課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、企業活動を通じて公共の福祉、文化の向上、産業と経済の発展に寄与することを基本理念としております。この理念のもとに、社会的な責任を果たすことにより、企業価値の向上を図り、長期にわたり安定的な経営基盤の確保に努めることを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループの中核をなす放送事業は今年、開局70周年を迎えました。テクノロジーの急速な進歩や新型コロナウイルスの影響などで、その事業環境は大きな変革期を迎えています。この70年間で培った制作力を軸に、放送から様々なメディアへと領域を広げ「地方放送局」から「地域メディア」へと歩みを進めてまいります。

 ラジオ放送・地上波テレビ放送の広告費が減少する中、地方局にとって大切なのが地域密着です。地域や地元企業に寄り添い、一緒になって様々な課題を解決して新潟の持続的な発展に貢献したいと考えています。このためにも欠かせないのがDXの推進です。時代や環境の変化に柔軟に対応し、デジタル技術を駆使することで新規ビジネスを創造する。それを地域課題の解決につなげることは地域メディアの重要な使命だと感じております。スマートフォンやタブレットの普及でメディア環境が激変する中、地域のいのちや暮らしを情報で守るというローカル放送局の使命を配信の分野でも果たしていかなくてはなりません。動画や文字情報の充実にもさらに取り組んでいきたいと考えております。

 当社は国連のSDGメディア・コンパクトに加盟しています。SDGs(持続可能な開発目標)達成に向け、重点的に取り組むゴールとして「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」「住み続けられるまちづくりを」「パートナーシップで目標を達成しよう」の5つを掲げ、定期的に「BSN SDGs WEEK」を実施するなどラジオ・テレビ・ネットを通じ情報発信に努めています。また世界的に気運が高まっているカーボンニュートラルに対しても、消費電力を抑えるなどの企業努力を重ね、貢献してまいります。

 地域メディアへの転換に必要なのが当社グループの連携強化です。システム関連やメディアコンテンツ制作などそれぞれの強みを生かし、グループ会社間の共同事業を推し進め、持続的な成長を果たしてまいります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループでは、以下の4点を重要課題として取り組んでまいります。

① 放送技術・映像技術等の高度化への対応

 すでにVR(バーチャルリアリティ)の撮影・編集ができるシステムを導入し、普及を図っていますが、新ビジネスへの利用を模索しております。VR活用で仮想現実を体験できるイベントなどの実施を視野に入れています。また、俯瞰映像として利用が欠かせないドローンなどを導入し、地域映像の魅力発見に努めているほか、4Kカメラを導入してノウハウを蓄積し、高画質放送の映像高度化に対応してまいります。

② 新規ラジオリスナー層の獲得

 インターネットを通じての配信サービス「radiko.jp」による視聴を意識した番組作りを進め、いつでも聴けるタイムフリー機能、エリアを越え県外から聴くことができるエリアフリー機能で新規リスナーの獲得を目指しています。また、ワイドFM(FM補完放送)により、クリアな音質で放送を楽しめる領域が広くなりました。

 これにより、AM放送が聴き取りにくい難聴エリアの問題も解消され、災害時に頼りになるメディアとしての機能も強化されております。こうした機能を生かし、ラジオリスナー層の拡大を図ってまいります。

③ メディアの多様化への対応

 インターネット広告が地上波テレビ広告費を上回り、若者を中心としたテレビ離れの傾向が色濃くなり始めました。そうした年代層に、いかにアプローチしていくかは、大きな課題であります。BSNでは、インターネットをラジオ・テレビと並ぶ情報発信の柱と考え、BSNアプリを導入しています。アプリが視聴者・リスナーとつながる一つのツールであり、様々な活用を模索しています。またテレビ離れを食い止めるため、4歳から49歳を主なターゲットとしてテレビ番組の制作・編成に努力しています。

④ グループ戦略への取組み

 ITを含めた様々な事業分野を展開する当社グループでは、それぞれの強みを生かし、グループ会社間の共同事業の推進を図ってまいります。グループとして、特にこれまでの数十倍の通信速度となる5Gが、単に放送に留まらず、生活の様々な分野を変えていくものとなることが予想され、グループ各社が得意とする情報と映像、ICTを組み合わせ、ビジネスにつなげていかなければならないと考えております。また新型コロナウイルスの影響で新生活様式が取り入れられていく中、グループが得意とするIT分野はより活躍の場が広がり、ニーズが高まるものと考えています。

(4)経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等

 当社グループは、目標とする経営指標として売上高営業利益率を重要な指標として認識し、今後も事業の効率化を進め目標の達成に努めてまいります。

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得