当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にあるなか、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直し基調となりました。
企業部門は、輸出などにおいて供給制約の影響を受け一時的に減速するも増加基調となり、設備投資でも緩やかに持ち直しました。また、個人消費は、新型コロナウイルス感染再拡大によるサービス消費の下振れなどを背景に足下では持ち直しが一服しました。
金融面では、金融正常化観測等により年度後半は金利上昇となり、為替市場では円安が進行し、一時1ドル125円をつける局面もみられました。
このような状況下、当行グループは、目指す銀行像「銀行をこえる銀行へ(お客さまの期待や地域の壁をこえ、銀行という枠をこえることを目指します。)」の基本方針のもと、お客さまの利便性向上に努めるとともに、より充実した金融商品、金融サービスの提供に注力し、業績の向上と経営体質の強化に取り組んでまいりました。
財政状態は、貸出金残高が、中小企業向け貸出を中心に前連結会計年度末比1,387億円増加し3兆4,099億円となりました。預金等残高(譲渡性預金を含む。)は、前連結会計年度末比1,182億円増加し4兆5,750億円となりました。有価証券残高は、前連結会計年度末比948億円減少し9,822億円となりました。
経営成績は、連結経常収益が、貸出金利息や役務取引等収益が増加したこと等から、前連結会計年度比26億87百万円増加し815億96百万円となりました。連結経常費用は、経費削減への継続的な取組みなどにより営業経費が減少したことや、株式等売却損が減少したこと等により、前連結会計年度比11億80百万円減少し573億14百万円となりました。以上の結果等により、連結経常利益は、前連結会計年度比38億66百万円増加し242億81百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比18億69百万円増加し154億60百万円となりました。
セグメントの業績は、当行グループの中心である銀行業セグメントが、上記の要因等により、経常収益が前連結会計年度比19億66百万円増加し720億15百万円、経常費用が前連結会計年度比12億3百万円減少し496億71百万円、経常利益が前連結会計年度比31億69百万円増加し223億43百万円となりました。また、その他セグメントは、経常収益が前連結会計年度比8億89百万円増加し116億1百万円、経常費用が前連結会計年度比2億13百万円増加し96億72百万円、経常利益が前連結会計年度比6億75百万円増加し19億28百万円となりました。
連結自己資本比率(国内基準)は、自己資本の額が前連結会計年度末比110億円増加し、リスク・アセット等の額が前連結会計年度末比251億円増加した結果、前連結会計年度末比0.42%上昇し10.82%となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、貸出金が増加したものの、主要な資金調達源である預金や、借用金が増加したこと等から、前連結会計年度比6,397億5百万円減少し755億28百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が増加したことや、金銭の信託の増加による支出があったものの、有価証券の売却による収入が増加したこと等から、前連結会計年度比894億18百万円増加し873億57百万円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出がなかったものの、自己株式の取得による支出が増加したこと等から、前連結会計年度比1億85百万円減少し△45億73百万円となりました。以上の結果等により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比1,583億29百万円増加し1兆3,751億3百万円となりました。
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
当連結会計年度の資金運用収支は、資金運用収益が前連結会計年度比23億43百万円増加の456億90百万円となり、また、資金調達費用が前連結会計年度比5億99百万円減少の6億13百万円となったため、前連結会計年度比29億41百万円増加の450億76百万円となりました。うち国内業務部門は、419億88百万円となりました。役務取引等収支は、前連結会計年度比5億75百万円増加の114億26百万円となりました。うち国内業務部門は、113億85百万円となりました。その他業務収支は、前連結会計年度比51億95百万円減少の△11億79百万円となりました。うち国内業務部門は、13億21百万円となりました。
(注) 1 国内業務部門は円建取引、国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 当連結会計年度の資金調達費用は金銭の信託運用見合費用0百万円を控除して表示しております。
3 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
当連結会計年度の資金運用勘定の合計の平均残高は、貸出金の平均残高が増加したこと等から、前連結会計年度比938億円増加の4兆3,001億円となり、利回りは、前連結会計年度比0.00%上昇の1.02%となりました。うち国内業務部門の平均残高は4兆1,098億円、利回りは0.98%となりました。
また、資金調達勘定の合計の平均残高は、預金の平均残高が増加したこと等から、前連結会計年度比1兆148億円増加し5兆9,382億円となり、利回りは、前連結会計年度比0.01%低下の0.01%となりました。うち国内業務部門の平均残高は5兆7,422億円、利回りは0.00%となりました。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2 国内業務部門は円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は無利息預け金及び付利対象である日本銀行への預け金の平均残高(前連結会計年度832,328百万円、当連結会計年度1,763,348百万円)及び当座預け金利息(前連結会計年度374百万円、当連結会計年度1,734百万円)を控除して表示しております。
4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2 国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は無利息預け金及び付利対象である日本銀行への預け金の平均残高(前連結会計年度33百万円、当連結会計年度23百万円)を控除して表示しております。
4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2 資金運用勘定は無利息預け金及び付利対象である日本銀行への預け金の平均残高(前連結会計年度832,361百万円、当連結会計年度1,763,372百万円)及び当座預け金利息(前連結会計年度374百万円、当連結会計年度1,734百万円)を控除して表示しております。
3 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
当連結会計年度の役務取引等収益は、前連結会計年度比6億87百万円増加し165億51百万円となりました。うち国内業務部門は、164億55百万円となりました。また、役務取引等費用は、前連結会計年度比1億12百万円増加し51億24百万円となりました。うち国内業務部門は、50億70百万円となりました。
