課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。

 

経営方針

当行は次の方針に基づき経営活動を行っております。

(経営の基本方針)

経営理念:『地域社会の繁栄に貢献するため銀行業務を通じ最善をつくす』

長期ビジョン:『地域の持続可能性を高める価値創造カンパニー』

ブランドスローガン: 『感動を、シェアしたい。』

当行の経営理念は、「社会における役割・責任・目標、そして共通の価値観」を明示しており、行員一人ひとりがこの使命を銘記し、銀行業務を全力で遂行してまいります。

この使命を達成するために、地域の皆さまと一緒になって地域社会の発展に寄与するとともに、お客さまに感動していただけるサービスをお届けするという目標に向かって前進してまいります。

また、2021年度より開始した「中期経営計画2021」の実践にあたり、10年後の目指す姿として、新たな長期ビジョン「地域の持続可能性を高める価値創造カンパニー」を掲げております。

 

(中長期的な経営戦略)

当行では、2021年度より新たな長期ビジョン「地域の持続可能性を高める価値創造カンパニー」を掲げました。当行グループ一体となって「顧客・経済・社会・環境」の4つの価値の組み合わせによって地域とお客さまの課題解決を図ることで地域価値を高め、地域と当行の共存と持続可能性を追求する、新たなCSV(共有価値の創造)の実現を目指しております。

この長期ビジョン実現に向けたファーストステップと位置づける「中期経営計画2021」では、基本テーマ「未来を見据えた変革への挑戦」の下、地域特性を踏まえた金融・非金融サービスの提供を図る「基本戦略」と、SDGsを羅針盤とした新たなビジネスモデルへの挑戦を図る「ビジョン戦略」の2軸で戦略を展開しております。基本戦略に基づく施策展開を中心に、地域のお客さま支援と地域課題の解決を通じたCSVの継続的進化に軸足を置きつつ、引き続き生産性向上による経営体質の強化(一人あたりコア業務純益)に取り組みながら、並行してビジョン戦略に基づき「新たなビジネスの創出と、これらを実現する人財の確保・育成」に注力しております。その一環として、2022年1月1日付けで経済産業省が定めるDX(デジタルトランスフォーメーション)認定制度における「DX認定事業者」の認定を取得いたしました。長期ビジョンの実現に向けたDXへの対応を進めるとともに、将来に向けた預貸ビジネスからのビジネスモデル変革や、地域に新たな価値や市場を創出し「地域の持続可能性」を高める存在となることを目指してまいります。

加えて、気候変動や人権問題をはじめとする環境・社会課題への対応の重要性はさらに高まっており、これらサステナビリティを巡る課題への取組みは重要な経営課題であるとの認識のもと、サステナビリティ経営の推進態勢の整備を行いました。具体的には、取締役会において「サステナビリティ基本方針」を制定するとともに「サステナビリティ委員会」を新設し、当行グループ各機関における「監督」と「執行」の役割を明確にしております。今後も本基本方針及び推進態勢の下、より高いレベルでのサステナビリティ経営の実践を目指してまいります。

 

「中期経営計画2021」において目標とした経営指標についての達成度は、以下のとおりです。

 

2022年3月期 目標

2022年3月期 実績

2023年3月期 目標

連結当期純利益(収益性) (注)

40億円

53億円

41億円

 

(注)「親会社株主に帰属する当期純利益」を中期経営計画の経営指標に合わせ、「連結当期純利益」と表示しております。

 

経営環境

2021年度の国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が弱まり、持ち直しの動きとなりました。生産活動は、供給制約の影響を残しつつも増加基調となりました。個人消費はサービス消費への下押し圧力が軽減され、持ち直しの動きとなりました。公共投資は高水準で推移しておりますが、年度後半は弱含んでおります。設備投資は企業収益の改善を背景に持ち直しております。住宅投資は、年度を通じて増加しておりますが、年度後半は増勢が鈍化しております。有効求人倍率は経済活動の回復や人手不足を背景に、上昇傾向となりました。

県内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が弱まり、持ち直しております。設備投資は、製造業・非製造業ともに増加しました。生産活動は、化学・石油製品工業などでの堅調な需要を背景に緩やかに持ち直しました。個人消費は催事などの再開により緩やかに持ち直しました。住宅投資は、持家が持ち直した一方、貸家と分譲マンションの着工減少により、やや弱い動きとなりました。観光は新型コロナウイルス感染症の流行前(2019年度)の水準には及ばないものの、行動制限が緩和されたため前年度を上回りました。有効求人倍率は年度を通じて上昇傾向となりました。公共投資は国と県を中心に防災・減災工事の発注が増え、堅調に推移しました。

 

対処すべき課題等

「コンプライアンス」を大前提に、地域の持続可能性を高めつつ当行自身の持続可能性を高めていくことが地域金融機関である当行の最大の経営課題であり、責務であると認識しております。現在、10年後の目指す姿として「長期ビジョン:地域の持続可能性を高める価値創造カンパニー」を掲げ、そのアクションプランである「中期経営計画2021」の諸施策に取り組んでおります。

足元の地域社会においては、長期化する新型コロナウイルス感染症や資源価格の高騰などが地域経済に影響を及ぼすなか、人口減少・少子高齢化に起因する特に中小企業における人材不足や後継者不足の問題、さらには気候変動をはじめとする環境問題など、サステナビリティを巡る様々な課題への対応が求められております。

これら課題に対し「中期経営計画2021」において、基本戦略「地域特性を踏まえた金融・非金融サービスの提供」に基づき、地域のお客さま支援と地域課題の解決を通じてCSVの継続的進化と地域価値の創造を実現する各種施策に取り組んでおります。またビジョン戦略「SDGsを羅針盤とした新たなビジネスモデルへの挑戦」の諸施策の展開により、金融の枠組みを超えたビジネスモデルの構築やそれを実現する人財の確保・育成等、新たなCSVの創造に取り組んでおります。

当行は収益を確保し存続を図る私企業としての役割に加え、持続可能な地域社会を創造する役割を担う公益性の高い企業として、今後も持続可能な企業価値の向上に努めてまいります。

株主の皆さまには、当行の取組みに対しまして、なお一層のご理解とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得