業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 経営成績の状況

 当社は、2021年10月1日付で(株)タケエイとリバーホールディングス(株)の経営統合に伴い、両社の共同持株会社として設立されました。設立に際し、(株)タケエイを取得企業として企業統合を行っているため、当連結会計年度の連結経営成績は、(株)タケエイの2021年4月1日から2022年3月31日までの連結経営成績を基礎に、リバーホールディングス(株)の2021年10月1日から2022年3月31日までの連結経営成績を連結したものとなります。なお、当連結会計年度は、当社の設立後最初のものとなるため、前連結会計年度との対比は行っておりません 。

 当社グループ主力の廃棄物処理・再資源化事業においては、新型コロナウイルス感染症感染拡大による影響は軽微にとどまり、廃棄物の製品化など収益改善策が奏功しました。

 資源リサイクル事業においては、中間処理施設における分選別強化により有価物の回収量が増加したことと、高値で推移している資源価格との相乗効果で、廃棄物処理・再資源化事業と共に、全体の業績に大きく貢献しました。

 再生可能エネルギー事業においては、2021年4月より営業運転を開始した(株)田村バイオマスエナジーを含めた6発電所体制にて発電・売電を行い、森林経営にも取り組んでおります。

 その他の事業においても、グループ間において相乗効果を図る製品開発、研究技術開発、クロスセリング等に積極的に取り組んでおります。

 この結果、当連結会計年度の経営成績及び主要な経営指標は次のとおりとなりました。

 

 

 

当連結会計年度

(自 2021年 4月 1日

至 2022年 3月31日)

収益性

売上高

(百万円)

68,234

営業利益

(百万円)

7,659

営業利益率

(%)

11.2

経常利益

(百万円)

7,547

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

4,742

資本効率

自己資本利益率(ROE)

(%)

9.9

財務健全性

自己資本比率

(%)

48.3

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 各セグメントにおける売上高については、「外部顧客への売上高」の金額、セグメント利益については、「報告セグメント」の金額を記載しております。

 

a. 廃棄物処理・再資源化事業

 当連結会計年度は、(株)タケエイにおける中間処理施設での廃棄物受入量は前連結会計年度比で増加し、有価物の分選別強化や固形燃料RPF、製鉄副資材「エコ・フォーム」といった搬出品の付加価値化、製品化などの収益改善策が功を奏し、営業利益は大きく増加しました。

 その他、廃石膏ボードの再資源化を行う3社は、いずれも新築・解体案件の増加等により搬入量が増加し、大幅に増益となりました。(株)タケエイメタルは、スクラップ価格上昇や取扱量の増加等によって好調でした。イコールゼロ(株)は、災害廃棄物処理支援事業が大きく寄与したほか、本業の廃液処理も好調でした。(株)信州タケエイは、産業廃棄物処理事業、解体事業とも順調に推移しました。管理型最終処分場を運営する(株)北陸環境サービスは、災害廃棄物等のスポット案件も寄与して増益となりました。

 この結果、セグメント売上高は25,008百万円、セグメント利益は5,113百万円となりました。

 

 

b. 資源リサイクル事業

 鉄・非鉄スクラップを仕入れ加工を行うスプレッド事業は、加工リサイクル施設において鉄・非鉄スクラップの複合物について手解体や大型破砕施設を駆使することで、長年にわたり培ってきた分選別技術により搬出品の付加価値化を図っております。また、急騰局面によるスプレッド(利幅)が増加し、これらにより大幅な増収増益につながりました。

 廃棄物などの処理及びリサイクルを行う非スプレッド事業は、中間処理施設において分選別された銅やアルミなどの有価物売却益が増加、加えてダスト(残さ物)の減容を行うことで処理コストを低減し、大幅な増収増益に貢献しております。

 この結果、セグメント売上高は24,055百万円、セグメント利益は2,787百万円となりました。

 

c. 再生可能エネルギー事業

 首都圏で最大規模の都市型木質バイオマス発電所である市原グリーン電力(株)は、設備補修工事を追加で行ったことや2022年3月に発生した地震の影響などから大幅な減益となりました。(株)タケエイグリーンリサイクルの横須賀バイオマス発電所においては、臨時の修繕工事が発生しましたが、安定稼働が定着しつつあります。2021年4月より営業運転を開始した(株)田村バイオマスエナジーは、立ち上げ当初には燃料材の水分調整に伴う一時的な仕入れ費用増加の影響を受けましたが、グループで初めて発電設備の自社運営・保守に取り組み、足元では安定して稼働しております。

