業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

  当連結会計年度におけるわが国経済は、断続的な新型コロナウイルス感染症拡大等の影響による原材料やエネルギー価格の高騰に加え、ウクライナ情勢等のリスクによる供給面での制約も懸念されるなど、先行きが一層不透明な状況が継続しております。

  エネルギー業界におきましては、電力・ガス小売り全面自由化を契機とした業種や地域の垣根を越えた事業者間の競争激化に加え、「2050年カーボンニュートラル宣言」を受け社会全体の課題として脱炭素社会の実現が求められるなど、大きな転換期を迎えております。

  こうした情勢下にありまして、当社グループは総力をあげて都市ガスの普及拡大、保安の確保及び将来に向けた事業基盤の強化に取り組んでまいりました。

 

 a.経営成績

  当連結会計年度の売上高は、春先の気温が高く推移したことによる給湯・空調用需要の減少があったものの、原料費調整に伴いガス料金単価が引き上げとなったことに加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による前期の業務用を中心としたガス販売量の減少から一部回復が見られたこともあり、523億56百万円(前期比8.3%増)となりました。

  営業費用につきましては、前期の見附市ガス事業譲受け当初に発生した費用などの減少があったほか、経営全般にわたり経費の削減に努めましたものの、LNG価格の上昇に伴う原料費の増加があったことから、512億74百万円(前期比11.2%増)となりました。

  その結果、営業利益は10億81百万円(前期比51.7%減)、営業外収益及び営業外費用を加えた経常利益は13億35百万円(前期比46.8%減)、投資有価証券の一部売却に伴う特別利益の計上により親会社株主に帰属する当期純利益は9億53百万円(前期比40.7%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 なお、売上高及びセグメント利益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでおります。

 <都市ガス>

  ガス販売量につきましては、春先の気温影響による給湯・空調用需要の減少があるものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い減少していた業務用の販売量が一部回復したことにより、455,152千㎥(前期比2.3%増)となりました。

  都市ガス事業(付随する受注工事及び器具販売を含む)の売上高は、原料費調整に伴うガス料金単価の引き上げなどにより487億87百万円(前期比10.5%増)となりました。一方、セグメント利益はLNG価格の上昇に伴い原料費が増加したことから7億37百万円(前期比58.0%減)となりました。

 <その他>

  その他の事業の売上高は78億43百万円(前期比1.2%減)、セグメント利益は3億88百万円(前期比25.4%減)となりました。

(注)ガス量は本報告では、特に記載のある場合を除き、全て1㎥当たり45メガジュール換算で表示しております。

 

 b.財政状態

  当連結会計年度末の資産につきましては、有形固定資産の減少はあるものの、投資その他の資産や売掛金残高等の増加から前連結会計年度末に比べ17億38百万円増加の636億34百万円となりました。

  負債につきましては、長期借入金が減少したものの、買掛金等の増加により前連結会計年度末に比べ12億84百万円増加の129億7百万円となり、純資産につきましては、当期の利益計上による利益剰余金の増加などから前連結会計年度末に比べ4億54百万円増加の507億26百万円となりました。

  これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.4ポイント減少し74.7%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ18億94百万円増加し、48億44百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業活動におきましては、売上債権の増加が9億85百万円あったものの、減価償却費が60億98百万円計上されたこと及び税金等調整前当期純利益が15億21百万円計上されたこと、仕入債務の増加が14億86百万円あったことなどにより、79億59百万円(前期比1.7%増)の増加となりました。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>
 投資活動におきましては、有形固定資産の取得による支出が47億8百万円あったことなどにより、49億72百万円(前期比42.7%減)の減少となりました。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>
 財務活動におきましては、長期借入金の返済による支出が6億92百万円、配当金の支払額が3億83百万円あったことから、10億93百万円(前期比758.2%増)の減少となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、都市ガスを中心とした生産及び販売活動を行っておりますので、都市ガス供給事業に限定して記載しております。

a.生産実績

項目

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前期比(%)

製品ガス

185,419千㎥

97.5

(注)1.1㎥当たり45メガジュールで表示しております。

2.上記表に含まれていない当連結会計年度の「製品ガス仕入」は275,842千㎥(前期比107.0%)であります。

b.受注実績

 当社グループは事業の性質上受注生産は行っておりません。

c.販売実績

 当社グループの主製品である都市ガスは製造工場から導管により直接お客さまに販売しております。

イ ガス販売実績

項目

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

数量(千㎥)

