本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を与える可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社の事業活動を理解するうえで重要であると考えられるものについては、投資者への情報開示の観点から積極的に開示しております。
当社はこれらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本稿以外の記載内容も含めて慎重に検討したうえで下す必要があります。
また、以下の記載は将来において発生する可能性のあるリスクの全てを網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社グループのバイオマテリアル事業及び資源循環事業については、事業活動の前提となる重要な法的規制として「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、「廃棄物処理法」)があり、産業廃棄物の収集運搬及び中間処理等に関する許可、処理及び保管、委託契約、マニフェストに関する基準等が定められております。事業展開において当該規制を受けております。
また、両事業においては、廃棄物の収集運搬過程では道路運送車両法、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法、処分過程においては労働安全衛生法、環境保全やリサイクルに関する諸法令等の他関連する各種法令・規則・条例等の規制を受けております。
これら法令等に違反する行為を行った場合は、違反意図の有無にかかわらず、行政機関である地方自治体から行政処分や行政指導を受ける可能性があり、取得している許認可等が取り消された場合には、当社グループの社会的信用、事業展開、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、「廃棄物処理法」は、1997年と2000年に大改正が行われたほか、以降も継続的に改正が実施されており、廃棄物排出事業者責任や処理委託基準、不適正処理に対する罰則等の規則が強化されております。2010年の改正では、廃棄物排出事業者責任の強化のための規定が多数追加され、廃棄物排出事業者による処理業者に対する監視も厳しくなってきております。また、2000年6月には「循環型社会形成推進基本法」が制定され、廃棄物を再生可能な有効資源として再利用すべくリサイクル推進のための法律が施行されており、引き続き現在も法改正の検討が進められております。加えて、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」等の各産業や素材別のリサイクル関係法令が整備されております。環境問題に対する関心や廃棄物の再生資源としての循環的利用、環境負荷の低減等に対する社会的ニーズの高まりやそれらに対応する政策推進等により法的規制強化が生じる可能性があります。
当社グループは、今後も廃棄物処理及び再資源化等の領域における規制変化をビジネスチャンスと捉え、法令改正等の動向をモニタリングすることにより事業環境の変化やリスクの早期把握及び体制整備を図ったうえで積極的な事業展開を図っていく方針でありますが、予期せぬ法令等の改正又は制定により当社グループの事業運営に何らかの制約が生じる可能性があり、対応が遅れる又は困難となる状況が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの環境物流事業及びその他事業における各事業サービスにおいて、「古物営業法」、「警備業法」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(労働者派遣法)」、「職業安定法」及びその他関係法令による法的規制を受けております。
当社グループは、各種法令順守に係る対応を推進しておりますが、これら法令等に違反が生じ行政処分等が生じた場合や法改正等により事業展開に制約等が生じた場合等においては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、法的規制の変更等の外部要因に起因するリスクについては、関連法令の改正等の動向をモニタリングすることにより顕在化のリスクを早期に把握し体制の整備を行う方針でありますが、係る外部要因によるリスクについては、その顕在化の内容、時期等を当社グループが制御できるものではないことから、その影響度を事前に見積ることは困難であると認識しております。
当社グループは、事業展開に必要となる廃棄物処理法等の重要な各種許認可等を取得しており、主要な許認可等は以下の通りであります。許認可の多くは一定期間における更新を要するものがあるほか、事業許可に係る停止又は取消し要件が定められております。不法投棄、マニフェスト虚偽記載等の違反行為、処理施設基準の違反、申請者の欠格要件(廃掃法第14条第5項第2号)等に関しては、事業の停止命令あるいは許可の取消しという行政処分が下される可能性があります。
なお、当社グループは、管理体制強化及び法令順守徹底に努めており、現時点において停止又は取消し事由に該当する事項はないものと判断しておりますが、仮に、当該要件や基準に抵触した場合には、当社の主要な事業活動に重要な支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(フルハシEPO株式会社)
(株式会社フィニティ)
当社グループのバイオマテリアル事業及び資源循環事業において取り扱う廃棄物は、建物解体時又は住宅建設現場において排出される木材(木くず)等の廃棄物が多くを占めております。
当該廃棄物の排出量は国内の住宅着工動向に少なからず影響を受けており、経済活動や不動産市況等により住宅建設業界等における工事量減少が生じた場合には、当社グループにおける廃棄物リサイクル処理量が減少するとともに、それを原料として製造する木質リサイクルチップ製品の供給減少につながる可能性があります。
当社グループにおいては、住宅着工件数等の動向をモニタリングすることにより事業環境の変化やリスクの早期把握及び体制整備を図ったうえで、営業範囲や処理単価等の対策を図っていく方針でありますが、今後においても当該影響を排除することは困難であり、当該動向により業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの環境物流事業においては国内及び海外(タイ及びベトナム)において物流機器の販売等を展開しており、当該各地域における景気動向及び物流動向等に影響を受けております。現在はコロナ禍において当社グループの各地域顧客等において物流量の低迷が継続する企業も多く、当該状況が継続した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業展開するバイオマテリアル事業及び資源循環事業に係る領域においては、各地域において中小・中堅企業が多数存在しており、競合企業には、一般廃棄物その他の産業廃棄物取扱いを基盤とする事業者や、特定廃棄物のリサイクル工場、焼却処理施設、最終処分場を基盤とする事業者等があり、これら企業との競合が生じております。
