課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、創業以来、①お客様への最適な物流方法を提案する「提案力」、②中国を中心とした海外拠点の確かな「ネットワーク」、③物流情報をタイムリーに提供できる「オペレーティング」の3つをキーワードに、お客様の多様な物流ニーズにお応えしてまいりました。

このキーワードをもとに、当社グループでは次の4つを経営基本方針として掲げております。

1.常にお客様の立場を考えたサービスを提供するために、他社に先駆けたより良い貨物輸送サービスを研究開発します。

2.拠点網を拡大し、よりお客様に密着したサービスを提供できる、ワールドワイドな総合物流企業を目指します。

3.創造力豊かで世界に挑戦する勇気ある人材を育成します。

4.人間性を尊重し、風通しの良い魅力ある職場を作ります。

当社グループは、この基本方針のもと、企業倫理を尊重しながら、顧客・株主・従業員にとって存在価値のある企業グループとして、社会や経済の発展に貢献するとともに持続的成長と企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、経営方針に基づき安定的かつ持続的な成長と利益の確保を経営目標としており、営業収益、営業利益及び経常利益においては、成長率を重要な経営指標と捉え、これらの向上を重視した経営に取り組んでまいります。また、ROE(自己資本利益率)並びにROA(総資産経常利益率)においても、現在の水準から更なる向上を図るべく努力してまいる所存であります。

 

(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、国際物流事業において、より良い貨物輸送サービスを展開し、お客様に密着したサービスを提供できるワールドワイドな総合物流企業を目指しております。

物流業界におきましては、近年、労働人口の減少や物流需要の増加等により人手不足がさらに深刻化しております。加えて、2020年の秋以降続く世界的な輸送コンテナ不足や直近では船腹スペースの逼迫も重なり、海上貨物輸送における運賃水準は高止まりし、物流コストも増大しております。さらには新型コロナウイルスの感染拡大が多くの人々の生活様式や消費者の価値観に変化をもたらしたことで、市場環境や消費者ニーズが急速に変容を遂げており、お客様の物流に対するニーズもより多様化・高度化しております。これらを背景に、フォワーダー間においても今後も継続してサービス、価格双方の面で厳しい競争が続くものと予想され、厳しい経営環境が続くものと予想されます。

このような状況下、当社グループでは、サービスメニューの拡充を図りながら、主力である国際貨物輸送を始め、通関や配送、検品・検針・加工業務といった輸出入の付帯業務の受注増加に注力し、収益拡大を目指してまいります。また、これらに加え、環境が急速に変化する中、デジタル戦略による業務効率化の推進、顧客の利便性向上を目指し、DXへの取り組みを加速させてまいります。さらに当社グループは、ワールドワイドな総合物流企業へと成長するため、国内外の現地法人や各国の代理店と連携し、三国間輸送の獲得にも継続して注力するとともに、グローバル物流体制と収益基盤の更なる強化を図ってまいります。

そして、輸出貨物輸送、航空貨物輸送、通関、保管業務、配送業務等それぞれに得意分野を持つ企業との提携も視野に入れながら、これらの事業提携を通じて、総合的な物流サービスの展開を推進していくことも中長期的な戦略として掲げ、持続的成長と企業価値の向上に努めてまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、変異株の流行等もあり、今後の収束時期等を正確に予測することは困難な状況にありますが、当連結会計年度では、同感染症の拡大が起因となる物流の大きな停滞や混乱もなく、主力である国際貨物の輸送も前年同期を上回る取扱本数となり、直近の営業状況等から当該感染症の影響は限定的であると判断しております。

 

 

(4)優先的に対処すべき課題

グローバル化した今日の企業活動の中で、当社グループの主な事業である国際貨物輸送事業は、社会的、経済的に重要であり、大きな役割と責任を負っていると考えております。また、当社グループでは、今般の感染症拡大等、不測の事態が生じても、社員の健康と安全の確保を最優先として、社会生活を支える国際物流、日本の物流を止めないことがグループの企業使命であると認識し、日々変化する状況に対応しながら事業活動に取り組んでおります。

