(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期における経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、燃料価格の高騰ともあいまって、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような中、当社グループは中期経営5ヵ年計画「センコー・イノベーションプラン2021(SIP21)」の最終年度として、業績のさらなる伸長に努めてまいりました。
当期の主な取り組みは以下のとおりです。
国内物流事業においては、5月に岐阜羽島PDセンター(岐阜県羽島市)、11月に印西第2ロジスティクスセンター(千葉県印西市)、3月に泉南PDセンター(大阪府泉南市)を稼働させました。
国際物流事業では、4月にオーストラリアで貨物自動車運送事業などを行っているエアロード社(AIRROAD PTY LIMITED)を、1月にシンガポールを拠点に国際航空・海上輸送などを行うエアープランナーズ社(AIR PLANNERS (S) PTE. LTD.)をグループに迎えました。
海運事業では、8月に日本マリン株式会社とセンコー汽船株式会社が濃硫酸船「祥硫」を新造・就航させました。
商事・貿易事業においては、1月に家庭紙の卸売事業などを行う株式会社カルタスをグループに迎え、また同月、電子材料取引の商権拡大などを目指し、液晶パネルや有機EL製品の材料・部品を取り扱う中国商社TOMIグループに出資参画いたしました。
その他事業においては、10月に愛知県内で在留外国人の人材派遣や技能実習生向けの研修事業などを行う株式会社セルフ・グロウを、11月に中四国エリアを中心に、衣服のクリーニング事業やコインランドリー事業を展開するダイヤクリーニング株式会社をグループに迎えました。
環境負荷低減への取り組みについては、日本物流団体連合会からセンコー株式会社と株式会社ランテックが、6月に「第22回物流環境大賞」の部門賞2件と特別賞1件を、11月に「令和3年度モーダルシフト取り組み優良事業者賞」の改善部門1件と有効活用部門2件を受賞しました。また、株式会社ランテックは11月に国土交通省九州運輸局から「令和3年自動車・観光・交通政策関係功労者九州運輸局長表彰」を受けました。
今後も当社グループは、人々の生活を支援する企業グループとして、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当期の連結業績は以下のとおりであります。
(百万円)
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前期 |
当期 |
増減額 |
増減率 |
営業収益 |
572,405 |
623,139 |
50,733 |
8.9% |
営業利益 |
21,516 |
24,771 |
3,254 |
15.1% |
経常利益 |
22,227 |
26,103 |
3,876 |
17.4% |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
14,249 |
15,233 |
984 |
6.9% |
営業収益面では収益認識会計基準等の適用影響などがあり、利益面では燃料価格の上昇影響などがありましたが、グループ全体で拡販ならびにコスト改善・生産性向上に取り組むとともに、M&Aを推進した結果、連結営業収益、連結営業利益、連結経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに前期を上回る結果となりました。
当期のセグメント別の状況は、以下のとおりです。
(物流事業)
(百万円)
|
前期 |
当期 |
増減額 |
増減率 |
営業収益 |
387,350 |
432,538 |
45,188 |
11.7% |
セグメント利益 |
19,398 |
23,013 |
3,615 |
18.6% |
燃料価格の上昇影響などがありましたが、前期に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて大きく減少した物量が回復する中、拡販ならびにコスト改善・生産性向上に取り組むとともに、M&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は4,325億38百万円と対前期比451億88百万円の増収、セグメント利益は230億13百万円と対前期比36億15百万円の増益となりました。
(商事・貿易事業)
(百万円)
|
前期 |
当期 |
増減額 |
増減率 |
営業収益 |
161,820 |
153,049 |
△8,770 |
△5.4% |
セグメント利益 |
3,035 |
2,905 |
△130 |
△4.3% |
4月に家庭紙卸売のアズフィット株式会社を連結子会社化するとともに、拡販ならびにコスト改善に努めましたが、収益認識会計基準等の適用影響、燃料販売における仕入価格の上昇などにより、営業収益は1,530億49百万円と対前期比87億70百万円の減収、セグメント利益は29億5百万円と対前期比1億30百万円の減益となりました。
(その他事業)
(百万円)
|
前期 |
当期 |
増減額 |
増減率 |
営業収益 |
23,235 |
37,550 |
14,315 |
61.6% |
セグメント利益 又は損失(△) |
△61 |
99 |
161 |
- |
2021年1月に会員制の総合卸売・小売の寺内株式会社を連結子会社化し、拡販ならびにコスト改善などに努めたことにより、営業収益は375億50百万円と対前期比143億15百万円の増収、セグメント利益は99百万円と対前期比1億61百万円の増益となりました。
(資産の状況)
当期末における総資産は、4,804億87百万円となり、前期末に比べ444億21百万円増加いたしました。
流動資産は、1,710億33百万円となり、前期末に比べ71億42百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が74億37百万円減少したものの、受取手形、営業未収入金及び契約資産が92億4百万円、電子記録債権が 10億23百万円、商品及び製品が11億93百万円、その他流動資産が31億90百万円増加したことなどによるものです。
固定資産は、3,094億54百万円となり、前期末に比べ372億78百万円増加いたしました。これは、有形固定資産が220億84百万円、無形固定資産が57億9百万円、投資その他の資産が94億84百万円増加したことなどによるものです。
(負債の状況)
当期末における負債合計は、3,198億30百万円となり、前期末に比べ298億84百万円増加いたしました。
