課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「地域共栄 未来創成」の企業理念のもと、2017年度に公表した以下のビジョン及び行動指針に則り、輸送サービスを中心として地域の発展とともに企業価値を向上させていくことを基本方針としておりました。これに加え、このコロナ禍において、将来の不確実性が高まる中、当社を原点から見つめ直し、当社グループの果たすべき役割、社会的な存在意義をパーパスとして定義し、2030年のあるべき姿を示した「グループ構想2030」を策定したうえで、2022年度から2024年度を対象とする中期経営計画を策定しております。

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(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 コロナ禍にあったこの2年間で多くの人がWeb会議、オンライン授業、在宅ワークなど移動を伴わずとも、容易に、リアルタイムにコミュニケーションが取れるビデオチャットツールが浸透し、インターネット通販や動画配信サービスの利用拡大など、ライフスタイルは大きく変化しました。

 その様なコロナ禍により急激に進展した不可逆的な変化や少子高齢化など構造的課題を踏まえ、当社では上記の通り、2030年の姿を示した「グループ構想2030」及び、そのグループ構想2030への最初の3年間である2022年度から2024年度を対象とする中期経営計画を策定いたしました。

 この計画を今後、強力に推進してまいります。

 

1.当社のパーパス及びグループ構想2030

 将来の不確実性が高まる中、当社グループの果たすべき役割、社会的な存在意義をパーパスとして定義し、2030年のあるべき姿を示した「グループ構想2030」を策定いたしました。

○パーパス

移動をベースに地域を活性化させるとともに、地域の人々の生活を支援し、地域と共に従業員・家族の幸せを向上する。

○グループ構想2030(2030年のあるべき姿)

地域に不可欠、なくてはならない「まちづくり・地域づくり企業」へ進化する

~地域の移動を支え、暮らしを豊かにするとともに、地域の魅力を発掘・創出・発信し、地域価値を高める~

2.中期経営計画(2022年度~2024年度)

 グループ構想2030に向け、当中期経営計画期間中にコロナ禍前と同水準の利益規模への回復を目指すとともに、「まちづくり・地域づくり」企業への転換を図るために基本方針及び重点戦略を策定いたしました。

○基本方針 『利益水準の回復と事業構造改革』

○重点戦略 ・神戸エリアでの路線拡充、観光周遊バスの充実をはじめとする事業拡大

・中山間地での地域に適した交通体系への転換と地域密着サービスの提供によるサステナブルな事業モデル確立

・不動産業の拡大

・ノンコア、かつ不採算事業はグループ内再編による効率化・収益力強化、または売却・撤退

・未来への成長投資の実行(人材・環境・デジタル分野)

3.主要なセグメントの戦略

 2.の基本方針及び重点戦略に基づき立案した、主要な事業セグメントの戦略は以下の通りです。

①自動車運送事業

 既存路線バス収入はコロナ禍前の85%程度に止まることを前提に、安全投資は継続しながらも路線再編、増収施策、コスト削減等により、利益はコロナ禍前の水準に回復させ、安全性と収益性を両立した事業モデルを構築する。

・重点戦略エリア(神戸・大阪・淡路島)における事業拡大

→神戸市内観光周遊バス『シティーループ』と連節バス『ポートループ』による市内回遊性の向上

→兵庫県内の住宅地から大阪方面への路線拡充

・路線バス、タクシー、契約輸送、デマンドバスなど、地域に適した持続可能な交通体系への転換

 →次世代モビリティやMaaSなど新たな移動サービスへの積極的参画

・旅客サービスの向上

 →地域と連携したセット券、企画乗車券、サブスクリプション型サービスの展開

・安全・安心なサービスの提供(運輸安全マネジメントの継続的な実践)

 →運行管理、健康管理の充実

 →運転士の指導教育の強化

②不動産業

 安定収益としての物件取得と総合不動産業としての事業の飛躍を図る

・収益物件購入及び開発事業のための投資枠…100億円

③旅行貸切業

 旅行の回復・反動需要の確実な取り込みに加え、地域の観光資源を開発、発掘し、多様化する観光ニーズに対応する。

・健康・長寿・自然をテーマとしたツーリズム、体験型、着地型ツアーなど新しい旅のかたちへの取組強化

・団体旅行から個人旅行への変化に対応した商品、サービスの展開

・インバウンド回復期を見据えた商品開発と販売チャネルの拡大

4.ESGの取り組み

 まちづくり・地域づくり企業として、事業を通じて社会との共通価値を創り、人と環境にやさしい社会の実現に向け、取り組んでまいります。

○E(Environment:環境)

・ハイブリッドバスの積極導入、カーボンゼロ車両(EV、FCV車両)の導入推進

・マイカー通勤企業に対して公共交通のシフト促進

・再生可能エネルギー設備の導入、使用電力の脱炭素化

○S(Social:社会)

・地域コンテンツの発掘、ECサイト「LocalPrime(ローカルプライム)」での販売

・PPP事業の推進、公共施設の価値向上に寄与

・フレイル予防への取組推進

・健康経営の推進(健康経営優良法人2022取得)

○G(Governance:企業統治)

・独立社外取締役比率1/3以上(ダイバーシティの視点を含めて選定)

・指名・報酬委員会の機能強化(委員の過半数が独立社外役員、委員長も独立社外役員)

・コンプライアンス委員会の活動強化

5.投資計画

 

投資額

主な投資内容・目的

不動産投資

100億円

収益物件取得・開発

成長投資

100億円

CVC投資、システム投資、M&A、整備工場更新

安全・維持更新

40億円

車両更新等

合計

240億円

 

 

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

新たに策定した2022年度から2024年度までを計画期間とする中期経営計画においては、最終年度である2024年度の連結数値目標を以下の通り定めております。

 

2024年度数値目標(計画策定時)

連結売上高

48,000百万円

連結営業利益

2,400百万円

連結経常利益

2,500百万円

親会社株主に帰属する当期純利益

1,700百万円

 

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