業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の概要

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、各種イベントが中止または延期となるなど、企業の経済活動が制限を受けました。これにより企業収益や雇用・所得環境が悪化しました。ワクチン接種の普及による感染者数の減少や各種経済施策の効果もあり、緩やかな回復基調も見られましたが、変異株の感染拡大の動きは、収束することなく、景気の先行きは不透明な状況が続いています。

 このような状況のなかで、それぞれ異なる分野で事業活動を展開する当社グループは、感染予防の対策をとりながら、積極的な営業活動とサービスの提供に努めました。当連結会計年度における売上高は210億5千1百万円(前期比98.8%)となりました。

 また、徹底したコストの削減を図り収益の確保に全力を傾けました。利益面におきまして、営業利益は13億4千2百万円(前期比117.9%)、経常利益は14億4千1百万円(前期比114.2%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は8億1千8百万円(前期比122.4%)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より従来の「情報処理サービス事業」から「システム関連事業」へセグメントの名称を変更しております。

○ 放送事業

 放送事業におきまして、ラジオ部門では、スポット出稿は大幅な減少となりましたが、レギュラー番組のコーナー提供を中心にタイム出稿が堅調に推移し、売り上げを押し上げました。

 テレビ部門におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大きく落ち込んだ前期に比べ、収益の柱となるスポット収入が一部で回復基調を見せたことで、前期の収入を上回りました。

 その他の収入におきましては、引き続き当期も人を集める催事に関しては新型コロナウイルスの感染状況を鑑みながら、入場制限を行っての開催となり、収入は前期を下回りました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は57億7千1百万円(前期比1.8%増)となり、営業利益では2億8千万円(前期比20.3%増)となりました。

○ システム関連事業

 システム関連事業におきましては、首都圏開発案件や民間分野・ヘルスケア分野開発導入案件を順調に受注するなどしましたが、前期にあった学校ICT整備事業(GIGAスクール)の反動を補いきれず、売上につきましては前期を下回る結果となりました。しかしながら利益面につきましては、DX推進・サブスク型ビジネスへの対応によるWeb提案などデジタルマーケティングを推進し、業務の効率化を図る事により利益率は向上し増益となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は143億3千8百万円(前期比2.8%減)となり、営業利益では9億9千4百万円(前期比18.8%増)となりました。

○ 建物サービスその他事業

 建物サービスその他事業におきましては、営業部門においてセミナー用DVD制作や研修用動画制作などを受注して増収となりました。メディア部門でも、自治体からのライブ配信事業などを受注して増収となりました。施設管理部門では、指定管理業務の受託や新規の施設管理物件を受注したことにより増収となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は15億7百万円(前期比1.1%増)となり、利益面では仕入原価の高騰もあり、営業利益は6千7百万円(前期比16.5%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ17億3千4百万円増加し、当連結会計年度末には、83億7千6百万円となりました。

(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得た資金は25億6千6百万円となりました。主な要因といたしましては、仕入債務の減少4億3百万円、その他の資産の増加2億4千9百万円などのキャッシュ・アウトはありましたが、税金等調整前当期純利益16億4千3百万円、減価償却費8億6千5百万円、売上債権の減少7億5千2百万円、棚卸資産の減少2億5千万円などのキャッシュ・インによるものです。

 

(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は3億6千8百万円となりました。主な要因といたしましては、投資有価証券の売却による3億9千2百万円などのキャッシュ・インはありましたが、投資有価証券の取得による2億9千万円、有形固定資産の取得による3億9千7百万円などのキャッシュ・アウトによるものです。

 

(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は4億6千2百万円となりました。これは、主にリース債務の返済による3億8千6百万円、配当金の支払いによる5千2百万円などのキャッシュ・アウトによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループはシステム関連事業など若干の例外を除いて、放送事業、建物サービスその事業の性質上受注生産形態に馴染まない売上が多いため、生産規模及び受注規模を金額・数量で記載しておりません。

 このため、生産、受注及び販売の実績は「①財政状態及び経営成績等の状況」における各セグメントの経営成績にその概要を示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績の内容は、次のとおりであります。

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は210億5千1百万円(前期同期比1.2%減)となりました。売上高減少の主な要因としては、システム関連事業において、前期にあった学校ICT整備事業(GIGAスクール)の反動を補いきれなかったことによるものです。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、徹底したコストの削減を図ったことで、前年同期比17.9%増の13億4千2百万円となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度における経常利益は14億4千1百万円となり、前連結会計年度に比べ1億7千9百万円(前年同期比14.2%増)の増益となりました。営業外収益の主なものは受取配当金7千3百万円で、営業外費用では支払利息1千1百万円であります。

