課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、地球の環境保全に貢献するべく、高度循環型社会の実現に向けたリサイクル事業の深化や、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー事業の推進、新たな技術開発やビジネスモデルを構築し、効率的かつスピーディーな事業展開を目指しております。

 当社グループは、喫緊の課題であるCO2排出削減や廃プラスチックのリサイクル等に必要となる大規模投資や技術開発に積極的に取り組み、成長戦略として、リサイクル事業の深化やエネルギー事業の拡充を推進してまいります。また、当社グループは、激動する経営環境下にあっても、持続的に成長する経済社会の実現に貢献するための「サステナビリティ経営」を実践してまいります。

 このような背景を踏まえ、各種課題解決に向け当社グループは「地球の環境保全に貢献する。」を企業理念

に定め、2021年10月に「TREホールディングス(株)中期経営計画」(以下、「中期経営計画」という)を策定いたしました。

 

(2) 経営環境

 当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行が続く中でも、ワクチン接種進展などに伴い、減速と回復を繰り返しながら概ね改善傾向にあります。企業の設備投資意欲は、変異株の拡大等により一時的に減退は見られたものの引き続き持ち直しつつあります。一方でロシア・ウクライナ情勢が世界や日本経済に及ぼす影響を見通すことは難しく、資源価格の高騰など先行きの不透明感が高まっています。

 当社グループと関連の高い建設業界については、新設住宅着工戸数及び建設工事受注は引き続き回復基調にあります。また、鉄鉱石を主な原料とする高炉より、鉄スクラップを主な原料とする電炉の方が製鉄工程においてCO2削減効果が見込めるとして、鉄スクラップの需要が増え、市場価格が高値推移しております。さらに、10月の急騰局面やロシア・ウクライナ情勢により両国からの鉄鋼関連商品の供給懸念が高まるなどにより、当連結会計年度末には64,500円/トン(東京製鐵(株)宇都宮工場特級価格)まで上昇しました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、2021年10月に策定しました中期経営計画「高度循環型社会・脱炭素社会への挑戦」の達成に向けて以下の3つの成長戦略をグループ一丸となって邁進してまいります。

 ①高度循環型社会の実現に向けたリサイクル事業の深化

 ②脱炭素社会の実現に向けたエネルギー事業の推進

 ③新たな技術開発、ビジネスモデル構築への挑戦

 

 当社グループは、持続的に成長する経済社会の実現に貢献するためのサステナビリティ経営を実践するために、コンプライアンス意識の徹底と、それに基づく事業活動の推進を最重要な経営課題と認識するとともに、ガバナンス体制を強化し、中長期的な企業価値最大化を図ってまいります。

 また、当社グループは、企業理念である「地球の環境保全に貢献する。」を基に、地球規模での深刻な環境破壊や気候変動の影響に対して、高度循環型社会並びに脱炭素社会への貢献を図り、自然との調和、地域の生態系と共生し「総合環境企業」として、リサイクル事業の深化、エネルギー事業を推進いたします。また、そのための技術開発に積極的に挑戦いたします。

 

 当社グループは、中期経営計画において「サステナビリティ経営」を掲げ、「持続可能な開発目標」(SDGs)に代表される各種社会課題の解決に貢献すべく事業を展開してまいります。

 今般、こうした取り組みを更に拡張、強化するため、代表取締役社長執行役員を中心としたサステナビリティを推進する組織を設置するなど、当社グループの事業活動を通じて、あらゆるステークホルダーとのバランスの取れた関係を一層深化させ、企業価値を高めることで、高度循環型社会の発展を加速してゆくことを目指してまいります。

 また、当社グループは、SDGsの達成に寄与することを目指して2020年5月に設立された(一財)タケエイ SDGs推進財団を継承した(一財)TRE SDGs推進財団の活動を支援してまいります。

 

さらに、当社グループは、中期経営計画における3か年の財務目標として、自己資本利益率(ROE)8%以上、配当性向30%以上、自己資本比率40%以上及び格付BBB以上を掲げており、収益性向上及び成長戦略推進とバランス感のある株主還元・新規投資・財務基盤の安定性により、中長期的な企業価値の最大化を図ることを目指しております。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、株主の皆様への安定的な利益還元を経営の最重要政策のひとつとして位置付けるとともに、事業投資や将来に向けた投資に備える内部留保も重要と考えます。これらのバランスを取りながら収益力の強化に努め、併せて持続的成長に向け財務基盤の安定性を維持しつつ資本効率を高めてまいります。営業力強化、コスト見直し等による強固な事業体質へ取り組みを継続し、中長期的に安定した配当を可能とする利益の確保に取り組んでおります。

 このため、当社グループは中期経営計画において営業利益、営業利益率(10%以上)、親会社株主に帰属する当期純利益に加えて、自己資本利益率(ROE)(8%以上)、自己資本比率(40%以上)を主要な経営指標としております。

 

 

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