当社グループがお客様の支持を得て事業を伸展することは、当社グループの企業価値の増大に結びつくだけではなく、物流企業としての社会的使命と責任を果たすことにつながるものであると認識し、特に以下の項目を優先的に対処すべき課題として掲げて、積極的に取り組んでおります。

 

①グループの持続的成長の実現と収益基盤の強化・拡大

新型コロナウイルスの感染拡大により、社会環境や事業環境等に様々な変化が生じる中で、人々の生活様式や社会構造、消費者ニーズは急速に変容を遂げております。また、原油価格の高騰や海上コンテナの不足等により物流コストの上昇が続く中、顧客の物流に対するニーズもより多様化・高度化しております。

この環境下、当社グループでは、国際貨物輸送だけでなく、通関や倉庫保管、配送に加え、検品・検針といった加工業務までを一貫して受注することが可能な環境を整え、物流の効率化や合理化、コストの削減、納期の短縮等、お客様のニーズに応えるべく、物流提案を行っております。

当社グループは、企業の成長を一段と加速させるべく、これら事業環境を活かし、顧客のニーズを的確に捉えた物流提案を積極的に行い、取扱いを得意とするアパレル製品や雑貨類に留まらず、輸送実績の少ない業種への営業活動も精力的に行い、国際貨物輸送の取扱高の増加と収益拡大に取り組んでまいります。

また、経営環境が目まぐるしく変化する中、デジタル戦略を推進し、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組みも加速させ、競合他社とのサービスの差別化を図り、お客様の利便性の向上はもちろん、自社の業務効率の改善に取り組むことで、収益向上を目指してまいります。

さらに、東南アジアから日本への輸入貨物や日本からの輸出貨物の集荷、日本を介さない三国間輸送の獲得にも注力するとともに、海外現地法人や各国の代理店との連携も深め、グローバル物流体制の基盤強化にも取り組んでまいります。また、今後当社グループが注力すべき分野に精通した企業との提携等も視野に入れ、事業規模の拡大を図ってまいります。

そして、収益性の改善に向けて社内体制やインフラの整備、効率化による様々なコスト削減等にも取り組み、安定的な収益の維持と確保に努めてまいります。

 

②人材確保と育成強化

当社グループでは、持続的な事業拡大と中長期的に成長を遂げていくうえで、企業の成長に応じた優秀な人材の確保及び人材育成が重要課題であると考えております。

現在、物流業界においても、慢性的な人手不足の状況が続く中、採用競争が激しさを増し、適正な人材の確保が困難な状況となっております。特に国際貨物輸送サービスでは、日本国内及び世界各国の物流事情に精通した知識と経験を持つ人材が必要不可欠であり、今後の事業の拡大及び海外展開を加速させる上で、人材確保と育成は、重要な経営課題であり、また当社グループの成長を支える重要な要素であると認識しております。

人材の採用については、即戦力となる人材確保を目的とした中途採用及び将来を担う社員の育成と組織の活性化を目的とした新卒採用を行っております。

また、人材育成においても、採用後の新入社員研修、中途採用研修、オンライン研修、階層別研修などを充実させ、従業員一人ひとりの能力を十分に活かすための取り組みを推進するとともに、確保した人材の早期戦力化と定着化も図ってまいります。さらに、より適正な人事評価制度の構築や社員の給与体系などの待遇面の改善も図り、従業員がモチベーションを維持向上し、働くことができる環境の整備を行ってまいります。

 

③内部管理体制の充実と強化

当社グループでは、持続的な成長の維持と企業価値の向上を図るためには、内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実が必要不可欠であると認識しております。

当社グループは、事業拡大に伴う組織体制の見直しと整備を逐次実施するとともに、監査役と内部監査室の連携、定期的な内部監査の実施、経営陣や従業員に対するコンプライアンス研修の実施等を通じて、内部管理体制の強化を図り、コーポレート・ガバナンスの浸透に取り組んでおります。

今後もこの内部管理体制を有効に機能させることが企業価値をさらに高め、効率的かつ健全な企業経営を実現するものと認識し、より透明性の高い健全な企業経営を目指し、相互牽制の効いた内部管理体制の一層強化を図ってまいります。

 

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