流動負債は、1,376億46百万円となり、前期末に比べ39億31百万円増加いたしました。これは、1年内償還予定の社債が70億94百万円、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が100億9百万円減少したものの、支払手形及び営業未払金が62億91百万円、短期借入金が142億98百万円増加したことなどによるものです。
固定負債は、1,821億83百万円となり、前期末に比べ259億52百万円増加いたしました。これは、社債が99億76百万円、長期借入金が118億58百万円、長期リース債務が10億88百万円、繰延税金負債が13億 17百万円、その他固定負債が11億13百万円増加したことなどによるものです。
(純資産の状況)
当期末における純資産は、1,606億57百万円となり、前期末に比べ145億37百万円増加いたしました。これは、自己株式の取得により35億21百万円減少したものの、転換社債型新株予約権付社債の株式への転換などにより資本金が19億15百万円、資本剰余金が17億39百万円増加したことに加え、利益剰余金が105億25百万円、非支配株主持分が25億24百万円増加したことなどによるものです。自己資本比率は前期末から0.3ポイント低下し、30.6%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ、81億77百万円減少し、421億93百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、318億85百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益が247億78百万円、減価償却費が198億17百万円、未払債務の増加による資金の増加が36億54百万円あったものの、売上債権の増加による資金の減少が51億23百万円、法人税等の支払額として93億21百万円支出したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、461億41百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の取得に 303億11百万円、関係会社出資金の払込に56億68百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に 88億37百万円支出したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、57億73百万円の収入となりました。これは、長期借入金の返済に40億35百万円、ファイナンス・リース債務の返済に53億59百万円、社債の償還に132億88百万円、自己株式の取得に36億30百万円、配当金の支払額に47億4百万円支出したものの、短期借入金の純増額が46億71百万円、長期借入れによる収入が225億63百万円、社債の発行による収入が100億円あったことなどによるものです。
③キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
2018年 3月期 |
2019年 3月期 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
自己資本比率(%) |
33.7 |
35.0 |
35.1 |
30.9 |
30.6 |
時価ベースの 自己資本比率(%) |
37.7 |
41.0 |
35.7 |
35.6 |
27.8 |
キャッシュ・フロー 対有利子負債比率 |
4.9 |
4.2 |
3.6 |
5.2 |
5.8 |
インタレスト・ カバレッジ・レシオ |
25.4 |
26.2 |
28.3 |
27.7 |
25.5 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
2)経営成績
当連結会計年度の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
3)キャッシュ・フローの状況
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを重視し、当連結会計年度においても318億85百万円の資金を得ることができました。なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。
物流事業におきましては、新型コロナウイルス影響から前年まで落ち込んでいた物量が、ケミカル部門や食品関連部門で大きく回復しました。また新規に開設した岐阜羽島PDセンターといった大型物流拠点の稼働や新規拡販に取り組んだ結果、営業収益は4,325億38百万円と対前期比451億88百万円の増収となりました。利益面におきましては燃料価格の上昇の影響などがありましたが、拡販ならびにコスト改善・生産向上に取り組むとともに、エアロード社やUACJ物流といったM&Aの収益寄与があったことなどにより、セグメント利益は230億13百万円と対前期比36億15百万円の増益となりました。
セグメント資産は3,424億66百万円と対前年比228億86百万円増加しました。
商事・貿易事業におきましては、今年度に家庭紙卸売りのアズフィット株式会社を連結子会社化し、新規拡販ならびにコスト改善に努めましたが、収益認識会計基準の適用影響や燃料販売における仕入れ単価の上昇により、営業収益は1,530億49百万円と対前年比87億70百万円の減収、セグメント利益は29億5百万円と対前年比1億30百万円の減益となりました。
セグメント資産は792億68百万円と対前年比136億22百万円増加しました。
その他事業におきましては、2021年1月に連結子会社化した会員制の総合卸売・小売の寺内株式会社などM&Aの売上貢献や新型コロナウイルスに関する情報処理業務の取込みなど拡販に努めたことにより、営業収益は375億50百万円と対前期比143億15百万円の増収、セグメント利益は99百万円と対前期比1億61百万円の増益となりました。
セグメント資産は511億18百万円と対前年比69億22百万円増加しました。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、下払運賃ほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社・関係会社株式の取得等によるものです。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入による資金調達を基本としており、設備投資資金や長期運転資金は、社債及び金融機関からの長期借入による資金調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関との間で当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。
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