事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年9月30日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

(1) コンサルティングプラザ「保険市場(ほけんいちば)」の展開について

 当社グループは、対面(オンライン面談を含む)による保険募集を行う直営のコンサルティングプラザ「保険市場(ほけんいちば)」を当連結会計年度末において12拠点展開しております。当面の出店計画につきましては、引き続き都市部を中心に厳選した新規出店と生産性を考慮した廃店を推進し、一層の生産性の向上に努めてまいりますが、今後の状況によっては新規出店が困難になる可能性も考えられます。また、廃店に伴う除却損等が発生するリスクがあります。

(2) 保険会社との関係について

① 保険会社の財政状態による影響について

 当連結会計年度において、当社グループの売上高のうち大半は保険契約に係る保険代理店手数料に拠っておりますが、取引保険会社の財政状態が悪化し、また万一、当該保険会社が破綻したとき等には、当該保険会社に係る当社グループの保有保険契約が失効・解約されること等により、当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性も考えられます。

② 特定の保険会社への依存について

 当社グループの保険代理店事業は、メットライフ生命保険株式会社の保険商品を取り扱う比率が高く、当連結会計年度において、当社グループの売上高の22.8%を占めております。従って、メットライフ生命保険株式会社及びその保険商品に対する風評等により、当社グループの新規保険契約件数、保有保険契約の継続率等が影響を受ける可能性も考えられます。同様に、当社グループの事業及び経営成績等は、保険会社の営業政策の変更等により、影響を受ける可能性も考えられます。

③ 収益計算に係る保険会社への依拠について

 保険代理店事業の主たる収入は保険代理店手数料収入であります。当社は、保険契約の媒介及び代理行為に伴い、各保険会社との契約及び手数料規程に基づき保険代理店手数料を受領しております。

 保険代理店手数料の受領形態は、保険商品の種類(生命保険・損害保険、契約期間(1年・複数年)、保険料支払方法(年払い・月払い)、その他)、保険会社毎の契約及び規程により様々な形態があり、保険契約成立時に受領するもの(初回手数料)及び保険契約継続に応じて受領するもの(2回目以降手数料)等、これらについて一括又は分割ならびにその受領割合等が異なるものが存在しております。

 当社は、保険代理店手数料収入は顧客との契約における当社の履行義務が充足した契約から見込まれる将来代理店手数料の金額を売上として計上しております。当該計上に基づき、保険代理店事業における代理店手数料収入に関して、保険会社から得られる契約一覧や確認書面等の情報により手数料額の計算の実施及び対価の確認等を行っております。自社計算システムの精度向上及び内部統制に依拠した計算結果の検証ならびに保険会社から取得する確認書面のフォーマットの統一化等の対応を行っておりますが、保険会社から得られる情報が不十分となり自社計算の要件を満たさない場合には、支払通知書面等による入金確定ベースによる収益計上となり、その場合、売上計上時期が変動し保険代理店事業の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 競合について

 当社グループと共通の保険商品を取り扱う保険代理店は増加しており、同様の小型店舗を展開し対面販売を行う保険代理店や、電話帳等のデータベースをもとにして、電話により保険を勧誘するテレマーケティング保険代理店があり、またクレジットカード会社、信販会社、通信販売会社等は請求書等の送付物に保険商品に係る「資料請求ハガキ」を同封する方法等により保険募集を行っており、当社グループと直接的に競合するものと認識しております。さらに、インターネットを中心としたダイレクトマーケティング手法による保険募集は当社グループ独自の手法ではなく、インターネットによるプロモーションを実施している保険代理店は多数存在します。当社グループでは、インターネットによるプロモーションのコンテンツ充実やツールの強化、積極的なプロモーション活動による潜在顧客の早期取込み、取引保険会社との連携強化等によって差別化を図っておりますが、これらの施策にもかかわらず、新たな事業者の参入又は競合の状況によって当社グループの事業及び経営成績等が影響を受ける可能性も考えられます。

(4) 個人情報の取扱いについて

 当社グループは、プロモーション活動及び保険募集の過程で資料請求者及び保険契約者に関する多量の個人情報を取得・保有しております。個人情報保護については、法律の遵守だけでなく、情報漏洩による被害防止を行う必要があります。当社グループにおいては、外部からの不正アクセス及びウイルス感染の防御、内部管理体制の強化等の対策を行っておりますが、万一、当社グループが扱う個人情報が漏洩した場合は、当社グループの信用の失墜につながり、今後の営業活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、事後対応等によるコストが増加し、当社グループの事業及び経営成績等に悪影響を及ぼすことが考えられます。

 

(5) 法的規制について

 当社グループは、損害保険代理店及び生命保険募集人として「保険業法」に基づく登録を行っております(登録の有効期限は特に定められておりません)。保険業法では、保険業法第300条に定める虚偽説明及び不告知教唆ならびに告知妨害等の保険募集に関する禁止行為に違反した場合等、内閣総理大臣は代理店登録の取消し、業務の全部又は一部の停止、業務改善命令の発令等の行政処分を行うことができると定めています。仮に当社が上記当該行政処分を受けた場合には保険代理店事業における営業が困難となり、当社の事業及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性がありますが、本書提出日現在において行政処分の対象となる事象は認識しておりません。

