文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。
当連結会計年度のROEは、銀行関連事業の増収増益などにより12.2%となりました。
(4) 経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。
日本経済は、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気の悪化、インフレ率の上昇等の懸念があり、先行きは不透明な状況にあります。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題や多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。
モンゴルでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による国境閉鎖などの制限措置が緩和され、また、財政出動による景気対策やモンゴルの主要輸出先である中国経済の回復などもあり、モンゴル経済は徐々に回復傾向にあります。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、新型コロナウイルス感染症の感染状況やインフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。
キルギスやロシアにおいても、新型コロナウイルス感染症は収束しつつあり景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ侵攻による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。
投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。
また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。
業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。
今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
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