当社グループは、主に東海地区及び関東地区を基盤として建設系廃棄物処理を展開しており、今後は環境対応や廃棄物リサイクルへのニーズの高まりへの対応として、より高度な廃棄物処理と再資源化の設備投資実施、廃棄物排出事業者からリサイクル資源利用者までを含めた総合的な廃棄物循環処理サービスの構築の推進等により競合事業者との差別化を図っていく方針であります。しかしながら、新規事業者の参入、既存事業者の拡大や業界再編等の環境変化や処理需要の著しい減少等により価格競争を含む競合激化が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、環境物流事業においても国内外各地域における企業との競合が生じており、需要が十分に回復しない状況において競合激化等が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主力事業であるバイオマテリアル事業は、廃棄物排出事業者からの廃棄物リサイクル処理受託による収入(売上高)及びリサイクル処理により製造される木質リサイクルチップ販売による収入(売上高)の双方を獲得する事業モデルを構築しております。
当該事業モデルにおいては、リサイクル処理受託及び木質リサイクルチップ販売のバランスを確保することが重要であり、処理受託量が減少した場合は、チップ製品供給に悪影響を及ぼすほか、外部調達(商品仕入)による費用増加等が生じる可能性があります。一方で、大口販売先等における設備稼働停止や購入抑制等により木質リサイクルチップ販売需要が減少した場合には、リサイクル処理受託の受入れを抑制させる又は余剰製品保管のための外部保管施設確保による費用増加等が生じる可能性があります。
当社グループにおいては、リサイクル処理受託拡大のため顧客獲得の強化及び処理工場新設等を実施しており、一方で木質リサイクルチップ販売においては安定需要先となるバイオマス発電事業者の開拓を推進しております。
しかしながら、今後において両者の需給バランスが著しく悪化する状況が生じた場合には、当社グループの事業展開、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、バイオマテリアル事業における木質リサイクルチップ販売の安定供給先の確保等を目的として、他社が展開するバイオマス発電所プロジェクトに出資を行っております。
2008年8月においては、川崎バイオマス発電所プロジェクトに係る参画を目的として、ジャパンバイオエナジー株式会社及びジャパンバイオエナジーホールディング株式会社への出資(両社とも現持分法適用関連会社)を実施し、2011年2月より同発電所燃料用チップ製品の供給を開始しております。また、2017年4月においては、CEPО半田バイオマス発電所株式会社への出資を行い、2019年10月より燃料用チップ製品の供給を開始しております。
上記発電プロジェクトにおいては、発電所隣接地に当社事業所設置し、長期契約に基づく木質リサイクルチップ供給を行っておりますが、発電設備の稼働状況その他要因により長期的に供給量が減少する場合は事業採算悪化が生じる可能性が、また、木質リサイクルチップの供給量確保に支障が生じた場合は取引関係に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、出資については採算性や投資回収期間を十分に検討したうえで実施しておりますが、必ずしも計画通りの成果が得られる保証はなく、今後の業績その他の動向等により減損損失等を計上する可能性があり、当該側面においても当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、顧客の要求に基づき品質管理基準を定める等、各種製品の生産体制を構築しておりますが、何らかの要因によりチップ製品における異物混入等の品質トラブルや製造物責任に係る事故が発生した場合、当社グループの信頼性低下や多額の費用負担が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、事業所の設備トラブル、品質問題、原料調達その他の問題に起因して、顧客への納入期限に対して遅延が生じた場合、信頼性低下等が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、継続的な事業成長のため、営業や生産等の優秀な人材確保が重要であると認識しており、継続的な人材採用及び教育を実施しております。また、福利厚生等の充実により人材定着に努めておりますが、国内及び各地域における人材雇用・採用環境の変化等により、人材確保が困難となる場合、社内人材の流出が継続する場合、人材獲得又はつなぎ止めのための費用増加が生じる可能性があるほか、著しい人材流出が生じた場合には事業運営に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、廃棄物処理に係る収集運搬業務の一部、廃棄物に係る2次処理及び最終処分業務等について、外部事業者を活用しております。外注先企業については、選定基準を設けるとともにサービス品質や法令順守状況その他を確認のうえで決定しております。また、マニフェストによる処理状況の確認とともに視察等による現地確認も実施しております。
しかしながら、当社グループの外注業務において法令違反等を含む契約不適合等が判明した場合、その管理責任を問われる又は信頼性の著しい棄損が生じる可能性があり、当社グループの事業運営、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの廃棄物に係る処理工場設置等については自治体等行政当局の許認可取得が必要となります。当社グループにおいては、各種許可基準に合致する事業所設備建設や近隣住民との合意取得等に努めておりますが、許認可取得が困難となる場合は当社グループが企図する事業展開に制約が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、既存事業所においては、行政当局より事業所設備や廃棄物又は製品保管量、安全衛生等に係る状況について重大な指摘等を受けた場合、対応のための費用発生や操業継続に支障が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業においては、産業廃棄物等に係る解体工事現場や中間処理過程において、騒音、振動、粉塵等が発生します。当社グループは、法令に定める基準等を考慮のうえで、近隣への影響等を含めて細心の注意を払いつつ発生低減に努めております。しかしながら、不測の事態等により基準を超えて発生した場合又は基準以下においても近隣住民からの苦情・トラブル等が生じた場合、操業継続に支障が生じる又は対応に多額の費用が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、規制強化等により新たな対応が要請された場合についても、追加費用等により業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、リサイクル処理施設において木質系廃材等を大量に取り扱っており、常時の設備点検・維持管理・整備の徹底を図るとともに、火災事故発生防止を含めた管理体制を構築しております。
