(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態は、預金残高は、引き続き流動性預金を中心に前連結会計年度末比1,484億円増加し5兆5,572億円となりました。貸出金残高は、中小企業向け融資の伸びは鈍化したものの、行政向け貸出や住宅ローンが増加したことから、前連結会計年度末比2,123億円増加し4兆5,038億円となりました。有価証券残高は、前連結会計年度末比836億円増加し6,482億円となりました。
経営成績は、資金運用収益は、新型コロナウイルス感染症対策としての保証協会制度融資の増加に伴う貸出金利息の増加や日銀預け金利息の増加等により増加しました。また、役務取引等収益は、ソリューション型営業への転換を図っているプロセスにあることから、預り資産販売手数料は減少しましたが、住宅ローン関連を中心に融資関連手数料が増加したことから増加しました。この結果、経常収益は、前連結会計年度比26億84百万円増加して、840億12百万円となりました。
次に与信関連費用は、前年度に感染症拡大による融資先の信用リスクに備えて、予防的に貸倒引当金を計上しておりましたが、想定ほど倒産等が発生しなかったことから前年度比大幅に減少しました。一方、年度末にかけての金利上昇の影響もあり国債等売却損が前年度比増加しました。この結果、経常費用は、前連結会計年度比36億49百万円減少して、699億65百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度比63億33百万円増加して140億47百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比62億97百万円増加して114億円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、当連結会計年度の連結損益計算書は、役務取引等収益が30百万円及び営業経費が122百万円それぞれ減少し、経常利益及び税金等調整前当期純利益がそれぞれ91百万円増加しております。
セグメントの業績につきましては、「銀行業」では、経常収益が前連結会計年度比21億13百万円増加の676億11百万円、セグメント利益は前連結会計年度比56億55百万円増加の131億39百万円となりました。また、「リース業」では、経常収益が前連結会計年度比2億64百万円増加の125億2百万円、セグメント利益は前連結会計年度比2億19百万円増加の4億28百万円となり、証券業務やクレジットカード業務等を行う「その他」では、経常収益が前連結会計年度比3億2百万円増加の81億12百万円、セグメント利益は前連結会計年度比3億17百万円増加の8億13百万円となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、従来の方法によった場合と比べて、「銀行業」の経常収益は86百万円増加し、「その他」の経常収益は117百万円減少しております。また、「銀行業」のセグメント利益は86百万円、「その他」のセグメント利益は4百万円それぞれ増加しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、貸出金の増加による支出2,123億3百万円がありましたが、預金の増加による収入1,484億3百万円、借用金(劣後特約付借入金を除く)の増加による収入1,096億65百万円、債券貸借取引受入担保金の増加による収入744億68百万円があり、1,388億4百万円の収入となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、有価証券の取得による支出が、有価証券の売却及び償還による収入を上回り、835億34百万円の支出となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、配当金の支払額28億51百万円があり、30億4百万円の支出となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、522億87百万円増加して、1兆7,124億43百万円となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書は、税金等調整前当期純利益が91百万円増加し、ポイント引当金の増減額が17百万円、その他が74百万円それぞれ減少しております。
(1) 国内・国際業務部門別収支
当連結会計年度の資金運用収支は、国内業務部門では前連結会計年度比5.3%増加し、国際業務部門でも前連結会計年度比176.2%増加した結果、合計では前連結会計年度比5.9%、24億78百万円増加しました。
当連結会計年度の役務取引等収支は、国内業務部門では前連結会計年度比7.4%増加し、国際業務部門でも前連結会計年度比11.7%増加した結果、合計では前連結会計年度比7.5%、9億72百万円増加しました。
当連結会計年度のその他業務収支は、国内業務部門では前連結会計年度比67.9%減少し、国際業務部門でも前連結会計年度比202.4%減少した結果、合計では前連結会計年度比94.7%、23億76百万円減少しました。
(注) 1 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引であります。
2 国際業務部門は、連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度2百万円、当連結会計年度2百万円)を控除して表示しております。
4 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
(2) 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況
当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は、国内業務部門では、貸出金が増加したことを中心に、前連結会計年度比6.7%増加し、国際業務部門でも、有価証券が増加したことを中心に、前連結会計年度比71.3%増加しました。この結果、資金運用勘定平均残高合計は、前連結会計年度比7.3%増加しました。
