課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは1891年創業以来、石油製品、液体化学品、高圧ガス等に関連した運送事業を中心とし、港湾運送、通関業務、倉庫事業、ドラム缶等の容器販売事業、タンク洗滌・修理事業等総合物流関連事業を展開してまいりました。

当社グループは常に事業を通じての社会への奉仕を旨とし、「信用第一」を経営理念としてまいりました。更に長年蓄積された物流のノウハウを活かし、安全かつスピーディな提案型営業を推進しております。

 

(2) 目標とする経営指標

経営基盤確立のため、有利子負債の削減及び安定的な経常利益の確保に努めてまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2015年度から社内の体制強化を目的に組織の再編や制度改革を進めてまいりました。この再編や改革は2018年度を以って終了し、新たに次の段階に移行する必要があるとの判断から、今般2019年度から2022年度までの4ヶ年である「中期経営計画」を策定いたしました。

 

「中期経営計画」概要

1)ヒューマンパフォーマンス

「Change(変革)」「Confidence(信頼)」「Compliance(法令遵守)」この「3つのC」をスローガンに企業風土の変革、個人スピリットの醸成に努め、社員のパフォーマンスの最大化を図ります。

2)成長パフォーマンス

営業力の強化による継続的な売上の向上、及び本支店・事業所の業務の効率化による経費の削減を実現し、当社の収益構造の改善を推し進めます。

3)投資パフォーマンス

①基幹業務システム投資

 30年間使用した基幹業務システムの刷新を図るため、2020年度末までに開発を完了し、その開発費用とし

て197百万円の投資を予定しております。

 また、新システム導入後の業務コストの削減は、4年間で累計▲48百万円のシナジー効果を見込んでおり

ます。

②人材投資

 運転職の増員計画については、2024年4月から施行される長時間労働の上限規制「年間960時間」を遵守す

る人員体制を2022年度末までに実現します。また、これに併せて賃金体系の見直しや有給休暇取得制度の改

正を検討します。

 事務職マネジャーや運転・技能職の職長班長などの中間管理職に対しては、人材育成の強化を目的に、外

部講師を活用した研修を定期的に実施いたします。

③車両投資

 老朽化した車両やタンクの代替投資、エンジン付車両の減車を目的としたタンク載せ替え式積載車両への

投資等を行い、中長期的な視点に立った車両コストの平準化を図ります。

 中期経営計画での4年間の累計投資金額は、1,296百万円を計画しております。

 中期経営計画の4ヶ年は、事業4部門(輸送・倉庫・港運・容器)の維持・継続のための投資や外部環境

の変化で将来生じるリスクを回避するための投資など必要最小限の投資に限定します。

 

 

(4) 会社の対処すべき課題

① 石油・ドラム缶等販売事業のうち、石油販売におきましては、石化エネルギーの国内使用量の減少傾向は進み、販売店が減少する厳しい状況が予測されますが、営業力強化に努め、採算販売と優良顧客の獲得を進め、加えてENEOSでんき・都市ガスの営業拡大も図り、体質の強化及び業績の向上に向けて邁進してまいります。

ドラム缶販売におきましては、昨年来の鋼板価格の上昇に伴う製品仕入価格の値上がりに対し、販売単価への価格転嫁が当面の課題であります。年間を通しては既存拡大、新規原缶回収先の獲得、社内他部門や同業他社との連携による新規顧客の獲得を図り、売上及び利益の確保に努めてまいります。

また、容器配送につきましては、ドラム缶積込み作業の環境改善を図るとともに、安全会議における乗務員教育や物流会議における各輸送協力会社への情報展開により、無事故無災害を目指してまいります。

② 貨物自動車運送事業におきましては、業界を取り巻く環境は年々厳しさを増しております。特に車両や作業の特殊性もあり慢性的な乗務員不足、更には働き方改革による長時間労働の上限規制、燃料価格の高止まり等多くの課題を抱えております。こうした環境の変化に対応すべく人材確保及び育成の強化を図り、労働環境改善に取り組んでまいります。また、新規顧客の獲得、新規取扱い品の拡充、取引条件の改善を基本に、売上の拡大と適正運賃の確保に努めてまいります。荷主様に対しましては、車両の適正化及び配送の効率化を図り、相互に有益となる提案型営業を心掛けてまいります。当社の最優先課題であります「輸送の安全」につきましてもコンプライアンスを重視した輸送体制の質的変化により無事故・無災害を目指し、皆さまから更なる信頼を得られますよう努めてまいります。

