事業の内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、地域別のセグメントから構成されており、「日本」及び「海外」の2つを報告セグメントとしております。事業内容においては、「日本」及び「海外」のいずれにおいても、国際貨物輸送事業並びにこれらの附帯事業を主たる事業としており同一の事業内容となっております。

当社グループは当社、連結子会社13社(国内2社・海外11社)及び非連結子会社1社(海外1社)計15社で構成され、船舶によって貨物を輸送する国際貨物輸送事業(NVOCC)(注1)を主な事業としております。

当社の海外連結子会社のうち8社は、いずれも当社及び国内子会社から輸送した貨物を海外の港において取扱う輸入代理店としての役割を担い、同時に、海外の顧客からお預かりした貨物を日本やその他諸国へ海上輸送する業務を行っております。また、インドの連結子会社1社はインド国内輸送を含む海運、空運、陸運、倉庫を総合的に運営する総合フレイトフォワーダー事業を営んでおり、韓国の連結子会社3社のうち2社は倉庫業を主たる事業とし、主力の海上混載貨物事業に活用するほか、最新の倉庫設備を活かした多様なサービスを行っております。

また、国内連結子会社2社のうち1社は国際航空貨物輸送を中心とする事業を行っており、他の1社は国際複合一貫輸送を主な事業としております。

 

主な事業の具体的なサービス内容は以下のとおりであります。

(1) 輸出混載(輸出LCL)サービス

輸出LCL(Less than Container Load)サービスとは、海上コンテナ(注2)に複数の顧客の輸出貨物を詰め合わせる混載輸送サービスです。コンテナ1本に満たない少量の貨物を複数の輸出業者から集め、同じ仕向地毎に1本のコンテナに詰合わせて輸送いたします。

このような混載輸送を行うためには、数多くの顧客を持ち、多くの仕向地に定期的にサービスを提供することが必須条件です。当社は日本の五大港(東京・横浜・名古屋・大阪・神戸)において世界各地の定期便による港への海上混載サービスを行っており、さらに清水・水島・広島・門司・博多からも五大港同様定期便により、韓国や中国、シンガポール等への海上混載サービスを提供しております。

現在ではこれらの日本の港から世界23カ国49都市向けに直行便の海上混載サービスを行っており、直行便がない国々へも、当社海外現地法人のあるシンガポール、香港、釜山等をハブ港として、中近東、中南米及びアフリカ等の諸国に向け同様に質の高いサービスを提供しております。

アメリカ向け貨物に関しては、ロサンゼルスをハブとして全米の主な都市まで鉄道やトラックによる混載輸送を行い、特に貨物量の多いシカゴとニューヨークへはそれぞれ日本から直行便サービスを行っております。

ヨーロッパにおいては各国の有力代理店と契約しており、ロッテルダム、ハンブルクを主要なハブ港として各地への海上混載サービスを行っております。

また、危険品等特殊な貨物の世界主要港へ向けての輸送サービスも行っております。

(2) 輸出フルコンテナ(輸出FCL)サービス

輸出FCL(Full Container Load)サービスとは、顧客の貨物をコンテナ単位で輸送するサービスです。コンテナ単位での輸送となるため、その顧客のニーズに合わせて世界各国の港だけではなく、鉄道やトラック輸送と組合わせて、中国内陸部や中央アジア、ヨーロッパの内陸国までの輸送が可能です。またリーファーコンテナを用いた食品や化学品等の温度管理が必要な貨物の輸送、危険品等の特殊な貨物の輸送にも対応できます。工場の設備を日本から海外の工場まで一貫して輸送するサービス等も行っております。

(3) 輸入混載(輸入LCL)サービス

輸入をしようとする顧客に海外からの貨物輸送サービスをご提供いたします。また輸送会社(B/L発行会社)(注3)の輸入代理店としての取扱サービスを行います。海外からの貨物の到着を輸入顧客にお知らせし、倉庫でコンテナから取出して輸入顧客に引渡します。

