当社グループは「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当該会計基準等を適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析をおこなっております。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの業績は、年間を通じて個人向け通信販売関連業務の取扱量が堅調に推移したことや、前期は映画館の一時閉鎖などにより落ち込んでいたメディア関連の業務取扱量が増加したことに加え、輸出入貨物取扱量の増加および海上運賃高騰にともなう収受料金の値上げもあり、営業収益が前年同期間と比較して15.1%増の86億54百万円となりました。
利益面につきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境」に記載のとおり原価上昇の圧力は強まりましたが、各営業所において取組んできたコスト削減施策の効果が現れたことや、営業収益増加の影響が大きく、営業利益は前年同期間と比較して50.8%増の2億77百万円となり、経常利益は51.0%増の3億29百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に当社福岡営業所および遊休資産にかかる減損損失として8百万円計上したほか、固定資産除却損として10百万円を計上したものの、前年度において計上した特別損失90百万円の影響が解消されたことから、前年同期間と比較して237.8%増の2億67百万円となりました。
② 報告セグメントの状況
A.総合物流事業におきましては、年間を通じて個人向け通信販売関連業務の取扱量が堅調に推移したこと、前期と比較してメディア関連業務の取扱量および輸出入貨物の取扱量が増加したことに加え、運賃高騰にともなう収受料金の値上げもあったことから、営業収益が前年同期間と比較して15.1%増の85億88百万円となりました。営業利益は、コストの上昇圧力はあったものの、各営業所において取組んできたコスト削減施策の効果が顕在化したことにより、前年同期間と比較して42.5%増の1億99百万円となりました。
B.運送事業におきましては、当事業が、総合物流事業に対する運送分野を担っております。営業収益は、業務取扱量が増加したことから、前年同期間と比較して4.5%増の3億23百万円になりました。しかしながら、営業利益は、軽油の高騰による燃料費の増加に加え、新規車両取得による減価償却費の増加などコストの上昇を補いきれず、前年同期間と比較して69.9%減の3百万円となりました。
C.流通加工事業におきましては、当事業が、主に、総合物流事業に対する流通加工(倉庫内オペレーション)分野を担っております。国内物流業務取扱の増加により、営業収益は前年同期間と比較して6.7%増の9億89百万円となりました。営業利益は、営業収益増加による効果は見られたものの、最低賃金の上昇などによるコスト増加の影響を受け、前年同期間と比較して40.8%減の10百万円となりました。
(注)上記営業収益は、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。
③ 財政状態の状況
この要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が90百万円、投資有価証券が1億19百万円増加した一方で、現金及び預金が2億47百万円、有形固定資産が1億9百万円減少したことによるものであります。
この要因は、当連結会計年度に親会社株主に帰属する当期純利益により2億67百万円、その他有価証券評価差額金が74百万円、為替換算調整勘定が69百万円増加した一方で、前連結年度にかかる期末配当金により49百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが4億1百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローが1億48百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが5億36百万円の減少となり、現金及び現金同等物に係る換算差額等を調整し、当連結会計年度末には、19億93百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の資金残高は、前連結会計年度末より2億13百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とこれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得された資金は、4億1百万円(前年同期間対比33百万円の資金獲得減)となりました。
この要因は、資金増加要因として税金等調整前当期純利益が3億12百万円(前年同期間対比1億79百万円の資金増)、減価償却費が2億99百万円(前年同期間は3億14百万円)あった一方で、資金減少要因として売上債権及び契約資産の増減額が90百万円(前年同期間対比22百万円の資金減)、「その他」の項目が62百万円(前年同期間対比8百万円の資金減)に加え、法人税等の支払額65百万円(前年同期間対比49百万円の資金減)があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出された資金は、1億48百万円(前年同期間は68百万円の資金増)となりました。
この要因は、定期預金の払戻による収入が1億70百万円(前年同期間対比1億8百万円の資金増)あった一方で、定期預金の預入による支出が1億37百万円(前年同期間対比39百万円の支出増)、有形固定資産の取得による支出が1億39百万円(前年同期間対比55百万円の支出増)、投資有価証券取得による支出が25百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出された資金は、5億36百万円(前年同期間対比1億50百万円の支出増)となりました。
この要因は、短期借入金の借入増による収入が50百万円(前年同期間は50百万円の資金減)、長期借入金の借入増による収入が4億50百万円あったものの、長期借入金の返済による支出が9億88百万円(前年同期間対比7億円の資金減)、配当金の支払額が48百万円(前年同期間は47百万円の資金減)あったことによるものであります。
⑤ 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、「運送」「保管」「作業」といった物流サービスを組み合わせて提供しておりますが、そのサービス内容は多種多様であり、当社グループが実施している諸事業と相互に密接に関連しているほか、受注生産形態をとらない事業であることから、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注状況