当連結会計年度の資金調達勘定平均残高は、国内業務部門では、コールマネー及び売渡手形並びに借用金が増加したことを中心に、前連結会計年度比27.9%増加し、国際業務部門でも、債券貸借取引受入担保金が増加したことを中心に、前連結会計年度比63.7%増加しました。この結果、資金調達勘定平均残高合計は、前連結会計年度比28.3%増加しました。
次に、当連結会計年度の資金運用利回りについては、国内業務部門では、主に貸出金利回り及び有価証券利回りを中心に、前連結会計年度比0.01%低下し、国際業務部門でも、主に貸出金利回りを中心に、前連結会計年度比0.04%低下しました。この結果、資金運用利回り全体では、前連結会計年度比0.02%低下しました。
当連結会計年度の資金調達利回りについては、国内業務部門では、前連結会計年度比横ばいとなりましたが、国際業務部門では、前連結会計年度比0.27%低下しました。この結果、資金調達利回り全体では、前連結会計年度比0.01%低下しました。
① 国内業務部門
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、子銀行以外の会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,116,749百万円、当連結会計年度2,409,729百万円)を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度20,000百万円、当連結会計年度24,500百万円)及び利息(前連結会計年度2百万円、当連結会計年度2百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
4 預け金は、日本銀行への預け金の利息(前連結会計年度524百万円、当連結会計年度2,565百万円)を控除して表示しております。
5 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
② 国際業務部門
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、子銀行以外の会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 国際業務部門は、連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度3,394百万円、当連結会計年度5,804百万円)を、控除して表示しております。
4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
5 国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
③ 合計
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、子銀行以外の会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,120,144百万円、当連結会計年度2,415,534百万円)を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度20,000百万円、当連結会計年度24,500百万円)及び利息(前連結会計年度2百万円、当連結会計年度2百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
3 預け金は、日本銀行への預け金の利息(前連結会計年度524百万円、当連結会計年度2,565百万円)を控除して表示しております。
4 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
(3) 国内・国際業務部門別役務取引の状況
当連結会計年度の国内業務部門の役務取引等収益は、預金・貸出業務を中心に前連結会計年度比3.7%増加して、210億15百万円となり、役務取引等費用は、前連結会計年度比2.9%減少して、71億24百万円となりました。また、国際業務部門の役務取引等収益は1億95百万円となり、役務取引等費用は70百万円となりました。この結果、全体の役務取引等収益は、前連結会計年度比3.7%増加して、212億11百万円となり、役務取引等費用は、前連結会計年度比2.9%減少して、71億95百万円となりました。
(注) 1 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引であります。
2 国際業務部門は、連結子会社の外貨建取引であります。
(4) 国内・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引であります。
2 国際業務部門は、連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金+定期積金
(5) 貸出金残高の状況
(注) 「国内」とは、当社及び連結子会社であります。
前連結会計年度、当連結会計年度とも該当ありません。
(6) 国内・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引であります。
2 国際業務部門は、連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建外国証券は、国際業務部門に含めております。
3 「その他の証券」には、外国証券を含んでおります。
(7)「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、池田泉州銀行1社であります。
○ 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
(注) 共同信託他社管理財産については、前連結会計年度(2021年3月31日)及び当連結会計年度(2022年3月31日)のいずれも取扱残高はありません。
