課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループの目指す姿として「経営理念」、「グループビジョン」及び「行動指針」を以下のとおり定め、世界の多くの人々が自由、利便性、快適性を幅広く享受できるよう、お役に立ちたいと考えております。

<経営理念>

正しく公平な経営により、最善の貢献を図る(※)

<グループビジョン>

楽しく安全な移動手段と、一人一人に最適なサービスを提供する事業を究める

新しい価値や革新的なサービスを創り出し、未来に向かって事業を拓く

すべてのステークホルダーと自然との共栄を図り、世界人としてグローバル社会の発展に貢献する

<行動指針>

情熱

仕事を楽しみ、情熱をもって事業を究める

挑戦

既成概念にとらわれず、常に挑戦する

不撓不屈

絶対に諦めず、信念を持って前進し続ける

プロフェッショナリズム

プロフェッショナルとしての誇りと責任を持ってサービスを提供する

ティームワーク

ティームのすべてのメンバーを尊重し、思いやりを持って行動する

感謝

ステークホルダーのご支援に感謝し、ご縁を大切にする

献身と調和

正しく献身的に仕事をし、社会と調和を図る

社会への責任

一人一人が会社を担う一員である自覚を持ち、社会に対する責任を果たす

※「OPTIMUSに込めた想い」

オプティマス(Optimus)は、ラテン語で最善、最適を意味します。当社グループがお客様にご提供する商品、サービスについて、また当社グループが事業に取り組む姿勢について、最善、最適を究めていきたいとの想いから「Optimus」を社名に用いております。

 

(2)経営環境ならびに対処すべき課題

当連結会計年度の世界経済は、変異株の出現もあり新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的蔓延は終息に至らず、サプライ・チェーンのひっ迫、商品価格の上昇、金融政策の緩和から引締めへの転換、地政学リスク等により、先行き不透明感は拭えませんが、主要国の財政出動やワクチン接種の進展等により徐々に回復に向かいつつあります。

当社グループの事業の中核市場であるニュージーランドでは、前年のマイナス成長の反動で暦年ベース+5.6%の経済成長を達成する見込みです(IMF推計、2022年4月)。2021年10月から始まった中央銀行による金融引き締めには一定の留意が必要ですが、同国の景気は依然回復基調を維持しています。同国の輸入中古自動車市場は、2021年3月期にESC(横滑り防止装置)規制が完全導入されたことで輸入中古自動車総量は規制導入前の水準には戻っていませんが、移動手段としてのマイカーニーズは高止まりしており、当連結会計年度の輸入中古自動車総量は前期比10%を超える増加に転じたとみられています(同国税関統計)。

このような経営環境のもとにおいて、当社グループは、継続的な成長と収益力の向上のため、以下の項目を当社グループが対処すべき課題として認識し、取り組んでまいります。

①ニュージーランドにおける既存事業の強化及び新規事業の創出

当社グループは、ニュージーランド向け中古自動車輸出関連事業を主要な事業としておりますが、移民など人口増加のスピード鈍化、同国における高マーケットシェア等に鑑み、同国向けの中古自動車販売の成長は一定水準に留まると予想しております。同国内における事業収益力の強化と収益源の多様化を進めることが重要な経営課題と認識しております。

②ニュージーランド以外の新たな地域への進出

当社グループは、同国への売上に極めて大きく依存しております。当社グループの事業のさらなる成長・拡大とリスク分散の観点から、当社グループは、オーストラリアを中心としたニュージーランド以外の地域でもビジネスの拡大を図っていくことが重要な経営課題と認識しております。

 

③人材の育成と確保

当社グループが、既存事業の強化、新規事業の創出及び新たな地域への進出、といった成長戦略を円滑に遂行するためには優れた人材が必要です。各事業分野での優秀な経営人材、事業推進及び経営管理面での中核人材の育成と確保が重要な経営課題と認識しております。

④コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの強化

当社グループでは、「コーポレート・ガバナンス」を、様々なステークホルダーの権利及び立場を尊重したうえで、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を実現する仕組みと捉え、経営上最も重要な課題のひとつと位置付けております。

当社は、取締役の指名、報酬等に係る取締役会の機能の独立性、客観性及び説明責任を強化するため、過半数が独立社外取締役で構成され、かつ、独立社外取締役を委員長とする指名・報酬諮問委員会を設置しております。

また、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会の開催及びコンプライアンス研修を実施し、リスク管理及びコンプライアンスの強化に努めてまいりました。

既存のコンプライアンス委員会およびリスク管理委員会とは別に、取締役会の任意の諮問機関として利益相反特別委員会を設置し、潜在的な利益相反の適切な管理に努めております。

今後、経営の健全性と透明性をさらに高めるために、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスを強化することが重要な経営課題と認識しております。

 

(3)成長戦略

当社グループはニュージーランドにおいて、中古自動車輸出に係る仕入、検査、輸送、販売、メンテナンスなどの各種サービスをグループで一貫して提供するバリューチェーンを構築しております。バリューチェーンの優位性をもとに、以下の方針に基づき、さらなる成長を図ってまいります。

①既存事業の強化

ニュージーランドは当社グループの収益の源泉であり、同時にビジネスモデルの深化の場でもあり、最も重要な市場と位置付けております。引き続き同国での事業規模の拡大と収益力の強化を推し進めてまいります。

当社グループの各セグメント(貿易、物流、サービス及び検査)で顧客の囲い込みを進めることにより、事業シナジーの拡大とシェアアップを目指します。

②バリューチェーンの延伸

当社グループの事業の成長分野として、主としてサービスセグメントにおいて、自動車ローン事業などの適切な規模の維持と収益力向上を目指すほか、EV関連事業、自動車関連消耗品の保守サービス等の事業を進展させます。また、有力ディーラーとの提携関係強化により、バリューチェーンの拡充を図ります。

③新たな地域への進出

当社グループはニュージーランド以外の地域への事業展開を拡大してまいります。オーストラリアに注力するとともに、さらにはインドネシアをはじめとするアジア諸国でも事業チャンスを追求してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、収益性及び効率性の観点から、連結営業利益額、連結経常利益額及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と考えております。

また、収益性の観点から、連結子会社である㈱日貿の中古自動車販売台数を重要業績評価指標(KPI)として考えております。その理由は、同社における販売のみならず、物流、サービス、検査等が直接的に影響を受けるためであります。

 

 

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