課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

当社は、お客さまはもとより株主、社員、地域社会から信頼され、選ばれる金融サービス会社として発展するために、以下の経営理念を掲げております。

 

「水戸証券は、顧客・株主・社員にBESTをつくす企業でありたい」

 

(1)目標とする経営指標

当社は後述の「第六次中期経営計画」において、以下の 計数目標を掲げております。

 

第六次中期経営計画(計数目標) 

ROE 
  5%以上
  (計画期間の各年度)

ストック収入による
  販管費カバー率※ 
  33%以上
  (2024年度)

 

 

 

 ※ストック収入による販管費カバー率:投資信託の代行手数料とファンドラップ報酬の合計を販売費・一般管理費で除した比率であり、費用を安定収益でどれだけカバーできているかを示すものです。

 

これらの計数目標は、市況悪化時でもお客さまへ十分なサービスを提供することや、上場企業として求められる収益の確保など、ステークホルダーの皆さまの期待に応えるために達成しなければならない項目であります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社は、経営環境の変化を考慮してこれまでの経営ビジョンを見直すとともに、第六次中期経営計画を策定しました。

 

<経営ビジョン>

金融サービスを通じて価値を創造し、お客さまと地域社会の豊かな未来の実現に貢献する

 

1.お客さまの資産形成をサポートしライフプランの実現に貢献する

人生100年時代と言われる中、安心して豊かな生活を過ごすためには『貯蓄から資産形成』の重要性が増しています。我々は一人一人のライフプランに応じた金融サービスの提供に努め、お客さまの豊かな未来の実現に貢献します。

2.地域社会の発展に貢献する

地域社会の経済成長には、少子高齢化や気候変動、子供の教育等の社会課題を改善し、持続可能な社会基盤を築く必要があると考えます。我々は地域社会の課題に向き合い、共に歩み、共に成長することで地域社会の発展に貢献します。

3.社員が誇りを持って働き自己実現できる

 我々は人材が最も重要であるとの考えのもと、全社員のスキルアップと多様な働き方を支援・奨励します。社員一人一人がやりがいを感じ、誇りを持って働ける環境を作ります。

4.ビジネス構造の変革に挑戦し続ける

お客さま・株主・社員・地域などのステークホルダーに報い、持続的に成長を続けるには、時代や環境の変化に応じて経営資源を柔軟かつ適切に配分していくことが必要です。我々は環境の変化に応じてビジネス構造の変革に挑戦し続けることで企業価値の向上を目指します。

 

 

<第六次中期経営計画>

  計画期間

2022年度~2024年度(2022年4月~2025年3月)

  目標とする経営指標

ROE

5%以上(計画期間の各年度)

販管費カバー率

33%以上(2024年度)

 

  主要施策

・お客さまのライフプラン実現に資する金融サービスを提供する体制の整備

・安定収益基盤構築の一層の推進

・地域社会との共生への取り組み

・社員の能力開発及びその支援

・企業価値向上及び持続的成長に向けた経営資源の最適配分

 

(3)経営環境

証券業界においては、オンライン証券会社を中心に手数料の無料化など取引コストの低下が進み、従来型の手数料ビジネスから預り資産残高に応じた報酬体系へ見直す動きも出てきております。また、少子高齢化の加速が見込まれており、資産承継や次世代のお客さま獲得の重要性が増しております。

そうした中、対面主体の当社は、オンライン証券会社の顧客層とは異なる富裕層のお客さまを中心に、お客さまの最善の利益の追求やお客さまにふさわしいサービスの提供を通じて「価値の創造」、「お客さまの豊かな未来の実現」に貢献してまいります。また、お客さまに対してファンドラップや投資信託等による分散投資と中長期保有を推奨することで、株式への依存度が高いビジネスモデルから安定収益型のビジネスモデルへの転換を引き続き推進してまいります。資産承継や事業承継等のサービスを通じて、お客さまや地域社会の課題解決にも取り組んでまいります。

 

(4)優先的に対処すべき課題

当社の第五次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)は当事業年度で終了しました。

第五次中期経営計画の実績は以下のとおりです。

 

(第五次中期経営計画の計数目標及び実績)

項目

①ストック収入による

販管費カバー率※

②ファンドラップ

預り資産

計数目標

30%以上

(2021年度)

1,300億円

(2022年3月末)

実績

30.0%

1,244億円

 