しかしながら、万が一、火災事故等が発生した場合には、施設が損傷・倒壊・破壊した場合、事業所の一部又は大部分が停止状態となるほか、被害が周辺地域まで及んだ場合には、当社グループに対する信頼性低下や多額の損害賠償請求等が発生する可能性があり、当社グループの事業運営、業績及び財政状態に重大な影響が及ぶ可能性があります。
当社グループのリサイクル処理施設等においては、多数の人員が現場作業に従事しております。各事業所においては、安全衛生対策の実施、マニュアル整備、人員教育の実施等により労働災害防止に努めております。
しかしながら、事業所人員について不測の事故又は重大な労働災害が生じた場合、一時的な操業停止や対策等に多額の費用が必要になる可能性がある等、事業所運営に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主要な営業基盤であるリサイクル処理施設等が東海地区及び関東地区に集中しており、当該地域において台風・豪雨、地震等の大規模な自然災害が発生した場合は、工場設備の損壊や当社従業員の勤務困難、物流の停止、顧客企業の事業所操業停止等が発生し、事業運営の継続が困難となる可能性があります。
当社グループにおいては、緊急時に備えてリスク管理規程の策定、BCP対策の構築等を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
現在、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、住宅業界において経済停滞と営業自粛による顧客の住宅購買マインド低下から、住宅着工数は減少し一部回復が生じているものの、今後の動向は依然不透明にあると考えられます。また、輸出入停滞によって住宅部材調達が困難となり、工事中断・延期や価格高騰等も発生しており、これら要素が当社グループの事業にも直接・間接に影響を及ぼしております。今後においても当該状況が長期間にわたって継続した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループ内においては、感染予防のため、営業及び管理部門において一部テレワークを実施するほか、テレワーク対応が困難な従業員に対しては、事業所内の感染防止対策の徹底のうえで時差出勤や交代勤務により感染防止対策を実施しております。しかしながら、当社グループ内で感染者が発生した場合、事業拠点の一時閉鎖等、事業運営に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、法令及び契約等の遵守に努めておりますが、国内外の事業活動において、当社グループ各社の法令等に対する違反の有無に関わらず訴訟の提起を受ける可能性があります。重大な訴訟が提起された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、過年度におけるリサイクル処理施設に係る設備投資資金等を借入金等により調達しており、2021年3月期末及び2022年3月期末における連結決算の有利子負債残高は5,027,948千円及び5,019,104千円であり、その連結総資産額に占め割合はそれぞれ56.1%及び54.2%と高い水準にあります。また、将来的な設備投資等の資金需要に応じて今後においても金融機関借入等による資金調達を行う可能性があります。
当該状況から、今後において金利上昇が生じた場合は金利負担の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、将来において、資金調達環境や当社グループの信用力等に変化が生じ、柔軟な資金調達に支障が生じた場合には、事業活動の制約要因となる可能性があり、その場合においても経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内においては東海地区及び関東地区に複数のリサイクル処理施設等を、海外においてはタイ及びベトナムの生産施設等を有しております。これらの事業拠点については継続的な事業拡大及び最適化に努めておりますが、経営環境の著しい悪化等による収益性低下や市場価格の下落等が生じた場合、当該事業拠点に係る固定資産について減損損失を計上する可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは今後において新たなリサイクル処理施設に係る設備投資を計画しております。当該設備投資の決定に際しては、市場調査を実施のうえで事業計画を策定しておりますが、必ずしも当社の想定通りに推移する保証はなく、低迷が継続した場合には業績圧迫要因となるほか減損リスクも生じることから、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の代表取締役社長である山口直彦と代表取締役副社長である山口昭彦は兄弟関係にあり、当事業年度末現在の議決権所有割合は、直接所有分として26.95%(山口直彦)、14.82%(山口昭彦)であります。
また、両名の資産管理会社である有限会社ヤマグチの直接所有分は21.05%であり、以上3者と両名の二親等内の親族である株主の議決権を合算した所有権割合は72.23%となります。
山口直彦と山口昭彦は、引き続き当社の支配株主となる見通しでありますが、議決権の行使に当たっては、株主共同利益を追求するとともに非支配株主の利益にも配慮する方針であります。しかしながら、何らかの事情によって、当社株式をやむを得ず売却することとなった場合、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
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