当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度の業績につきましては、2020年に引続き新型コロナウイルスの影響を大きく受けました。一部の港において、コロナウイルスによる労働者不足で港湾作業が停滞するなどしたため発生した国際物流の混乱が継続しており、海上コンテナ運賃につきましては、引続き高止まりの状況にあります。
このような状況の中、当社は船会社と交渉して全力で海上コンテナスペースの確保に努めてまいりましたところ、既存顧客のみならず新規顧客の需要にもお応えすることができ、数量、売上ともに前年を大きく上回る水準で推移いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は35,266百万円(前連結会計年度比58.8%増)、営業利益は3,808百万円(同169.9%増)、経常利益は3,922百万円(同164.2%増)、また投資有価証券売却による特別利益49百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は2,783百万円(同227.2%増)と前年比において増収増益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(日 本)
日本における国際貨物輸送事業につきましては、輸出混載貨物を主力としております。当連結会計年度における売上高は、単体につきましては、海上コンテナスペースの確保に注力した結果、利益率の高い輸出混載貨物や、売単価の高い地域へのフルコンテナの取扱数量が増加し、増収増益となりました。
国内子会社におきましては、株式会社ユーシーアイエアフレイトジャパンは、海上コンテナスペースのひっ迫により航空輸送の案件を増やし新規取引を獲得したことで増収増益となりました。また、フライングフィッシュ株式会社は、食品輸入の取扱量が順調に推移する中、輸入運賃の高騰やフルコンテナによる食品輸出を増やしたことにより増収増益となりました。
この結果、日本セグメントにおける売上高は、24,792百万円と前年と比べ9,443百万円(61.5%)増加し、セグメント利益(営業利益)も2,566百万円と前年と比べ1,701百万円(196.7%)増加しました。
(海 外)
当社グループはアジア地域及び米国に連結子会社11社を有しております。これらの海外子会社では日本からの貨物の取扱が売上高の大半を占めておりますが、近年では日本発着以外のサービスも強化、推進しております。
当連結会計年度におきましては、日本からの貨物が増加した一方、フォワーディング案件や航空貨物案件も順調に取込み、韓国をはじめとする倉庫業では安定した収益を確保し増収増益となりました。
この結果、海外セグメントにおける売上高は、10,474百万円と前年と比べ3,613百万円(52.7%)増加し、セグメント利益(営業利益)も1,244百万円と前年と比べ665百万円(114.8%)増加しました。
① 財政状態の状況
総資産は前連結会計年度末に比べ3,968百万円増加し16,752百万円となりました。変動の主な理由は、現金及び預金が1,870百万円、売掛金が1,562百万円、韓国での新倉庫建設等による建物及び構築物(純額)が396百万円増加したこと等によるものであります。
負債合計は前連結会計年度末に比べ1,132百万円増加し4,052百万円となりました。変動の主な理由は、役員退職慰労引当金が297百万円減少した一方、買掛金が519百万円、未払法人税等が623百万円、株式給付引当金が32百万円増加したこと等によるものであります。
また純資産は前連結会計年度末に比べ2,835百万円増加し12,700百万円となりました。変動の主な理由は、利益剰余金が2,403百万円、為替換算調整勘定が354百万円、資本剰余金が46百万円増加したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度比1,870百万円増加し 8,678百万円となりました。その概要は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは2,551百万円の増加(前連結会計年度は1,189百万円の増加)となりました。主な収入は税金等調整前当期純利益の3,972百万円、仕入債務の増加475百万円、主な支出は売上債権の増加1,465百万円、法人税等の支払い413百万円、役員退職慰労引当金の減少297百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、428百万円の減少(前連結会計年度は67百万円の減少)となりました。主な収入は投資有価証券の売却による収入74百万円、主な支出は韓国での新倉庫建設等による有形固定資産の取得462百万円、差入保証金の差入62百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、546百万円の減少(前連結会計年度は554百万円の減少)となりました。主な支出は配当金の支払379百万円、リース債務の返済114百万円等であります。
資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、仕入代金、労務費ほかの販売費及び一般管理費並びに、成長、拡大をはかるための設備投資資金等であります。当社グループは、これらの資金需要に対しては、主に事業活動から生じる自己資金でまかなうことを原則としております。当連結会計年度末の状況は、上記のように、営業活動によるキャッシュ・フローの増加により、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,870百万円増加し8,678百万円となっております。
該当する事項はありません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.仕入内容は、船社運賃及び作業料、倉庫料等の外注費であります。
c.受注実績
該当する事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.当連結会計年度において、販売実績の10%以上を占める販売顧客に該当するものはありません。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性及び金額の妥当性に留意しながら会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。詳細につきましては、第5経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表の注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)をご参照ください。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、船社運賃、倉庫作業料、国内輸送コストの高騰等による仕入原価の上昇が挙げられます。本来、仕入原価の変動は売価への転嫁により解消され、一定の利益が確保されるというのが当社グループのビジネスモデルでありましたが、近年、業界の競争激化や商慣習の変化、顧客との年間通期契約の増加等により、売価への転嫁が困難となる状況が生じております。
当社においては、このような状況を背景としながらも、仕入原価の高騰を売価に転嫁すべく、お客様のご理解を得る努力を進めておりますが、今後も運賃の高止まりが長期間継続することになると、貿易活動が停滞し当社グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症による影響については、世界的にワクチン接種が進む一方、新種株のコロナウイルスが次々と現れ、再び各国で規制が実施されるなど感染の収束には更に時間を要し、先行きは不透明な状況となっております。
そのほか、当社グループの事業展開、経営成績及び財務状況等に重要な影響を与えるリスク要因については、「第2 事業の状況] の「2 事業等のリスク」の各項目をご参照ください。
③ 達成状況を判断するための客観的指標
2020年に策定いたしました第4次中期経営計画(2020年~2022年)については、当連結会計年度におきまして、目標としていた経営指標(2022年の売上300億円、営業利益率7%、ROE14%)を達成するに至りました。現在、この計数目標の取扱いについては検討中であり、方針が決まり次第、開示いたします。
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