当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種の促進や感染拡大の防止策を講じる中で感染者数は減少し、経済活動再開による国内経済の回復が期待されたものの、新たな変異株の感染が各地で急速に拡大しました。また、ウクライナ情勢の緊迫化の影響を受け、半導体をはじめとする部材需給がさらに逼迫すると同時にエネルギー価格がより一層高騰したことなどが景気減速の懸念となり、先行きは不透明な状況で推移しました。
当社グループ事業と関係度合が強い建設業界におきましては、低金利政策の恩恵や昨年の需要の落ち込みの反動などもあり、日本国内の新設住宅着工戸数は増加傾向であるものの、人件費及び資材価格の高騰などの懸念もあるため、今後も建設業界の変化を注視する必要があります。
そのような状況のもと、当連結会計年度の売上高は7,716,219千円(前連結会計年度比100.3%)、営業利益は787,425千円(前連結会計年度比129.9%)、経常利益は837,960千円(前連結会計年度比134.4%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は569,706千円(前連結会計年度比138.6%)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は447,466千円減少しておりますが、営業利益及び経常利益は1,591千円の増加となりました。
各セグメント別の状況は以下の通りです。
<バイオマテリアル事業>
新型コロナウイルス感染症の影響による企業活動低迷、ウッドショックにおける市場の冷え込みも予測されましたが、住宅着工戸数が前年比較にて約10%増加と回復基調となり、解体工事の発生が多い状況となりました。木質燃料チップユーザーにおいても大きなトラブルもなく、市場は順調に推移しました。好況な市場動向にあわせて、顧客への木材持込キャンペーンなどの入荷促進活動を行い、入荷増量に注力致しました。また、愛知県東三河における設楽ダム関連工事の木材処理を受注し、CEPO半田バイオマス発電所への安定的な燃料供給へ繋げました。その他、中国経済好景気の影響により鉄相場が大幅に上昇し、木質処理工程にて発生する鉄くず(釘等)の有価販売売上に大きく貢献致しました。また、木質燃料チップの備蓄ヤードを返却し、賃借料の削減により収益の改善を図りました。以上の結果、セグメント売上高は5,404,872千円(前連結会計年度比97.9%)、セグメント利益は832,034千円(前連結会計年度比123.9%)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は431,061千円減少しておりますが、経常利益には影響ありません。
<資源循環事業>
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策による在宅勤務の定着化により郊外への住居(拠点)移動が活発化し、大都市周辺への新築住宅建設が活発な状況となりましたが、世界的な政情不安により、引き続き主要建築部材等の調達不安・価格高騰が懸念され、依然不透明な状況が続いております。そのような状況のもと、郊外に展開する住宅メーカーへの営業により、新規大手顧客を確保しました。また、近年着工割合が堅調に推移しているパワービルダーや中堅建設会社への営業にも注力し、取扱量が増加しました。以上の結果、セグメント売上高は1,462,116千円(前連結会計年度比100.7%)、セグメント利益は140,169千円(前連結会計年度129.5%)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は17,174千円減少しておりますが、経常利益には影響ありません。
<環境物流事業>
ウッドショックによる木材価格の高騰と、新規材料の確保に要する期間長期化は依然として続いております。そのような状況のもと、大手企業から排出された木製パレットを原材料とする当社オリジナルの木製再生パレットへのニーズが増えており、中古リニューアル製品の販売に注力致しました。また、SDGs意識の広まりに伴い、当社のリサイクル製品に関心を持つ企業や地方自治体が増えてきました。以上の結果、セグメント売上高は737,225千円(前連結会計年度比113.2%)、セグメント損失は31,196千円(前連結会計年度は、35,216千円のセグメント損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
<その他>
環境コンサルティング事業においては、オンラインセミナー等のリモート推進により、SDGs関連の環境コンサルティングサービスが堅調に推移致しました。一方でIT事業を展開しておりました株式会社iEPOを2021年4月1日付にて当社へ吸収合併したことによりIT事業の取引量が減少致しました。以上の結果、セグメント売上高は433,125千円(前連結会計年度比95.5%)、セグメント損失は33,541千円(前連結会計年度は、42,800千円のセグメント損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は768千円増加し、経常利益は1,591千円の増加となりました。
(ROE(自己資本利益率))
ROE(自己資本利益率)は、親会社株主に帰属する当期純利益が158,674千円増加したことにより29.6%(前連結会計年度比4.1ポイント増)となりました。
(資産)
当連結会計年度における資産合計は9,258,421千円となり、前連結会計年度末から298,976千円増加しました。主な要因は以下の通りです。
流動資産は前連結会計年度末から122,230千円減少しました。これは主に現金及び預金が115,252千円、仕掛品が37,867千円減少したことによるものです。
固定資産は前連結会計年度末から421,263千円増加しました。これは主に、建設仮勘定が385,635千円、保険積立金が117,587千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度における負債合計は7,142,884千円となり、前連結会計年度末から86,701千円減少しました。主な要因は以下の通りです。
流動負債は前連結会計年度末から296,091千円増加しました。これは主に、短期借入金が408,500千円、リース債務30,108千円増加したことによるものです。
固定負債は前連結会計年度末から382,792千円減少しました。これは主に、長期借入金が394,981千円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度における純資産合計は2,115,536千円となり、前連結会計年度末から385,677千円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が395,000千円増加したことによるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度から39,053千円減少し507,484千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。
営業活動による資金の増加は、816,806千円(前連結会計年度は、1,046,745千円の資金増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上821,581千円によるものです。
投資活動による資金の減少は、481,720千円(前連結会計年度は、156,076千円の資金減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出583,652千円によるものです。
財務活動による資金の減少は、379,784千円(前連結会計年度は、877,336千円の資金減少)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が650,000千円あったものの、長期借入金の返済による支出1,070,043千円があったことによるものです。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.「その他」に関しては、生産をしていませんので省略しております。
当社グループの廃棄物処理業、チップ販売、環境物流機器販売においては、受注から最終処理完了や商品発送までのリードタイムが短いことから受注実績を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.「バイオマテリアル事業」に含まれる「その他」の主なものは、有価物売却であります。
3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
当連結会計年度は、当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下の通りであります。
当社グループは、固定資産に係る減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境の変化により割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る資産又は資産グループについては減損損失の計上が必要となる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞と消費の低迷は、地域差はあるものの当連結会計年度の下半期から、徐々に解消するとの仮定に基づき見積りを行っておりますが、経済活動の停滞と消費の低迷が想定以上に長期化した場合には、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境」をご参照ください。
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資金需要)
所要資金は大きく分けて設備投資資金及び運転資金となりますが、基本的には営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れにより運転資金を賄い、設備投資資金につきましては、長期借入金により調達を行う方針であります。
当社グループは、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しており、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、経常利益に加え、事業の収益力を示す売上高経常利益率を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における主な経営指標は以下の通りであり、引き続き対処すべき経営課題の改善を図りながら、経営戦略を推進してまいります。
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