○ 元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:百万円、%)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、池田泉州銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼす可能性がある特に重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りでありますが、その他、連結財務諸表作成において影響を及ぼす可能性のある重要な会計方針は以下の通りであります。
a 退職給付に係る資産又は負債
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、連結会計年度末における退職給付債務の見込み額に基づき、退職給付に係る資産・負債を計上しております。退職給付費用及び退職給付債務は、割引率、予定昇給率、退職率及び死亡率等の数理計算において用いる前提条件に基づいて算出しております。
実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、その影響は数理計算上の差異あるいは過去勤務費用として累積され、将来にわたって一定の年数により認識されることになります。
b 固定資産の減損会計
当社グループは、収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった固定資産の帳簿価額を回収可能額まで減額する会計処理を適用しております。
本会計処理の適用に当たっては、営業活動から生ずる収益の低下や市場価格の著しい下落等によって減損の兆候が見られる場合に減損の有無を検討しております。減損の検討には将来キャッシュ・フローの見積り額を用いており、減損の認識が必要と判断された場合には、帳簿価額が回収可能額を上回る金額を減損しております。
将来の営業活動から生ずる収益の悪化、経営環境の著しい悪化、使用用途の変更、市場価格の著しい下落等により減損の認識が必要となった場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。
c 金融商品の時価評価
当社グループは、資金運用の一環として有価証券を保有しております。これらの有価証券は市場価格等のある有価証券と市場価格のない株式などの有価証券が含まれます。当社グループでは、市場価格のある売買目的有価証券以外の有価証券のうち、当該有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落しており、時価が取得原価まで回復する見込みがあると認められないものについては、当該時価をもって連結貸借対照表計上額とするとともに、評価差額を当該連結会計年度の損失として処理しております。また、市場価格のない株式等においては、当該有価証券の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、同様に評価差額を当該連結会計年度に損失処理しております。
将来の市況悪化や投資先の業績不振等により、市場価格または実質価額の下落が発生した場合には、追加的に減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 預金・譲渡性預金
譲渡性預金を含めた預金等は、流動性預金を中心に個人預金、法人預金とも増加し、前連結会計年度末比1,484億円増加して5兆5,572億円となりました。
個人総預り資産については、預金や投資信託の預り資産残高増加により前連結会計年度末比1,720億円増加して5兆730億円となりました。
b 貸出金
貸出金は、中小企業向け融資の伸びは鈍化しましたが、行政向け貸出や住宅ローンが増加したことから、前連結会計年度末比2,123億円増加して4兆5,038億円となりました。
c 有価証券
有価証券は、引き続きリスクを抑えるために新たな投資は抑制的に臨んでいることから、前連結会計年度末比836億円増加して6,482億円となりました。
d 不良債権額
当社グループのリスク管理債権の合計は、前連結会計年度末比82億円増加して444億円となりました。貸出金残高に占める割合は0.97%と引き続き低位で推移しております。
e 繰延税金資産
繰延税金資産は、貸倒引当金及び繰越欠損金に係るものが大半を占めております。当連結会計年度においては、貸倒引当金及び繰越欠損金の減少等により繰延税金資産が減少したものの、その他有価証券評価差額金の減少により繰延税金負債が減少したことから、繰延税金資産の純額は10億41百万円増加し35億41百万円となりました。
・当連結会計年度の経営成績
a 連結粗利益
当連結会計年度の連結粗利益については、その他業務利益が23億76百万円減少しましたが、資金利益及び役務取引等利益がそれぞれ24億78百万円、9億72百万円増加したことから、前連結会計年度比10億84百万円増加して、584億56百万円となりました。
イ 資金利益
当連結会計年度の資金利益については、預け金利息及び貸出金利息などの資金運用収益が前連結会計年度比21億86百万円増加し、預金利息並びにコールマネー利息及び売渡手形利息などの資金調達費用も前連結会計年度比2億93百万円減少したことから、前連結会計年度比24億78百万円増加して、442億96百万円となりました。
ロ 役務取引等利益
当連結会計年度の役務取引等利益については、役務取引等収益が預金・貸出業務の増加により前連結会計年度比7億59百万円増加し、役務取引等費用も前連結会計年度比2億12百万円減少したことから、前連結会計年度比9億72百万円増加し、140億16百万円となりました。
ハ その他業務利益
当連結会計年度のその他業務利益については、国債等債券関係損益が前連結会計年度比24億61百万円減少したことを主因として、前連結会計年度比23億76百万円減少し、1億32百万円となりました。
b 経常利益
