課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。なお、当社グループは、2022年5月13日に「第5次中期経営計画」(計画期間2021年度~2023年度)の見直しを公表いたしました。そのため、対処すべき課題については、有価証券報告書提出日(2022年6月21日)現在において当社グループが判断した事項が含まれております。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「幅広いご縁」と「進取の精神」を大切に、お客さまのニーズに合ったサービスを提供し、地域の皆さまに「愛される」金融グループを目指しております。

関西地域における代表的な金融グループとして、以下の6つの経営方針の下、役職員一同総力を挙げて経営の諸課題に取り組んでまいります。

①人と人のふれあいを大切にし、誠実で親しみやすく、お客さまから最も「信頼される」金融グループを創ります。

②情報収集と時代の先取りに励み、先進的で高品質なサービスの提供によって、地域での存在感が最も高い金融グループを創ります。

③健全な財務体質、高い収益力、経営効率の優位性を持つとともに、透明性の高い経営を行い、株主の信頼に応えます。

④産・学・官のネットワークを活用し、様々なマッチングを通して、「地域との共生」を進めます。

⑤法令やルールを厳守し、環境に配慮した企業活動を行うことによって、社会からの信頼向上に努めます。

⑥グループ行員に、自由闊達に能力を発揮し、また能力向上を図れる職場を提供するとともに、よき市民としての成長を支援していきます。

 

(2) 経営環境

当連結会計年度におけるわが国経済は、前連結会計年度に続いて、新型コロナウイルス感染症の影響に翻弄される1年となりました。4月下旬には主要都市を対象に3度目の緊急事態宣言が発令され、経済活動は停滞しました。7月に入ると、政府は2021年度経済成長率を+3.7%と1月発表時の予想から下方修正し、7月中旬には4度目の緊急事態宣言が発令されました。その後は、ワクチン普及の拡大などにより、感染抑制と消費活動の両立が進み、感染症への警戒感や供給制約の影響が和らいでいきました。9月末には、全国的に緊急事態宣言も解除され、夜間飲食等の営業時間や人数制限が逐次緩和されるなかで個人消費の持ち直しの動きが続いてきました。
 しかしながら2022年1月に入り、新たな変異型であるオミクロン株の感染が国内でも拡大し、一部の地域にはまん延防止等重点措置が適用されるなど、足元の景況感は再び悪化しました。 
 この間、海外経済については、需要回復の一方でサプライチェーンの混乱が続いたことから、半導体等の供給制約や資源・原材料価格の上昇が生じ、米国などではインフレ懸念が高まりました。さらに、2022年2月下旬から始まったロシアのウクライナ侵攻によって、資源価格が軒並み急騰し、多くの品目で物価上昇圧力がさらに高まっております。

金融情勢に目を転じますと、米国では6月に米連邦準備理事会(FRB)が2023年中にゼロ金利政策を解除する方針を示し、2022年3月には0.25%の利上げを決定しました。このように米国が金融緩和縮小に向かう中、日本銀行は大規模な金融緩和方針を維持しております。その結果、日米金融政策の方向性の違いから2022年3月下旬には、対米ドル円レートが120円台まで下落し、2016年2月以来約6年ぶりの円安水準となりました。企業の資金繰りについては、今後無利子無担保の制度融資の返済が本格化するため、収益力の弱い中小企業の事業再生や事業転換の促進・支援が社会課題として強く意識されるものと思われます。

日経平均株価につきましては、9月に岸田新政権が発足し景気浮揚策への期待が高まったこともあり、3万670円と約31年ぶりの高値を付けました。しかしながら、11月に入り新型コロナウイルスの新たな変異型であるオミクロン株の感染懸念が強まると、日経平均株価は軟調に推移し、2022年1月にFRBの早期利上げ観測が高まると、26,000円台前半まで下落しました。さらに2022年2月にはロシアがウクライナに侵攻し、国内外の株式市場でリスク回避姿勢が強まったことから、欧米の主力株価指数とともに日経平均株価も一時24,000円台後半まで下落しましたが、年度末終値は、27,821円となりました。

 

(3) 対処すべき課題

子会社の池田泉州銀行において、2021年10月に元職員による着服事件が発覚いたしました。株主の皆さま、お客さま、地域の皆さまにご心配とご迷惑をおかけいたしましたことを改めて深くお詫び申し上げます。元職員側からの弁済により、被害金額は全額回収しておりますが、役職員一同、本不祥事を厳粛に受け止め、内部管理態勢の強化や、コンプライアンス意識の再徹底をはかり、再発防止に全力で取り組み、皆さまの信頼回復に努めてまいります。

当連結会計年度は、第5次中期経営計画(計画期間2021年度~2023年度)の見直しを行いました。本中期経営計画では、「成長戦略・生産性向上」を重点戦略と位置づけ、「徹底したソリューションの構築・提供」をメインテーマに掲げ、「お客さま起点」の営業施策を展開しております。その初年度の進捗は、当初計画を上回るものとなりましたが、一方で、人手不足、資源・原材料価格の高騰と海外金利の急上昇や円安進行の影響、ウクライナ情勢の緊迫化等、国内外のリスクファクターにより、実体経済や金融市場の先行き見通しの不透明感は高まっております。このような環境変化を踏まえて、現場起点、お客さま起点のソリューション型営業を徹底していくために、本中期経営計画の基本方針に沿って、成長戦略をアップデートする観点で、第5次中期経営計画の見直しを実施いたしました。

見直し後の第5次中期経営計画の主要計数は、以下のとおりであります。

 


 

このような情勢のもと、神戸から和歌山に至るまでのベイエリアを主要地盤とする当社グループは、この地域で活躍されるお客さまに徹底したソリューションを通じ、お客さまと共に当社グループ自身も成長してまいります。

 

(主要計数)


 


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