(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
①財務状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、2020年度の大幅な落ち込みの反動やコロナ禍による社会・経済活動に対する制限の緩和を受け、個人消費及び設備投資が回復し、緩やかな成長で推移しました。
また、海外経済も半導体不足などの供給制約により回復ペースが鈍化したものの、新型コロナウイルス感染症による社会・経済活動への影響が緩和されたことで、総じて堅調に推移しました。
物流業界においては、国内貨物輸送では、経済の復調を反映した結果、輸送数量は前年同期比増加しました。また、国際貨物輸送でも世界経済の回復基調から、半導体供給不足に伴う自動車減産などにより荷動きは低調であるものの、外貨コンテナ及び国際航空貨物が堅調に推移したことから、前年同期比増加しました。しかしながら、総貨物輸送数量は、コロナ禍以前の2019年度水準までは回復せず、依然として厳しい状況が続いています。
このような経営環境の下、当社グループは、中長期的な企業価値の向上を図るべく、既存事業の競争力強化及び新規事業領域への展開などの重点テーマの実現に取り組んでいます。
なお、当社グループは「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用したことに伴い、以下の経営成績等に関する説明は、営業収益については前年同期比を記載せずに説明しております。詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ19億49百万円減少し、391億6百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ22億15百万円減少し、149億83百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億65百万円増加し、241億22百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益は467億5百万円、経常利益は前年同期比4.0%増の7億73百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比2.1%減の4億65百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は29億50百万円の減少となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
《貨物輸送》
営業収益は275億79百万円、経常利益は前年同期比84百万円減の5億22百万円となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は15億57百万円の減少となりました。
《エネルギー輸送》
営業収益は152億93百万円、経常利益は前年同期比1億30百円増の2億50百万円となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は10億97百万円の減少となりました。
《海外物流》
営業収益は19億68百万円、経常損益は前年同期比37百万円減の37百万円の損失となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は2億95百万円の減少となりました。
《テクノサポート》
営業収益は18億36百万円、経常利益は前年同期比12百万円減の42百万円となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億42百万円減少し、16億60百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、前連結会計年度に比べ5億53百万円減少し、21億84百万円となりました。この主な要因は、源泉税の支払い及び消費税の納付が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ4億19百万円減少し、19億80百万円となりました。この主な要因は、車両やソフトウエア等の固定資産の取得による支出が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ7億38百万円増加し、15億11百万円となりました。この主な要因は、長期借入による収入が減少したことによるものであります。
③販売の実績
a.営業収益
当連結会計年度の営業実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
営業収益(百万円) |
前年同期比(%) |
|
貨物輸送 |
27,579 |
- |
エネルギー輸送 |
15,293 |
- |
海外物流 |
1,968 |
- |
テクノサポート |
1,836 |
- |
報告セグメント計 |
46,678 |
- |
その他事業 |
27 |
- |
合計 |
46,705 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.その他事業の区分は各報告セグメントに含まれていない事業セグメントであり、不動産賃貸業、損害保険代理業及び事務代行業等並びに各報告セグメントに配分していない全社収益・費用の純額等であります。
b.主要顧客別販売実績
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(百万円) |
営業収益に対する割合(%) |
金額(百万円) |
営業収益に対する割合(%) |
|
ENEOS株式会社 |
15,021 |
31.78 |
15,254 |
32.66 |
合計 |
15,021 |
31.78 |
15,254 |
32.66 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。当社グループは、連結財務諸表を作成するに当たり、退職給付に係る負債、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど合理的な見積り・判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
《資産》
当連結会計年度末における総資産は391億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億49百万円減少しました。この主な要因は、現金及び預金の減少11億4百万円、営業未収入金及び契約資産(前連結会計年度は営業未収入金)の減少3億1百万円、有形固定資産の減少8億21百万円、ソフトウエアの増加等に伴う無形固定資産の増加1億68百万円、投資その他の資産の減少1億93百万円等によるものであります。
《負債》
当連結会計年度末における負債は149億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億15百万円減少しました。この主な要因は、営業未払金の減少6億89百万円、短期借入金の減少5億55百万円、長期借入金の減少7億21百万円等によるものであります。
《純資産》
当連結会計年度末における純資産は241億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億65百万円増加しました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を4億65百万円計上したことによる増加、配当金の支払による減少2億31百万円等によるものであります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の57.4%から60.8%となりました。
b.経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、海外物流でのEV関連貨物の取扱数量増加などの増収要因はあったものの、貨物輸送での自動車関連貨物の数量の減少やテクノサポートでの油槽所関連の一部受託契約終了などの要因から、営業収益は、467億5百万円となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は29億50百万円の減少となりました。
経常利益は、エネルギー輸送での輸送数量増加が大きく影響し、前年同期比でプラスとなり、前年同期比4.0%増の7億73百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比2.1%減の4億65百万円となりました。
セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
《貨物輸送》
当部門においては、海上コンテナ不足により航空貨物の取扱いが増加したものの、半導体等の部材不足による自動車関連のアルミ及び銅素材の物流が減少、原油価格の高騰による燃油費の上昇が損益に大きく影響しました。
これらの結果、営業収益は275億79百万円、経常利益は前年同期比84百万円減の5億22百万円となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は15億57百万円の減少となりました。
《エネルギー輸送》
石油部門においては、コロナ禍からの需要回復があったものの、石油製品の内需が減少傾向にあることから、輸送数量は、前年同期比0.7%増加にとどまりました。
潤滑油・化成品部門は、コロナ禍からの回復により、主要顧客の輸送数量が前年同期比3.6%増加となりました。
これらの結果、営業収益は152億93百万円、経常利益は前年同期比1億30百円増の2億50百万円となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は10億97百万円の減少となりました。
《海外物流》
当部門においては、中国の製造業の全体的な回復基調と高級EV関連のアルミ製品取扱量の増加による取引の拡大はあったものの、国際的な半導体不足や中国のゼロコロナ政策に伴う主要顧客の稼働減が損益に大きく影響しました。
これらの結果、営業収益は19億68百万円、経常損益は前年同期比37百万円減の37百万円の損失となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は2億95百万円の減少となりました。
《テクノサポート》
当部門においては、油槽所関連では一部受託契約終了に伴う減収、製油所関連では定期修理工事による増収要因はあったものの、業務委託契約の一部終了等があり、全体として減益要因が増益要因を上回りました。
これらの結果、営業収益は18億36百万円、経常利益は前年同期比12百万円減の42百万円となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
c.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費、燃油の購入費用、車両の維持保全費用や倉庫賃借料等、また販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に車両購入や倉庫建設等の設備投資によるものであります。当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金や金融機関からの長期借入を基本としております。また、グループの資金効率化を図るため、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債(借入金)の残高は44億36百万円であり、現金及び現金同等物の残高は16億60百万円となっております。
2023年3月期の設備投資額については、17億81百万円を計画しておりますが、現在の自己資本比率は60.8%と厚みを増しており、その資金の調達にあたっては問題ないと考えております。
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