この「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」は、当行グループの経営成績等に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の視点から分析・検討したものです。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態
イ.資産・負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産は、有価証券の増加等により前連結会計年度末比2,558億円増加し、3兆5,169億円となりました。負債は、預金の増加等により前連結会計年度末比2,615億円増加し、3兆3,543億円となりました。また純資産は、その他有価証券評価差額金の減少等により前連結会計年度末比56億円減少の1,626億円となりました。
なお、主要勘定の状況は次のとおりとなりました。
○預金
個人預金の増加等により、預金残高は前連結会計年度末比916億円増加し3兆148億円となりました。
○貸出金
貸出金残高は前連結会計年度末比71億円減少し1兆9,547億円となりました。
○有価証券
市場動向を注視しつつ運用した結果、有価証券残高は前連結会計年度末比257億円増加し6,042億円となりました。
ロ.連結自己資本比率
連結自己資本比率(国内基準)は、利益計上等による自己資本の増加等により、前連結会計年度末比0.16ポイント増加の12.06%となりました。
②経営成績
経常収益は、役務取引等収益の増加等により、前連結会計年度比14億7百万円増加の416億46百万円となりました。経常費用は、国債等債券売却損の増加等により、前連結会計年度比3億56百万円増加の360億69百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比10億51百万円増加の55億76百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比15億47百万円増加の36億28百万円となりました。
事業の種類別セグメントの状況につきましては、銀行業では、経常収益は前連結会計年度比9億93百万円増加の376億6百万円、セグメント利益は前連結会計年度比9億89百万円増加の43億94百万円となりました。金融商品取引業では、経常収益は前連結会計年度比4億70百万円増加の30億25百万円、セグメント利益は前連結会計年度比79百万円増加の8億71百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等及び「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日)等を当連結会計年度の期首より適用しておりますが、当該適用による影響は軽微であるため、前連結会計年度の数値を調整せずに分析しております。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により、2,795億83百万円となりました。(前連結会計年度比383億18百万円減少)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得等の増加により、△429億56百万円となりました。(前連結会計年度比8億94百万円増加)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により、△5億45百万円となりました。(前連結会計年度比11億31百万円増加)
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比2,361億36百万円増加し8,876億2百万円となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の状況に関する分析・検討について
第十次中期経営計画の2年目となる2022年3月期は、単体の当期純利益は30億98百万円、銀行の本業利益を示す指標の一つであるコア業務純益(投信解約損益除く)は前年と比較し16億38百万円増加の74億66百万円となりました。また連結の親会社株主に帰属する当期純利益は36億28百万円となりました。
2023年3月期の連結業績予想は、経常収益400億円、経常利益50億円、親会社株主に帰属する当期純利益は30億円を見込んでおります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、当該感染症という)の影響については、当連結会計年度末においても、新たな変異株の発生による感染再拡大の懸念は依然続いており、翌連結会計年度においてもワクチン接種等の効果による感染縮小と、変異株の発生による感染再拡大の傾向は当面続くものと想定しておりますが、医療体制の充実と重傷者・死者の減少傾向とともに、経済的な影響は縮小していくものと想定しております。
ただし、一部の業種において、貸出先の財務内容の悪化が一定期間継続するものと想定しており、その想定の範囲内で貸出金等の信用リスクに影響があるとの仮定に基づいて、債務者区分を決定し貸倒引当金を計上しております。
また、2023年3月期の業績につきましては、当該感染症等の影響により期中に一定の貸倒償却引当費用の計上があるとの想定に基づき算出しております。
②資本の財源及び資金の流動性について
当行グループの資本的支出、設備投資については、全て自己資金で対応する予定であります。また、貸出金や有価証券の運用については、大部分を顧客からの預金にて調達しております。
預金は個人預金を中心に毎期増加(連結キャッシュ・フロー計算書:預金の増加等90,674百万円)しております。一方、貸出金は他金融機関と競争を強いられる厳しい環境にある中、個人・中小企業向け貸出を中心に取引先との関係強化や訪問型営業により、積極的に取引先のニーズに対応し一層の資金供給を行ってまいります。有価証券運用では市場リスク等各種リスクを踏まえつつ、流動性の高い運用を継続していることから、当行の現金・預け金をはじめ資金の流動性は十分確保(連結キャッシュ・フロー計算書:現金及び現金同等物の期末残高887,602百万円)されたものとなっております。
なお、この資金の流動性については、資金運用部が資金繰り表を作成・更新したうえ、リスク管理室に報告しているほか、「危機管理計画」により、平常時、注視時、懸念時、危機時の流動性準備額を定め、これを上回る流動性資産を保有していることを常時管理しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要となる事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、貸倒引当金の見積り及び当該見積りに用いた仮定については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(3) 国内業務部門・国際業務部門別収支
当連結会計年度の資金運用収支は253億円、役務取引等収支は53億円、その他業務収支は△11億円となりました。
このうち、国内業務部門の資金運用収支は252億円、役務取引等収支は53億円、その他業務収支は△12億円となりました。また、国際業務部門の資金運用収支は0.7億円、役務取引等収支は0.0億円、その他業務収支は0.1億円となりました。
(注) 1 「国内業務部門」とは当行の円建取引及び連結子会社、「国際業務部門」とは当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息(外書き)であります。
(4) 国内業務部門・国際業務部門別資金運用/調達の状況
当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は3兆815億円、受取利息は256億円、利回りは0.83%となりました。資金調達勘定の平均残高は3兆2,005億円、支払利息は2億円、利回りは0.007%となりました。
このうち、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は3兆776億円、受取利息は255億円、利回りは0.82%、資金調達勘定の平均残高は3兆1,963億円、支払利息は2億円、利回りは0.007%となりました。国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は157億円、受取利息は0.7億円、利回りは0.48%、資金調達勘定の平均残高は159億円、支払利息は0.02億円、利回りは0.01%となりました。
① 国内業務部門
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内業務部門」とは、当行の円建取引及び連結子会社であります。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度115,736百万円、当連結会計年度215,686百万円)を控除して表示しております。
4 ( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
② 国際業務部門
(注) 1 「国際業務部門」とは、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度217百万円、当連結会計年度237百万円)を控除して表示しております。
3 ( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
4 国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
③ 合計
(注) 1 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度115,953百万円、当連結会計年度215,923百万円)を控除して表示しております。
2 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
(5) 国内業務部門・国際業務部門別役務取引の状況
当連結会計年度の役務取引等収益は89億円、役務取引等費用は36億円となりました。
このうち、国内業務部門の役務取引等収益は89億円、役務取引等費用は36億円となりました。また、国際業務部門の役務取引等収益は0.03億円、役務取引等費用は0.02億円となりました。
(注) 「国内業務部門」とは当行の円建取引及び連結子会社、「国際業務部門」とは当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
(6) 国内業務部門・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金+定期積金
3 「国内業務部門」とは当行の円建取引、「国際業務部門」とは当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
(7) 国内業務部門・国際業務部門別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注) 「国内」とは当行及び連結子会社であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
(8) 国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1 「国内業務部門」とは当行の円建取引及び連結子会社、「国際業務部門」とは当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2 「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるものについて債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
お知らせ