課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、「人をつなぐ、価値をつなぐ」という理念ステートメントのもと、安心で快適な社会の実現に貢献することで、全てのステークホルダーの皆様との信頼の絆を深め、継続的な企業価値の向上を図りたいと考えております。

 


 

(2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

<経営環境>

当社が事業活動を主に展開する携帯電話市場におきましては、通信キャリア各社の料金値下げや端末価格の競争による市場の活性化・流動化、オンライン専用プランの普及が想定されます。キャリア認定ショップにおいては、オンライン専用プランの普及等により、来客は減少傾向が続くものと見ており、店舗数の最適化や少人数で対応可能な店舗運営の実現が求められる見込みです。一方、デジタル化進展による情報格差の広がりや「5G」(第5世代移動通信システム)に対応した携帯電話端末の普及や関連サービスの高度化に伴い、リアルのお客様接点の価値は増大していくものと予想しております。また、「ニューノーマル(新しい生活様式)」時代への変化は今後も加速していくものと見ております。法人分野においては、企業のDX・働き方改革実現のためのIT投資が加速することで、法人向けモバイルソリューションの活用範囲の拡大や5G・IoT技術の活用促進が期待されます。

 

<中計経営計画の取り下げについて>

当社は、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、デジタル化進展による情報格差の広がりや5G端末普及による関連サービスの高度化等を見据え、3つの基本戦略を柱として取組みを進めてまいりました。
 2022年3月期の事業年度においては、基本戦略の一つである「独自サービスとソリューションの拡大」の取組みが順調に進み独自ビジネス収益は堅調に拡大しました。また、「生産性の革新」においても店舗業務や基幹業務のDX推進により、大幅な改善が図られてきました。一方で、当社の主要事業であるキャリア代理店ビジネスは短期間で大幅に収益が悪化しました。通信キャリアの料金競争激化により代理店手数料が減少することは、中期経営計画に一定金額織り込んでいましたが、条件悪化のスピードと規模感は想定以上のものでした。さらに、一部の通信キャリアにおいては、キャリアショップのあり方に関する見直しの議論が始められております。そのような事業環境の中、中長期的な通信キャリアの方針や代理店施策の方向性を確認した上で、新たな戦略を策定する必要があることから当該中期経営計画を取り下げることとしました。

2023年3月期は単年度の計画として、キャリアショップビジネスの収益性の抜本的な改善に取り組むと同時に新規事業収益源の確保に布石を打ち、新たな中期経営計画につきましては、2024年3月期を初年度として策定し開示を予定しております。

 

<対処すべき課題>

2023年3月期につきましては、経営環境を踏まえ、経営課題と認識している以下の活動に注力してまいります。

①コンシューマ事業
・キャリア代理店ビジネス
 店舗の統廃合やダウンサイジング、オペレーション改革を推進し、店舗運営の再構築に努めてまいります。また、出張販売や外販の新たな手法を模索することで営業強化を図り、販売台数増加やキャリア指標向上に繋げることで、収益改善に努めてまいります。
 
・独自ビジネス
 暮らしのスマホ教室を軸とした教室関連事業の拡大や総務省・地方自治体が実施する「デジタル活用支援推進事業」、シニア顧客接点を持つ企業との連携により、顧客基盤を拡大させ、デジタルライフサポート事業に展開を図ってまいります。
 
②法人事業
・キャリア代理店ビジネス
 通信キャリア再編等の事業環境変化に対応し、営業体制を再構築するとともに、より一層デジタル化を推進することで営業手法を高度化し、持続的に収益を確保してまいります。
 
・独自ビジネス
 テレワークの拡大やDXの推進が進む中、顧客接点のデジタル化および製品・サービスの標準化により、中堅中小企業を中心にDX提案を加速してまいります。また、製造現場や建設現場、5G活用分野等の顧客層に対するIoTソリューションの実用化を促進してまいります。 

 

③経営基盤の強化
・資本・ガバナンス戦略
 財務の健全性と株主価値の持続的な拡大を目指し、配当性向40%を目処とし、安定的かつ継続的な配当を実施してまいります。さらに、継続的にコーポレート・ガバナンス体制を強化してまいります。
 
・投資戦略
 戦略的意義や経済合理性を勘案し、長期的に事業を支える分野や新たな事業への投資を積極的に実行してまいります。
 
・人事戦略
 環境変化に即した働き方と新しい取組みへ挑戦する機会の提供により、従業員のエンゲージメントを高めてまいります。また、多様な人財が最大限に能力を発揮できる会社を目指し、「ダイバーシティ推進委員会」を中心に取組みを加速してまいります。
 
・コンプライアンス戦略
 コンプライアンスは全てに優先する課題と認識し、故意過失含め持続的に牽制が効く仕組みを構築し続けてまいります。

 

・SDGs経営
 SDGsの達成のため、以下の5項目を重要課題とし、本業・専門分野を通じて、社会の持続的な成長に貢献してまいります。
(1)情報格差の解消と豊かな情報社会の実現
(2)ビジネス社会のDX推進
(3)事件・事故の発生防止と自然災害に強い社会づくりへの貢献
(4)環境問題への取組み
(5)ダイバーシティ&インクルージョンの推進

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