課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社は、経営理念及び行動規範を次のとおり制定し、これらの実践をとおして、一層の業績向上を目指してまいります。

 ① 創業の精神

   役に立つ。

   社会にとって役に立つ自分を形成し、

   全員営業全員製造の精神でお客様に貢献する。

 ② 経営理念

   われわれは、

   お客様に喜ばれる仕事を通じて、

   世の中の発展と繁栄に貢献し、

   あわせて全員の成長をこいねがう、

   運命共同体としての同志と、

   1.お客様第一主義

   2.我が社の成長と安定に全力をつくし

   3.全員の物と心の向上に努力する

   4.「出来る」を「出来た」

   以上、4つの理念を行動指針とし、広く社会に奉仕する。

 ③ 重点行動

   準備、実行、後始末。

 

(2) 中長期的な経営戦略

 当社は、経営者及び従業員等の「人的経営資源」、設備及び資金等の「物的経営資源」、並びに情報、ノウハウ等の「情報的経営資源」の展開を、当社グループの事業ドメインである「物流サービスを中心とした事業活動の改善サービスの提供」に集中的に展開する「集中戦略」を採用しております。

 当社は、持続的な成長の観点から、物流サービスの一層の市場開拓を図り、これらの改善や省人化活動をとおして獲得したノウハウ等を、ソフトウエアや新たなサービスとして商品化し、お客様の声を改善に活かして品質向上を推進することにより、より多くのお客様を獲得し、またより多くのサービスをご利用いただくことによって、事業の拡大を図ってまいります。

 今後においても、「物流サービスを中心とした事業活動の改善サービスの提供」に経営資源を集中することにより、新しい経営資源の獲得を効率的に行うことが可能になり、また新たに獲得した経営資源を有効に活用することによって、既存サービスとの相乗効果によるサービスの提供機会の増加を図り、異業種への事業多角化を図るよりも低リスクで利益貢献の可能性が高い事業展開を推進してまいります。

 

(3) 経営環境

 当社は、物流サービスの提供を主たる事業とし、物流サービスの中でも、主にEコマース及び通信販売事業を営む企業様向けの配送センター代行サービス「EC・通販物流支援サービス」の提供に係る事業を展開しております。

 経済産業省がまとめた「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によりますと、当社の主たるサービスにかかわりの深いEC市場について、2020年のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は19.3兆円(前年19.4兆円、前年比0.43%減)となった一方で、EC化率(注)はBtoC-ECで8.08%(前年比1.32ポイント増)となっており、物販系分野におけるBtoCのEC市場規模は2019年の10.5兆円から2020年には12.2兆円(伸長率21.71%)に増加し、引続き物販系分野のBtoC-EC市場の規模が拡大傾向となっております。

 また、2022年2月期においては、新型コロナウイルス感染症が、その感染拡大が収束と拡大を繰り返す中、企業では昨年度来のEコマースによる商品販売やサービス提供に対する取組み強化の傾向が継続しました。当社の主なサービスであるEC・通販物流支援サービスでは、既存のお客様それぞれの取扱商品等の特性によって当社のサービス取扱数量に増減があったものの、当社全体としては大きな影響を受けることなく、比較的堅調に推移しました。

 

(注)EC化率とは、電話、FAX、Eメール、相対(対面)等も含めた全ての商取引金額(商取引市場規模)に対するEコマースによる商取引の市場規模の割合をいいます。

 

(4) 目標とする経営指標

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標は、売上高、営業利益、当期純利益であります。

 中期経営計画(2023年2月期から2025年2月期まで)の最終年度である2025年2月期の目標値は、売上高17,910百万円、営業利益1,647百万円、当期純利益1,080百万円であります。

 また、ROE(自己資本利益率)を持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉え、事業の拡大及び収益性の向上を図ります。その中で、ROE15%以上を維持することを目標としております。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は、長年にわたる物流事業で蓄積したノウハウを活かし、今後においても持続的な成長を遂げるため、次の事項を優先的に対処すべき課題と認識しております。

 ① 人材の獲得及び育成

 当社の事業拡大には、優秀な人材の獲得が欠かせず、また品質の維持向上には人材の育成が欠かせません。人材の獲得にあたっては、高校及び大学の卒業生を対象とした新卒採用に継続的に取組むことで、現場スタッフの人材確保及び本社機能の充実を図っており、引続き新卒採用を中心とした人材獲得に取組む方針です。

 また、人材の育成面では、経営理念、会社の各種方針、及びルール等を記載した「経営計画書」を従業員に配布し、これに基づく勉強会を開催する等して会社の基礎となる事項の徹底を図るほか、長年の物流サービス事業で培ったノウハウを活用した当社独自の教育プログラムを計画的に実施しております。

 人事評価制度においては、毎月の上司との面談等を通じて従業員の達成意欲の向上を促進するほか、パート従業員を含め、働きやすい労働環境の整備に努め、効率的に業務に取組んでいただく環境を整え、その戦力化に努めております。

 物流品質の維持向上には、教育プログラムを更新し、また評価制度の充実を図ることで、高度化する顧客ニーズに対応した人材育成に取組む方針です。

 ② 物流事業を中心とした新しいサービスの創出

 BtoB及びBtoC市場ともに、物流業務の見直しを行う顧客が継続して存在する一方で、競合他社との競争環境は厳しさを増すことが予想されます。当社は、とりわけBtoC市場向けのニーズに対応したサービスを創出し、また当社がこれまでのEC・通販物流支援サービスの提供で培った物流ノウハウ、作業ミスの予防や生産性の向上のために取組んだ改善ノウハウから生まれた倉庫管理システム「クラウドトーマス」及びチェックリストシステム「アニー」等のソフトウエアの提供を組合せる等により、新しい顧客獲得を推進しております。

 2021年2月には、比較的規模の大きい物流センター向けに倉庫管理システム「クラウドトーマスPro」の提供を開始し、お客様が利用する基幹システム、物流自動化機器等との連携を容易にする環境を提供し、一層のお客様層の拡大に取組んでおります。

 ③ 継続した改善活動による物流品質の維持向上及び新しいノウハウの蓄積

 当社は、業務の効率化、品質の向上を目的とした環境整備活動を継続して実践しております。今後においても、これらの環境整備活動を継続し、主に物流サービス事業において、新しい概念を取り入れた活動の高度化を図り、また当社独自の、若しくは産学連携等による外部の知見に基づく効率化のための新しい設備の導入や改善活動等、持続的なコスト最適化、品質の向上及び新しいノウハウの蓄積に取組む方針です。

 

(注)環境整備活動とは、「仕事をやりやすくする環境を整えて備える活動」であり、当社の教育・企業文化形成の柱としております。毎日決まった時間に全従業員が30分の時間を使って実施します。整理、整頓、清掃等を基本として、仕事とそのやり方を学び、気付く感性を育て、円滑なコミュニケーションを図る機会を生み出だすものです。

 

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