(1)業績等の概要
①業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、徐々に回復の動きがみられましたが、新型コロナウイルス感染症はいまだ収束に至っておらず、ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあり、先行きは予断を許さず、不透明感が増す状況となりました。
当社グループの事業環境につきましては、エネルギー価格の高騰や引き続き感染症の影響を受けているものの、輸送需要は徐々に回復傾向にあります。
このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画(2021年度~2023年度)の達成を目指すとともに、従業員や関係する皆様への感染予防を徹底し、エネルギーや食料品等の安全・安定輸送に尽力いたしました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、輸送需要の回復等により、34,262百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は1,458百万円(同7.4%増)、経常利益は1,630百万円(同7.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,088百万円(同18.9%増)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
(石油輸送事業)
石油輸送事業につきましては、自動車輸送において輸送シェアの維持・拡大に努め増収となったことに加え、鉄道輸送において昨年度の出荷地変更による影響の反動があり、売上高は増加いたしました。一方、人件費等の経費の増加により、営業利益は減少いたしました。
この結果、当事業における売上高は15,374百万円(前年同期比3.9%増)、営業利益は394百万円(同1.4%減)となりました。
(高圧ガス輸送事業)
高圧ガス輸送事業につきましては、LNG(液化天然ガス)を中心とした需要の回復等により、売上高は増加いたしました。一方、燃料費や人件費等の経費の増加により、営業利益は減少いたしました。
この結果、当事業における売上高は8,864百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は340百万円(同28.7%減)となりました。
(化成品・コンテナ輸送事業)
化成品輸送事業につきましては、需要の回復や海外輸送における収支改善策の進捗等により、売上高は増加いたしました。
コンテナ輸送事業につきましては、北海道地区における野菜類の生育不良や、自然災害による貨物列車の運休の影響により、売上高は減少いたしました。
この結果、当事業における売上高は9,537百万円(前年同期比12.6%増)、営業利益は459百万円(同82.6%増)となりました。
(資産運用事業)
不動産賃貸事業につきましては、新規物件の賃貸開始により、売上高は増加いたしました。
太陽光発電事業につきましては、稼働状況が堅調であったことから、売上高は増加いたしました。
この結果、当事業における売上高は485百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は263百万円(同15.2%増)となりました。
なお、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用、表示方法の変更および報告セグメントの変更を実施しております。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の注記事項「(会計方針の変更)」、「(表示方法の変更)」および「(セグメント情報等)」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ744百万円の資金収入(前年同期は1,537百万円の資金収入)となり、4,828百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、4,668百万円(前年同期は5,064百万円の資金収入)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益1,656百万円、減価償却費3,951百万円の計上と法人税等の支払683百万円の支払によ
るものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、2,252百万円(前年同期は2,418百万円の資金支出)となりました。これは主に、有形固定資産売却による収入があったものの、コンテナおよび機械装置及び運搬具の取得により2,291百万円を支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、1,674百万円(前年同期は1,101百万円の資金支出)となりました。これは主に、セール・アンド・リースバックの収入780百万円があったものの、ファイナンス・リース債務2,081百万円を返済し、配当金330百万円の支出があったことによるものであります。
当社グループの資金の流動性につきましては、主要な資金需要は人件費、燃料油脂費、外部委託している輸送費(鉄道運賃や用車料)等の営業費用と車両やコンテナ等の取得に係る設備投資であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入及びリースによる資金調達にて対応していくこととしております。
手許の運転資金につきましては、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金の一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
当座貸越極度額および貸出コミットメントの総額 5,400百万円
当連結会計年度末借入実行残高 180百万円
当連結会計年度末借入未実行残高 5,220百万円
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)生産、受注及び販売の状況
①販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
石油輸送事業 |
15,374 |
3.9 |
高圧ガス輸送事業 |
8,864 |
2.7 |
化成品・コンテナ輸送事業 |
9,537 |
12.6 |
資産運用事業 |
485 |
8.8 |
合計 |
34,262 |
5.9 |
(注)1 当連結会計年度から、その他事業から資産運用事業へセグメントの名称を変更しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
ENEOS㈱ |
11,130 |
34.4 |
11,597 |
33.8 |
(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
①重要な会計方針
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「(1)業績等の概要 ①業績」を参照願います。
③財政状態および資金の流動性の分析
当連結会計年度末の総資産は35,649百万円となり、前連結会計年度末に比べ253百万円増加いたしました。
流動資産は9,429百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,091百万円増加いたしました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産の増加に加え、現金及び預金が増加したことによるものであります。固定資産は26,220百万円となり、前連結会計年度末に比べ837百万円減少いたしました。これは主に機械装置及び運搬具で設備投資が増加したものの、コンテナで減価償却が進捗したことに加え、投資有価証券が時価変動により減少したためであります。
負債は14,243百万円となり、前連結会計年度末に比べ458百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が増加したものの、未払法人税等が減少したことに加え、リース債務の返済進捗によりリース債務が減少したことによるものであります。純資産は21,406百万円となり、前連結会計年度末に比べ712百万円増加いたしました。これはその他有価証券評価差額金が減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ1.5ポイント上昇し、60.0%となりました。
資金の流動性の分析につきましては、「(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」を参照願います。
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