当社の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。また、必ず
しもそのような事業上のリスクに該当しない事項であっても、投資家の投資判断上、重要であると考えられるものに
ついては、積極的なディスクロージャーの見地から記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識
した上で、発生の回避に努めるとともに発生した場合の影響を局地化・極小化する所存でありますが、当社への投資
判断は、最終的には投資家の慎重な判断と自己責任において行われる必要があります。なお、文中における将来に関
する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は、契約の取次ぎ時等に契約者から通信キャリアに対して開示された個人情報を取扱っております。また、その他の当社が取扱うサービスにおいても、個人情報を取得しております。契約の取次時等は、通信キャリアの厳格な規程及びマニュアルに従うとともに、その他の当社が取扱うサービスも含め、従業員教育と取引先管理に努め、特に個人情報を集積する業務範囲(注1)を対象にISO27001(注2)認証を取得する等、事故を抑止できる万全な管理体制の整備を進めておりますが、万が一漏洩事故が発生した場合、取引先に対する当社グループの責任を問われるとともに当社グループの評判を低下させ、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が漏洩するのみならず、当社システムの運用に障害が生じる可能性があります。
(注1) 認証業務範囲
(イ) 開通センター・物流センターにおけるモバイル端末等の契約取次に関わる業務
(ロ) ネットワークソリューション・モバイルソリューション業務
(ハ) 本社・支社及びビジネスセンターにおける法人顧客に対する携帯電話等の通信サービスの契約取次、アフターサービスの提供及び携帯電話端末等の販売に関する業務
(注2)情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格
通信キャリアの販売代理店業務については、「電気通信事業法」、「独占禁止法」(私的独占の禁止及び公正取
引の確保に関する法律)、「下請代金支払遅延等防止法」、「景品表示法」(不当景品類及び不当表示防止法)、「個人情報保護法」、「携帯電話不正利用防止法」(携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)、「青少年インターネット環境整備法」(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)、「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」、「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」及び一般社団法人電気通信事業者協会が定める「代理店の営業活動に対する倫理要綱」等の法的規制があります。また、上記に加え、2020年3月に開始した保険代理店事業については、「保険業法」及び「保険業法施行令」等の法的規制があります。当社は、当該法令等を遵守するために、従業員への教育を含めた社内管理体制の強化に努めておりますが、万が一当該法令等に違反した場合には、損害賠償請求や代理店契約の解除、営業停止等の処分を受ける可能性があり、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
③ 総務省によるルール改正等の影響
総務省により、2019年1月に「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言」が発表され、2019年10月に改正
「電気通信事業法」が施行されました。また、2020年3月に「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイド
ライン」が改定されました。当社は販売代理店として日頃より適切な業務遂行に努めておりますが、今後、関連す
る法令等の改正によっては、通信キャリアの施策並びに携帯電話市場全体に影響が及び、当社の事業及び業績にも
影響を及ぼす可能性があります。
当社の売上高は携帯電話販売代理店事業が多くを占めております。携帯電話市場は買替を中心に安定的な需要が
期待できますが、万が一携帯電話サービス・商品そのものが魅力を失う、もしくは代替するサービス・商品が現れ
た場合には、その販売規模が著しく縮小する等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、今後事業拡大のために同業他社の事業譲受や買収、あるいは当社傘下への販路取り込み等を行う可能性
があり、当該買収によるのれんの発生等が当社の財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。また、市場
動向や経済環境によっては、当該買収等が当初想定した結果を生み出す保証はなく、当社の業績に影響を及ぼす可
能性があります。
なお、2012年10月1日のパナソニックテレコム株式会社との合併によるのれん等も、上記と同様に当社の業績に
影響を及ぼす可能性があります。
当社は、携帯電話端末の販売や回線の取次ぎ又はアフターサービスに関して、通信キャリアから手数料を収受し
ております。これらの手数料は、通信キャリア毎に体系が異なっており、その種類、単位金額、対象期間、対象顧
客、支払対象となるサービス業務の内容、支払通信料金に対する比率等は、各通信キャリアの業績状況や販売方針
