当社は事業展開上のリスクになる可能性があると考えられる主な要因として、以下の記載事項を認識しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避と予防に取り組んでおります。
なお、文中に記載している将来に関する事項は、本報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき当社が判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。
・他社との競合、法的規制
当社が従事するDXについては歴史が浅く、参入企業が増加の途上にあると当社は認識しております。今後、当社サービスが十分な差別化を行えなかった場合や、さらなる新規参入により競争が激化する場合には、当社の業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、現時点で当社事業に重要な影響を与える法的規制はありませんが、目まぐるしく進展するデジタルトランスフォーメーション市場において、新たな法令等が制定される、あるいは既存法令が改正される等の場合には当社の業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、中長期的に顕在化する可能性があると認識しております。当社としては、サービス多角化によるポートフォリオの構築、成長分野への人員配置転換、顧問弁護士と連携した法令改正動向のモニタリング、及び必要に応じてサービス内容を再検討する等の対応策を準備することにより、リスクの軽減を図っております。
・技術革新、仕様変更
デジタルトランスフォーメーション市場においては、急速な技術変化に伴い、顧客のニーズも日々変化をしています。当社では絶え間ない技術革新に対応するため従業員による新技術・情報へのキャッチアップを行っていますが、新技術への対応が遅れた場合には当社の競争力が低下し、当社業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、中長期的に顕在化する可能性があると認識しております。当社としては、必要に応じて新たなテクノロジーを企業に導入する支援体制を構築する等の対応策を準備することにより、リスクの軽減を図っております。
・新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響について
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行について、当社においては、現状において業績その他に重要な影響はないものの、経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、今後さらなる感染拡大により顧客の企業活動が停滞した場合に、当社の業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の流行による顧客企業のDX化ニーズ拡大は、これまでのところ当社業績に追い風となっていると判断していることから、業績悪化のリスクがすぐに顕在化する可能性は低いと認識しております。
・季節変動
当社が支援をしている顧客は、予算消化が各顧客の主な決算期末に集中する傾向があります。このことから当社の業績は、各顧客の決算期末における予算消化の状況に影響を受けやすい傾向にあり、特に顧客の年度決算期末が集中する3月は影響が大きく、顧客の予算状況に応じて、業績変動が生じる可能性があります。対応策として、顧客予算の消化状況のヒアリング、過去受注実績からの予測などによって、可能な限り季節変動を織り込んだ受注計画を策定しております。
これまでのところ、顧客の年度末の予算状況に応じた追加受注で業績が上振れる傾向にあることから、業績悪化のリスクがすぐに顕在化する可能性は低いと認識しております。
・品質悪化による契約不適合責任
当社では各マネージャーにおいて各プロジェクトの品質管理を行っております。しかしながら当該品質管理が十分に機能しなかった場合には顧客から求められる水準に達せず、結果として契約不適合責任を追及される可能性があります。この場合には顧客との関係悪化、損害賠償請求等により当社の社会的信用及び業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、事業運営に際してパートナーや協力会社への業務委託が発生する場合がありますが、万が一委託先等に問題が生じた場合、同様に当社の社会的信用及び業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
・特定の人物への依存
当社創業者である代表取締役社長土井悠之介及び取締役会長伊藤翔太は、経営戦略、事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。当社では組織体制の整備を進め、経営リスクを最小限に抑えていますが、依然として両氏の経営判断、営業力等に一定程度依存している傾向にあるため、このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、両氏が当社業務を継続することが困難となった場合には、当社の業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・人材の確保、育成
当社が継続的に顧客に対して付加価値を提供し続けるためには優秀な人材を確保し、適切に育成していくこと、さらには会社に定着させていくことが重要であります。当社においては人材育成プログラムの強化、適切な人事評価とインセンティブ設計等を実施することにより人材の育成、会社への定着を図っておりますが、人材採用競争激化等により当社の採用基準を満たす人材を確保できなかった場合、あるいは既存人材が離脱してしまう場合には当社の業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
・内部管理体制について
当社は創業来、事業運営・企業成長に必要な内部管理体制の整備を進めてまいりましたが、今後さらなる拡大に対し継続的かつ十分な対応ができなかった場合には、当社の業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
