現在、物流業界においては大型物流施設の開設や物流受託領域の拡大が加速しておりますが、今後においてもeコマースの拡大や将来の人口減少による労働力不足等の見通しなどにより、取扱貨物や物流形態までに大きな変化が予想されます。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、国内外での企業活動や個人消費に大きな影響を与えました。個人向け貨物の増加によるEC企業や宅配事業者などの需要を受け、大型賃貸物流施設の供給量は2021年には過去最大(約500万m2)となり、2022年もそれを上回る見通しであります。また、通販やネットスーパーなどの商量拡大により個人宅配送の需要が増加するなど、我々物流業者に対するニーズも、より荷主企業の商流や個人ユーザーの要望に密接した内容に変化しております。今後も倉庫施設や物流サービスの顧客需要が多様化していくことを見据え、顧客ニーズの情報収集を積極的に行い、それに沿った拠点設置やサービス提供を検討していく必要があります。
また、物流業の人手不足の問題は、国内労働人口の減少の見通しに加え、物流需要の増加やその内容の細分化により、今後も悪化していくものと考えられます。そのような状況から、当社が得意とする丁寧できめ細やかなサービスを維持しつつも、人材確保のために労働環境をより整備することや作業自動化を中心とした生産性の一層の向上が必要となっております。
以上の現況を踏まえ、当社グループでは杉村グループ中期経営計画(2022年度~2026年度)を策定し、2026年度において連結営業収益111億円、連結営業利益13億円を達成することを目標に掲げました。この目標の達成と持続的かつ安定的な成長を目指すべく、以下の課題に取り組んで参ります。
① 取扱貨物拡大
杉村グループ各社の連携を強化し、それぞれの強みを生かした顧客にとって有益な物流を提案するととともに、物流アウトソーシング受託領域の拡大、顧客満足度(CS)の向上などにも積極的に取り組み、長期的な収益の柱となる新規貨物・顧客の獲得を目指してまいります。
② 拠点拡大
グループ一体となり様々な顧客から情報収集を行い、地理面や設備面などで顧客ニーズに沿った新規拠点設置を行います。また、大阪港営業所福崎倉庫第二期工事の実施や物流需要が旺盛な首都圏での拠点設置による増床により、新規顧客や既存顧客深堀での貨物獲得に繋げ、事業規模の更なる拡大を目指してまいります。
③ 生産性の向上
大阪港、神戸港の各営業所の既存貨物の採算性を検証し、収支改善への交渉に取組みます。また、社内DX推進グループが中心となり、事務・荷捌手順等の業務プロセスの見直しを行い、業務の効率化や省力化を推進してまいります。
④ 人材の育成
CSミーティングを活用したOJTや外部研修参加を中心とした人材教育を実施することにより、指示待ち社員ではなく課題に立ち向かう自律型の社員の育成を目指してまいります。
⑤ サステナビリティへの取組み
持続的な成長の実現のために、以下のサステナビリティに関する課題に取組んでまいります。
(1)環境課題への取組み
「環境保護方針」を基に環境に配慮した事業活動への取組を推進してまいります。
(2)社会課題への取組み
安心・安全・健全な労働環境を確保し、持続的成長を支える人材の確保と育成に取組みます。
(3)ガバナンス
健全な経営を行うための社内ガバナンス体制を堅持し、社会から信頼される企業を目指します。
当社の経営理念である「常にお客様のニーズを先取りし期待に応える」、「物流業務を通じて社会に貢献する」、「株主、従業員に豊かさを還元する」に則り、お客様に安心安全で高品質な物流サービスを提供することやサステナビリティへの課題に継続して対処することにより、すべてのステークホルダーにとって「より良い会社」となるべく取り組んでまいります。
お知らせ