※ストック収入による販管費カバー率:投資信託の代行手数料とファンドラップ報酬の合計を販売費・一般管理費で除した比率であり、費用を安定収益でどれだけカバーできているかを示すものです。

 

① 販管費カバー率については、ファンドラップと投資信託の残高増加に伴い投資信託の代行手数料が20億22百万円(前期比124.1%)、ファンドラップ報酬は16億9百万円(同121.5%)となり、30.0%となりました。

② 2022年3月末のファンドラップ預り資産は、前事業年度末から112億円増加し1,244億円となり、第五次中期経営計画の目標は未達となりました。当社は株式、投資信託及びファンドラップ等によるポートフォリオでの提案を推進しておりますが、市況環境が変化する中で、相対的に投資信託の提案機会が増えたことが主な要因です。

 

<経営ビジョン>

指針となる経営ビジョンが掲げる4つのビジョンにかかる成果と課題

1. お客さまからの信頼度№1の会社

(成果)

●  分散投資と中長期保有を推奨することにより、当事業年度末時点のファンドラップ及び投資信託の預り資産残高は、経営ビジョンを掲げた2015年以降で最大となりました。

●   当事業年度を通して、営業店のお客さまからの入金等の額が出金等の額を上回る状態が継続しました。

(課題)

●  「お客さま本位の業務運営」を高度化させ、お客さまのライフプランに応じた最適な金融サービスの提供と、そのための人材育成・体制整備を行います。

●  お客さまの年齢層の若返りや新規口座の獲得に努めます。

 

 

2. 社員が誇りを持って働き自己実現できる会社

(成果)

●  能力や実績を重視した人物本位の登用を実施しており、女性管理職比率が当面の目標であった15%以上を達成したことでダイバーシティが進みました。

●   引き続き「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定されたことに加え、当事業年度より管理職のメンタルヘルス・マネジメント検定資格取得を推進し、働きやすい環境の整備に取り組みました。

(課題)

●   働き方の選択肢を拡大するなど、多様な人材が働きやすい環境の整備に努めます。

●   当社の持続的成長に向けた高スキル人材の育成のために、人材育成計画による計画的な能力開発や、社員自らが行う資格取得の支援を行います。

 

 

3. 金融サービスと情報発信で地域社会の発展に貢献する会社

(成果)

●   地域社会の課題である事業承継に対応するため、M&A仲介会社と提携し、お客さまにソリューションの提供を行いました。

●   社会貢献活動の一環である未来サポート制度で、子供たちの生活を支援する団体への寄付を実施しました。また、スポーツ・文化・地域の発展を支援するため、各種スポンサー・協賛を実施しました。

(課題)

●   SDGsへの取組みを継続するとともに、地域社会と当社の共通価値の創造の観点から地域貢献活動を行います。

 

 

 

4. ビジネス構造の変革に挑戦し続ける会社

(成果)

●   お客さまの利便性向上と当社の業務効率化のため、タブレット端末を用いた口座開設サービスを開始するなどデジタル化を進めました。

●   経常的なコストの削減を目的として、本社の移転を決定しました。

(課題)

●   コーポレート・ガバナンスの強化やサステナビリティを考慮した経営を行うなど、当社の企業価値向上に向けた取り組みを継続します。

●   対面でのサービスに加え、カスタマーセンターやインターネットを活用したサービスの提供によるお客さま満足度の向上に努めます。

 

 

(5)新型コロナウイルス感染症の経営方針・経営戦略等に与える影響について

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言下において、当社は、営業店舗における接客業務を休止するとともに、在宅勤務を実施し、感染防止に努めながら、営業員は会社から貸与された携帯電話やタブレット端末を使用して営業活動を継続し、お客さまへのサービスの提供に努めました。また、本社社員についても隔日・在宅勤務や同一業務を行う人員を別々のフロアーに分散して配置するなどして、感染防止に努めながら、重要業務が滞らないよう業務を継続いたしました。

当社は証券業であり、製造業のようにサプライチェーンに属していないことから、取引先の操業停止による影響は受けないことや、金融システム機能維持のために、事業継続が求められる業種であることから、感染防止を目的とした外出自粛要請に伴う各種需要の減少による事業活動への悪影響を直接的には受けておりません。そのため、事業活動への悪影響は想定されるものの、現段階においては、営業収益が著しく減少する状況とはなっていないことから、経営計画の策定において、当該感染症の影響を考慮しておりません。

 

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