③ 港湾運送及び通関事業におきましては、コロナ禍による世界的な輸出入貨物の取扱い量の減少が問題となっております。「通関・保管・配送」の3PL体制などの諸機能を充実させ、顧客のあらゆるご要望にお応えできる体制を構築し、新規顧客の獲得と既存顧客の取引拡大に繋げてまいります。併せて安定した傭車先との連携強化に努め、業務の適正化・効率化を図り、法令及び社内規定に従い適切な安全管理体制のもと、より一層のサービス向上に取り組んでまいります。

  また、港運業務システムを活用した業務の適正化・効率化を図り、認定通関業者(AEO事業者)としてコンプライアンスを重視した安全管理体制の確立により、一層のサービス向上に取り組んでまいります。

④ 倉庫事業におきましては、危険物倉庫の投資回収と倉庫全般の保管占有率の安定化が課題であります。一般保管とは別に定温保管、加温保管、危険物保管、毒物劇物保管などの倉庫施設機能をフルに活用し、保税蔵置場として貨物保全や安全管理等トータル的なサービスの提供に努めてまいります。また、お客様がより満足するサービスを提供することで、新規顧客の獲得と既存顧客の取引拡大に繋げてまいります。
 併せて荷役作業及び倉庫業務システムを活用した業務の適正化・効率化を図り、安定した収益の確保に努めてまいります。

⑤ タンク洗滌・修理事業におきましては、元売り他のタンク基数の減少と競争入札による受注価格下落による経営圧迫等、予断を許さない状況が続きますが、経営資源を集約し効率運用に努め、事故防止と安全管理に努めることにより、社業の発展に努める所存でございます。

⑥ 4ヶ年中期経営計画におきましては、2019年度を初年度とし3年目を終了いたしました。

現在の進捗状況は、新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限が長期にわたり、国内外の経済停滞の影響から売上高で計画比286百万円の未達、経常利益で計画比39百万円の未達となりました。

  計画最終年度である2022年度は、継続的な営業活動を展開し、最終目標の達成に向けて邁進いたします。

⑦ 新型コロナウィルスの感染拡大により世界経済、また、わが国の経済は社会活動が大きく制限された影響により、景気の先行き不透明感が強まっております。港湾運送及び通関事業におきましては、新型コロナウィルスの影響で輸出入に係る取引が減少、貨物自動車運送事業においても配送数量の減少により引続き厳しい環境は予想されますが、新型コロナウィルス感染症の影響が終息した際には、通常の事業活動が行えるよう対応してまいります。

 

(5) 対処方針及び具体的な取組み状況

京極運輸商事グループとして、企業理念である「信用第一」のもと「Change(変革)」「Confidence(信頼)」「Compliance(法令遵守)」の3つの「C」をスローガンに知恵と力を結集し、一層の優れたサービスの提供を目指し、取り組んでまいります。また、企業の社会的責任を果たすべく「安全管理体制の確立」「リスク管理の強化」「コンプライアンスの推進」を徹底し、より一層の内部統制システムの充実を図ってまいります。

①「安全管理体制の確立」

企業の社会的責任は「安全管理体制の確立」であるということを充分に認識し、その実現のため経営トップ が主導的な役割を果たし、運輸安全マネジメント、全社5S運動、危険予知訓練を展開しております。

②「リスク管理の強化」

当社を取巻くあらゆるリスクに対応するために、リスク管理基本方針、リスク管理規定、経営危機対策規定等を策定し、それらを具現化するためにリスク管理委員会を開催し、周知徹底を行っております。

③「コンプライアンスの推進」

「信用第一」という経営理念に基づき、企業価値を高めるため、常に透明で公正な経営に努め、単なる法令遵守にとどまらず、社会的責任を果たすための「企業行動規範」「コンプライアンス規定」を定め、これらを推進する事務局として「コンプライアンス推進室」を設置し、委員会の開催、推進月間の実施等により周知徹底を図ってまいります。

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