・訴訟
当社は各種契約や法令、労働問題、知的財産権に関する問題等に関して、取引先・従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となる可能性があります。当社が訴訟その他の法的手続の当事者となり、当社に対する敗訴判決が言い渡されるあるいは当社にとって不利な内容の和解がなされる場合には、当社の社会的信用及び業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。当社では顧問弁護士と連携し法令改正動向をモニタリングする、あるいはリスク管理委員会にて事業運営上のリスクを洗い出すなど社内管理体制を構築しております。
・役員及び従業員の行動
当社においては当社役員及び従業員に対して行動規範を定める等、コンプライアンスに対する意識醸成の徹底を図っておりますが、当社の役員及び従業員が万が一コンプライアンスに違反する行為を行った場合には、当社の社会的信用及び業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
・情報漏洩
当社は「UIscope」サービスにおけるテストモニターの個人情報や、顧客の新サービスに関する機密情報等を保有しております。これらに対する外部からの不正アクセスや、社内管理における事務処理ミス、あるいは従業員による故意等による情報漏洩が発生した場合には、ブランドイメージ低下、損害賠償請求への対応等により、当社の社会的信用及び業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。個人情報の適正な管理を行うため、当社では個人情報保護規程を定め、全社員への教育研修等を通して、個人情報の漏洩防止に努めております。また、プライバシーマークの取得を行い、個人情報保護についての管理水準の維持・向上を図っております。
当社としては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
・システム停止、障害
当社はサービス提供の過程で、情報収集、分析、加工等のために情報システムやインターネット等を利用しております。自然災害、火災や停電、ハード故障、ウイルス感染やサイバー攻撃等によりシステム障害が発生した場合には、当社業務が停止するとともに、重要データ逸失、ブランドイメージ低下等が発生し、当社の社会的信用及び業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、地震や台風等の自然災害自体についても当社の事業継続上のリスクとして認識し、災害復旧策を規定する等の対応を行っております。
当社としては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
・投資有価証券の減損リスク
当社は純投資として非上場株式に投資をしております。非上場株式を取得する際は投資委員会において審議の上で投資金額に応じて代表取締役の決裁または取締役会の決議に基づき投資をしておりますが、投資金額の算定に当たって超過収益力を見込んでいる場合があるため、投資決定後に投資先の事業計画に変更が生じる場合、投資した資金の回収の見通しが立たず、減損損失が生じる場合がございます。
このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。当社では半期ごとの投資委員会での協議結果などを加味し、四半期ごとに非上場株式の帳簿価額の妥当性を評価しております。
・信用リスク
景気の悪化等により当社顧客における貸倒が発生する可能性があります。創業来、当社は徹底した債権管理を行い、貸倒実績はありませんが、今後債権の貸倒が発生した場合には当社の業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
・新株予約権の行使による株式価値希薄化
当社においては株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、従業員の業績向上に対する意欲・士気をより一層高めることを目的として、従業員に対して新株予約権を付与しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は333,555株であり、発行済み株式総数5,637,150株の6.0%に相当いたします。
これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。
・配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考え、創業来配当は実施しておりません。しかしながら、株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。
今後の配当政策の基本方針につきましては、企業価値の最大化のため、当面の間は収益力の強化や事業基盤の整備と同時に内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主に対する利益還元を検討していく方針ですが、現時点においては、配当実施の可能性、その実施時期等については未定であります。
・販売先に関するリスク
当事業年度の当社の売上高のうち、デジタルトランスフォーメーション事業の主要顧客であるSBIグループ(株式会社SBI証券、SBI VCトレード株式会社等)、トランスコスモス株式会社、株式会社エヌ・ティ・ティ・データに対する売上高の占める割合は、14.8%、14.5%、14.5%となっております。各社の方針変更等により主要顧客に対する売上が大幅に減少した場合、当社の業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、大口顧客向け売上高の剥落リスクの顕在化が業績に与えるネガティブな影響を軽減するため、各社/各企業集団向けの売上額が全社売上高の一定割合を超えないように取引することを目安とし、新規顧客の開拓にも積極的に取り組むことで、特定顧客に依存しない売上構成となるよう留意しております。
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