当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当社は、2018年10月1日に単独株式移転により総合メディカル株式会社の完全親会社として設立されました。したがいまして、当社の第1期事業年度は2018年10月1日から2019年3月31日までとなりますが、当連結会計年度は総合メディカル株式会社の連結財務諸表を引き継いで作成しております。また、連結の範囲に実質的な変更はないため、前期と比較を行っている項目については、総合メディカル株式会社の2018年3月期連結会計年度(2017年4月1日から2018年3月31日まで)と比較しております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当期の経営成績は、売上面では、医業支援部門において、株式会社文教のグループ化に伴う売上の貢献と、コンサルティングやレンタル、リース・割賦各部門の増収により、2018年度調剤報酬・薬価改定(マイナス改定)による薬局部門の減収をカバーし、売上高は144,630百万円(前期比6.8%増)となりました。利益面では、売上原価の低減や販売費及び一般管理費の適正化を図りましたが、薬局部門におけるマイナス改定の影響を吸収しきれず、営業利益は5,411百万円(同24.7%減)、経常利益は5,607百万円(同22.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,246百万円(同23.5%減)となりました。
なお、中期経営計画で9%以上の目標を掲げているEBITDAマージンについては、営業減益の影響もあり7.4%となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
① 医業支援
ア.コンサルティング
DtoD(医業継承・医療連携・医師転職支援システム)においては、登録医師会員数が、当期末で79,787人となりました(前期末比4,889人増)。
地域の方々が住み慣れた町で、安心して暮らし続けられる拠点となる医療モールの開発においては、当期末の医療モール件数は109件となりました(前期末比15件増)。
病医院向けのコンサルティング収入、医療モールや病院施設の賃貸収入が増加し、売上高は2,390百万円(前期比6.4%増)となりました。
イ.レンタル
テレビ等の設置台数増加によりレンタル収入が増加し、売上高は7,929百万円(前期比39.7%増)となりました。
ウ.リース・割賦
開業支援からの新規案件や医療機器の入替案件などの契約受注が増加し、契約高は11,296百万円(前期比18.7%増)となり、売上高も11,156百万円(同15.0%増)となりました。
エ.その他
株式会社文教(病院内売店、レストラン事業)のグループ化(2018年4月26日に100%株式譲受)により、売上高は15,907百万円(前期比129.8%増)と「その他」部門に大きく貢献しました。
以上の結果、医業支援の売上高は37,384百万円(前期比52.3%増)となりました。利益面では、レンタル事業、株式会社文教等の貢献により、医業支援の営業利益は995百万円(同12.6%増)となりました。
② 薬局
中期経営計画「アクション 2020」の重点施策である「価値ある薬局の創造」をテーマに地域から選ばれる薬局「みんなの健康ステーション」としての取り組みを推進しました。
2018年4月には、調剤報酬・薬価改定が実施されました。今回の改定では、地域包括ケアシステムの構築や医療機能の分化・強化、連携といった方針のもと、薬局においてはかかりつけ薬剤師の推進、地域医療への貢献が求められています。また、特定の医療機関からの処方箋集中率が高い薬局の調剤基本料が引下げられるなど、いわゆる門前薬局の評価が見直され、当社グループや薬局チェーンにとっては、厳しい改定となりました。
このような中、当社グループは引き続き、かかりつけ薬剤師・薬局をベースとした、高度な薬学管理ニーズに対応するための専門薬剤師の育成や健康サポート薬局拡大に向けた取り組みを推進しております。
2019年3月には、国家戦略特区(福岡市)において当社初の遠隔服薬指導を実施しました。引き続き、本取り組みを通じて、在宅医療提供体制の構築を強化し、利用者の利便性向上を図るとともに、利用者が住み慣れた自宅で、安心して暮らし続けることができる、環境と医療サービスの新しい価値を提供していきます。
このような取り組みの成果として、健康サポート薬局の認定数は、当期末で128店舗となりました(2019年3月29日時点の全国の届出受理状況は1,355店舗)。これは当社グループが、「みんなの健康ステーション」として地域に根ざした薬局づくり、「かかりつけ薬局」の機能強化に向けた取り組みを積極的に推進し続けてきた結果です。
調剤薬局の店舗数は、当期に17店舗(M&Aによる出店5店舗を含む。)を出店した結果、当期末で698店舗となりました。なお、2019年4月1日に3店舗出店し、調剤薬局の店舗数は、701店舗となりました。
以上の結果、調剤報酬・薬価改定の影響もあり、薬局の売上高は、106,282百万円(前期比3.3%減)、営業利益は5,311百万円(同25.6%減)となりました。
③ その他
売上高は964百万円(前期比0.1%増)となり、営業損失は1百万円(前期から20百万円改善)となりました。
当期末の総資産は、前期末比3,812百万円増加の93,560百万円となりました。流動資産は、前期末比384百万円減少の47,100百万円となりました。これは、現金及び預金が3,654百万円減少し、割賦債権が1,474百万円、たな卸資産が755百万円、受取手形及び売掛金が602百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。固定資産は、前期末比4,196百万円増加の46,460百万円となりました。これは、のれんが2,513百万円増加し、賃貸資産が1,338百万円増加したことが主な要因であります。
負債は、前期末比1,669百万円増加の54,890百万円となりました。流動負債は、前期末比1,008百万円減少の32,589百万円となりました。これは、未払法人税等が784百万円減少し、未払費用が393百万円減少したことが主な要因であります。固定負債は、前期末比2,677百万円増加の22,300百万円となりました。これは、長期借入金が1,961百万円増加し、長期割賦未払金が335百万円増加したことが主な要因であります。なお、有利子負債(リース債務、割賦未払金等を含む。)は、前期末比3,086百万円増加し26,616百万円となり、有利子負債から現金及び預金を差し引いた金額を自己資本で割ったネットD/Eレシオは、前期末比0.16ポイント増の0.41倍となりました。
純資産は、前期末比2,143百万円増加し38,669百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上により3,246百万円増加し、配当金の支払いにより898百万円減少したことが主な要因であります。
以上の結果、自己資本比率は前期末比0.6ポイント増の41.0%となりました。
当期末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、10,733百万円となり、前期末比3,717百万円(25.7%)減少となりました。この主な要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動の結果、資金は3,852百万円増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益(5,607百万円)、減価償却費(3,893百万円)、のれん償却額(1,321百万円)による資金増加要因が、法人税等の支払(3,164百万円)等による資金減少要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動の結果、資金は6,624百万円減少しました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出(3,779百万円)、社用資産の取得による支出(2,183百万円)、賃貸資産の取得による支出(1,483百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動の結果、資金は945百万円減少しました。これは、長期借入れにより資金の増加(7,200百万円)があったものの、長期借入金の返済(5,326百万円)、割賦債務の返済(1,268百万円)、配当金の支払い(898百万円)等により資金が減少したためであります。
当期末以降の設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。なお、必要な資金については手元資金や借入金等による調達を予定しております。
当連結会計年度末における現金及び預金の残高は、10,883百万円、短期及び長期借入金の残高は21,038百万円となっております。また、ネットD/Eレシオは、中期経営計画において0.5倍程度を目標としており、当連結会計年度末においては、0.41倍となっております。
(生産、受注及び販売の状況)
(薬局)
(注) 金額に消費税等は含まれておりません。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額に消費税等は含まれておりません。
(注)3 「薬局」の処方せん応需実績は以下のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表作成のための重要な会計方針については、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
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