 なお、電力小売5社は、電力需給が逼迫しやすい冬期に市場価格高騰の影響を受ける事業環境にあります。この冬も仕入価格となる市場価格が一時的に急騰しましたが、(株)タケエイの電力小売部門にて、市原グリーン電力(株)において固形燃料RPF(非FIT)を使って発電した電力を固定価格で仕入れて市場へ売電すること等により、電力小売5社の減益を緩和するよう努めております。

 この結果、セグメント売上高は12,416百万円となりましたが、市原グリーン電力(株)等に関するのれん償却額376百万円の影響等により305百万円のセグメント損失となりました。

 

d. その他

 環境装置、特殊車輌等を開発・製造・販売する富士車輌(株)は、コロナ禍のため営業活動が制約された影響から脱し、スクラップ関連機器等の受注残高が高位に推移して、増益となりました。今後需要の拡大が見込まれるアンモニア容器や貯槽等にも注力してまいります。

 環境保全(株)及び(株)アースアプレイザルは、2021年4月の大気汚染防止法改正により、アスベスト(石綿)飛散防止のため、建築物の解体等工事の前には石綿含有建材の使用の有無を調査することが義務付けられたことから、アスベスト調査・分析の受注が増加して業績が伸長しました。

 この結果、その他に含まれるセグメント売上高の合計は6,754百万円、セグメント利益は441百万円となりました。

 

② 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年 4月 1日

 至 2022年 3月31日)

廃棄物処理・再資源化事業(百万円)

16,007

資源リサイクル事業(百万円)

19,425

再生可能エネルギー事業(百万円)

11,477

その他(百万円)

5,375

合計(百万円)

52,285

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

b. 受注状況

 廃棄物処理・再資源化事業においては、顧客との契約は包括的な契約を主としており、個々の受注案件の期間、数量及び金額等について変動要素が多く情報として有用性に欠くため、記載を省略しております。

 資源リサイクル事業においては、受注生産方式を採用していないため、該当事項はありません。

 

c. 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年 4月 1日

 至 2022年 3月31日)

廃棄物処理・再資源化事業(百万円)

25,008

資源リサイクル事業(百万円)

24,055

再生可能エネルギー事業(百万円)

12,416

その他(百万円)

6,754

合計(百万円)

68,234

(注) 1.総販売額に対する割合が10%以上の主要な販売先が無いため、相手先別の記載を省略しております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

③ 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は129,524百万円となりました。内訳は、現金及び預金24,485百万円、受取手形、売掛金及び契約資産9,270百万円等の流動資産が38,114百万円、有形固定資産78,987百万円、無形固定資産6,963百万円、投資その他の資産4,296百万円の固定資産が90,246百万円、繰延資産が1,163百万円であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は65,351百万円となりました。内訳は、買掛金3,467百万円、短期借入金6,458百万円、1年内返済予定の長期借入金5,114百万円等の流動負債が24,431百万円、社債10,929百万円、長期借入金24,226百万円等の固定負債が40,919百万円であります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は64,173百万円となりました。主な内訳は、資本金10,000百万円、資本剰余金34,080百万円、利益剰余金20,277百万円等の株主資本が62,661百万円であります。

 

④ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、税金等調整前当期純利益等を源泉とした収入が固定資産の取得や法人税等の支払などによる支出を上回り、8,867百万円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローでは、社債の発行による収入があったものの配当金の支払や借入の返済による支出などにより3,700百万円の支出となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益7,662百万円に減価償却費5,016百万円等の非資金取引を調整した営業収入が、法人税等の支払額2,657百万円等の支出を上回ったことにより、11,017百万円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、既存設備の更新や改良投資などによって固定資産の取得による支出が4,395百万円あったものの、再生可能エネルギー事業の発電施設に係る国庫補助金1,459百万円の収入等があったことにより、2,149百万円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行により6,963百万円の収入があったものの、短期借入金の純減少額3,866百万円、長期借入金の返済5,208百万円、配当金の支払額839百万円等の支出が上回ったことにより、3,700百万円の支出となりました。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により充当することを基本としておりますが、最終処分場、新規設備投資・改修等の大型の投資案件に係る資金につきましては資金需要が発生した時点で市場の状況等を勘案の上、銀行借入、社債発行及び増資等の最適な方法により資金調達することとしております。

 

⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

固定資産の減損損失

 当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、原則として、事業所又は個々の会社を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、将来の利益計画に基づき慎重に検討を行っておりますが、その見積りの前提とした条件や仮定に変化が生じた場合、減損処理が必要になる可能性があります。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

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