(特別損益)

 当連結会計年度において、特別利益は投資有価証券売却益など2億6千万円の計上となりました。特別損失では固定資産除却損など5千8百万円を計上いたしました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は16億4千3百万円(前年同期比23.8%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は5億8千5百万円(前年同期比28.8%増)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8億1千8百万円(前年同期比22.4%増)となりました。

 

② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度末の財政状態の内容は、次のとおりであります。

(イ)資産

(流動資産)

 前連結会計年度末に比べて、9億5千5百万円増加の135億6千1百万円となりました。これは、売掛金が7億2千4百万円減少したものの、現金及び預金が17億3千4百万円増加したことが主な要因であります。

(固定資産)

 前連結会計年度末に比べて、8千3百万円増加の127億3千4百万円となりました。これは、無形固定資産が5千1百万円、投資その他の資産が9百万円減少したものの、有形固定資産が1億4千3百万円増加したことによります。

 この結果、総資産は、262億9千5百万円となり、前連結会計年度末に比べて10億3千8百万円増加しております。

 

(ロ)負債

(流動負債)

 前連結会計年度末に比べて、2億9千1百万円増加の49億2千7百万円となりました。これは、未払金が3億6千3百万円、賞与引当金が6千万円減少したものの、未払法人税等が2億7千2百万円、契約負債が8千9百万円、その他の流動負債が2億7千2百万円増加したことなどによります。

(固定負債)

 前連結会計年度末に比べて、1千7百万円減少の10億9千4百万円となりました。繰延税金負債が7千8百万円増加したものの、リース債務が5千7百万円、退職給付に係る負債が1千7百万円、その他の固定負債が2千2百万円減少したことなどによります。

 この結果、負債合計は、60億2千1百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億7千4百万円の増加となりました。

(ハ)純資産

(株主資本)

 当連結会計年度末残高は、174億8千7百万円となりました。これは、利益剰余金が7億6千5百万円増加したことによります。

(その他の包括利益累計額)

 当連結会計年度末残高は、3億1千万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金2億4千4百万円、退職給付に係る調整累計額6千6百万円によります。

(非支配株主持分)

 当連結会計年度末の残高は、24億7千5百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億2千7百万円増加しております。

 この結果、純資産合計は、前連結会計年度末に比べて7億6千3百万円増加の202億7千4百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標

 

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

68.3

67.7

時価ベースの自己資本比率(%)

30.3

29.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

0.3

0.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

102.7

233.2

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループでは、連結財務諸表の作成にあたって、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響等、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

(イ)繰延税金資産

 繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込等を勘案し、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収可能性が認められないと判断した場合には適正と考えられる金額へ減額する可能性があります。

(ロ)貸倒引当金

 当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額に対して貸倒引当金を計上しております。債権の回収可能性について疑義が生じた場合、追加引当が必要となる場合があります。

(ハ)製品保証引当金

 製品販売後に発生する製品保証費用に備えるため、翌連結会計年度末以降に発生が見込まれる当該費用の見積額を製品保証引当金として計上しております。当該見積りには、保証に係る工数の見込みなどの仮定を用いております。当該仮定について、新たな事実の発生により工数等の見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する製品保証引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。

(ニ)市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法

 市場販売目的のソフトウェアの減価償却は、製品ごとの未償却残高を、見込販売収益を基礎として当連結会計年度の実績販売収益に対応して計算した金額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか多い金額で償却を行うものとしております。見込販売収益には翌期以降の販売見込みなどの仮定を用いており、見込販売収益が期末帳簿価額を下回った場合、帳簿価額と見込販売収益との差額を損失として計上する可能性があります。

(ホ)投資の減損

 当社グループは、取引関係維持のために取引先や金融機関の株式を保有しております。これらの株式には、価格変動性の高い公開会社の株式と、株価の決定が困難な非公開会社の株式が含まれております。公開会社の株式への投資の場合、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に減損処理を行っております。また、非公開会社の株式への投資の場合、それらの会社の純資産額が取得価格に比べて50%以上下落した場合に減損処理を行っております。

 将来の指標悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能額を生じた場合、評価損の計上が必要となる場合があります。

(へ)固定資産の減損

 当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として事業の種類を基本単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。

 回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれる場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。

 

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