連結粗利益は前連結会計年度比10億84百万円増加して、584億56百万円となりました。営業経費は前連結会計年度比6億72百万円増加して、461億55百万円となり、与信関連費用は前年度に感染症拡大による融資取引先の信用リスクに備えて、予防的に貸倒引当金を計上しておりましたが、想定ほど倒産等が発生しなかったことから、前連結会計年度比66億78百万円と大幅に減少し、35百万円となりました。また、株式等関係損益は前連結会計年度比10億57百万円減少して、6億93百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比63億33百万円増加して、140億47百万円となりました。
c 親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は前連結会計年度比63億33百万円増加して、140億47百万円となり、特別損益は前連結会計年度比1億22百万円減少して、2億8百万円の損失となったことから、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比62億11百万円増加して、138億39百万円となりました。また、法人税等合計は前連結会計年度比1億96百万円減少して、22億62百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比62億97百万円増加し、114億円となりました。
・池田泉州銀行(単体)の経営成績
a 実質業務純益
業務粗利益は、日銀預け金利息及び貸出金利息が増加したことから、前年比14億87百万円増加し、521億74百万円となりました。
資金利益は、新型コロナウイルス感染症対策としての保証協会制度融資の増加に伴う預貸収益の改善や、日銀預け金利息の増加等により、前年比24億82百万円増加しました。
役務取引等利益は、ソリューション型営業への転換を図っているプロセスにあることから、預り資産販売手数料が減少しましたが、住宅ローン関連を中心に融資関連手数料が増加したことから、前年比12億47百万円増加しました。
一方、経費は前年比19億1百万円増加して428億96百万円となりました。
人件費は、これまでカットしていた賞与の復枠を実施したこと等もあり、前年比18億8百万円増加しましたが、物件費はコスト削減を徹底していく中で、前年比95百万円減少しました。
その結果、実質業務純益は92億77百万円、コア業務純益は113億43百万円となりました。
b 経常利益
株式等関係損益は前年に比べ14億41百万円減少して2億75百万円の利益となりました。一方、一般貸倒引当金繰入額を含む与信関連費用は59億86百万円と大幅に減少し、2億77百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前年比55億9百万円増加して106億97百万円となりました。
c 当期純利益
特別損益は、前年比1億4百万円減少の1億73百万円の損失となり、法人税等を加味した当期純利益は前年比55億64百万円増加の94億54百万円となりました。
③ 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
(資本の財源及び資本の流動性についての情報)
当社グループは、地域金融グループとして、地元の中小企業向けへ積極的に資金を供給するとともに、有価証券投資などのマーケットにおける資金運用を行っております。また、個人顧客を中心に預金の安定的な調達を行うとともに、必要に応じてコールマネーや債券貸借取引受入担保金などのマーケットにおける資金調達も行っております。
当社グループの現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比522億87百万円増加して、1兆7,124億43百万円となり、十分な手元流動性を確保しております。また、当社グループは、流動性リスク管理規定を制定し、資金の運用・調達状況をきめ細かく把握することを通じて、保有資産の流動性の確保や調達手段の多様化を図るなど、資金流動性リスクの管理に万全の体制で臨んでおります。
なお、当面の必要資金については、自己資金にて対応する予定であります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度は、貸出金の増加による支出3,280億26百万円がありましたが、借用金(劣後特約付借入金を除く)の増加7,641億20百万円及び預金の増加による収入4,209億59百万円、債券貸借取引受入担保金の増加による収入103億23百万円があったことを主因に、8,800億26百万円の収入となりました。当連結会計年度は、貸出金の増加による支出2,123億3百万円がありましたが、預金の増加による収入1,484億3百万円、借用金(劣後特約付借入金を除く)の増加による収入1,096億65百万円、債券貸借取引受入担保金の増加による収入744億68百万円があったことを主因に、前連結会計年度比7,412億22百万円減少して、1,388億4百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度は、有価証券の取得による支出1,449億50百万円が有価証券の売却及び償還による収入1,291億82百万円を上回ったことを主因に、189億23百万円の支出となりました。当連結会計年度は、有価証券の取得による支出3,040億26百万円が有価証券の売却及び償還による収入2,286億54百万円を上回ったことを主因に、前連結会計年度比646億11百万円減少して、835億34百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度は、非支配株主からの払込による収入3億60百万円、自己株式の処分による収入21百万円がありましたが、配当金の支払額28億55百万円があったことから、27億76百万円の支出となりました。当連結会計年度は、配当金の支払額28億51百万円があったことを主因に、前連結会計年度比2億28百万円減少して、30億4百万円の支出となりました。
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
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