 上記のように、当社グループは保険業法及びその関連法令ならびにそれに基づく関係当局の監督等による規制、さらには、一般社団法人生命保険協会及び一般社団法人日本損害保険協会による自主規制を受けた保険会社の指導等を受けて事業を運営しております。また、保険募集に際しては、保険業法の他、金融サービスの提供に関する法律、消費者契約法、不当景品類及び不当表示防止法等の関係法令を遵守する必要があります。近年、保険業法等の関係法令及び監督指針の改正等によって、意向把握義務や情報提供義務が必須となる等、求められる保険募集管理態勢の水準が高まっております。当社では、社員教育の徹底や内部監査体制の強化等コンプライアンス体制の充実を図り適切な保険募集を行うとともに、法律の改正等に対応したシステム開発を進める等しておりますが、今後、これらの法令や規制、制度等が変更された場合には、管理コストの増大やコンプライアンス違反リスクの高まり等、当社グループの事業及び経営成績等に影響が出る可能性があります。

(6) 子会社の再保険会社について

 Advance Create Reinsurance Incorporatedにおきましては、再保険業という性質上、保険代理店事業とは異なり、支払いとなる保険金が事故発生後に確定する特殊な事業であります。このため将来の支払保険金は、事故頻度の増加、巨大災害、大規模な事故の発生等、現段階では予測不能な事象の発生により、変化することがあります。現時点では、将来の不確定リスクで相対的に幅の小さい第三分野の保険(傷害・疾病・介護等)を中心に取扱うこととしておりますが、予測不能な事象が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 代表者への依存について

 当社グループの創業者であり代表取締役社長である濱田佳治は、当社グループの経営方針や戦略の決定をはじめ、取引先との交流等に重要な役割を果たしております。当社グループは、業容の拡大に伴い外部から高い能力の人材を確保し、濱田佳治から権限の委譲を行う等、マンパワーを強化するとともに、濱田佳治に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、このような経営体制が構築される前に、何らかの要因により業務執行ができない事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及びその後の事業展開が影響を受ける可能性があります。

(8) コンピューターシステムに関するリスク

 コンピューターシステムの災害・事故・故障等による停止または誤作動等の障害やシステムの不正使用の発生、WEBからの資料請求数の急激な増加により処理不能に陥った場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、コンピューターの処理能力の拡大ならびに情報の使用・管理に関する各種社内規程を定めるとともに、アクセス権限等の不正使用防止措置を講じております。また、サーバーを安全なデータセンターに収納して東京・大阪に分散配置する等、災害・事故・故障対策も講じております。しかしながら、これらの対策にもかかわらず、当社グループの信頼性が失墜するような事態となった場合、当社グループの事業及び経営成績等に影響が出る可能性があります。

(9) 人材の確保について

 当社グループでは、優秀な人材の確保が重要であると考えており、新卒者の採用を積極的に行うとともに、中途採用については、第二新卒を中心に行っております。また、「教育、研修」を重点課題として、階層別研修等をより強化して取り組んでおります。しかしながら、今後、当社グループが必要とする人材の確保が十分にできない場合、当社グループの経営成績及びその後の事業展開が影響を受ける可能性があります。

(10) 外部検索エンジンへの依存について

 インターネットユーザーの多くは、検索サイトを利用して必要な情報を入手しております。当社グループ事業の主軸である保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」への誘導は、概ね検索エンジン経由であり、これらの集客は検索エンジンの表示結果に依存しております。検索結果についてどのような条件により上位表示されるかは、各検索エンジン運営者に委ねられており、その判断に当社グループが介在する余地はありません。当社グループは検索結果において上位に表示されるべくSEO等の必要な対策を進めておりますが、今後、検索エンジン運営者における上位表示方針の変更等、何らかの要因によって検索結果の表示が当社グループにとって優位に働かない状況が生じる可能性があり、この場合、当社グループが運営するサイトへの集客効果が低下し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、検索結果の上位に表示されるための対策に掛かるコストが上昇した場合におきましても、売上原価の上昇等を招く可能性があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

(11) 新型コロナウイルス感染症について

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大に対し、社員の在宅勤務の実施、出社前の検温・マスク着用等の適切な予防行動の徹底、不要不急の出張の原則中止等の対策を行い、緊急事態宣言解除後も、重症化しやすい社員の在宅勤務の継続、テレビ会議の活用の奨励等、状況に応じた対策を率先して実施してまいりました。

 今後も国内外の景気への影響が懸念され、経済活動、企業の経営環境および雇用情勢等の先行きは不透明な状況です。当社グループの顧客における経営状況の変化により、当社グループの事業及び経営成績等が影響を受ける可能性があります。

 また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、再保険事業において支払保険金が増加し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 一方で、保険業界では、個人の生活防衛意識の高まりから、保険へのニーズが急速に増加しております。当社は、5G時代の到来を睨んで従前より対応を進めてきた「オンライン面談」により、対面相談と同水準のサービスを実現し、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止しながら、真にお客様の役に立つ情報の提供とコンサルティングの実現を図っております。

 かかる状況の中、新型コロナウイルス感染症の影響については、現状の継続を前提としております。その予想される影響は業績予想に織り込んでおり、また、連結財務諸表における会計上の判断及び見積りに利用しております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の将来に関する事項は、2022年9月末現在において当社グループが判断したものです。新型コロナウイルス感染症の収束時期は依然として不透明であり、実際に起こり得るリスクはこの限りではありません。当社グループは、今後も継続して状況の変化を注視し、都度対策の検討、見直しを行い、リスクを軽減する体制を構築してまいります。

 

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