課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 医療界では、2018年4月に診療報酬改定が実施され、団塊の世代が75歳以上となる2025年とそれ以降の社会への対応に向けて、「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」「新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の実現・充実」「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進」「効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の強化」といった方針が掲げられ、医療機関もさまざまな対応が求められることとなりました。

 このような状況のなか、当社グループは「よい医療は、よい経営から」のコンセプトのもと、コンサルティングをベースにした医業経営のトータルサポートを行っており、DtoD(医業継承・医療連携・医師転職支援システム)と価値ある薬局づくりを通して、よい医療を支え、よりよい社会づくりに貢献するよう努めております。

 来るべく2025年に向け、2017年4月から3年間にわたる中期経営計画「アクション 2020」をスタートしました。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、様々な要因により実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1) 中期経営計画の要旨

① 会社の経営の方針

 「よい医療は、よい経営から」のコンセプトのもと、コンサルティングをベースにした医業経営のトータルサポートで、「よい医療を支え、よりよい社会づくりに貢献する」ことを基本方針としております。

② 目標とする経営指標

 中期経営計画「アクション 2020」を2017年4月からスタートし、3年間の最終年度である今期は、次の目標を掲げております。

 

キャッシュ・フロー

連結売上高 1,600億円(オーガニック)/EBITDAマージン 9%以上

成長投資

設備投資 3年間で200億円を配分(別枠でM&A・連携も積極活用)

財務戦略

ネットDEレシオ 0.5倍程度

株主還元

配当性向 20%以上を維持

 

 

③ 中長期的な会社の経営戦略

 ア 50期ビジョン(2028年3月期)における中期経営計画の位置づけ

○ 社是(ミッション)

わたしたちは、よい医療を支え、よりよい社会づくりに貢献します

○ 50期ビジョン(ありたき姿)

地域包括ケアシステムを支える「日本型ヘルスケアビジネスの完成へ」

○ 日本型ヘルスケアビジネスの基盤づくり

 DtoDと価値ある薬局からの創造で、病院の経営支援と理想の医療モールを通した地域ヘルスケアネットワークの基盤づくり

○ 中期経営計画「アクション 2020」の位置づけ

 日本型ヘルスケアビジネスの具現化、50期ビジョンを実現するステップとしての3か年計画と位置付け、2017年3月期までの取組みを発展させ成果を出す(具現化)

 イ 2020年3月期のありたき姿

 「さまざまな社会的課題を解決する医療モールを推進する」

 医療モールへの在宅医療や在宅ケアの機能付加、医療機能の分化による効率的・効果的な医療提供体制の構築、かかりつけ薬局機能の強化で、地域包括ケアシステムの構築へ貢献する。また、将来の人口動態や医療需要、街づくりの観点を踏まえ、医療モールでコンパクトシティの形成を支援していく。

 

 

④ 対処すべき課題

 今期は、中期経営計画「アクション 2020」の最終年度となります。日本型ヘルスケアビジネスの具現化に向け、「医療モールの開発」「病院の経営支援」「価値ある薬局の創造」を推進しております。対処すべき課題は次のとおりであります。

 

 

施策

指標

課題

1

医療モールの

開発

医療モール200件へ

不動産価格や賃料の上昇などの影響を受け、優良物件の確保が課題ではあるが、候補物件数は増加。中長期で安定した運営が望める物件を継続確保し、地域包括ケアシステムを支える医療モール開発を進める。

2

病院の

経営支援

病院の経営支援37件へ

病床再編が進む中で事業承継や建て替えに絡む相談は増える一方、実際に案件化するまでには時間を要している。

3

価値ある薬局の創造

オーガニック成長で処方枚数230万枚(20%)増へ

医療モール内で展開する調剤薬局では、処方箋枚数が順調に伸長。今後も、かかりつけ薬剤師・薬局、健康サポート薬局を推進し、地域から、患者さんとその家族から選ばれる薬局を目指す。

4

50期ビジョン

達成のために

既存事業の機能付加・強化と医療周辺事業への事業領域拡大

株式会社文教と株式会社ルフト・メディカルケアをグループ化。大規模病院への販路拡大と、既存事業との連携推進により、収益機会を拡げる。

 

 当社グループは、2018年10月に、グループ経営戦略機能と事業執行体制の強化、戦略的パートナーの拡大、次世代経営者の育成を目的に、持株会社体制に移行しました。

 今後も、総合メディカル株式会社を中心とした各事業会社のオーガニック成長や、総合メディカル株式会社と株式会社保健同人社、株式会社文教、株式会社ルフト・メディカルケアとのコラボレーションによるシナジーの創出、M&Aの推進など、戦略的な取り組みを積極的に実施してまいります。

