課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当行は、山梨県及び西東京地区を主要な営業基盤とする地域金融機関として、預金業務、貸出業務を中心に、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、国債等公共債・投資信託・保険の窓口販売業務及び各種コンサルティング業務などを、グループ会社では、リース業、クレジットカード業等の金融サービスに係る事業を行っており、地域の皆さまに多様な金融商品・サービスを提供しています。

また、地域に根ざし、地域社会の繁栄と経済発展に寄与するとともに、お客さまから信頼していただける健全な経営姿勢を堅持し、経営内容の充実に努めることを経営理念としており、この実現に向けて、当行及びグループ各社は、多様化・高度化する地域の金融ニーズに的確かつ迅速にお応えすべく、総力を結集しさまざまな施策に取り組んでおります。

 

(2) 経営環境

山梨県では、中部横断自動車道の山梨・静岡間全線開通や、今後予定されているリニア中央新幹線の開業など、経済発展を力強く後押しする交通インフラの整備・拡充が進んでいます。これにより、県内への物流拠点の設置や転入者の増加など、地域経済へのプラス効果が表れています。

一方で、新型コロナウイルス感染症などの影響により、観光業や飲食業などをはじめ、多くの地域産業で厳しい状況が継続しています。

金融界においては、マイナス金利政策の長期化による貸出金や有価証券運用の利回り低下、規制緩和による異業種からの参入、少子高齢化と人口減少に伴う顧客基盤の縮小、キャッシュレス社会の進展などに加え、同感染症の影響など、これまでに経験したことのない厳しい経営環境にあります。

 

(3) 中期経営計画

当行は2022年4月から中期経営計画「TRANS3 (トランス キューブ)2025」(2022年4月~2025年3月)をスタートさせております。概要は以下のとおりであります。

 


 

本計画においては、「OHR(コア業務粗利益経費率)」、「ROE(当期純利益ベース)」の財務指標のKPIとともに、当行自身の持続可能な経営やSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の実現に向けて、非財務指標をKPIとして掲げております。

 

具体的には、ダイバーシティ&インクルージョンの推進度合いを計るための「管理・監督職に占める女性の比率」、業務の合理化・効率化と人的資本経営の実現に向けた取組みの進捗を計るための「リスキリングによる事務人員の再配置割合」、サステナブル社会、脱炭素社会の実現に向けた取組みの進捗を計るための「サステナブルファイナンス投融資額」、「温室効果ガス(CO2)排出量削減率」を掲げています。

これらのKPI達成を通じて、KGIである「親会社株主に帰属する当期純利益」の達成を目指してまいります。

 

指標

2025/3目標

2022/3実績(参考)

当該指標の設定理由

OHR(コア業務粗利益経費率)

※1

73.5%以下

73.4%

経営の効率性を計るため

ROE(当期純利益ベース)

3%以上

1.8%

資本に対する収益効率性を計るため

管理・監督職に占める女性の比率

15%以上

13%

ダイバーシティ&インクルージョンおよび人的資本経営実現に向けた取組みの進捗度合を計るため

リスキリングによる事務人員の

再配置割合

30%以上

業務の合理化・効率化および経営資源の再配分ならびに人的資本経営の実現に向けた取組みの進捗度合を計るため

サステナブルファイナンス投融資額(計画期間合計)※2

2,500億円以上

715億円

サステナブル社会・脱炭素社会の実現に向けた取組みの進捗を計るため

温室効果ガス(CO2)排出量削減率

※3

46%以上

32%

親会社株主に帰属する当期純利益

60億円以上

42億円

当行グループの事業の成長性・収益力を計るため

 

※1 OHR(コア業務粗利益経費率)=経費(除く臨時処理分)÷(業務粗利益-国債等債券損益)

※2 持続可能な地域社会の実現に資する投融資(環境・教育・創業・事業承継など)

※3 2013年度比、目標対象範囲:Scope1+Scope2(ガソリンを除く)

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 新型コロナウイルス感染症拡大への対応

A お客さまに対する支援等

新型コロナウイルス感染症は変異株の発生などによりその影響が継続していますが、当行では感染拡大防止策の徹底を図りながら、全店に設置した専用の相談窓口においてお客さまとの接点を強化し、資金繰りや経営改善支援に積極的に取り組んでおります。

引き続き、影響を受けているお客さまへの金融面・非金融面での支援を積極的に行ってまいります。

 

B 当行財務に対する影響

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

② 中期経営計画

当行では2022年度からの3年間、新中期経営計画「TRANS3 2025」に取り組みます。計画では、「アライアンス(=A)」、「デジタル(=D)」、「サステナビリティ(=S)」の3つの変革ドライバーと、以下の3つの戦略により、当行自身の変革「トランスフォーメーション(=X)」に向けて挑戦していきます。

“事業体積”増加戦略:本業のさらなる磨きあげと新たなビジネスへの挑戦によるトップライン収益の増強

“生 産 性”倍増戦略:営業店・本部の事務ゼロ化に向けた施策と対面・非対面のチャネル改革による飛躍的な生産性向上

“サステナ”追求戦略:人的資本経営とガバナンスの高度化、脱炭素に向けた取組みなどによるサステナブル経営と地域社会との共生の実現

これらの取組みを通して、地域社会の繁栄と経済発展に貢献していきます。

 

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