(注) 国内業務部門は円建取引、国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金
3 国内業務部門は円建取引、国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
該当事項はありません。
(注) 1 国内業務部門は円建取引、国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては粗利益配分手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
①財政状態
貸出金残高は、事業性貸出・消費者ローン・公共貸出の全ての分野で増加し、前連結会計年度末比1,387億円増加し3兆4,099億円(うち中小企業等貸出金(※)残高は2兆5,818億円)となりました。
特に、事業性貸出金については、当行の全営業エリアにおいて、各地域の特性に応じ、高度な提案活動や幅広い本業支援活動をスピード感をもって展開するなど、お客さまへのメイン化推進等により順調に増加しております。
預金等残高(譲渡性預金を含む。)は、法人預金・個人預金を中心に増加したこと等により、前連結会計年度末比1,182億円増加し4兆5,750億円となりました。
有価証券残高は、投資信託及び国内円貨債券が減少したこと等により、前連結会計年度末比948億円減少し9,822億円となりました。
※ 中小企業等貸出金とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社または常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の会社及び個人への貸出金をいいます。
キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが、貸出金が増加したものの、主要な資金調達源である預金や、借用金が増加したこと等から、前連結会計年度比6,397億5百万円減少し755億28百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が増加したことや、金銭の信託の増加による支出があったものの、有価証券の売却による収入が増加したこと等から、前連結会計年度比894億18百万円増加し873億57百万円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出がなかったものの、自己株式の取得による支出が増加したこと等から、前連結会計年度比1億85百万円減少し△45億73百万円となりました。以上の結果等により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比1,583億29百万円増加し1兆3,751億3百万円となりました。
なお、重要な資本的支出の予定はございません。当面の設備投資及び株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
第6次中期経営計画の目標指標達成に向け主要戦略を遂行した結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
資金利益は、貸出金残高の増加が利回りの低下をカバーし、貸出金利息が増加したこと等から、前連結会計年度比29億41百万円増加し450億76百万円となりました。
役務取引等利益は、お客さまへの本業支援を通じた収益機会の拡大を図る中、事業性関連収益や預かり資産関連収益が増加したこと等から、前連結会計年度比5億75百万円増加し114億26百万円となりました。
その他業務利益は、国債等債券損益が減少したこと等から、前連結会計年度比51億95百万円減少し△11億79百万円となりました。
以上により、連結粗利益は前連結会計年度比16億81百万円減少し553億22百万円となりました。
営業経費は、経費削減への継続的な取組み等から、前連結会計年度比23億94百万円減少し319億99百万円となりました。また、与信コスト総額は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を考慮した予防的な貸倒引当金を30億76百万円計上したこと等から、前連結会計年度比6億12百万円増加し45億円となりました。さらに、株式等関係損益は、株式等売却損が減少したこと等から、前連結会計年度比32億22百万円増加し47億13百万円となりました。
以上の結果等により、経常利益は前連結会計年度比38億66百万円増加し242億81百万円となりました。
特別損益は、固定資産処分益の減少等から、前連結会計年度比3億14百万円減少し△1億91百万円となり、また、法人税、住民税及び事業税は、前連結会計年度比13億65百万円増加し76億8百万円となりました。
以上の結果等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比18億69百万円増加し154億60百万円となりました。
(注) 1 連結粗利益=資金利益(資金運用収益-資金調達費用)+役務取引等利益(役務取引等収益
-役務取引等費用)+その他業務利益(その他業務収益-その他業務費用)
2 与信コスト総額は、与信費用に償却債権取立益などの与信関連損益を加味して算出しております。
③連結自己資本比率(国内基準)
連結自己資本比率(国内基準)は、自己資本の額が前連結会計年度末比110億円増加し、リスク・アセット等の額が前連結会計年度末比251億円増加した結果、前連結会計年度末比0.42%上昇し10.82%となりました。
(単位:億円、%)
当行グループにおいては、「銀行業」を報告セグメントとしております。
銀行業セグメントは、既述の要因等により、経常収益が前連結会計年度比19億66百万円増加し720億15百万円、経常費用が前連結会計年度比12億3百万円減少し496億71百万円、経常利益が前連結会計年度比31億69百万円増加し223億43百万円となりました。
また、その他セグメントは、経常収益が前連結会計年度比8億89百万円増加し116億1百万円、経常費用が前連結会計年度比2億13百万円増加し96億72百万円、経常利益が前連結会計年度比6億75百万円増加し19億28百万円となりました。
当行グループは、2021年4月から2024年3月までの3年間を計画期間とした「第6次中期経営計画」に取り組んでおります。
第6次中期経営計画の目標指標における実績は次のとおりであり、全項目で計画最終年度での目標としている水準を達成しております。
第6次中期経営計画における目標指標及び実績
※顧客向けサービス業務利益<単体>=貸出金平残×預貸金利回差+役務取引等利益-営業経費
※本業OHR<単体>=営業経費÷(貸出金平残×預貸金利回差+役務取引等利益)
当行では、引き続き、お客さまの信頼に基づく「存在感の向上」と「高い収益基盤の確立」を目指し、お客さまにコミットしております「どんな課題にも本気で向き合い、お客さまの期待をこえる」銀行を目指してまいりたいと考えております。
第6次中計の達成が当行の長期ビジョンの達成に向けた第一歩となり、ひいては地域活性化およびサステナブル社会の実現に貢献するため、グループ会社を含めた総合金融サービスの一層の高度化を図るべく、紀陽フィナンシャルグループ全役職員が一丸となって取り組んでまいります。
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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