 

(2) 株式会社の支配に関する基本方針について

 当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。 

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について

  当社は上場会社であるため、当社の株式は、株主・投資家の皆様によって自由に取引ができるものです。したがいまして、当社は、当社の株式に対する大規模な買付行為につきましても、これを一概に否定するものではありません。大規模な買付行為の提案に応じるべきか否かの判断は、当社グループの経営を誰に委ねるべきかという問題に関連しますので、最終的には、個々の株主の皆様の自由なご意思によってなされるべきであると考えます。
  しかし、一方的な大規模な買付行為の中には、株主の皆様に対して当該買付行為に関する十分な情報が提供されず株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるものや、株主の皆様が当該買付行為の条件・方法等について検討し、また、当社取締役会が代替案の提示等を行うための十分な時間を確保することができないもの、その他真摯に合理的な経営を行う意思が認められない等、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益(あわせて以下「株主共同の利益」といいます。)を著しく損なう買付行為もあり得ます。
  当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、当社の企業価値の様々な源泉及び当社を支える各利害関係者との信頼関係を十分に理解した上で、株主共同の利益を中長期的に確保し又は向上させることを真摯にめざす者でなければならないと考えております。したがいまして、株主共同の利益を著しく損なう大規模な買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
 当社では、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の実現に資するものとして、以下の取り組みを推進しております。

ア.中期経営計画による企業価値向上への取組み
 当社グループは、「よい医療を支え、よりよい社会づくりに貢献する」ことを理念として、病医院の経営コンサルティング、薬局、レンタル、リース・割賦等の事業を展開してまいりました。当社グループは、「よい医療は、よい経営から」とのコンセプトのもとで、医療機関のよきパートナーとしてよい医療の実現を支援しております。
 当社グループは、行動規準である「わたしたちの誓い」と「社是・社訓」とを役員・社員一人ひとりが実践していくことで、よりよい社会づくりに貢献し、社会から評価され、尊敬される企業グループになることをめざしております。
 以上の経営理念及び基本方針のもとで、総合メディカル株式会社は、2017年4月から3年間にわたる中期経営計画「アクション 2020」をスタートいたしました。当社グループは、持株会社体制への移行後も、引き続き「アクション 2020」を実施しております

イ.コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

  当社グループは、法令遵守に基づく企業倫理の重要性を認識するとともに、変動する企業環境に対応した迅速な経営意思決定と、経営の健全性向上を図ることによって企業価値を継続して高めていくことを経営上の最重要課題のひとつとして位置づけております。その実現のために、株主の皆様をはじめ、お客様、取引先、地域社会、従業員等の各利害関係者との良好な関係を築くとともに、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人等、法律上の機能制度を一層強化・改善・整備しながら、コーポレート・ガバナンスを充実させていきます。
 また、株主・投資家の皆様へは、迅速かつ正確な情報開示に努めるとともに、幅広い情報公開により、経営の透明性を高めてまいります。
 なお、当社の機関の内容及び内部統制システム整備の状況は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の決定が支配されることを防止するための取組み

  「当社の株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」(以下「本対応方針」といいます。)は、2019年6月21日開催の当社第1期定時株主総会の終結時をもって、継続せず廃止いたしました。
 当社は、本対応方針の廃止後も、当社株式の大規模な買付行為を行おうとする者に対しては、基本方針に基づき、大規模な買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいりますとともに、株主共同の利益の確保又は向上に取り組んでまいります。

④ 上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

  当社グループは、多数の投資家の皆様に中長期的に継続して当社に投資していただくため、株主共同の利益を向上させるための取組みとして、上記②の取組みを実施しております。これらの取組みの実施を通じて、それを当社の株式の価値に適正に反映させていくことにより、上記のような株主共同の利益を著しく損なうおそれのある大規模な買付行為を行うことは困難になるものと考えられ、これらの取組みは、上記①の基本方針に資するものと考えております。
 上記③の取組みは、株主共同の利益を確保し又は向上させることを目的として、当社株式に対する大規模買付行為を行い又は行おうとする大規模買付者に対して、当該大規模買付者が実施しようとする大規模買付行為に関する必要な情報の事前の提供、及びその内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるためのものです。
 したがいまして、上記②及び③の取組みは、上記①の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
 

 

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