により、都度見直される可能性があります。また、通信キャリアとの代理店契約上、当社経由で契約した利用者が
一定の期間内に当該契約の解除等を行った場合には、当該契約取次ぎ時に通信キャリアから当社に支払われた手数
料の一部を返却することとなっております。なお、これらの取引の前提となっている通信キャリアとの間の代理店
契約についても、概ね1年毎に自動更新されますが、契約上は、通信キャリア及び当社の双方とも、事前告知の上
解除することが可能となっております。このような営業政策及び契約の変更は当社の業績に重大な影響を及ぼす可
能性があります。
当社は、通信キャリアとの代理店契約に付随する業務委託契約に基づきキャリア認定ショップを全国に展開して
おり(当社が所有又は賃貸する301店舗のほか、二次代理店に運営を委託している139店舗があります。)、今後と
も新規出店と収益性の見地からの配置見直しを継続する方針であります。しかしながら、キャリア認定ショップは通信キャリアによりその運営主体が選定されること及び既に多数のキャリア認定ショップが存在し新規出店余地に限りがあることから、必ずしも当社の計画通りに運ばない場合があります。また、二次代理店に運営を委託しているケースにおいては、当該二次代理店の経営方針によって当社の店舗網のサービス品質が変動する可能性があり、その結果当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、株式会社NTTドコモの販売代理店事業を中心に事業を行っております。株式会社NTTドコモは、2022年3
月末時点での携帯電話等の加入者に占めるシェアを約44%保持する(一般社団法人電気通信事業者協会による)
業界トップ企業であります。当社は、携帯電話市場の萌芽期から株式会社NTTドコモと営業戦略を共有し、ドコモ
ショップの展開や大手量販店等の有力販路の開拓に経営資源を投入してきており、このことが当社の高い収益性の
源泉でもあります。しかし、通信キャリア間の競争等により、同社の顧客基盤が極端に縮小するような事態が生じ
る場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
労働市場においては、少子化に伴う若年層の労働力不足が年々深刻化しており、人財の安定的な確保が今後一層
厳しくなることが予想されます。当社が事業を営む携帯電話販売業界においては、スマートフォンやタブレット等
の機能高度化に加えサービスの多様化や接客時間の増加に伴い、店舗販売員の負担が多くなっており、店舗販売員
の安定的な確保及び定着率の向上が益々課題となっております。当社はこれまで、総労働時間の削減や長期休暇の
取得促進など「働き方改善」に継続的に取り組んだ結果、従業員のワーク・ライフ・バランスの充実と生産性向上
を実現してきました。また、同一労働同一賃金に対応した人事制度を2020年4月1日より導入し、店舗販売員の処
遇改善にも努めてきました。今後も、更なる人財への積極投資を進めるとともに、当社の全社共通教育システムで
ある「コネクシオカレッジ」の推進による従業員の能力開発や2020年10月に発足した「ダイバーシティ推進委員
会」を中心に、多様な人財が最大限に能力を発揮できる会社を目指してまいります。
しかしながら、店舗販売員をはじめとする従業員が計画通りに確保できない場合及び定着率が悪化する場合に
は、当社の業績は不安定となる可能性があります。
<災害・感染症等に関するもの>
⑩ 災害・感染症等による影響について
当社は、地震、台風/大雨、洪水/浸水、大雪、津波、落雷などの天災ならびに停電、交通途絶、火災、爆発事故などの人災、さらにはインフルエンザといった感染性の高い疫病の蔓延、強毒性のインフルエンザや感染力の強い新型感染症の社内罹患者の発生及び発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、事業継続計画(BCP)の策定と災害予防策・防災訓練の実施、災害対策本部による連絡体制の整備、損害保険の付保等によるリスク管理に努めております。
気候変動においては、2021年10月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業や金融機関等からなるTCFDコンソーシアムに参画いたしました。気候変動が事業にもたらすリスクや機会についての分析と対応を一層強化し、情報開示を進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症においては、政府による緊急事態宣言および総務省からの要請を受け、通信キャリアの方針に基づき、店舗運営に制限を受ける場合があります。また、社内外への感染被害抑止と従業員の安全確保の観点から、テレワークおよび交代勤務を積極的に実施するとともに、運営するキャリア認定ショップにおいては、接客時間の短縮や可能な限り待合席の間隔をあけ、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を確保する等の工夫をしております。現在のところ、業績及び財政状態に与える影響が著しく大きくなることはないと判断しており、2023年3月期の業績予想に影響は織り込んでおりません。
しかしながら、災害・感染症等が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
提出日現在、伊藤忠商事株式会社は当社の議決権の60.36%を所有する親会社であります。取引関係・人的関係
等については限定的であり、親会社との資本関係に変化が生じたとしても事業に与える影響は軽微であると考えら
れます。
お知らせ