することで営業戦略の実現を加速します。また、静岡県内の安定した資金調達基盤とグループ会社の総合金融機能を活用することで、首都圏等における収益機会を取り込み、収益の成長を目指します。
第14次中期経営計画 連結経営目標
第14次中期経営計画「COLORs~多彩~」における最終計画年度(2022年度)の連結経営目標として掲げた指標については次のとおりであります。
A 収益性指標は、金融緩和による低金利環境の長期化の影響から、金融機関にとって資金運用面で厳しい環境が続くと想定されるなかにあっても、第14次中期経営計画への取り組みを通じて、当グループの収益力を強化しつつ資本に対する収益効率性を確保していくことを目的に設定しております。
B 健全性指標は、「地域」への適切なリスクテイク、および成長分野や新規事業への取り組み等を通じて収益力の向上を目指していく中で、適切なリスク管理等を通じて財務の健全性を維持していく観点から、目標水準を設定しております。
C その他の指標のうち、連結OHRは、DXやBPR等による経費構造の変革を通じて経費支出の水準をコントロールしつつ当グループの持続的な成長に向けた投資を継続していく観点から、目標水準を設定しております。また、株主還元率は、グループ経営を強化していく観点から連結ベースとし、中長期的な還元の充実を図ることを目的に目標水準を設定しております。
2022年度の経済動向を展望しますと、新型コロナウイルス感染症や地政学リスクによる国内外の経済活動に対する影響の長期化が懸念される一方、感染症のまん延防止の観点から社会のデジタルシフトが一層加速することが想定されます。くわえて、世界的な潮流である脱炭素化やダイバーシティへの対応などコロナ前には戻らない時代の流れは、地域における産業構造を大きく変える可能性を含んでおります。こうしたなか、当グループとして、先の時代を見据えて総合金融機能の拡充を図りながら、現下の変化への対応を地域の持続可能性を高める推進力に変えていくことが重要であると認識しています。
また、当グループにおいても、2030年度までにカーボンニュートラル「スコープ1、2」を達成する目標や、石炭火力発電向け投融資について、原則新規に行わず、2040年度を目途に残高をゼロとする目標を掲げ取り組みを進めているほか、低炭素社会へ移行した場合の移行リスク・物理的リスクといった財務に与える影響額の測定を適切に行い、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った開示の充実を図ってまいります。くわえて、そのプロセスで得た知見を地域の産業に与える影響分析にも活用し、「スコープ3」を踏まえた温室効果ガス排出量削減にもつなげてまいります。
また、山梨中央銀行や名古屋銀行等の他金融機関ならびに異業種企業との連携・協業にも積極的に取り組み、お互いの経営資源を有効に活用しながら成長戦略の実現に向けた選択肢を増やすことで、相互にWin-Winの関係となる経営基盤の強化につなげてまいります。
第14次中期経営計画で掲げた「地域のお客さまの夢の実現に寄り添う、課題解決型企業グループへの変革」の実現に向け、上記の取り組みをグループが一体となって推進してまいります。
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