(4) 輸入フルコンテナ(輸入FCL)サービス

輸入にあたって顧客の貨物をコンテナ単位で輸送するサービスです。港で顧客へ直接コンテナを引渡します。また顧客からの依頼により、輸入貨物を倉庫で一時保管する他、工場等の指定場所までの配送を行っております。

 

 

なお、現在当社グループは、国際総合フレイトフォワーダー(注4)としてのサービスの充実をめざして事業を推進しております。これは上記の4つのサービスが主として輸出港から輸入港間の海上輸送サービス(Port to Port Service)であるのに対して、送り手荷主の工場や倉庫等からお客様の指定場所までの間を、海運に加えて空運、陸運、倉庫、通関、梱包等を総合的に組合わせて輸送する複合一貫サービス(Door to Door Service)を行うものであります。また、倉庫業については、近年、その需要も高まっていることから、当社事業の中核の一つへと成長させるべく、韓国、インド等海外を中心に積極的に展開しており、当社売上に占める割合も徐々に増加しております。

その他に、近時の日系企業製造設備の海外移転等を反映した三国間貿易(注5)に対応した輸出入輸送サービスを行っております。

 

(注) 1. NVOCC

Non-Vessel Operating Common Carrierの略です。船舶や航空機を所有せず、船会社や航空会社からスペースを借りて利用し、国際輸送を行う利用運送事業者のなかで主に海上輸送を行う事業者をNVOCCと呼びます。

2.海上コンテナ

機能や形状が国際的に標準化されているコンテナのことです。長さ20フィート(6m)と40フィート(12m)のものが最も多く流通しており、一般的な仕様のドライコンテナや温度調整機能のついたリーファコンテナ、液体を運ぶタンクコンテナなど様々な種類があります。

3.B/L

船荷証券(Bill of Lading)のことです。「(参考)国際海上輸送の流れ」の(注1)をご参照下さい。

4.国際総合フレイトフォワーダー

自らは船舶・トラックなどの輸送手段や倉庫を持たず、実運送事業者(船舶、航空、鉄道、貨物自動車など)や物流関連事業者(倉庫、通関、梱包など)を利用し、荷主の要望に応えてドアツードア輸送など最適な輸送手段を提供する事業者で、当社が現在目指している物流ビジネスモデル。更に近時は、サプライチェーンに携わり3PL事業サービスまで提供します。

5. 三国間貿易

自国の事業者が海外より商品を仕入れ、他国の輸入者へ、自国を経由せずに直接輸送する貿易形態をいいます。

 

 

(参考) 国際海上輸送の流れ

 


 

(注) 1.船荷証券(B/L:Bill of Lading)

運送人と荷主の間で物品運送契約を結んだことを証明する書類で、荷主の請求によって運送人が発行する。この場合、運送条件を規定する唯一のものは運送人の発行するB/Lであり、この意味ではB/Lは運送契約書の性格をもっている。B/Lには貨物輸送に関する荷主と運送人の権利義務関係が詳しく記載されており、荷主はブッキングすることによって、これらの諸条件を承諾したものと見なされる。またB/Lはその所有者に貨物を引渡すことを約束した引換証であり、流通性をもつ有価証券でもある。

                              (出典:「JCS 国際物流用語辞典」 社団法人日本荷主協会編)

2.当社が作業を委託する倉庫会社が行います。

3.当社が海上輸送を委託する船会社が行います。

4.当社が海上輸送を委託する船会社が行います。

 

 

当社グループの事業系統図は次のとおりであります。

なお、当社グループは、地域別のセグメントから構成されており、「日本」及び「海外」の2つを報告セグメントとしております。下記事業系統図において、「日本」には、「当社」及び「株式会社ユーシーアイエアフレイトジャパン」、「フライングフィッシュ株式会社」が該当し、「海外」には「海外現地法人子会社」が該当いたします。

 


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