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、上記「(1) 経営成績等の概要 ①経営成績の状況」に記載しておりますので、ご参照願います。また、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成および進捗状況につきましては、「第2 事業の状況 (3)目標とする経営指標」に記載しておりますので、ご参照願います。
当社グループは、2022年3月期を最終年度とする「3ヵ年中期経営計画」を策定し、計画において定められた「基本戦略」および「取組むべき課題」に取組んでまいりました。
具体的には、これまでに評価をいただいてきた当社の提供する業務サービスへの信頼を基盤としながら、コロナ禍によって人々の行動が変容したことにより増加した通信販売関連業務や、行動規制の緩和により前期の落込みから一定の回復を見せたメディア関連業務、コロナ禍に起因した物流網の混乱により需給が逼迫した輸出入業務など、社会および環境の変化にともなう顧客ニーズの変化への対応を強化してまいりました。
また、本社、各営業所ともに引続き業務効率化を図ることで、コスト削減にも積極的に努めてまいりました。
このような取組の結果、当初「3ヵ年中期経営計画」に掲げた計数目標には至らなかったものの、不透明な現状の中においても、単年度の事業計画は達成し、前年同期間対比では増収増益となる結果を残すことができました。
翌連結会計年度以降においては、新型コロナウイルス感染症による経済への影響は低減することが期待されますが、地政学的リスクが顕在化するなど未だ先行きに不透明感が残っており、定量目標を含んだ新たな「中期経営計画」の策定については引続き検討を進めておりますが、これまで実行してきた具体的な取組につきましては、さらに深化させるべく、グループを挙げて取組んでまいります。
当連結会計年度において人々の行動変容への対応等に注力したように、今後とも社会および環境の変化に合わせて変化し続けるであろうお客様のニーズを的確に捉えるとともに、社是である「ADD SYSTEM」(当社グループが物流システムの創造にたゆまぬ努力を続け、顧客に貢献すること)を念頭に、お客様のニーズに付加価値を付けて物流サービスを提供いたします。また、新たな社会要請(女性のさらなる社会進出および就業継続支援)への対応として、既に取得しております医療機器製造業免許等を活用するなどして、積極的にサポートできるような新たな物流サービスの構築に向けてもチャレンジしてまいります。
a.営業収益
営業収益につきましては、総合物流事業においては、個人向け通信販売関連業務の取扱量が引続き堅調に推移したことや、行動規制の緩和等によりメディア関連の業務取扱量が増加したことに加え、海上運賃の高騰にともなう収受料金の値上げもあり、営業収益が前年同期間と比較して11億28百万円増加し、85億84百万円となりました。運送事業においても、外部顧客の業務取扱量が増加し6百万円の増収となりました。流通加工事業においては、前年度とほぼ横ばいで推移しました。以上の結果、当社グループの営業収益は、前年同期間と比較して11億34百万円増加し86億54百万円となりました。
なお、当連結会計年度のセグメント別営業収益は、次のとおりであります。
<セグメント別の状況>
b.営業原価、販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益
営業費用につきましては、増収にともなって、営業原価が前年同期間と比較して9億90百万円増加し、74億83百万円となりました。海上運賃および軽油価格の高騰、最低賃金の改定など運賃仕入コストや労務コストの上昇等の影響は大きかったものの、各営業所において取組んできたコスト削減施策の効果が顕在化したこともあり、営業原価率は微増に抑えられる結果となりました。販売費及び一般管理費は、前年同期間と比較して49百万円増加したものの、業務の効率化は継続して実行しており、販管費率においては、0.9%の改善が見られました。以上の結果、営業利益は50.8%増の2億77百万円となり、経常利益は51.0%増の3億29百万円となりました。
なお、当連結会計年度の営業費用項目ごとに示すと、次のとおりであります。
c.特別損益、法人税等調整額、親会社株主に帰属する当期純利益
特別損失項目では、タカセ株式会社において福岡営業所の工具、器具及び備品ならびに電話加入権、遊休資産の電話加入権にかかる減損損失を8百万円、失効した電話加入権の除却を主とした固定資産除却損を10百万円計上しましたが、前年度に計上した特別損失90百万円の影響が解消されたこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は237.8%増の2億67百万円となりました。
② 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、上記「(1) 経営成績等の概要 ③財政状態の状況」に記載しておりますので、ご参照願います。
③ キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、上記「(1) 経営成績等の概要 ④ キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますので、ご参照願います。
なお、資本の財源及び資金の流動性に係る情報に関して、当社グループの主要な資金需要は、営業活動にかかる営業原価および販売費及び一般管理費の支払によるものであり、営業活動によるキャッシュ・フローおよび手許資金ならびに金融機関からの短期借入金による運転資金で賄われております。
また、借入金の返済および配当金の支払についても、運転資金で賄う予定にしております。
設備等の投資については、その金額規模および資金ポジションを考慮しつつ、大規模となる事案については、金融機関からの長期借入金による資金調達により対応することとしております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準にもとづき、会計上の見積りをおこなっております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しをおこなっておりますが、見積りには不確実性がともなうため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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