課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「お客さまの未来と信用を活かす生活応援企業」として、「お客さま第一」、「生活に密着した金融サービスの提供」、「社会の信頼と期待に応える」、「活力あふれる社内風土の確立」を経営の基本方針とし、金融サービスを通じたお客さまへの限りない貢献を永遠(AEON)の使命と定めております。小売業と金融業が融合した総合金融グループとして、安全・安心、便利で、お得な金融サービスを提供することで、日本及びアジア各国においてお客さまに一番身近なリテール総合金融サービス会社を目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、今般策定した中期経営計画<2021年度~2025年度>の下、新型コロナウイルス感染症の影響からの早期の業績回復、向上に努め、下記の経営指標目標数値を達成できるよう邁進してまいります。

 

経営指標

目標数値(2026年2月期)

営業収益

7,600億円

営業利益

1,000億円

営業利益比率(国内:国際)※

国内:40%、国際:60%

※本社・機能会社を除く、国内及び国際の単純合算数値より算出

 

(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

 当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症が世界中で断続的に拡大する一方で、各国・地域においては、新型コロナウイルス感染症との共存に軸足を置いた政策運営に転じつつあり、経済は緩やかな回復基調にあるものの様々な国際情勢の影響を受け、依然として先行き不透明な状況が続いています。また、金利上昇や円安傾向、原材料やエネルギーの高騰など、市況の大幅な変動が生じています。コロナ禍を意識したお客さまの生活様式や行動は定着しており、非対面のニーズがより一層高まり、同時に将来の不安を反映し個人金融資産を見直す契機にもなっています。

 このような状況下において、当社は大きな転換期を迎えています。当社は昨年度に中期経営計画<2021年度~2025年度>を策定し、「第二の創業 バリューチェーンの革新とネットワークの創造」を定めました。マレーシアやタイなどで複数の新事業を立ち上げており、今後はこれらの新事業の本格稼働を進めてまいります。今期は、次の成長ステージに向け、デジタルトランスフォーメーション(DX)、ヘルス&ウェルネス、そしてESGを重点テーマに取組んでまいります。また、イオングループ全体のタッチポイントとなるトータルアプリ「iAEON」やWAON POINT統合を契機に、グループをあげたキャッシュレスの推進及び利便性向上を図ってまいります。

 

 当社は、「AFSサステナビリティ基本方針」に則り、マテリアリティ(重要課題)を4つに分類しております。「革新的な金融サービスを通じた幸せの追求」、「人材の多様性と可能性の発揮」、「レジリエントな経営基盤の確立」、「気候変動等への対応」に取り組むことにより、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでまいります。

 

 これらにより、中期経営計画の実現性をより一層高めてまいります。

 

<国内事業における重点施策>

①イオン生活圏の構築に向けたインフラ作り

 イオングループでは、グループ各社の総合力を組み合わせて地域に根差した商品・サービス・生活基盤をシームレスに提供することでイオン生活圏を創造し、お客さまの生活を豊かにしていくことを成長戦略の一つとして掲げております。

 当社グループは、その「イオン生活圏」を金融サービスでつなぐインフラづくりの役割を担い、お客さまの生活に密接に関わる決済手段の利便性向上を進めてまいります。「iAEON」における決済機能「AEON Pay」、及び統合してより利用しやすくなったWAON POINTの利用可能店舗を、グループ内だけではなくグループ外にも順次拡大していき、キャッシュレスを推進してまいります。

 加えて、日々の生活で決済をご利用頂くお客さまに対して、健康増進型保険や投資信託など資産形成商品を提案・販売することにより、お客さまとの中長期的な関係を維持してまいります。

 

②地域・お客さまの生活インフラニーズの取り込み

 地方公共団体への地域通貨、地域ポイントや地域商品券発行事業の支援は対象地域を拡大していき、地域の健康ポイント、環境ポイントなど地域の特性に応じた発行支援を手掛けることにより、地域のお客さまの生活に根差したサービスを提供してまいります。

 

③リスク・コストコントロール能力の向上

 AIを活用したスコアリング等による与信・債権管理の高度化に継続的に取り組んでまいります。また、お客さまの非対面でのニーズが高まっていることにより、コンタクトセンターの強化など非対面営業の推進及び、リアルとデジタルのタッチポイントをシームレスに提供し、お客さまの個々のニーズに合わせてご利用いただけるよう、サービスを見直してまいります。

 

<国際事業における重点施策>

①各国でのデジタル金融包摂の実行

 アジア各国において、デジタル金融包摂は各国政府にとって重要施策の一つと位置づけられています。マレーシアでは、デジタルバンクのライセンスを申請しており、事業の準備を進めております。今後は、デジタルバンク事業の開始に向け、AI分析など最新技術を導入し、お客さまの収入の変動やライフステージの進展による金融ニーズの変化に対して、継続して当社グループのサービスをご利用いただけるよう、商品・サービスの開発を行ってまいります。また、タイでは、データ分析による新たな審査手法により、個人事業主への少額融資を可能にするデジタルレンディングを本格稼働することにより、新たな顧客獲得に繋げてまいります。

 

②事業・提供商品・展開エリアの拡大

 展開国の中で先行するタイ・マレーシア等高所得者層が増加している地域においては、 お客さまニーズの多様化、高度化に対応した保険、資産形成商品の拡大や有力パートナーとの提携による事業の多角化など、積極的に事業ポートフォリオの拡大を図ります。

 また、インドネシア、カンボジア、ベトナム等の新たな成長エリアにおいては、グループ内ポイントの共通化などの取組みを強化していき、提供商品の拡大による新たな顧客層を獲得していきます。

 

③都市と地方のニーズの違いに対応したエリア戦略立案

 各国・エリアによって異なるお客さまニーズ、人口動態、都市間・産業間で異なる新型コロナウイルス感染症の影響等を見極め、エリア特性に応じた最適なサービスを提供してまいります。

 

 なお、子会社のイオンプロダクトファイナンス株式会社(以下、同社)が、2022年4月15日に関東経済産業局より、割賦販売法に基づく業務改善命令を受けました。

 当社は、今回の処分を厳粛に受け止め、真摯に反省するとともに、再発防止に向けて、同社の経営体制の刷新を図り、業務運営体制の根本的な見直しによるコンプライアンス体制の再構築を実践し、お客さまの利益保護と法令遵守の徹底に取り組んでまいります。

 

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