前期比(%)

金額(千円)

前期比(%)

ガス販売量

455,152

102.3

44,093,515

112.0

 (注) 1㎥当たり45メガジュールで表示しております。

ロ ガス普及状況

 当社グループにおける都市ガスお客さま数は、連結財務諸表提出会社がその大半を占めておりますので、以下は連結財務諸表提出会社のガス普及状況について記載しております。

地区別

供給区域内世帯数(世帯)

都市ガスお客さま数(件)

普及率(%)

新潟地区

265,466

257,815

97.1

長岡地区

143,962

133,528

92.8

柏崎地区

33,527

30,338

90.5

442,955

421,681

95.2

前期末計

442,643

420,850

95.1

 (注)1.供給区域内世帯数は各地区内の市町村の統計資料から推計した一般世帯数であります。

2.都市ガスお客さま数はガスメーター取付数であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、天候による気温、水温の変動がガスの需要に影響することから、当連結会計年度において春先の気温が高く推移したことにより給湯・空調用需要が減少しました。一方、前期において新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて減少していた業務用のガス販売量は一部で回復が見られ、都市ガス販売量は前連結会計年度に比べ2.3%増加の455,152千㎥となりました。売上高につきましては、原料費調整に伴うガス料金単価の引き上げがあったほかガス販売量の増加もあり、前連結会計年度に比べて8.3%増加し523億56百万円となりました。

 売上原価につきましては、LNG価格の上昇に伴う原料費の増加に加えてガス販売量が増加したこともあり、前連結会計年度に比べ16.4%増加し304億65百万円、供給販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ4.5%増加の208億9百万円となり、営業費用としては前連結会計年度に比べ11.2%増加の512億74百万円となりました。

 この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ1.2%減少し218億91百万円、営業利益は前連結会計年度に比べ51.7%減少し10億81百万円となりました。

 営業外収益は前連結会計年度に比べ6.0%減少の2億59百万円、営業外費用は前連結会計年度に比べ19.8%減少の6百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べ46.8%減少し13億35百万円となりました。投資有価証券の一部売却に伴う特別利益を加えた親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ40.7%減少の9億53百万円となりました。

 

 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 都市ガス事業(付随する受注工事及び器具販売を含む)の経営成績に重要な影響を与える要因として、天候による気温、水温の変動がガスの需要に影響し、前期と比べて春先の気温が高く推移したことによる給湯・空調用需要の減少があったものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から業務用需要が一部回復したことにより、都市ガス販売量は前連結会計年度を上回りました。売上高は、原料費調整に伴うガス料金単価の引き上げがあったことに加え、春先の気温の影響により給湯・空調用のガス販売量が減少した一方、業務用を中心に新型コロナウイルス感染症拡大の影響により減少していたガス需要が一部回復し、全体ではガス販売量が前期を上回ったこともあり、前連結会計年度に比べ10.5%増加の487億87百万円となりました。セグメント利益につきましては、LNG価格の上昇に伴い原料費が増加したことから前連結会計年度に比べ58.0%減少の7億37百万円となりました。

 その他の事業の売上高は、連結子会社における管工事・土木工事の減少のほか、空調機器の販売・施工の減少により、前連結会計年度に比べ1.2%減少の78億43百万円となり、セグメント利益は25.4%減少の3億88百万円となりました。

 なお、上記の金額は部門間の内部取引を含んだものであります。

 

②資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備資金を内部資金または借入れにより資金調達することとしております。このうち、借入れによる資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、ガス導管の更新等の設備資金については固定金利の長期借入金で調達しております。

 当連結会計年度末における有利子負債の残高は、前連結会計年度末に比べ6億92百万円減少の6億61百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は48億44百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら、これらの見積り、予測は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 見積りや予測を伴う項目につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項)」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があると識別した項目はありません。

 

 また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響につきましては、当面は業務用を中心としたガス需要への影響が一定程度継続すると想定しておりますが、現時点において当社グループの事業運営に重要な影響を及ぼすものではなく、業績への影響は限定的であるため、会計上の見積りに重要な影響を与えるものではないと考えております。

 

 当連結会計年度の経営成績等につきましては上記のとおりでありますが、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載してあるとおり、当社グループは今後もお客さまから信頼され、選択され続ける企業グループであるために、地域社会に根ざしたエネルギー事業者としてその役割を果たしてまいります。

 

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